「オメガの型番にはどんな意味があるの?」
「オメガの型番の読み方が知りたい」
「311.32.42.30.04.003」「231.10.39.60.06.001」「424.20.33.20.13.001」…
オメガの型番を見ると、他のブランドと比較して型番が長くて分かりにくいと思われる方が多いです。
現に店頭でもお客様にお伺いされることが増えています。
そんなオメガの型番の読み方が知りたいという人は多いのではないでしょうか。
オメガの型番には6つの数列があり、それぞれ「型番・素材・ケースサイズ・ムーブメント・文字盤・進化の軌跡」とされています。
この記事ではオメガの型番の読み方を、GINZA RASINスタッフ監修のもと詳しく解説します。
旧型の型番についても解説しますので、オメガの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
オメガの型番法則
現行オメガの型番は「.」で区切られた”6つの数列”に分かれています。数列にはそれぞれ意味があり、1つ1つ解析することによって「その時計がどんな時計なのか」を知ることが可能です。
型番から読み解ける情報はモデルナンバー、ケース素材、ムーブメントの種類、文字盤の色など。
古いモデルに関しては「33560-50」など、桁数が異なるモデルも存在しますが、今回は現行の6桁型番を参考に順を追って説明していきます。
オメガの型番法則 冒頭3桁の数列:型番
1番最初に記される3桁の番号は型番を指す重要な数字です。この最初の数字によって、その時計のモデル名を判別します。
オメガの人気モデルにはそれぞれ以下のようなナンバーが付随されており、3桁の1番左の数字によってシリーズごとに分けられていることが特徴です。
コレクション名 | 数字 |
---|---|
コンステレーション | 123:グローブマスター / 130:コンステレーション |
シーマスター | 212:シーマスター ダイバー300M / 225:シーマスター ブルヘッド / 227:シーマスター プロプロフ / 231:シーマスター アクアテラ / 232:シーマスター プラネットオーシャン / 233:シーマスター シーマスター300 |
スピードマスター | 311:スピードマスター プロフェッショナルムーンウォッチ / 318:スピードマスター スカイウォーカーX-33 / 324:スピードマスター レディース / 325:スピードマスター スペースマスターZ-33 / 326:スピードマスター レーシング / 327:スピードマスター マークⅡ / 331:スピードマスター ’57 |
デ・ヴィル | 424:デ・ヴィル プレステージ / 425:デ・ヴィル レディマティック / 431:デ・ヴィル / 432:デ・ヴィル トレゾア / 433:デ・ヴィル アワービジョン |
※513:限定モデルには例外ナンバーがつけられる場合もあります。
オメガの型番法則 2番目の数列:ケース/ベゼル素材、ブレス素材
2番目の数列は素材番号です。ケースやベゼル、ブレスレットにどのような素材が使われているかによって、この数字が変わります。
尚、素材番号は2桁で構成されていますが、左の数字は「ケースとベゼル」の素材番号を指し、右の数字はブレスの素材番号を表します。
主な素材番号は以下の通りです。
左の番号
数字 | ケース/ベゼル素材 |
---|---|
1 | ベゼル、ケース共にステンレス |
2 | コンビ |
3 | ベゼルがステンレス以外で、ケースがステンレス |
5 | ゴールド素材 |
6 | ベゼルがゴールド素材以外でゴールドケース |
9 | チタン or プラチナ(950) or セラミックケース |
※4/7/8は該当なし
右の番号(ブレス素材)
数字 | ブレス素材 |
---|---|
0 | 左の番号と同じブレスタイプ |
2 | カーフ、ラバー、NATOベルト等のベルトタイプ |
3 | クロコ革ベルト |
5 | ベゼルがステンレス以外で、ケースがステンレス |
7 | ベゼルダイヤでクロコ革ベルト以外のベルト素材 |
8 | ベゼルダイヤでクロコ革ベルト |
※1/4/6は該当なし
具体例
オメガ シーマスター 220.10.41.21.03.002
左の桁:オールステンレスを表す「1」。右の桁は左の桁と同じ素材を意味する「0」。合わせて「10」になります。2番目の数列がこの数字になることは非常に多いです。
オメガ スピードマスター 311.33.40.30.02.001
左の桁:ベゼルがステンレス以外、ケースはステンレスを表す「3」。右の桁:クロコ革ベルトを表す「3」。合わせて「33」になります。ケース・ベゼルと違うベルトタイプの時計は右の桁が「0」になりません。
オメガ スピードマスター 324.23.38.50.02.002
斬新な色使いで話題を生んだスピードマスターカプチーノ。ベゼルがゴールド、本体がステンレスということで左の桁は「2」。ベルトにはクロコ革ベルトが使われているため、右の桁は「2」となり、合わせて「23」となります。
オメガ コンステレーション 123.25.24.60.55.002
コンステレーションに多く見受けられる「15」と「25」の番号。レディースモデルはベゼルダイヤが多いため、右の桁が「5」になることが多いです。
オメガの型番法則 3番目の数列:ケースサイズ
3番目の数列は「ケースサイズ」を表します。おそらく、現行オメガの型番の中で最も便利な数列なのではないでしょうか?
