「安くオメガの腕時計を購入したい」
「人とかぶらないオメガの時計が欲しい」
こんなのニーズを満たしてくれるのが、オメガの中古時計です。
でも、汚れていたら・・・壊れていたら・・・とりわけ時計は内部が見えませんし、それが通信販売での購入なら、なおさら不安はつきものです。
そんな不安を払拭する、オメガの中古モデルを購入する際の注意点が知りたいという人は多いのではないでしょうか。
中古オメガは新品よりもリーズナブルで、現行にはないデザインを楽しめるなど、メリットがたくさんあります。
この記事ではオメガの中古モデルを「どこで」「どのように」「どれを」買うべきか、GINZA RASINスタッフ監修のもと徹底ガイドします。
おすすめのモデルの紹介もしますので、オメガの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
※掲載する情報は2019年12月現在のものとなります。
目次
オメガの中古時計を購入するメリット・デメリット
まず、オメガの中古時計を購入する時、新品と比較して顕在化するメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット
■新品より価格が安い
中古時計を選択する際、かなり大きい購買理由となるのが価格の安さではないでしょうか。かく言う私も年式の古いモデルを購入しましたが、やはり価格面でのメリットが大きいと感じました。
どれだけ安くなるかは「時計のコンディション」や「どのモデルか」によって変わってきますが、正規定価の半額程度で購入できるモデルも存在します。
オメガはスピードマスターやシーマスターなど人気モデルが多いので、中古であっても大幅に値段を下げるものは少ないのですが、それでも正規店で新品を購入することに比べれば、だいぶお安くなることは間違いありません。
■売却時の条件は新品・中古に差はない
オメガの中古市場は非常に大きいです。ロレックスやパテックフィリップ、オーデマピゲなどに次いで世界トップクラスの規模感でしょう。
これは、中古時計を買いやすいだけでなく、売りやすいことも意味しています。
古くからの時計愛好家は、「欲しい時計ができたら今持っているものを売って元手にする」ことが当たり前、という方も結構いらっしゃいます。
そして、新品で買っても、中古で買っても、売却時の条件は一緒です。「買った時」よりも「売る時の時計の状態や人気」が売却額を決定するためです。
例えばこちらのスピードマスターの一番人気プロフェッショナル Ref.311.30.42.30.01.005。
定価は605,000円(税込)ですが、中古であれば35万円程度~購入することが可能です(状態による)。ちなみに本当に人気のあるモデルですので、当店では2019年12月現在、買取キャンペーンとして、262,500円でお買取りさせていただいているモデルです。
つまり、同じ程度使った個体である、と仮定して、中古で購入したスピードマスターであれば7割ほどの買取率を誇るのです。
ただし、気を付けなくてはいけないことがあります。
中古はお店やモデルによって、コンディションに大きな差がある、ということ。
例えば購入時、メーカー保証書やボックスが付属していないものもあります。その分販売価格は安くなりますが、売却時はその分やはり査定額が落ちてしまいます。
また、中古品として売られているものの中には、大きな打痕や消せない傷を有する個体もあり、そういったものを売却しようとするとマイナス査定になります(もっとも、この傷が時計のヴィンテージテイストを高めるとあって、一部ファンは嬉しいものなのですが・・・)。
これを知らずに中古時計を購入して、いざ売ろうとした時、思わぬ損をしてしまうことがあります。
これを防ぐには、後述する「オメガの中古時計はどのようなところに気をつけて買うべきか?」をご参照ください。
■人とかぶらないデザインを楽しめる
オメガは人気ブランドゆえに、よくありがちなのが「人と着けている時計がかぶってしまった!」というものです。特にスピードマスターやシーマスターなど人気機種で発生しがちです。
「人と被りたくない」というニーズをお持ちの方にお勧めなのが、生産終了したモデルを選ぶことです。当然ですが、これは中古市場にしか出回っていません。
例えばスピードマスターの現行モデルは10~20種類しかありませんが、中古を含めて探せば数百種類から選ぶことが出来ます。当然、ほかの人と被る可能性は減るでしょう。
ちなみにオメガだけの現象ではありませんが、現在の時計業界で過去のモデルに対して注目度が高まっており、相場を上げつつあります。
つまり、年式の古いモデルを買っておけば、今後売却する時に得する可能性もあります。
■他の精密機器やジュエリーに比べて良好なコンディションで再販されている
基本的にオメガなどが手掛ける高級時計は「長く使うこと」が前提になっています。
そのため長年使用されていた個体でも、再販時のコンディションを整えやすい、といったメリットがあります。
例えば売りに出す前に内部機構・外装ともにメンテナンスが行われています。
