「タフな男の時計」といった装いのパネライ。30代・40代のビジネスマンを中心に厚い支持を集めています。
基本シリーズはルミノールかラジオミールとなりますが、実は派生モデルが多く、その数は結構膨大です。そんなたくさんのパネライウォッチの中で、一番人気はどれでしょうか。
今回は東京銀座にある腕時計専門店GINZA RASINが、2023年売上データを集計した結果、パネライの中で最も売れたモデルをご紹介いたします。
誰が着けても納得の、ナンバーワンパネライウォッチとは?
目次
パネライの中で一番人気が高いモデル
ルミノール マリーナ1950 PAM01312
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] P.9010
[パワーリザーブ] 約3日間
[ケース材質] アッチャイオ(ステンレススティール)
[防水] 30気圧防水
[ケースサイズ] 直径44mm×厚さ15.6mm
パネライの文句なしの一番人気であり、内外ともに完成された機械式時計として名高いのがこちらのルミノールマリーナ1950 PAM01312です!
ちなみに2020年、2021年、2022年の売上NO.1に輝いたモデルであり、その勢いは2023年も健在でした!しかも、二位以下を大きく離してのぶっちぎりの一位となっています。
2017年登場と比較的新しいモデルながら、今ではパネライの定番であり、これを選んでおけば間違いないと言っても過言ではありません。
ルミノール マリーナは「パネライと言えばコレ!」と言われるように、同社のデザインアイデンティティであるリューズプロテクタや9時位置のスモールセコンド、視認性に特化させたシンプルな文字盤を持つパネライ一大シリーズとなります。
それもそのはず、パネライはイタリア海軍特殊部隊を中心とする、軍用時計のサプライヤーとして歴史を紡いできましたが、このミリタリーテイストこそがThis is the パネライ!もともと軍用として提供していた夜光塗料「ルミノール」のDNAを受け継いだモデルということもあり、その徹底した機能美を愛するパネリスティ(パネライ愛好家のこと)は少なくないでしょう。
なお、1993年に初めて民生市場へと打って出ることとなりますが、その記念すべきファーストローンチの中に含まれていたのがルミノール マリーナとなります。
そんな歴史あるルミノールマリーナの中でもさらにいくつかの派生がありますが、「1950」がつくものは2006年以降に誕生した新型ケース搭載モデルを指します。
「新型」とはいえ、ベースデザインはルミノールが誕生した1950年代当時のそれを踏襲しています。そのため、パッと見では他のルミノールと大きな違いはありません。
しかしながらディテールを見れば、かなり異なることがおわかりいただけると思います。
何よりの違いは、これまで質実剛健なイメージが強かったパネライケースに立体感・高級感を添えたこと。ルミノール1950はハイエンドコレクションにあたるため、より洗練された仕上がりとなりました。
リューズガードのREG.T.M.のロゴは、Registered Trade Markの略で、パネライのリューズガードが特許を取得していることを意味します。
ルミノール1950のケース誕生以降、パネライラインナップの中でシースルーバックが積極的に採用され始めたことも併せて鑑みると、機械式時計としてもパネライ好きとしても楽しめる逸品と言えるでしょう。
ケースサイズは44mmとやや大型です。もっともこのサイズはパネライのスタンダードです。厚みは15.6mmですので、一般的なスポーツウォッチと同程度ですよね。
出典:https://www.panerai.com/ja/home.html
ちなみにこちらのモデルは2017年に誕生していますが、PAM00312の後継機となります。
デザイン自体は新旧で大きくは変わっていないのですが、何よりの特徴はと言えば薄型自動巻きムーブメントCal.P.9010へ移行されたことでしょう。
前世代に搭載されていたCal.P.9000に比べて2mmほども厚みを抑えており、にもかかわらず約三日間のロングパワーリザーブは受け継がれています。
ちなみにP.9010 搭載モデルは、スモールセコンドの針がライトブルーになっていることが特徴です。
パネライらしく、それでいて厚すぎずスタイリッシュに着けこなせて、しかも機能性も抜群。全く死角のないパネライウォッチと言っても過言ではありません。ナンバーワン人気も納得の完成度ですね。
なお、PAM01312には前期型と後期型の2タイプが存在し、前期型はスケルトンバックかつインデックス等の夜光部分がベージュ、後期型はソリッドバックかつインデックス等の夜光部分がグリーンとなっています。
2024年1月現在の定価は1,171,500円(税込)。中古相場は後期型で70万円台後半~となっております。
パネライの中で人気が高いモデルとは?
