例年、新作発表の場で最も注目を集めるのは、やはりロレックス。
2024年の新作ロレックスが発表される「Watches and Wonders Geneva 2024」は2024年4月9日(火)~4月15日(月)までジュネーブの大型展示場パレクスポで開催されることが決定いたしました。
2024年は「ナショナル・ジオグラフィックとのパートナーシップ凍結から70周年」「デイトナ“レパード”116598SACO発表から20周年」「ターノグラフ発表から20周年」など様々な節目となる年です。
2023年は「デイトナ誕生60周年&プラチナ製デイトナ10周年」「エクスプローラー誕生70周年」などに該当し、同モデルの新作が発表された経緯もありますので、見逃せないポイントになりそうですね。
いったい2024年はロレックスから、どのような新作モデルがリリースされるのでしょうか。
この記事では、Watches and Wonders 2024に先駆けて、ロレックスの新作を大胆予想いたします!
目次
ロレックスの2024年新作ティザー動画が公開!動画に映る気になるモデルは?
2024月4月5日にYoutube ロレックス公式チャンネルでティザー動画が公開されました!
動画引用:ROLEX公式Youtubeチャンネル
動画再生時(動画アイキャッチに映るのはジュビリーブレスなのでまた別のモデル説)の冒頭に映るのはエバーローズゴールドのプレジデントブレスレット、フルーテッドベゼルという特徴のモデル。
一見その特徴から「デイトジャスト」かな?とも思いますが、続く動画を見てみるとその予想は違った見解となります。(デイデイトは曜日表記箇所が見えないため違うと予想)
中央に窪みらしき影。これは「スカイドゥエラー」の文字盤の特徴ともいえるため、これはプレジデントブレスレットのスカイドゥエラーが濃厚そうです。
画像引用:ROLEX公式Youtubeチャンネル
次にティザー動画で映るのは、ダイヤルの模様と指針が特徴的なモデル。カラーはアイスブルーに近いです。
こちらは同時にアップロードされているシュート動画を見てみるとミニッツサークルまで映っており、1908と同一の特徴となっています。
そのため、現時点では「プラチナの1908」というのが新作モデルとして濃厚かと思われます。
1908の新しいバリエーションとして新作展開するのかもしれませんね。
画像引用:ROLEX公式Youtubeチャンネル
次に映るのはジュビリーブレスに回転ベゼルのモデル。
GMTマスターⅡが最有力とされていますが、サブマリーナやシードゥエラーも候補として挙げられます。
ダイヤル部分を隠し、あえてベゼルとブレスのみを映しているので何とも予想しづらいですが、登場70周年間近のGMTマスターⅡでコークベゼルが復活と噂されています。
2024年ロレックス新作予想①エクスプローラーI コンビモデル登場
“探検家”を意味するエクスプローラーは、過酷な状況下でも高いパフォーマンスを発揮する、高い堅牢性と精度、視認性を備えるスポーツウォッチです。
エクスプローラーIはシンプルなルックスがウリのモデル。そこであえて華やかさを取り入れたステンレススティール×イエローゴールドのコンビモデルの誕生を予想します。型番でいうと、224273になるのでしょうか。
2023年には誕生70周年を迎え、Watches & Wonders Geneve 2023にて新作「エクスプローラーI 40 Ref.224270」が「Ref.214270」の後継機種として誕生しています。
前回の予想記事でもご紹介しましたが、2021年新型エクスプローラーIでは、ステンレススティール×イエローゴールドのコンビモデル36mm径のRef.124273が誕生しています。このコンビのことをロレックスはロレゾールと呼んでいます。
これはロレックスの造語で、最高品質904Lステンレススティールと18Kゴールドを組み合わせた外装を指します。ゴールドがイエローなら“イエローロレゾール”と呼びます。このモデルの華やかなデザインは、現行モデルとして現在もファンからの高い支持を受けています。
そこで、40mm径でもコンビモデルが誕生すれば、36mm径のRef.124273と合わせてペアで身に着けることも可能となるのではないでしょうか。実は昨年も「エクスプローラーのコンビモデル」と予想していたのですが、当たらず今年こそは!という思いもあります。
2024年ロレックス新作予想②コスモグラフデイトナパンダダイヤル復活
正式名称“コスモグラフデイトナ”は公式には1963年に誕生したとされる、ロレックスのクロノグラフモデルです。
2023年は「デイトナ誕生60周年&プラチナ製デイトナ10周年」の年にあたり、同コレクションのフルモデルチェンジが敢行され、デイトナ Ref.126500LN・Ref.126506が発表されて大きな話題になりました。
そして今回注目するのはホワイトゴールド・裏スケ仕様のRef.126529LN。
ダイヤルとベゼルのブラック、インダイヤルのホワイトが逆転したモデルが誕生すると予想します。
Ref. 126529は例年の新作発表とは別に2023年6月に発表されたモデルで、フランスで開催されるル・マン24時間レースの100周年を記念して同レース公式時計を務めるロレックスから発表された特別なモデルです。
Ref.126529LNは、往年の「エキゾチック」ダイアル―通称ポール・ニューマンダイアルと初代デイトナの美点をミックスしたデザインです。
この126529LNはダイヤル部分が黒を基調としたデザインとなっていますが、元々のパンダダイヤルを熱望しているファンも多いことでしょう。そこでポール・ニューマンダイヤルに近づけた反転カラーのパンダダイヤルの復活を予想します。
2024年ロレックス新作予想③コスモグラフデイトナ・ローズゴールドコンビ登場
続いての予想は上記でもご紹介した、2023年の新作デイトナ“126500LN”のブレスレットをステンレススティール×エバーローズゴールドにしたモデルの登場です。