通常のパソコンやスマートフォンなどだと、再販時に分解されて動作に問題ない状態にする・・・なんて側面はありませんよね。しかしながら時計のパーツは機械的な構造となっているため、パーツを一度分解し、劣化しているパーツがあれば交換し、そしてスムーズな動作のために注油してあげると、日常使いで問題のないレベルのコンディションに返り咲きます。
外装面でも、金属パーツのため超音波洗浄したり、ある程度の傷であれば研磨によって見えづらくしたりすることが可能です。これがジュエリーだったら、石についた傷はどうしようもありませんし(トリートメントなどと呼ばれる手法もあるが、石の価値を落としてしまう加工行為)、中には超音波洗浄できないものもあります。
このように時計は中古として再販しやすい性質を抱えています。
■地球に優しい
近年、多くの産業で「サスティナビリティ(持続可能性)」というワードが肝となっています。
これは、地球環境や限りある資源を過剰消費するのではなく、持続的に使用していけるよう尽力する、という企業や社会の取り組みを指します。
そして、時計の中古市場はサスティナビリティの宝庫と言われています。
前述の通り時計は長年使われることが前提となっており、決して使い捨てではありません。そのため新しい資源を使うことなく消費者のニーズを満たすことができ、結果として地球にとても優しい販売形態に昇華されているのです。
これは時計メーカー側にも浸透しつつある認識です。
実際、フランクミュラーやリシャールミルが認定中古に乗り出すなど、中古市場の拡大に意欲的なブランドは少なくありません。
かく言うオメガもそのブランドのうちの一つ。
2019年より「オーセンティシティ(信頼性)認定制度」を導入しました。これは、アンティーク・ヴィンテージと呼ばれるモデル(1970年代以前に作られた時計のことを一般的に指す)の「製造年」「どういった状態か」などを明確にし、オメガ自ら信頼性に墨をつける、という制度です。
こういったサービスが広がっている今、オメガの中古市場はますます拡大し、中古時計をより買いやすく・売りやすくなるであろうことは想像に難くありません。
デメリット
次に、デメリットをご紹介いたします。
■使用感が気になる場合がある
当然ながら、中古は「一度は誰かが手にした時計」です。中古時計に二の足を踏んでしまう方の多くが気になっているところではないでしょうか。
普段、私たちが何かを購入する時、まっさらな新品であることがほとんどかと思います。
そんな中で「誰かが使った」モデルって、なんか嫌な感じがする・・・そう考えてしまう気持ちはよくわかります。
とは言え、前述の通り腕時計は「良好なコンディションで再販しやすい」メリットを持ちます。
例えばそれは超音波洗浄であったり、内部メンテナンスであったり・・・もちろん消せない傷や変色はありますが、こういったものはご自身で使っていくうちについていくものです。
どうしても気になる、という方は、状態の良い中古時計を選びましょう。
■購入後の保証期間が短い・あるいはない
出典:https://www.instagram.com/omega/
オメガのメーカー保証期間は販売日より5年です(2018年7月以降の購入が対象)。正規店で新品を購入した場合、5年をそのまま保証として受けることが可能です。
しかしながら、中古時計は既に販売から日が経っている個体がほとんどです。
つまり、前オーナーが2年使った後に売却されれば保証期間は3年しか残っていない、ということになりますね。10年以上経っている個体などであれば、メーカー保証の対象ではありません。
ただ、きちんとした中古時計の販売店であれば、独自の保証サービスを設けているでしょう。
■お店選びが難しい
何度か「信頼できる販売店」「きちんとした販売店」に言及していますが、この見極めが結構難しいものです。
と言うのも、中古を「どのような状態で販売するか」には、ルールや規格があるわけではないためです。つまり、お店のさじ加減一つで決まってしまう、ということ。
例えば前述した内部機構のメンテナンスですが、これは一般にオーバーホールと呼ばれるものに代表されます。
一度機械を分解し、パーツを洗浄し、劣化したものがあれば交換し、組み立て直し、注油をし、精度や性能に問題がないかチェックする、といった一連の動作です。
これをするかしないかはお店の判断によります。
例えば販売されたばかりの個体であったり、直近でオーバーホールされていれば行わない、という場合もあります。ただ、その場合でも機械点検は行います。しかしながらメンテナンスノウハウのない中古販売店―時計専門店でなかったり、リサイクルショップであったりした場合―だと、点検すらせず販売に出している可能性があります。
納得したうえでご購入されるなら問題ありませんが(その場合、時計専門店で購入するよりも安価になっているケースが多い)、そのような時計を使っているとすぐに不具合が出てしまって、結果的にメンテナンス費用がかさみ、思わぬ出費になってしまいますね。
では、信頼できる販売店はどのように選ぶべきか。
次項で徹底解説いたします。
オメガの中古時計はどこで買うべきか?
