20代・30代の男性が、初めて自分用に腕時計を購入する。そんな時にお勧めしたいのがオリスです。
オリスは、創業120周年を迎えたスイス老舗時計メーカーです。しかも、「100%スイスメイド」の「機械式時計」しか作らないことを宣言しており、時計愛好家から高評価のブランドでもあります。
しかしながらオリスの真の強みは超リーズナブルなこと!30万円前後であるにもかかわらず、質のたかいスイス伝統時計を味わうことができるのです。
この記事では、そんなオリスの魅力と人気モデルをご紹介いたします。
目次
オリスってどんなブランド?
オリスは、スイス北西部のヘルシュタインという都市に本拠を置くスイス時計メーカーです。
ポール・カッティン氏とジョルジュ・クリスチャン氏の両名が1904年に創業。
この地の近くにあったと言う小川から「オリス」という名をちなんだとのことです。
1900年代初頭は時計の産業需要や戦時需要が、従来に比べて飛躍的に高まった時代でした。
そのため、創業当時から既に質の高い時計を輩出していたオリスがその名を馳せるのに、時間はかかりません。
創業からわずか20年ほどで、スイス国内に5つの生産拠点を開設するに至り、ヘルシュタインきっての一流メーカーとなりました。
画像引用:ORIS instagram
オリスの成功のカギを握ったのがパイロットウォッチです。
オリスはパイロットウォッチに注力することで競争力を高めます。
特にビッグクラウンという、飛行機乗りたちがグローブをしたまま操作できる大型リューズの開発は大きな功績です。
米空軍を中心にプロユースとして活躍したのみならず、その後、多くのブランドのパイロットウォッチの、デザインアイコンとなりました。
オリスにとって現在もパイロットウォッチはフラグシップであり、「ビッグクラウン」という一大シリーズに繋がっている出来事です。
第二次世界大戦後も、プロユース・民生用ともに高品質の腕時計を作り続けていき、世界規模での展開が始まるようになりますが、一つオリスが他社と大きく一線を画す企業理念があります。
それは、「真のスイス製機械式時計」の宣言。
全ての製品はスイスの工房でスイス職人によって製造された100%スイスメイドであり、加えて一貫して機械式時計のみを製造する、と明らかにしているのです。
今ではビッグクラウンを中心に、ダイバーズウォッチのアクイスやダイバーズ65、モダンでスタイリッシュなアーティックスなど多くのコレクションを展開しています。
画像引用:ORIS
詳細は後述しますが、このような華麗なる歴史を持つにもかかわらず、オリスはかなりリーズナブルな価格帯のブランドです。
でも、同価格帯だと「セイコーやシチズンといった日本企業、あるいはタグホイヤーのエントリーモデル、ハミルトンなどで検討していた。オリスはよく知らなかった」という方もいらっしゃるかもしれません。
確かにオリスは長い間日本にブティック進出していませんでした。
しかしながら、オリスと日本の関係性は密接。
これは、1970年代~1980年代、大量消費社会が始まり伝統的な機械式時計製造が危機に瀕した時代に遡ります。
オリスも一度は量産可能なクォーツ時計生産に手を出したことがあります。
しかしながらこの時代のさなかに、あえて機械式時計オンリーに転向。
これは、オリス経営陣が来日した際、東京での機械式時計需要を見て決意した、と言います。
画像引用:ORIS facebook
こういったエピソードが手伝ってか、日本の芸能人・有名人での愛用者も少なくありません。
例えば最近では俳優のディーン藤岡さんや、大谷亮平さんなどがドラマの中でオリス製品を着用しています。
オリスはイケメンにも愛されているのです!