パネライの人気モデルはルミノールに集中しており、現行モデルから製造終了モデルまで幅広く売れています。
2番人気としてはヴィンテージデザインが魅力的なGMT機能搭載モデル PAM00088 がランクイン!
3番人気には往年の名作・PAM00090がランクインするなど、個性的なパネライが大きな人気を博しています。
ルミノールGMT PAM00088
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] OP VIII
[パワーリザーブ] 約42時間
[ケース材質] ステンレススティール
[防水] 30気圧防水
[ケースサイズ] 直径44mm×厚さ17.0mm
パネライにはGMT機能を搭載したモデルがいくつか存在しますが、こちらは往年の名作モデルです。スモールセコンドのインダイアルカラーを変えたり24時間サークルを設置したりとGMTにありがちな「見づらさ」を排除した設計となっており、GMT針によって指示されるホームタイムも第2時間帯も非常に見やすいデザインとなっています。
ヴィンテージな意匠を持つことから軍用時計としての雰囲気を存分に味わうことができ、ミリタリーウォッチとしての評価も高いです。
GMT針のみならず、9時位置のスモールセコンド・3時位置の日付窓と、ルミノールマリーナのアイデンティティを備え、インデックス・針のディテールにはレトロカラーの加工塗料が塗布されています。
現在は生産終了していますが、比較的よく出回っています。中古市場での需要はきわめて高く、平均相場は大体50万円台後半~(状態にもよりますが)。
毎年売れ筋に上がるモデルですが、今年は第二位と大躍進しました。
人気第3位はパネライはバルジュー7750-P1ベースのOP-IXを搭載した名機PAM00090です。「ルミノールパワーリザーブ」の第二世代として長年愛され続けた人気作であり、中古市場で絶大な人気を誇ります。
ルミノール パワーリザーブ PAM00090
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] OP-IX
[パワーリザーブ] 約3日間
[ケース材質] アッチャイオ(ステンレススティール)
[防水] 30気圧防水
[ケースサイズ] 直径44mm×厚さ16.0mm
ルミノール パワーリザーブはマリーナにパワーリザーブインジケーターを搭載した設計となっており、実用性に優れるパネライとして人気を博してきたモデルです。
特にこのPAM00090は多機能モデルでありながらも文字盤のバランスが良く、シンプルさとカッコよさを両立させた名機として幅広い世代の男性から支持を受けました。
ケースはパネライのスタンダード44mm。シンプルなのに大迫力なディティールが堪りません。
また、ゼンマイの残り持続時間がわかることは想像以上に便利で、一度手にすると次もパワーリザーブインジケーターを持つモデルが欲しくなると言われています。
2017年に後継機であるPAM01090も発売されていますが、PAM00090の方が50万円台前後~と平均相場がお手頃価格になっているため、売れ行きとしては旧型であるPAM00090に軍配が上がっています。
今のところは流通量が多いため、入手のしやすさも安定的な人気に繋がっているのでしょう。
4番人気は昔ながらのルミノール マリーナ 44mmを体現したPAM00104です!
ルミノール パワーリザーブ PAM00104
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] OPIII
[パワーリザーブ] 約42時間
[ケース材質] アッチャイオ(ステンレススティール)
[防水] 30気圧防水
[ケースサイズ] 直径44mm×厚さ16.0mm
2017年にPAM01104へと移行を果たしましたが、価格が中古ゆえにこちらの方が安いこと。加えて出回りがかなり豊富なことから、2022年の今なお売上本数ランキングで4位に君臨するという実力を見せつけました。
ちなみに第1位でルミノール 1950ケースをご紹介致しましたが、昔ながらのルミノールケースと言えば丸みを帯びたこちらです。
サイクロップレンズやシンプルなリューズガードと併せて、「こちらの方が好み」といった方も少なくないでしょう。
ところでこのPAM01104、PAM00090と同様にムーブメントについても特別な思い入れがある方、多いのではありませんか?