オメガの中古時計を購入するうえで、非常に大切な「どこで買うべきか」、お店選びのコツをご紹介いたします。
①中古時計の販売にノウハウのあるお店を選ぶ
信頼できる中古時計の販売店は、豊富な販売実績を持つものです。
実績が豊富ということは、取扱量が豊富なため多くの選択肢を消費者に提供できますし、過去に様々な個体を手にしているため、「良いモノ・悪いモノ」への鑑識眼や、メンテナンスノウハウもしっかりしていることがほとんどです。
なお、なるべくなら、オメガ製品の取り扱いに長けた店舗を選ぶようにしましょう。
これは中古のみならず、最新モデルの購入の際にも言えることです。
販売スタッフのオメガ商品への知識も豊富で、手厚いサービスが受けられるでしょう。オメガの在庫数が多ければ、それだけ自分に合った一本に出会える可能性も高くなります。
なお、こういったお店は買取も並行して行っていることが多いので、売却時にも安心です。
②保証・アフターサービスが充実しているお店を選ぶ
中古時計販売にノウハウがあるお店の多くが、保証やアフターサービスを充実させています。
なぜならノウハウのあるお店は製品に対しメンテナンスを施してから店頭に時計を出すことがほとんどで、メンテナンスノウハウを持つことを意味します。そういった体制が整っているお店は、万が一購入後に不具合が生じてしまった場合でも、修理に対して万全の備えをしているものです。むしろ、メンテナンスノウハウがないお店が、中古販売の実績を持つということ自体が考えづらいでしょう。
保証やアフターサービスがしっかりしているということは、それだけメンテナンスノウハウに自信がある・しっかりとした体制が整っているという証明!自社で販売している製品は「しっかりメンテしているので壊れづらい」こと、「万が一何かあっても修理対応できること」への自信の表れであるためです。
また、無償保証でなかったとしても、ちょっとの衝撃や水気でトラブルがあった時、こういった体制が整っているお店であれば安心ですね。
オメガは高度な時計製造技術を有しているため、年式を経ていても劣化しづらいとはよく言われますが、そこは精密機器。思わぬトラブルに見舞われるとも限りません。
必ず保証やアフターサービスについて購入前に確認しましょう。
「どれくらいの保証期間があればいいのか」の基準は人それぞれですが、中古であれば一年程度の保証期間が望ましいですね。
③競合の多い地域で店舗を構えているところを選ぶ
競争があるところに、顧客のユーザビリティあり。
東京であれば銀座や御徒町、中野などが挙げられるでしょうか。こういった多くの時計店がひしめくエリアにあるお店というのは、優良店である可能性が高くなります。なぜなら「どこよりも良いお店であること」が、顧客に選ばれる条件であるためです。逆に質の低いお店は生き残っていけません。
そのため、競合が多い地域に立地しているお店を選ぶようにしましょう。
「競争」の内容は様々ですが、主に価格面や各種サービス面が挙げられます。顧客にとっても、「多くの店舗の中から最適の一社を選ぶ」ことができる、というのは大きなアドバンテージですよね。「そこにしかないから・・・」よりかは絶対に良いでしょう。
なお、通信販売を利用して購入する際も、できればリアル店舗を所有していて、かつこういった競合地域に店を構えるところをご選択ください。
④口コミをよく確認する
リアル店舗にも通信販売にも、どちらにも言えることですが、口コミは非常に大切です。
自社のサービスを悪く言う業者は存在しません。しかしながら利用者による口コミは率直な意見が掲載されます。不満点も反映されます。
そのため、利用しようと思っている店舗の口コミを必ず確認しましょう。
近年、様々な口コミサイトがWEB上に林立しています。また、楽天やYahoo!ショッピングなど、利用者しか口コミ投稿できないところも少なくありません。
こういった媒体を利用して、優良店をしっかり見分けてくださいね。
⑤怪しいと感じるお店は避ける
「問い合わせたら感じが悪かった・・・」
「とりわえずお店に来てくださいと言われた・・・」
「すごい汚いお店だな!」
「なんかこの店だけ、異様に安いんだけど?」