なお、2019年6月22日、国内初となるオリスブティックが東京 銀座の4丁目に出店しました。
もともと代理販売やポップアップ・ストア(期間限定の出店)などはありましたが、ブティックは初。
そのため、品揃えは国内最大と言います。
しかも、店内はスイスのバーゼルおよびチューリヒ直営店と共通インテリアを使用とか。
今後ますます、日本でオリスへの注目度が高まるであろうことは間違いありません。
初めて高級時計を購入する方にオリスをお勧めする理由
前述のように、セイコーやシチズン、タグホイヤーやハミルトン。
またはユンハンスやティソなどを初めての高級時計に選ぼうとする方は多いかもしれません。
むしろ、こういったエントリープライスのブランドはかなり多く、競争が熾烈な状態です。
しかしながら私は、時計専門店の人間として、初めて高級時計をご購入される方。
あるいは20代、30代で、何か良い時計が欲しいと思っている方には、オリスを強くお勧めしたいと思っています。
その理由を三つご紹介いたします。
オリスの魅力①リーズナブルに真のスイス製時計を味わえる
画像引用:ORIS facebook
前項でご紹介したように、オリスは「真のスイスメイド」が理念であり、強み。
スイスの伝統技術を学んできたスイス職人たちが、スイス国内のオリス工房で腕時計を製造しています。
通常、スイス国内で製造されたものは高額になります。
スイスは先進国の中でもトップクラスで人件費が高く、低価格帯のブランドは、工房をアジアなどといった比較的コストが抑えられる拠点に移して製造することが主流。
そのためスイスメーカーであっても「スイスメイド」の表記がない製品すらあります。
ちなみにこの「スイスメイド」表記は2017年にさらに厳格になっています。
新スイスネス法という新しい法律がスイスで施行されることとなったのですが、製造コストに対して6割以上、かつ外装の取り付けがスイス国内で行われていて、さらに最終検査もまたスイスで行われなくてはスイスメイドとは言えない、となったのです。
消費者にとってはスイスメイドへのさらなる安心感が生まれますが、メーカーにとってはどうしてもコストがかかってしまいますね。
↑オリスのスイスメイド表記
しかしながらオリスはもともとスイスメイド。
優れた生産ラインを確立することによって、スイス国内で時計を作りながらも低価格帯を実現しているのです。
また、汎用ムーブメント(ムーブメントメーカーが作成したエボーシュをベースに自社で改良した機械のこと)を扱うことで高信頼性を担保しつつコストを抑えていることも大きいでしょう。
ちなみに価格帯は、定価は30万円台前半~となりますが、並行輸入店であれば新品相場は26万円前後のものも結構あります。
また、ハイエンドラインもありますが、多くの皮ベルト使用のモデルは30万円~40万円で購入することが可能。
もちろんスイス伝統時計製造に則った仕組みなだけあり、品質の高さは多くの時計業界人が墨を付けるところです。
こういったコストパフォーマンスの高さは、世界広しと言えども非常に稀有。
通常、お金を無尽蔵にかければ良質なスイスメイド品をいくらでも作れますが、その分価格は高くなってしまいますね。
消費者に寄り添った価格でここまでの製品を提供しているという事実は、オリスの魅力に大きく貢献しています。
オリスの魅力②時計愛好家からも支持される抜群の技術力
画像引用:ORIS
「安い」時計というのは、時計としての格が低いのでは?そんな風に思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに「ただコスパが高い」だけでは高級時計と言うには不十分です。
しかしながらオリスはただ良質な品を作るだけではなく、歴史を彩ってきた実力があります。
そのストーリーから、オリスは若い世代のみならず、何本か既に高級時計を所有しているような愛好家からも支持されているのです。
例えば先ほどご紹介したビッグクラウンの他に、ポインターデイトもオリス発の技術です。
ポインターデイトは日付表示機構ですが、よくあるデイト窓とはちょっと違います。
文字盤外周などにデイトサークルを設け、それを時分秒針とは別の針で指していく、というユニークな機構がポインターデイトです。
今ではブランパンやオメガ、フランクミュラーなどといった名門でも使われていますが、実はオリス発の仕様!
