Watches and Wonders Geneva, ロジェデュブイ, 田中拓郎
出典:https://twitter.com/roger_dubuis
時計上級者の御用達ブランド・ロジェデュブイ。
時計業界では知る人ぞ知る、といった立ち位置ながら、EXILE ATSUSHIさん、ガクトさん、大リーガー前田健太さん、ダルビッシュ有さんなど、多くの芸能人・著名人に愛されているブランドでもあります。
そんなロジェデュブイの2020年新作、様々な「革新」を垣間見ることができます!
Watches & Wonders Geneveで公開された、ロジェデュブイの2020年新作をご紹介致します!
目次
出典:https://www.rogerdubuis.com/ja
スペック
外装
型番: | RDDBEX0842 |
ケースサイズ: | 直径45mm×厚さ16.8mm |
素材: | カーテック マイクロメルトBioDur CCMTM |
文字盤: | スケルトン |
ムーブメント
ムーブメント: | RD0107 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約60時間 |
機能
防水: | 30m |
その他: | 世界限定1本生産 |
フラグシップ「エクスカリバー」より。中世の宗教音楽より名前をちなんだ、2020年新作からご紹介いたします!
「悪魔のサウンド」とロジェデュブイ自身が語る、究極のミニッツリピーターの登場です!
パッと見ただけでタダモノではない雰囲気を醸し出すこちら。
外装も、内部機構もまた、独自進化が読み取れる一本となっております。
出典:https://twitter.com/roger_dubuis
まず、外装に使われている革新素材について言及いたします。
こちらは「カーテック マイクロメルトBioDur CCMTM」とよ呼ばれる素材。2017年頃より、ロジェデュブイは革新素材機構を押し出した新作ローンチを開始しておりますが、その最新版アップデートと言っていいでしょう。
この素材は航空輸送業や宇宙開発などの最先端産業に用いられるほどのもの。当然、時計に使用されるのは業界初の試みです。
非磁性のコバルトクロムモリブデン鍛造合金なるもので、マイクロメルト製法によってケース状に加工された、ということ。正直、この製造方法がどのようなものか寡聞にして知らないのですが、なんでも粉末状の同合金を焼結させることで、その真価を発揮するとか。
耐衝撃性・耐摩耗性に富むことはもちろん、時計にありがちな傷がついても光沢や美しさを維持することが何よりの特徴であり魅力です。
出典:https://twitter.com/roger_dubuis
さらに、内部機構についても言及しなくてはなりません。
558ものパーツでできたこの超絶コンプリケーションは、ミニッツリピーター×フライングトゥールビヨンを搭載しております。
どちらもパーペチュアルカレンダーとともに「世界三大複雑機構」の一つに数え上げられており、ただ製造するだけでもきわめて高度な時計製造技術力を必要とします。
しかしながらロジェデュブイのすごいところ。
それは、ミニッツリピーター自体にギミックを仕掛け、「ディアボルス イン マッキーナ」を表現しているのです。
どういうことかと言うと、ミニッツリピーターは決まった時刻にゴングを鳴らすアラームのような機構なのですが(もちろん)、このゴングの音色が「ディアボルス イン マッキーナ」を表現するように調整されているのです。
ミニッツリピーターの動作中はリューズやプッシャーは可動しないような安全装置付き、という実用性にも考慮されているのが、さすが時計メーカーですね。
こういった機構面もさることながら、ただ文字盤をオープンワークとするだけでなく、奥部に超絶コンプリケーションを、全面にランダムなローマンデックスのブリッジを配することで、より効果的にそして印象的にメカニックな風貌を知らしめることとなりました。
もともとロジェデュブイはムーブメント製造のみならず、独創性に溢れともすれば「奇抜」なデザインで一世を風靡しているブランドです。
その、ブランドレガシーとも言うべきデザイン性が、如実に現れた2020年新作ではないでしょうか。
なお、さらに驚かされるのが、こちらの新作は世界限定1本のみ生産、という超希少種である、ということ!
ロジェデュブイは少量生産のブランドですが、こちらはもうほとんど受注生産のような製品ですね・・・
予価は571,000米ドル。日本円にすると6,000万円近くでしょうか。
時計好きであれば、一度は手にしてみたい2020年の新作ですが、ぜひロジェデュブイにはレギュラー生産を頑張ってほしいものです!
出典:https://www.rogerdubuis.com/ja
スペック
外装
型番: | RDDBEX0900 |
ケースサイズ: | 直径45mm×厚さ15mm |
素材: | ミネラルコンポジットファイバー(MCF) |
文字盤: | スケルトン |
ムーブメント
ムーブメント: | RD01SQ |
駆動方式: | 手巻き |
パワーリザーブ: | 約50時間 |
機能
防水: | 30m |
予価: | 32,164,000円 |
さらに、エクスカリバーより、ダブルフライングトゥールビヨンを搭載した超絶コンプリケーションがラインナップされております!
白が爽やかなトゥーフォールドです!
厳密にはWatches & Wonders Geneveでの初お披露目ではありませんが、超絶革新の要素を多数抱えておりますので、2020年新作目玉製品として併せてご紹介いたします。
ちなみに、トゥーフォールド(Twofold)とは、二倍とか二面性とかの意味を持つ英語です。
前述の通り、トゥールビヨンは世界三大複雑機構の一つです。
このトゥールビヨン、通常は「ブリッジ」と呼ばれるパーツでムーブメントと繋ぎ、支えられております。
しかしながら、このブリッジを取り払い、「まるでトゥールビヨンのキャリッジが飛んでいるような」機構のことをフライングトゥールビヨンと呼び、さらにそれが二つも搭載されているという、超驚きの機構となっております。
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でも、この2020年新作エクスカリバーの本当に特筆すべき点はそこではありません。
なんと、「世界初」が三つも採用されています!
まず一つ目が、ベゼルやケースに使われる素材です。これは、どのオートオルロジェリー(ここでは高級時計的な意味合いでしょう)でも使用したことのない真っ白な合成素材が使用されております。
これは、99.9%シリカ(二酸化ケイ素系の素材。石英などと同族)で構成されたピュアホワイトで、ミネラルコンポジット(合成素材)ファイバーとなります。エクスカリバー特有の切込みが入ったベゼルが、従来品とは全く違った様相となっていますね。
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二つ目の「世界初」が、ロジェデュブイの特許取得技術である、LumiSuperBiwiNovaなるスーパールミノバ夜光が、キャリバーのプレートの随所にあしらわれているのです。
これによって暗闇で、ロジェデュブイが誇るムーブメントの輪郭をいつでも確認することが可能となりました。ちなみにこの発光塗料は、持続時間も延長されており、機能面でも確実なアップデートを遂げております。
三つ目は、ロジェデュブイ独自のFKMラバーストラップにも、上記のLumiSuperBiwiNovaが塗布されている、ということ。時刻視認のためであれば、ラバーストラップに夜光は必要ありません。しかしながら、ロジェデュブイクラスの時計は、「時刻を確認する」よりも「ステータスとして着ける」ことが大切。そんなブランドの魅せ方を理解しているロジェデュブイならではの試みと言えるでしょう。
なお、こちらも世界限定8本生産と、非常に稀少性の高いタイムピースとなっております。
そのためなかなか一般ユーザーが手に取るような類の代物ではありませんが、これまたやはり、一度は見てみたい逸品です。
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