こんな疑問点が沸いたお店を利用することは、あまりお勧めできません。
前述の通り、他店との競争にさらされた時計店はなんとかして自店舗の差別化を図ろうとしています。
そんな中にあって、「質の高い従業員教育」と「オメガの中古時計を売るに足る店舗空間づくり」は必須の項目です。
むしろ、ここを怠っているお店というのは、何においても信用できません。
また、中には時計に詳しくない客に対し「専門用語を並べてごまかす」「時計のコンディションについて説明しない」「強引に購買に持ち込む」といった不誠実な接客スタイルが定着している店舗が存在することも事実です。
同時に、時計を実際に触らせてくれなかったり、試着をさせてくれない店舗もご注意ください。陳列している時計を凝視されると不都合があるのかもしれませんし、そもそも対応が悪すぎるので信頼できる店舗とは思えません。
同時に、他店と比べて異様に販売価格が低いお店も、かなり怪しいと言えます。
確かに他店との価格競争は商売において基本ですが、時計には相場があります。
特にオメガほどの人気ブランドであれば、壊れていたり時計として致命的な破損がない限りは、投げ売りのような価格になることは絶対にないと言っていいでしょう。
キャンペーンやセールなどで安価になる場合でも、相場が守られていることがほとんどです。
異様な安売りは、必要なメンテナンスをせずに再販していたり、なんらかの欠陥があったりする可能性が高いです。
口コミを併せて確認してみて、少しでも怪しいと感じたら避けましょう。
「どうしても欲しいモデルがこのお店にしかない!」といった場合は、メンテナンスの有無・アフターサービスについてをきっちり説明してもらってくださいね。
オメガの中古時計はどのようなところに気をつけて買うべきか?
買いたいお店は決まりましたか?
次に、どのようなところに気をつけて中古時計を購入するべきかをご紹介いたします。
①とにかくコンディションを確認
中古時計で最も大切なことは、コンディションを確認することです。
まず、従業員がコンディションについてきちんと解説してくれるか・通信販売であれば、しっかりとした記載があるかどうかをチェックしましょう。
ひとくちにコンディションと言っても様々ですが、時計は精密機器である以上、内部機構が大切です。
まず、オーバーホールをした時期をご確認ください。モデルや機構にもよるのですが、2~3年中にされているものだと安心です。また、オーバーホールをされていなくとも、しっかりと機械点検をしているかどうかも大切です。機械点検は「精度」の他、デイト機構は問題なく切り替わるか・クロノグラフは動作するかなど機械面の全てを確認するものです。優良店であれば、問題のない個体のみが陳列されています。
また、外装面のコンディションチェックも同時に行いましょう。
目立つ傷はあるか・変色の程度はどれくらいか・文字盤に亀裂などはないか、などなど・・・
スピードマスターのアルミベゼルやシーマスターのセラミックベゼルなどは、小傷であっても研磨で取ることができません。
また、ガラスに小傷があると、視認性の妨げにも繋がります。
ブレスレットの「たるみ」も併せてご確認ください。
たるみは経年劣化により、伸びてしまった状態のことをいいます。たるんでしまった個体は通常よりも曲がりやすくなっていることが特徴です。古い時代のブレスレットはコマが小さいため、たるみが出がち。チェックの仕方ですが、時計のケースをリューズを上にして横に持ちます。ブレスにたるみが生じている場合、ブレスが重力に負けて下方向に垂れていきます。正常なブレスと比べると違いは明確です。
リアル店舗であれば、ご自身で実機を手に取って確認しましょう。
通信販売であれば、コンディション情報に記載されていたり、接写画像で確認したりすることができます。逆にこういった記載のないお店で購入することはお勧めできません。載っていない部分を知りたい時は、お店に電話やメールで問い合わせてみましょう。
ただ、中古時計の性質上、どんなにキレイな個体でも小傷などがあるものです。新品と同様の個体だと、価格も新品並みになることがほとんどで、リーズナブルといった旨味はなくなります。
また、むしろ、そういった傷がヴィンテージとして高い価値を持つこともあります。
