世界最高峰の時計ブランドとして人気を博すパテックフィリップ。Watches And Wonders Geneve 2024において「ワールドタイム」「アクアノート」の新モデルが発表されましたが、更なる新作情報が届きました!
今回発表されたパテックフィリップの新作は新モデルではなく、新コレクション「Cubitus(キュビタス)」です。
パテックフィリップ第3のラグジュアリースポーツウォッチとして歴史を紡ぐことになります。
この記事では、パテックフィリップ待望の新コレクション「キュビタス」について詳しいスペックや魅力を解説していきます。
目次
パテックフィリップ新作キュビタスはどんな時計?
パテックフィリップのコレクションとして約25年振りの新作となる「キュビタス」。1999年に発表された「Twenty~4」以来の新作であり、自ずと期待が高まります。
モデルとしての最大の特徴は何といってもスクエア型のケースが採用されていることです。
雰囲気全体としてはノーチラスの派生形にも見えますが、ラグジュアリーな意匠設計に力強さが加わっています。
画像引用:パテックフィリップ 公式サイト
パテックフィリップは伝統を重んじるブランドではありますが、今作「キュビタス」においてはコンテンポラリーな魅力を感じます。
八角形ベゼルであることはノーチラスと同様ですが、キュビタスはより直線的なデザインです。一切の無駄を省いた合理的な文字盤設計もノーチラスを彷彿とさせます。
精度や安定性といった時計としての機能性も従来通りで、今回発表された3モデル共にパテック フィリップ・シールが刻印されています。
パテックフィリップ「キュビタス」新作まとめ
パテックフィリップ「キュビタス」のファーストモデルとしてラインナップされたのは以下の3モデルです。
- プラチナ 5822P-001
- スチール&ローズゴールド 5821/1AR-001
- ステンレススチール Ref. 5821/1A-001
いずれも現代のトレンドに合わせた魅力的な仕上がりとなっています。
文字盤やケースのバリエーションとしては、やはりノーチラスに近い印象を受けます。
ここでは、各モデルの特徴や魅力について解説していきます。
Cubitus Ref.5822P-001
画像引用:パテックフィリップ 公式サイト
スペック |
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【外装】 ケースサイズ:直径45mm ケース厚み:9.6 mm ケース素材:プラチナ ストラップ:コンポジット素材、ファブリック柄、カラーはネイビーブルー 文字盤:ブルー・ソレイユ |
【ムーブメント】 駆動方式:自動巻き ムーブメント:キャリバー 240 PS CI J LU パワーリザーブ:最小38時間、最大48時間 |
【機能】 防水:30m |
【価格・発売時期】 予定価格:13,990,000円(税込)※要問合せ 発売予定:2024年 |
Ref.5822P-001はケースにプラチナを採用したキュビタスの最高級モデルです。
パテックフィリップとしては珍しい直径45mmのビッグシルエットですが、厚さは9.6mmと薄型な設計になっています。
また、文字盤にはノーチラスの定番でもある「ブルー・ソレイユ」が採用されており、縦サテン仕上げとポリッシュ仕上げのコントラストが楽しめます。
同社の公式サイトにおいてはモダンで《カジュアル・シック》なスタイルのモデルと表現されており、まさにコンセプト通りの上品な仕上がりです。
画像引用:パテックフィリップ 公式サイト
Ref.5822P-001には瞬時送り式大型日付表示、曜日表示、ムーンフェイズ表示の組み合わせた新型キャリバー「240 PS CI J LU」が搭載されています。
「240 PS CI J LU」は名作キャリバー240の派生形であり、ムーンフェイズと大型日付表示を兼ね備えながらも、厚さは僅か 4.76 mmの極薄設計です。
伝統と革新が見事に融合された最新キャリバーとして、今後もキュビタスの定番として組み込まれていくことでしょう。
なお、ベルトに関してはネイビーブルーのファブリック柄コンポジット素材バンドが採用されています。プラチナケースとの組み合わせは賛否両論がありますが、独特な存在感を放っています。
気になる定価に関しては13,990,000円とパテックフィリップのコンプリケーションらしい破格の価格設定です。流通量によって実勢相場は変化しますが、近年の流れを読むと定価以上の価格で取引される可能性が高いでしょう。
Cubitus Ref. 5821/1AR-001
画像引用:パテックフィリップ 公式サイト
スペック |
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【外装】 ケースサイズ:直径45mm ケース厚み:8.3 mm ケース素材:ローズゴールド&ステンレススチール ストラップ:ローズゴールド&ステンレススチール 特許取得のロック可能な調整システム付折り畳み式バックル 文字盤:ブルー・ソレイユ |
【ムーブメント】 駆動方式:自動巻き ムーブメント:キャリバー 26‑330 S C パワーリザーブ:最小35時間、最大45時間 |
