「スピードマスター アンティークにはどんなモデルがあるの?」
「スピードマスター アンティークの下がりrって何?」
ロレックスと並んで確固としたアンティーク市場を持つオメガ。
シーマスターやコンステレーションなどロングセラーから生まれた名作は数え切れませんが、最も有名なモデルはスピードマスターではないでしょうか。
生産開始から60年以上経ているにもかかわらず不動の人気を誇りますが、その歴史の中で幾度かのマイナーチェンジが行われました。
Cal.321を搭載した第一~第四世代は有名ですが、実は第五世代の文字盤変遷も見逃せないところ。
そんなスピードマスター アンティークが気になるという人は多いのではないでしょうか。
「下がりr」とは、実用性が高くコスパに優れたスピードマスターの第五世代のことを指します。
この記事ではスピードマスター アンティークの注目モデル、「下がりr」について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
おすすめのモデルも紹介しますので、オメガの時計に興味がある人はぜひ参考にしてください。
目次
1.オメガ スピードマスターの「下がりr」とは?
オメガのスピードマスターは1957年に誕生します。
60年以上にも及ぶ歴史の中で、大きく分けて6つの世代に分類されることが一般的。
現行の一つ前にあたる第五世代は1968年から1990年代まで続いており、搭載ムーブメントがCal.321からCal.861へと変更されたことは周知の通りですが、外装の変化も非常に顕著でした。
通称「下がりr」とはその変遷の中にあたるもので、文字盤12時位置のspeedmasterロゴの、最後部スペル「r」の書体が下に伸びているモデル。Sも縦に伸びていて、レトロ感が満載です。
上:下がりr/下:現行モデルのロゴ
リファレンスで言うとST145.022にあたり、製造期間は1970年頃~1990年頃と、結構長生き。
そのため、他のヴィンテージオメガと比べて、比較的流通量が安定しています。
2.オメガ スピードマスター「下がりr」が今買い!な理由
一昔前はマニアが買ってると思われがちだったアンティーク。
しかし、メンテナンスがきっちりされている個体であれば「現行モデルより安く手に入る」といった層から支持を得ていて、その市場は拡大しつつあります。
そんな中、文字通りアンティークマニアにも機械式時計に触れたばかりの方にも、スピードマスターの「下がりr」を強くおすすめしたい理由をご紹介いたします!
①手頃な値段でアンティークオメガを楽しめる
出典:https://www.youtube.com/watch?v=w8-DdurbLKw
前述のように、アンティークオメガで有名どころはCal.321搭載の第一~第四世代です。
生産期間が短かったゆえの稀少性やムーブメントそのものの評価から、非常に高額。
確かにクロノグラフに一家言持つレマニア社製のCal.321は紛れもない名機です。
スピードマスターを信頼性高いクロノグラフとして認知させ、NASAの公式装備品となる過程を大きくサポート。
仕上げや装飾は美しく、パテックフィリップやヴァシュロンコンスタンタンなどの雲上ブランドもベースムーブメントとして大いに活用しました。
しかしいかんせん値段が高い。
流通量が少ないので、時計専門店でも見つけることは非常に難しいと思います。
一方「下がりr」は、第五世代の中でも製造期間20年と息が長かったためかなり探しやすいといった特性があります。
価格も年式や状態にもよりますが、40万円台から手に入れることが可能。
それでいてロゴのレトロ感だけでなく、トリチウム夜光が焼けていたりベゼルが褪色していたりと、ヴィンテージならではのテイストを味わうことができます。
これからちょっと年式の古いモデルに手を出してみよう!といった方にとりわけおすすめできるのが「下がりr」なのです。
ちなみに同じ第五世代の「下がりr」でも、初期型にあたるシーホースマークの裏蓋を持つタイプはかなり高額なので要注意!