「どの程度までの傷なら許容できるのか?」を模索しつつ、最適な一本を選びましょう。
②メーカー付属品の有無を確認
オメガはメーカーからの付属品が楽しみなブランドの一つでもあります。とりわけスペシャルエディションには、そのモデルだけのボックスや冊子が付いたりします。
例えばスピードマスター プロフェッショナルはメダルやルーペが付いてきますし、NATOストラップなど特別な替えベルトが付属するものも。
ただ、中古品だとこれらの一部または全部が欠損している可能性があります。前のオーナーがなくしてしまったり、あるいは破損したりしており、再販時に付属できないためです。
もちろん付属品が欠損している分、販売価格は低くなります。
しかしながら、同時にご自身が再販される時も、その付属品がない分価値が下がる、ということを意味します。
また、保証書がないとちょっと厄介です。
特にダイヤモンドがセッティングされているモデルはお気をつけください。かつて「アフターダイヤ」と呼ばれる行為がありました。これは、メーカーとは関係のない第三者が製品にダイヤモンドをセッティングし、カスタマイズするといったものです。
自分だけのデザインを楽しめる一方で「純正でなくなる」というリスクがあること。ダイヤモンドという高価な貴石を通常モデルに安易につけることで、時計の相場を崩してしまうことから、現在は歓迎されていない手法です。
当店含め、時計店の中にはアフターダイヤ品を買い取らない、といった対策をとるところも多くなります。その時、純正品とアフターダイヤ品を見分ける一つの手法として、メーカー保証書の有無(あるいはダイヤの鑑定書)があります。
この風潮ができたため、ダイヤモンドがセッティングされたモデルは、それが例え純正品であっても保証書がなければ買い取らない、といった方針を採るお店が増えてきたのです。
そのため中古時計のご売却をお考えの方は、付属品の有無も考慮したうえで中古時計を選ぶようにしましょう。
③いつ販売されたか
年式の古いモデルを割り切ってご購入される方はあまり気にする必要はありませんが、現行モデルで、できるだけ新しい個体が欲しい、という方は、その中古がいつ販売されたかどうかを確認しましょう。
オメガ製品は、販売されると保証書に販売日が記されます。これが新しければ新しいほど、その製品は最新ということを意味します。
これは、メーカーの保証期間が残っているかどうかの一つの指標にもなります。オメガが属するスウォッチグループ(ブレゲやハリーウィンストン、ロンジンなどが所属)は、基本的に「どこで販売されたか」で保証に差別を設けていません。そのため正規保証を受けたい、という方であれば、なるべく新しい個体で、まだ保証期間が残っているものを購入しましょう。
ただし、新しければ新しいだけ、価格は高くなることが一般的です。
④価格差を理解しよう
中古品は、「同じくらいの時期に販売されていて、同一型番・同一スペック」なのに、価格に差がある、といったことが多々あります。この時、「安いから」という理由だけで選択することは危険です。
なぜなら、安い個体には安いだけの理由があるためです(もちろん、仕入れ時の相場や為替の違いが影響しているだけのこともあります)。
それは、これまでご紹介してきたコンディションの良し悪しであったり、付属品の有無かもしれません。また、オメガのように歴史の長いモデルの中には、レア仕様によって非常に高価格となっているものもあり、結果的に後者は資産となる可能性があります。
とは言え「できるだけ予算を抑えたい」という方もいらっしゃるでしょう。
前項でも述べましたが、「どの程度のコンディションなら許容できるか」「購入する時計に何を求めるのか(デイリーユースなのか、ステータスシンボルなのか、資産価値を期待しているのか、など)」を明確にし、ベストな一本を選びましょう。
オメガの中古時計はどれを買うべきか?
最後に、オメガの中古時計を豊富に扱う当店GINZA RASINのスタッフが、初めてオメガをご購入する方にも自信を持ってお勧めできる中古製品をご紹介いたします。
これが絶対に合っている、というわけではありませんが、時計選びのご参考にどうぞ!