一度オリスはポインターデイトを生産終了させましたが、1984年に再び製造を開始し、今でも一大コレクションとなっております。
また、「機械式時計しか製造しない」という姿勢も、昔ながらの時計好きにはたまりません。
クォーツに比べて製造に手間とコストがかかり、しかも精密な設計と組み立てを行わなくては、精度(時間の正確性のこと)が出ない。
そんな機械式時計だけを低価格で作り続けることはかなり難しいことです。
こういった機械式時計一筋の姿勢、しかもそれはクォーツが主流であった時代から連綿とこだわり続けられたもの・・・このエピソードだけで時計愛好家をうならせます。
ところでオリスのシンボルのレッドローターをご存知でしょうか。
これはオリスの2002年からの商標登録なのですが、「赤いローターを見つけたらオリスであって、良質な時計の証拠」と同社が掲げるトレードマークです。
このように、オリス自身も自社の時計と製造技術に誇りを持っており、ただ安いだけでもコスパがいいだけでもない、時計好きの心を奪う魅力があるのです。
つまり、オリスはただの安物などと言うことはなく、スイス時計専業メーカーの中でも高い格式を持つことを意味します。
オリスの魅力③目を惹くデザインと完成された外装
画像引用:ORIS instagram
オリスのアクイスとかビッグクラウンなどを見ていると、とても目を惹くデザインということがわかるかと思います。
このデザインはアイコンの一つのようになっていて、ファーストモデルから大きくは変えず、素材やカラーリング、機構などに変化を加えて年々進化を遂げる、という手法が取られます。
オリスは歴史が長いため昔の名作のリバイバルも多いのですが、そちらも当時の趣を再現したようなヴィンテージ感溢れるデザインとなっています。
この手法はロレックスなど人気ブランドもよくとるものです。
アイコンとしてブランド認知度を高められることに加えて、価格をセーブし、良いものを提供し続けることにも繋がります。
画像引用:ORIS instagram
さらに、エントリープライスでありながらも外装の仕上げにはこだわりを持っていることも特徴です。
歪みのないケースや丁寧な仕上げを施した文字盤、アプライド(立体)インデクスやベゼルなどそこかしこに効果的に配された躍動感など、他のラグジュアリーブランドの時計とも遜色ない魅力があります。
スーツの袖口から、さりげなくオリスの腕時計がのぞけば、「良い時計をしている」ということを一目で認知してもらえるでしょう。
オリスの代表シリーズと人気モデル
最後に、オリスの代表シリーズと人気モデルをご紹介いたします。
アクイス
画像引用:ORIS instagram
アクイスはオリスのダイバーズウォッチラインです。
当店でも非常に人気が高く、オリスの売れ筋トップスリーはいつもアクイスが名を連ねます。
ちなみにオリスはダイバーズウォッチに関しても歴史に名を連ねており、1965年という早い段階で1000mもの高い防水性を実現していました。
アクイスのデザインは基本のダイバーズウォッチに忠実に則っています。
見やすく操作しやすい大振りの逆回転防止ベゼル、浸水に耐えうる堅牢なケース・ブレスレット(またはストラップ)、太陽光の届かない深海での視認性を保つための夜光塗料・・・こういった、スタンダードな外装は守り抜き、かつ30気圧(300m)~50気圧(500m)防水という十分なスペックを有していることが特徴です。
初めて高級時計を使う方でも、こういった丈夫さがあると安心ですよね。
ちなみにこれだけの防水性を保つにもかかわらず、シースルーバックを採用して機械を鑑賞できる仕様にしているのも嬉しいところ。
ラインナップが豊富なところもまた、ファンを楽しませる一要因です。
現行アクイスだけで、そのバリエーションは20以上!