なんといっても見ただけでサイズ感がわかるのは非常に助かります。
オメガ シーマスター 232.90.42.21.03.001
肝心の読み方ですが、単純に「42」だったら「42mm」。「39」だったら「39mm」ということになります。
ただ、この数字は小数点以下は切り捨てられるため、ケースサイズが41.25mmだった場合も「41」という表記になります。
正確なサイズ感が知りたい場合はやはりメーカー公式サイトなどで詳細な情報を確認したほうが良いでしょう。
オメガの型番法則 4番目の数列:搭載ムーブメント
4番目の数列は「搭載されているムーブメント」を意味します。3番目の数列であったケースサイズが非常に分かりやすかっただけに、この数列は少し取っ付きにくいです。
基本的にはどのようなケースサイズに使われているムーブメントなのか、もしくはどのようなタイプの機械式ムーブメントが使われているかを示している項目であり、Cal.〇〇といった具体的なムーブメントナンバーを示すモノではありません。
恐らくこの数字を完璧に覚えている人なんて殆どいないと思いますので、参考程度にご覧ください。
数字 | ムーブメントの種類 |
---|---|
20 | ケースサイズ40mm以下の「自動巻ムーブ」 |
21 | ケースサイズ40mm以上の 「自動巻ムーブ」 |
30 | スピードマスタープロフェッショナル「手巻き」「クロノグラフ」 |
40 | スピードマスターレディースタイプ |
50 | クロノグラフ(インダイヤルが3つ) |
51 | クロノグラフ(インダイヤルが2つ) |
52 | GMT付 クロノグラフ(インダイヤルが3つ) |
60 | クォーツムーブメント |
※「20」番と「21」番は非常に曖昧となっており、比較的小さいモデルに20番、大きめのモデルに21番が使用されている傾向があります。
具体例
215.92.46.22.01.001 / 212.30.44.52.01.001
GMTモデルは「22」の固有番号です。ただ、ややこしいことにクロノグラフとGMTがセットになっている場合は「52」の番号になります。
オメガ スピードマスター 311.30.42.30.01.005
スピードマスタープロフェッショナルには「30」という固有番号が割り当てられているため、4番目の数列は「30」となります。
オメガ スピードマスター 324.15.38.40.10.001
同じスピードマスタープロフェッショナルでもレディースモデルは「40」です。
オメガ シーマスター 220.10.28.60.54.001
ムーブメントがクォーツだった場合、メンズ・レディース・モデル問わず全て「60」になります。
オメガの型番法則 5番目の数列:文字盤の色と素材
5番目の数列は文字盤の色と素材を表します。モデルの文字盤に使われている色・素材によって以下のカラーナンバーが設定されているので、一読してみてください。
数字 | 文字盤色 |
---|---|
01 | ブラック |
02 | シルバー |
03 | ブルー |
04 | ホワイト |
05 | ホワイトシェル |
06 | グレー |
07 | シェル (ホワイトシェル以外) |
08 | シャンパンゴールド |
10 | パープル |
13 | ブラウン |
51 | ブラック (ダイヤインデックス) |
53 | ブルー (ダイヤインデックス) |
55 | ホワイトシェル (ダイヤインデックス) |
57 | ホワイトシェル以外のシェル (ダイヤインデックス) |
60 | パープル (ダイヤインデックス) |
63 | ブラウン (ダイヤインデックス) |
※「51」~はダイヤインデックスモデルの番号となっているため、主にコンステレーションシリーズで現れる番号です。
具体例
オメガ シーマスター アクアテラ 231.10.39.60.06.001
非常に人気の高いアクアテラのグレー文字盤モデル。グレー色の文字盤が採用されているモデルは5番目の数列が「06」となります。
こちらのモデルは左から5番目の数列が「13」となっています。「13」はブラウン文字盤が該当するため、この数列が型番に入っています。
オメガ コンステレーション 127.10.27.20.55.001
分かりにくいのはレディースモデルです。文字盤の種類を示す数列では「05」がホワイトシェルを示しているのですが、このモデルはホワイトシェル文字盤なのに「55」番。
その理由は同じホワイトシェルでもダイヤインデックスが採用されているからです。
オメガ コンステレーション 123.20.24.60.57.005