PAM00090でも言及しているように、搭載するCal.OP IIIはバルジュー7750がベースとなっているため!バルジューは1985年にETA社(現ブレゲ)の一部となりましたが、クロノグラフの名門中の名門として名を馳せたエボーシュメーカーです。ロレックスやオメガといった名門へもムーブメントを供給してきた歴史を持ちます。
このバルジュー7750もまた、パネライのみならずチューダーやブライトリングへと搭載されてきました。
信頼性や耐久性が高いことは言わずもがな。メンテナンスノウハウが出回っていることもあり、末永く愛用できる傑作機としても親しまれています。
5番人気はルミノール サブマーシブルの定番モデル「PAM00683」です!
サブマーシブルも近年人気を高めているシリーズのひとつであり、こちらも例年よく売れています。
パネライ ルミノール サブマーシブル PAM00683
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.OPXXXIV
[パワーリザーブ] 約3日間
[ケース材質] アッチャイオ(ステンレススティール)
[防水] 30気圧防水
[ケースサイズ] 直径42mm×厚さ13.2mm
サブマーシブルの中でも群を抜いた需要を博すPAM00683。オシャレさを重視しながらも、機能やスペックはダイバーズウォッチとして申し分ない仕上がりです。
従来のサブマーシブルよりもコンパクトな直径42mm設計となっており、細身の方にもお使いいただけます。
シンプルなデザインであることから、ビジネススーツに合わせたいといった層から人気を博し、堅調に売り上げを伸ばしました。
約3日間のロングパワーリザーブに充実の300m防水。デザイン、実用性ともに満足度の高い一本だといえるでしょう。
また、中古相場は80万円台~とスペックを加味すると非常にリーズナブルなプライスであるといえます。
6番人気としてランクインしたのは1位に輝いたPAM00312と同じくルミノールマリーナ1950のPAM01321。こちらも今なお高い需要を博しています。
ルミノール マリーナ1950 PAM01321
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] P9012
[パワーリザーブ] 約3日間
[ケース材質] アッチャイオ(ステンレススティール)
[防水] 30気圧防水
[ケースサイズ] 直径44mm×厚さ16.0mm
PAM01321は、ルミノール 1950にGMTおよびパワーリザーブインジケーターが搭載された多機能モデルです。
ランキングは6位となりますが、それは需要の高さによる入荷数の少なさが理由であり、潜在的なポテンシャルはパネライ随一のモデルと言えるでしょう。
事実2020年・2021年においては2番人気モデルに輝いており、幅広い層から支持を集めています。
2023年に惜しまれつつも生産終了となりましたが、その人気は今もなお衰え知らずです。
PAM01321は3日間ものパワーリザーブを備えた自社製自動巻きムーブメントP9012が搭載されています。
GMT機能に加え5時位置にはパワーリザーブを搭載。44mmとボリューミーなフェイスに独特のリューズプロテクターと、パネライのデザインアイデンティティがよく活きた一本です。
バランスよくシンプルに各インジケーターが配置されており、高い視認性と端正な顔立ちを確立しています。
ケースは44mmとビッグサイズですが、薄型自社製自動巻きムーブメントP.9002を搭載しているためか、大きすぎるといった声はあまり聞きません。
これもPAM01321が持つ魅力といえます。
ルミノール1950自体がハイエンドコレクションと言うこともあり、定価は1,402,500円(税込)、中古相場は80万円台前後~とやや高め。
しかし、その分性能もステータス性も高く、30代40代以上の男性を中心に厚い支持を得ています。
まとめ
2023年の当店売上データをもとに、パネライの1番人気、および人気TOP5をご紹介いたしました。
「売上本数」がベースなため、入荷状況によって順位が変わることもあり、正直どれを選んでもパネライの魅力を楽しむことができるでしょう。
また、今回ランクインしなかったモデルの中でも、クロノグラフを搭載したルミノール クロノやクッションシェイプがダイナミックなラジオミール。あるいはエントリーモデルとして人気を博すルミノール ベースなど、パネライにはまだまだおすすめしたいモデルがあり、枚挙にいとまがありません。
気になるモデルがあれば、ぜひ一度お問合せください!