さらにカラーやベルトの違いなどを換算すると、80以上にも及びます。
ケースサイズは41.5mm,43.5mm,46mmとダイバーズウォッチらしく大型が多いものの、2020年には39.5mmがラインナップに追加。
また、レギュラーモデルの機能は3針または3針+デイト、3針+デイデイトが基本ですが、クロノグラフやGMTといった便利な複雑機構もお楽しみ頂けます。
なお、アクイスのもう一つの側面を象徴するシリーズとして、海洋の環境保護プロジェクトへのオマージュがあります。
画像引用:ORIS
2010年、オーストラリアに位置する世界最大のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」への保護のためにスペシャルエディションを発表したことを皮切りに、例年世界各地の海洋の保護を応援するオマージュモデルをシリーズ化していきました。
画像引用:ORIS
ちなみに2019年は年々深刻化する海洋へのプラスティック投棄に対して発足されたゴミ回収プロジェクトに参加し、オマージュモデルで再生プラで裏蓋を形成したものを製造しました。
2020年には「シベリアの真珠」とも称されるバイカル湖を、水質汚染から守るために特別製造されたモデルが発売されています。
これらのスペシャルアクイスの売上の一部は、こういった環境保護プロジェクトや団体へ寄付されているということです。こういった企業理念は、消費者にとっても大変好ましいものと言えますね。
それでは、アクイスの人気モデルをご紹介いたします。
アクイス デイト 733 7730 4154M
型番:733 7730 4154M
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径43.5mm×厚さ13mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き(Oris 733・セリタSW200-1ベース)
当店のオリスの中で、一番人気がこのアクイスです!
ビジネスシーンで使いやすいブラックに統一されたシックなデザインが魅力で、43.5mmとやや大きめですが厚みは13mmほどに抑えられており、スタイリッシュな印象です。
もちろんシースルーバックからはオリスのムーブメントを楽しむことができる仕様となっております。
アクイス デイト 733 7730 4157R
型番:733 7730 4157R
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径43.5mm×厚さ13mm
文字盤:グリーン
駆動方式:自動巻き(Oris 733・セリタSW200-1ベース)
当店の二番人気も、こちらのアクイスとなります。
アースカラーにあたるグリーンを使った、エレガントな中にも温かみを感じるデザインが魅力ですね。
なお、こちらはラバーベルトタイプとなっており、汗っかきの方や水仕事が多い方も気兼ねなく使うことができるでしょう。
アクイス クリッパートン 733 7730 4185R
型番:733 7730 4185R
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径43.5mm×厚さ13mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き(Oris 733・セリタSW200-1ベース)
先ほどご紹介した、海洋環境保護プロジェクトへのオマージュとして誕生したスペシャルエディションです。
太平洋のメキシコ沖に浮かぶクリッパートン島のサンゴ礁への保護を掲げたプロジェクトで、文字盤はこの海域の美しい青みを表現した、とのこと。
オマージュモデルは裏蓋はシースルーではなく、保護プロジェクトのシンボルが刻印されています。
限定2000本生産となり、欲しい時に必ずしも手に入れられるわけではありません。気になる方は見つけた時が買い時です!
