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WEBマガジン, 南幸太朗, パテックフィリップ

パテックフィリップも購入制限開始!ノーチラス・アクアノートの同一モデルは再購入不可へ。進む転売対策

最終更新日:

「パテックフィリップも購入制限するって本当?」
「パテックフィリップの転売対策について知りたい」

パテックフィリップも、ついに転売対策として購入制限を開始した旨を先日よりお伝えしております。

既にご存知の方も多いかもしれませんが、2019年11月より、ロレックスが人気のスポーツモデルを対象に購入制限を開始しました。

これは、ステンレススティール製のデイトナやサブマリーナ、GMTマスターIIなどを中心に「お一人様一点まで」「対象モデルを購入した顧客には向こう5年間は同一モデルの販売不可」「購入時に身分証明書提示」といったものでしたが、同様の施策がパテックフィリップでも敢行されることとなったのです。

対象モデルは言わずもがな、大人気のノーチラスとアクアノート。

さらに、パテックフィリップのCEOであるティエリー・スターン氏から、明確に転売対策についても言及されるなど、パテックフィリップの昨今の姿勢も露わになっております。

そんなパテックフィリップの転売対策について知りたいという人は多いのではないでしょうか。

手に入りにくくなり、今後さらに相場が上がる可能性もあります。

この記事では2020年より打ち出されている、パテックフィリップの転売対策についてGINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。

今後の施策についても考察しますので、パテックフィリップの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。

パテックフィリップ ノーチラス 5711/1A

※掲載する情報は2020年2月現在のものとなります。

 

パテックフィリップ購入制限 概要

パテックフィリップの2020年2月より始まった購入制限について、正規店に問い合わせてみました!

 

対象モデル:ノーチラス,アクアノート(一部モデル除く)

制限内容:同一モデルの再購入不可

 

ノーチラス,アクアノートはパテックフィリップのスポーツラインです。

この2ラインに関して、同一人物による同一モデルの再購入は不可能となりました。

つまりパテックフィリップも「お一人様一点まで」というわけですね。

 

現在、高級時計のスポーツモデル人気が、空前絶後のものとなっております。

とりわけロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲに至ってはその傾向が顕著で、もともとの生産本数の少なさも相まって、定価を大きく超える実売価格を記録していました。

ちなみにパテックフィリップのノーチラスは定価3,575,000円(5711/1A)、アクアノートは定価2,629,000円(5167/1A)。現在の相場と言いますと、前者は新品で990万円台~、後者は460万円台~となっております。

どちらも屈指のプレミア相場であることがおわかり頂けるでしょう。

パテックフィリップ アクアノート

こうなってくると出てくるのが「転売屋」です。

正規店で人気モデルを購入し、ご自身で使うのではなく、そのまま時計専門買取店へ買取に出す・・・定価で手に入れていれば、莫大な利益を手にすることができますね。

この傾向に「待った」をかけたのがロレックスでした。

もともとロレックスでは、「購入時の保護シール剥がし」「購入者の腕回りに合わせたブレスレット調整」など、購入者が使うことを前提とした対策は随時行っていましたが、それでも転売屋を止めることはなかなか難しいのが現状でした。

そのため、冒頭でも言及しましたが、2019年11月より「対象モデルについて、お一人様一点限り(5年間)」を徹底することとなったのです。

 

それに追随する形となったのが、今回のパテックフィリップの購入制限でした。

同一モデルに関しては、基本的にパテックフィリップ・ジャパンでは購入を受け付けず、製造もしない、と言うのです(期間は今の時点では設けず)。

基本的にパテックフィリップでは購入時に身分証明書等は必要ありません(ロレックス以外の多くの店舗がそうですが)。

ただ、現状でも保証書は即日発行はされず、請求が必要です。保証書の名前が消してあるだけで保証が無効になるほど厳格なものであるため、今後はより「オーナーが購入者であること」を求めるためにも、購入時に何らかの本人確認が設けられるのかもしれません。