【機能】 防水:30m |
【価格・発売時期】 予定価格:9,700,000円(税込)※要問合せ 発売予定:2024年 |
Ref. 5821/1AR-001はローズゴールド&ステンレススチール仕様のコンビモデルです。
ブルー・ソレイユと2トーンのケースが美しいコントラストを作り上げています。
デザインとしてはノーチラス Ref.5980/1ARに近いですが、独自性溢れるスクエア型ケースによって既存のモデルとは異なる存在感を放ちます。
キャリバーにはストップ・セコンド機能を備えた自動巻き「Cal.26-330 S C」を搭載。Cal.324系の整備性を高めた最高品質のキャリバーが組み込まれています。
また、ケースバックはシースルー仕様となっており、21K製ゴールドローターの精密な動きを眺めることができます。
Ref. 5821/1AR-001の定価は9,700,000円。プラチナモデルより定価は低く設定されていますが、金の高騰もあり1000万円に迫るプライスとなっています。
Cubitus Ref. 5821/1A-001
画像引用:パテックフィリップ 公式サイト
スペック |
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【外装】 ケースサイズ:直径45mm ケース厚み:8.3mm ケース素材:ステンレススチール ストラップ:ステンレススチール 文字盤:オリーブグリーン・ソレイユ |
【ムーブメント】 駆動方式:自動巻き ムーブメント:キャリバー 26‑330 S C パワーリザーブ:最小35時間、最大45時間 |
【機能】 防水:30m |
【価格・発売時期】 予定価格:6,530,000円(税込)※要問合せ 発売予定:2024年 |
昨今のパテックフィリップはステンレススチールの需要が高く、この Ref. 5821/1A-001も今後入手困難モデルの仲間入りを果たす可能性が高いです。
Ref. 5821/1A-001の特徴は3モデルのなかで最もオーソドックスな仕様となっていることです。シーンを選ばず活用できるメタルブレスレットに、シンプルな機能設計。文字盤には最新のトレンドカラーともいえる「オリーブグリーン・ソレイユ」が採用されています。
定価こそ6,530,000円の設定ではありますが、実勢相場は1000万円越えになることが予想されます。
パテックフィリップのキュビタスの評価
キュビタスについて主観を述べると、「好みの分かれる時計」だと感じています。
ノーチラスとアクアノートに関しては明確なコンセプトの違いがありましたが、キュビタスに関してはキューブ型のノーチラス?という声も多い印象。
評価は賛否両論で、直径45mmというサイズ感に関しても厳しい意見もあるようです。
ただ、カルティエ サントスやタグホイヤー モナコといったスクエア型の時計が好きな層にとっては刺さる時計に思えます。
小ぶりで上品なノーチラスに対して直径45mmケースのキュビタスが受け入れられるかどうか?これも今後のキュビタス人気を左右する重要なポイントだといえるでしょう。
パテックフィリップのキュビタスの価格比較表
画像引用:パテックフィリップ 公式サイト
25年振りの新コレクションとして発表されたパテックフィリップ キュビタス。今一度3モデルの価格を比較してみましょう。
モデル | 定価 |
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Ref.5822P-001 | 13,990,000円(税込) |
Ref.5821/1AR-001 | 9,700,000円(税込) |
Ref.5821/1A-001 | 6,530,000円(税込) |
定価でいえば、ケース素材と搭載ムーブメント相応だといえます。
ただ、待望の新コレクションであることも加味すると、キュビタスを定価で購入できる可能性は低そうです。
ノーチラスほど高騰するかどうかは今後の市場動向次第ではありますが、初動においてはどのモデルも簡単に入手することはできないと思います。
今後の資産価値や需要を考えると、ステンレススティール Ref.5821/1A-001が3モデルの中で最も魅力的です。
「ステンレススティール」「オリーブグリーン・ソレイユ」「メタルブレスレット」と人気の出る要素が揃っています。
Ref.5821/1A-001に限らず、デザインに魅力を感じるのであれば、どのモデルも「買い」だといえるでしょう。
まとめ
パテックフィリップの新作「キュビタス」はスクエア型ケースが魅力的な同社第3のラグジュアリースポーツウォッチです。
力強い直径45mmが採用されているため、好みの分かれる時計だといえます。
個性的な形状ではありますが、奇をてらったデザインではないため、好きな人はとことん好きになるコレクションだといえるでしょう。
ノーチラスと同じく今後はプレミア価格で相場が推移していくと予想されるため、気になる人は時期を時機を窺いつつ、早めに手に入れることをおすすめします。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年