ビッグクラウン
画像引用:ORIS instagram
ビッグクラウンは、オリスの「アヴィエーション」(航空と言う意味。パイロットウォッチシリーズ)の中の派生モデルとしてラインナップしていますが、オリスにとっては歴史そのもの。
初出の1938年の頃のデザインを踏襲した、なんともヴィンテージ感溢れる代物です。
近年腕時計のみならず、ファッション業界全体で「クラシカル回帰」が流行っています。
そのため、過去の名作をリバイバルさせたモデルが続々ラインナップされているのですが、これは歴史あるブランドだからできることでもあります。
その点オリスは愛され続けて100年以上。
こういった歴史的モデルが多く、その分リバイバルも得意とするところです。
そのため、「もともとヴィンテージが好き」「トレンドを取り入れたい」という男性陣に特にお勧めしたいシリーズです。
ビッグクラウンシリーズにはシンプルな2針の他、やはりお家芸であるポインターデイトを搭載したモデルがラインナップされています。
画像引用:ORIS instagram
また、ビッグクラウンのハイエンドとして、ビッグクラウン プロパイロットというシリーズも展開されてきました(冒頭の画像)。
これは、クロノグラフやGMTといった複雑機構の他、10日間ものロングパワーリザーブ×そのインジケータを備えた手巻きの自社開発ムーブメント搭載モデルをラインナップ。
ハイエンドらしい仕様となっています。
ビッグクラウンの人気モデルをご紹介いたします。
ビッグクラウン ポインターデイト 754 7679 4031M
型番:754 7679 4031M
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12mm
文字盤:シルバー
駆動方式:自動巻き(Oris 754・セリタSW200-1ベース)
ポインターデイトを搭載した、オリスのビッグクラウンらしい一本です。
ヴィンテージのパイロットウォッチらしく、シンプルで上品なたたずまいが印象的。
また、パイロットウォッチはスポーツシリーズに当たりますが、細かなリンクが連なったブレスレットや刻みの入ったベゼル、立体的になったインデックスが非常にドレッシー。
あまり大きすぎないので、スーツの袖口にも上品にきまります。
ビッグクラウン 751 7697 4164M
型番:751 7697 4164M
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径41mm×厚さ12mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Oris 751・セリタSW200-1ベース)
こちらはビッグクラウンのプロパイロットシリーズ。
ポインターデイトではなく、デイト窓を3時位置に搭載させた、シンプルな一本です。
堅牢なケース・ブレスレットを有しており、ビジネスのみならずアクティブにも使えますね。
なお、ビッグクラウンシリーズでも、多くのモデルでシースルーバックが採用されています。
ビッグクラウン ポインターデイト 80周年記念モデル 01 754 7741 3167
型番:01 754 7741 3167
素材:ステンレススティール×ブロンズ
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12mm
文字盤:グリーン
駆動方式:自動巻き(Oris 754・セリタSW200-1ベース)
2018年、「ビッグクラウン ポインターデイト」誕生80周年を迎えた折に発売された、アニバーサリーモデルです。
ブロンズケースにあまり見かけないグリーンの文字盤やコインエッジのベゼルなど、クラシカルなデザインがなんとも言えない色気を醸し出します。
ちなみにブロンズ(銅)素材は、近年の時計業界の一つのキーワード。
従来は酸化しやすいブロンズは時計素材としては敬遠されてきました。
しかしながらクセの強いサビや退色が、「個性がある」「エイジング」「ヴィンテージな風合いを楽しめる」とあって一躍人気に。
もちろんただブロンズを使っただけでは劣化するに任せてしまいます。
お肌にもあまりよくありません。
そこでオリスは直接肌に触れる裏蓋をステンレススティールにすることで、「ブロンズのエイジング」と「肌への優しさ」を両立することとなりました。
こういった気遣いもまた、オリスが名門と呼ばれる所以でしょう。
ダイバーズ65
画像引用:ORIS instagram
オリスのダイバーズウォッチというとアクイスがまず挙がるかもしれませんが、2015年に発表されたダイバーズ65もまたとても高い人気です。
10気圧防水とアクイスよりかはスペックは低くなりますが、コンセプトと外装デザインにオリスらしさが詰まっています。
なぜなら、1965年にプロダイバーや海軍に卸していたモデルが原型で、そのリバイバルにあたるからです。
誕生するやいなや、オリスファンやヴィンテージ好きから非常に高い支持を集めてきました。
確かに当時のプレキシガラス(かつてスポーツウォッチに使われていた樹脂ガラスのことで、ヴィンテージテイストの代表格のようなドーム型の風防を形成する)を彷彿とさせる湾曲したサファイアクリスタルガラス、ヴィンテージ感溢れるブラックベゼル、ツヤ消しケースなど高い再現性を誇ります。
こちらも、ビッグクラウン同様、ヴィンテージ好きやオシャレ好きが選ぶべき一本と言えるでしょう。
画像引用:ORIS instagram
なお、発売当初は40mmと42mmのツーサイズ展開でしたが、なんと2018年に36mmという思い切った小径サイズをラインナップに追加!