さらにややこしいことに、シェル・ダイヤインデックスの条件が揃っていても”ホワイトシェル”ではないシェルが使われている場合、「55」ではなく、「57」番になります。
オメガの型番法則 6番目の数列:マイナーチェンジの回数
6番目の数列はベースからどれだけ進化したかを表します。つまりマイナーチェンジの回数です。
001だったらそれは初期型ですし、003だったら2回マイナーチェンジが施されたモデル。005だったら4回マイナーチェンジが施されたモデルということになります。
具体例
オメガ スピードマスター 311.30.42.30.01.005
オメガの定番スピードマスター。末尾の数列が005となっているため、4回のマイナーチェンジが施されたことを意味します。
オメガ シーマスター 212.30.41.20.01.003
こちらも定番のシーマスター プロダイバーズ 300M。末尾数列は003となっているため、2回のマイナーチェンジが施されています。
旧型の型番について
ここまで現行オメガの型番について解説してきましたが、旧型のモデルは6つの数列で並んでいる現在の表記ではなく「3510-50」のような簡略的な表記になっています。
この旧型の型番は現行モデルよりも簡単に解析が出来るため、最後にコチラも覚えてみましょう。
旧型の型番は2つの数列で構成されている
旧型の型番は大きく分けると前半の”3510″と後半の”50″に分かれます。前半の”3510″は型番のことを指し、一番最初の数字によってどのコレクションなのかを判別しています。
数字 | コレクション名 |
---|---|
1 | コンステレーション系 |
2 | シーマスター系 |
3 | スピードマスター系 |
4 | デ・ヴィル系 |
後半の”50″は文字盤色のことです。様々な数字が用意されていますが、いずれにせよ文字盤色のことを指します。
数字 | 文字盤の種類 |
---|---|
21 | ホワイトダイヤル |
31 | シルバーダイヤル |
50 | ブラックダイヤル |
60 | ブラウンダイヤル |
65 | ピンクダイヤル |
71 | ホワイトシェル (ダイヤインデックス) |
75 | ホワイトシェル (ローマンベゼル) |
76 | ホワイトシェル (ダイヤインデックス/ベゼルダイヤ) |
79 | ホワイトシェル (アイリス インデックス) |
80 | ブルーダイヤル |
旧型の型番では、この2パターンの数列しか存在しないため、用意に解析することが可能です。旧型オメガの購入をお考えの方は是非覚えてみてください。
ただ、文字盤色の数字に関してはかなり幅が広く設定されているため、上記の番号は一例として参考程度にご覧ください。
コンステレーション系
左から 1365-71 / 1465-71 / 1475-79
コンステレーションであることを示す頭数字「1」。後半部分の文字盤数字には、現行型番と同じく”ダイヤインデックス”に70番台の大きな数字が付けられています。
シーマスター系
左から 2298-80 / 2501-21 / 2603-30
シーマスターはどのモデルも「2」から始まる4桁の型番が定められています。文字盤色を示す後半部分には「80=ブルーダイヤル」、「21=ホワイトダイヤル」「30=シルバーダイヤル」が付けられました。
スピードマスター系
左から 3510-21 / 3539-50 / 3572-50
スピードマスターの頭数字は「3」。これは現行と一緒です。後半部分はそれぞれ「21=ホワイトダイヤル」「50=ブラックダイヤル」の数字が付けられています。
デ・ヴィル系
左から 4574.50 / 4820.31 / 4877.60.37
頭文字「4」はデ・ヴィル。文字盤色の数字には「50=ブラックダイヤル」「31=シルバーダイヤル」「37=ブラウンダイヤル」といった数字が与えられています。
4877.60.37は何故か3桁になっており、3桁目が何を表しているのかは不明です。現行・旧型問わず、まだまだオメガの型番には謎が多く含まれています。
まとめ
オメガの型番には6つの数列があり、それぞれ「型番・素材・ケースサイズ・ムーブメント・文字盤・進化の軌跡」といった意味が隠されています。しかし、これらの数列は一定の法則がありながらも”絶対的”ではないため、例外も多いです。
厳密なモノとして判断するのではなく、高級腕時計のちょっとした豆知識ぐらいに思ってください。
当記事の監修者
田中拓郎(たなか たくろう)
高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年