①コーアクシャル搭載あるいはマスタークロノメーター認定機
出典:https://www.omegawatches.jp/
ある程度デイリーユースを想定してこれからオメガの中古時計をご購入される方には、まずコーアクシャル機構搭載機またはマスタークロノメーター認定機あるいはその両方を備えたムーブメントを使ったモデルをお選びいただくことをお勧めいたします。
まずコーアクシャルから説明しますと、1999年頃、オメガが天才時計師ジョージ・ダニエルズ氏と共同で開発した独自機構です。調速機に工夫をこらすことでパーツの摩耗を軽減かつ壊れづらい仕様にしたものとなります。このコーアクシャル機構が搭載されたモデルは、通常モデルに比べてオーバーホールの推奨期間を従来の1/2(従来は3~5年に一度だが、コーアクシャルは8~10年に一度)へと延長することに成功しました。
マスタークロノメーターとは、オメガがスイス連邦計量・認定局(METAS)と共同で2015年に制定した品質規格で、非常に厳格な検査項目を有するものです。これに認定されたモデルは時計として世界トップレベルの性能を持つことを意味しますが、とりわけ15,000ガウスという耐磁性は必見。
スマートフォンなどあらゆる電子機器は磁気を放っており、機械式時計の不具合の多くの原因となっています。そんな磁気帯びに対してオメガから出されたソリューションの一つで、電子機器に囲まれていても、その性能を左右されないという特性を持つに至りました。
近年、オメガ製品のムーブメントは、このコーアクシャルとマスタークロノメーター両方を備えたモデルをラインナップしており、その性能の高さは前述の通りです。そのため中古時計であっても経年による劣化の影響を受けていない個体が多く、初めて中古時計をご購入される方にお勧めです。
なお、マスタークロノメーター認定機は2015年以降の個体となりますが、その数年ほど前から「マスターコーアクシャル」と称して耐磁性能を持った時計をラインナップしてきました。そういった個体はモデル名に「マスターコーアクシャル」の表記があることが目印で、こちらも劣化が少ないと高い評価を得ています。
②スピードマスター
オメガの中古時計初心者にまずお勧めしたいのが、スピードマスター プロフェッショナルです。
現行モデルは2014年から製造されており、流通量が豊富なため比較的状態の良い中古品が市場に出回っています。
デザイン面でも非常に完成されていて、スーツスタイルにも身に着けやすいですし、迷ったら買って損のないモデルと言えるでしょう。ちなみにオメガのフラグシップなだけあり、知名度が抜群なのも嬉しいところ。
ちなみに前項でご紹介したコーアクシャル・マスタークロノメーターは現在では自動巻きモデルが対象なため、手巻きムーブメントを搭載する当モデルには該当しません(2019年12月現在)。しかしながらその性能の良さは自動巻きモデルと遜色なく、手巻きは自動巻きに比べて機構がシンプルで壊れづらいという特性からも、扱いやすい中古時計と言えるでしょう(ただし決まった時間に手で巻く必要があります)。
③シーマスター
スピードマスターに続いて永世定番と言えば、シーマスターです。
オメガのダイバーズウォッチラインであるため、高い防水性・気密性を保つために堅牢な造りにしてあるところがミソ。外部からの刺激でムーブメントに影響が出ないため、経年による劣化が最小限で済むのです。
また、スピードマスターに次いで人気があるため、流通量が豊富で買いやすい・売りやすいところも嬉しいですね。エントリーモデルのような立ち位置でもあるため、比較的リーズナブルに出回っているのもポイントです。
いくつかの種類があります。まず、エレガントなアクアテラ。
なお、2017年に一度モデルチェンジを果たしており、現行モデルはコーアクシャル・マスタークロノメーター認定ムーブメントが搭載されています。
また、600mという非常に高い防水性能を誇るプラネットオーシャン。
非常に堅牢な造りのため、衝撃や振動にも強い設計となっております。
これらの他にも、2018年にデザインを大きく変えて人気急上昇中のシーマスター プラネットオーシャン、1200mもの防水性を誇るプロプロフなどが挙げられます。
まとめ
オメガの中古時計を初めて購入する方に向けて、「どこで」「どのように」「どれを」買うべきか、そのガイドをお作りいたしました。
本文中でもご紹介したように、中古オメガは新品よりもリーズナブルに手に入れられる・現行にはないデザインを楽しめるなど、メリットがもりだくさん。ただ、購入にはちょっとコツがいるので、気をつけてほしいところです。
当店GINZA RASINでは、オメガの販売・買取ともに力を入れておりますので、何かご不明点があったら一度ご相談くださいませ!
当記事の監修者
田中拓郎(たなか たくろう)
高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年