ヴィンテージ時計は小さいことも特徴の一つです。
そのため、ますます購入者数が増えそうです。
ダイバーズ65 733 7707 4354F
型番:733 7707 4354F
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm×厚さ13.2mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Oris 733・セリタSW200-1ベース)
ダイバーズ65の人気モデルです。
ベゼルにはブロンズ加工が施され、よりヴィンテージな雰囲気に。
また、夜光もライトオールドラジウムカラーと呼ばれる、かつてのラジウム夜光を連想させるアイボリー調の夜光(でもちゃんと安全性の高いルミノバ)が塗布されているところも、こだわりの強いオリスならではですね。
ダイバーズ65 733 7720 4054M
型番:733 7720 4054M
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm×厚さ13.2mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Oris 733・セリタSW200-1ベース)
同じくダイバーズ65の、メタルブレスレットタイプです。
革ベルトよりこちらの方が使いやすい、と言う方もいらっしゃるでしょう。
ブレスレットもツヤ消しが施されており、往年のダイバーズを感じさせる仕様となっております。
アーティックス
アーティックスは、「伝統的な時計製造技術」に「21世紀の現代デザイン」を上手に取り入れたスタイルのコレクションでした。
「アヴァンギャルド」が一つのコンセプトで、文字盤のインダイアルの配置やケース形状、機構などがユニークかつモダンとなっています。
こちらもオリス開発の自社製ムーブメント搭載モデルがあったり、ムーンフェイズといった他シリーズにはない機構を採用していたりと、オリスの中でも特別な存在でした。
なお、「GT」がつくと、そんなアーティックスの中のスポーツラインとなります。
しかしながらスポーツモデルであるにもかかわらず、どちらかと言うとエレガントで、ドレスウォッチとして使えるモデルです。
アーティックス ポインタームーン デイト 761 7691 4054D
型番:761 7691 4054D
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径42mm×厚さ12mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Oris 761・セリタSW200-1ベース)
ムーンフェイズ機能を搭載したモデルですが、ちょっと他社とは違います。
ムーンフェイズですらポインター式となっているのです。
さらに内側にもう一つ設けられているポインターはデイトなのですが、さらに6時位置にクイックデイトが搭載されました。
情報量が多いにもかかわらず、ここまで端正に仕上げられていることに、オリスの手腕を感じます。
アーティックスGT 735 7751 4153M
型番:735 7751 4153M
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径42mm×厚さ13mm
文字盤:グレー
駆動方式:自動巻き(Oris 735・セリタSW200-1ベース)
もともとアーティックスGTは、レーシングモデルのうちの一つとして開発された経緯があります。
そのため、タグホイヤーやウブロなどのモータースポーツへのインスパイアシリーズと通ずるようなかっこよさがありますね。
文字盤に段差ができており、アプライドインデックスと併せて非常に躍動感ある仕上がりに。
また、6時位置の窓にはクイックデイト、文字盤内周には曜日インジケーターが搭載され、曜日ごとに赤いアクセントが一周するというなんとも面白い仕組みに。
モダンなアーティックスらしくケース・ブレスレットにはポリッシュによって効果的にツヤが出されており、高級機として十分すぎるような風格を兼ね備えます。
まとめ
リーズナブルに本格的かつ真のスイスメイドが楽しめる、オリスについてご紹介いたしました。
真のスイス製機械式時計だけを製造する姿勢、華麗なる歴史、そしてリーズナブルな価格・・・どれをとっても一流だからこそできる理念と言えますね。
初めて高級時計を購入する方。良い時計が欲しい方。既に高級時計を所有しているけど、サブ機が欲しい方。あらゆる方々に自信を持ってお勧めしたい名門ブランド時計でした。
当店ではオリスの取り扱いにも力を入れておりますので、気になるモデルがありましたら是非お問合せください!
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年