現状では、ある程度はショップの裁量にも拠るようです。

パテックフィリップ ノーチラス プチコン

また、一口にノーチラスだ、アクアノートだと言っても、3針やSSモデルだけではありません。

ピンクゴールド製やダイヤモンドがセッティングされたモデルなどがラインナップされていますが、「ノーチラスを一本買ったら今後ノーチラスの全てのモデルが買えないのか」「同一型番のみを制限の対象とするのか」については答えてもらえませんでした。

恐らくはノーチラスであれば5711系、「プチコン」とも称される5712系、5726系、5990系。アクアノートであれば5167系、5164系、5968などが対象の中心となるでしょう。

ただ、今回いくつかの正規店に問い合わせたのですが、どのお店も「皆様にお待ち頂いているので、少しでも多くの方にお届けしたい」とのこと。

当然と言えば当然ですよね。

本当に欲しい方にとっては、今回の購入制限は英断だったと思います。

しかしながらパテックフィリップ側が流通量を増やすわけではありませんので、今後さらに新品の流通が少なくなっていくであろうことは想像に難くありません。

そうなると、相場高騰が心配なところ・・・

パテックフィリップの動向に注目していきましょう!

 

パテックフィリップでは予約も受け付けられない?

SNS上で既に今回の購入制限の情報が出回っているようですが、「ノーチラス・アクアノートに関して、新規予約が一切受け付けられなくなる」といったものがありました。

この件をパテックフィリップに問い合わせたところ、ほぼ真実でした。

ただ、これは購入制限などではなく、現在予約がいっぱいになりすぎていて、新規のご予約が受け付けられない状況、とのこと。これは以前からも言われていましたね。

こちらもノーチラス・アクアノートの全てのモデルについて予約を受け付けないのかどうかは、ショップによって対応が異なるようです。

とは言え、人気のSSモデル(5711/1Aおよび5167/1Aなど)に関しては、ほとんど不可能と思った方が良いでしょう。

 

パテックフィリップの転売対策と今後

パテックフィリップ

上記の購入制限は、前述の通りパテックフィリップ・ジャパンによって行われているものです。

しかしながら、ニューヨークタイムスなど各メディアのインタビューで、パテックフィリップの現CEOティエリー・スターン氏は「転売屋(英語だとflipper-フリッパー―。水ひれからちなんでいる)」について言及し続けてきました。

もともとパテックフィリップは、市場に出回る自社製品を自ら買戻していました。この狙いは、シリアルナンバーから販売元を特定することにあります。

メーカーがどの正規販売店に卸した時計かを特定した時、もしそのショップと業者(あるいは転売屋と呼ばれる方々)に何らかの癒着があった場合、対策を講じる必要が出てきますね。

このパテックフィリップの転売屋への対策を改めて強調する一方で、増産も計画している、ということが判明しました。どのモデルかは明確に発言されていませんが、「最も市場を賑わせている時計」とのことですので、恐らく本項でもご紹介したノーチラス・アクアノートなどのスポーツモデルが対象となると思われます。 

事実、パテックフィリップは2018年末に新工場の建設を開始しており、生産拡大が噂されていました。現在のパテックフィリップの年間製造量は6万本ほどですので、中国やインドなど巨大市場の需要にとうてい追いついておらず、パテックフィリップの相場高騰にますます拍車をかけている状況でした。

供給が増えればある程度は相場が落ち着くことが考えられますが、それでも大量生産と言うわけにはいかないでしょう。

購入制限と合わせて、パテックフィリップの転売対策が進めば、やはり相場高騰の方のシナリオが思い浮かんで仕方ありません。

 

まとめ

パテックフィリップがノーチラス・アクアノートを対象に打ち出した、購入制限および同社の転売対策についてご紹介いたしました!

なお、ノーチラスの中でも屈指の人気を誇っていた5711/1Aの白文字盤は2020年に生産終了が決定しています。今回の購入制限と合わせて、ますます手に入れづらくなる可能性も・・・

文中でも述べたように、今後さらに相場が上がる可能性もございますので、本当に欲しい方は相場動向から目を離さないようにしましょう!

当店でも、2020年パテックフィリップの動きを随時追っていきたいと思います!

当記事の監修者

南 幸太朗(みなみ こうたろう)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ

学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。

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