②ちょっと人と違ったスピードマスターを手に入れられる
第五世代初期型の裏蓋シーホースRef.145-022-68ST
現行スピードマスターをお持ちの方で、人と被ってしまった・・・という声を聞くことは少なくありません。
スピードマスターは様々な派生を持ちますが、最もオーソドックスなモデルはプロフェッショナル ムーンウォッチの311.30.42.30.01.006。
NASAとともに月へ到達したという壮大なストーリー性を持つこのモデルに男心をつかまれた方は少なくないでしょう。
そんなムーンウォッチ、ちょっと人と異なるテイストを持ち、「スピマスかぶり」を防ぐという手段のうちの一つがアンティークを買うという選択。
「下がりr」なら値段も現行のムーンウォッチと大幅に変わることはありません。
オメガはファーストモデルのイメージを大切にするブランドのため、ムーブメントを変えてもデザインに大幅変更を加えることはあまりありません。
しかし、文字盤のマイナーチェンジやブレスレットの仕様が異なるため、現行モデルにちょっと差をつけられるというアドバンテージを持ちます。
③もしかしたらこれから大きく値上がりするかも!?
出典:https://www.omegawatches.jp/ja/
アンティークを買うなら、「資産価値」も気になるところではありませんか?
オメガは限定品の多さやリファレンスの変遷があいまいなことから、生産終了モデルが顕著に値上がりする、といった現象は少ないです。
しかし、もちろんプレミア価格を持つアンティークモデルは存在するため、また現在のアンティークブームと相まって、今後特定のモデルが大幅値上げをする可能性は高いと言っていいでしょう。
そこで今注目株として推したいのが、今回の「下がりr」なのです。
「下がりr」は流通量が安定していると言っても、1970年頃~1990年頃。
確かに現行モデルと同じくらいの期間にはあたりますが、この時期というのは機械式時計にとっては冬の時代。
クォーツモデルに押されて、多くのブランドが休眠に追い込まれました。
オメガのスピードマスターであってもその生産数を抑えていたと思われます。
そのため、「下がりr」もまた今後稀少性が注目される可能性は決して低くありません。
10年後・20年後には爆上げするかも!?
もちろん想像の域は出ませんが、実際に使用しつつ資産としての価値が出れば儲けものですよね。
だって、ロレックスのデイトナやGMTマスターだって、今ほどの高騰は誰も想像できませんでしたから。
3.在庫あります!「下がりr」モデル!
東京銀座に店を構えるGINZA RASINでは、アンティーク商品にも力を入れております。
「下がりr」も豊富に取り揃えており、状態も様々ですので、気になったらお気軽にお問合せください。
スピードマスター プロフェッショナル 5th ST145.022
下がりr、段なしダイアル(初期に作られた段付きは外周がステップ状に成形されており、非常に希少価値が高い)、矢尻型クロノグラフ針、ラウンドの強いプラ風防とヴィンテージ感満載の一本。
夜光がいい感じにやけており、いかにもアンティーク!といった風貌を醸し出します。
まとめ
以前はなかなか手を出しづらいアンティーク市場でしたが、近年ではブームの波もあり、比較的敷居が低くなりました。
アンティークは現行モデルより安く手に入ったり逆に資産価値が上がったり・・・様々なメリットが見直されてきていますが、なんといっても新品とは一味違った渋いテイストがかっこいいですよね。
アンティークのこういった楽しみだけでなく、価格的にも実用的にも申し分ないスピードマスターの第五世代「下がりr」。
高騰のポテンシャルもありますので、機械式時計初心者も筋金入りのアンティークファンも、一度ご購入を検討されてはいかがでしょうか。
当店ではオメガに留まらず、ロレックスやヴァシュロンコンスタンタン、パテックフィリップにグランドセイコーなどのアンティーク商品を取りそろえております!
当記事の監修者
田所 孝允(たどころ たかまさ)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 営業物流部長/p>
1979年生まれ 神奈川県出身
ヒコみづのジュエリーカレッジ ウォッチメーカーコース卒業後、かねてより興味のあったアンティークウォッチの世界へ進む。 接客販売や広報などを経験した後に店長を務める。GINZA RASIN入社後は仕入れ・買取・商品管理などの業務に従事する。 未だにアンティークウォッチの査定が来るとついついときめいてしまうのは、アンティーク好きの性分か。
時計業界歴18年。