リファレンスでいうと126501になるでしょうか。
エバーローズゴールドは、ロレックスが独自に開発し特許も取得したピンクゴールド素材です。
2005年に発表されてから、現行モデルのピンクゴールドモデルの全てにこのエバーローズゴールドが使われています。エバーローズゴールドは一般的なピンクゴールドよりも変色しにくいという特性を持っています。
また、見た目もロレックスらしい上品な色合いで高級感あふれる印象をさらに引き立てています。
現在デイトナには2023年の新作として発表された無垢のエバーローズゴールド仕様の126505というモデルがありますが、エバーローズゴールドのコンビモデルはありません。
ブラック×エバーローズゴールドの上品でありながら精悍な顔立ちがファンの間ではかなり話題になりました。そこでこのセンスあふれる組み合わせを是非とも他のデイトナでも作って欲しいという願望もあることでしょう。
また、ヨットマスターからも2016年にステンレススティール×エバーローズゴールドのコンビモデルが発売されています。これは116621というモデルで、ステンレス×イエローゴールドのコンビである16623の後継モデルといわれています。
このようなモデルチェンジはパテックフィリップノーチラス、アクアノートでも起きていますのでこの流れをくんで、人気モデルデイトナにもエバーローズゴールドの波がやってくるのでは、と予想しています。
2024年ロレックス新作予想④GMTマスターⅡ・126713GRNRオイスターブレス登場
GMTマスターⅡおよびその前身であるGMTマスターは、世界初のセカンドタイムゾーンを表示する腕時計として開発され、2カ国の時間を表示できる画期的な機能を備えています。今回はそんなGMTマスターIIの新作126713GRNRの、オイスターブレスタイプが作られると予想します。
GMTマスターII126713GRNRは2023年に発表された新作で、今までにない新しいカラーコンビネーションである、グレーとブラックのツートンカラーのベゼルが新鮮で驚かれた方も多いのではないでしょうか。
GMTマスターIIの現行モデルではオイスターブレスのコンビモデルは126711CHNRのみで、ステンレススティール×エバーローズゴールドのコンビです。
過去にはGMTマスターII 16713というオイスターブレスのステンレススティール×イエローゴールドのコンビモデルもありましたが、現在は生産終了となっています。
ベゼル・文字盤のブラックがクールに全体を引き締める印象でファンが多いモデルでもあり、中古市場でも人気の1本です。
そこで人気モデル復刻の意もこめて予想してみました。頑丈なオイスターブレスの方がお好みの方もきっと多いことでしょう。
2024年ロレックス新作予想⑤GMTマスターⅡ・126711CHNRジュビリーブレス登場
続きましては、前項予想と同じくGMTマスターⅡから126711CHNRのジュビリーブレスが発表されると予想します。
繰り返しになりますが、GMTマスターⅡの現行モデルでオイスターブレスかつコンビモデルは126711CHNRのみとなっています。
GMTマスターII 126711CHNRは、2018年バーゼルワールドで発表されました。2018年に発表されたロレックスの新作は14種、そのうち4種がGMTマスターIIでした。
このうち特に脚光を浴びたのは、赤青ベゼル―通称ペプシ―を搭載した、126710BLROです。
しばらくステンレススティール製GMTマスターIIでは姿を消していたペプシのデザインがリバイバルしたとあって、ロレックスファンには嬉しいサプライズだったはず。
しかしながら、ペプシ同様に異彩を放っていたのは126711CHNRではないでしょうか。
GMTマスターII 126711CHNRの特徴はブラウンとブラックに色分けされたベゼルで、ペットネーム「ルートビア」です。(アメリカで19世紀中頃に生まれた炭酸飲料缶の色合いが似ているため、海外では茶×金や茶×黒GMTマスターをこのような愛称で呼んでいる)
現在では「カフェオレ」とも呼ばれていますが、GMTシリーズ初のエバーローズゴールドブレスを使用したインパクトあるモデルとなっています。
この人気モデルを是非、ジュビリーブレスでも!という思いがあり、今回の予想にラインナップしました。
2024年ロレックス新作予想⑥ヨットマスターⅡ116680・116681・116688
ムーブメントと文字盤がリニューアル
今回予想するのは現行モデルとして残っているヨットマスターⅡ「116680・116681・116688」のムーブメントとダイヤルの刷新です。
リファレンスでいうと、126680・126681・126688になるでしょうか。
ヨットマスターからは2023年の新作として、ヨットマスター42 Ref.226627が発表されています。RLXチタンの外装を身にまとい、その精悍なルックスはヨットマスター史上でも最もスポーツモデルに振り切ったデザインと好評です。
このヨットマスターⅡ(Ref.116680以下)が誕生したのは2013年。ヨットマスターとは違い、本格ヨットレースに対応したプロフェッショナル向けスポーツウォッチです。実は、近年モデルチェンジ&生産終了の噂が囁かれているモデルでもあります。
ムーブメントは、現行デイトナに採用されている「Cal.4130」をベースに開発された「Cal.4161」を2013年から搭載しています。
このヨットマスターⅡは、精巧なデザインとシンプルな操作性を両立し、機能美を極めた魅力的な1本と評価も高いです。生産継続の期待をこめてムーブメントの刷新とダイヤルデザイン変更の予想となりました。(シンプルな操作性とはいえ、正しい操作方法を知らない人も多いはず。ヨットマスターⅡの操作方法について知りたい方はこちら。)
2024年ロレックス新作予想⑦デイトジャストオイスタークォーツ 17000が復活
※画像はRef.17000のブルーダイヤルです。
続いての予想はデイトジャストからオイスタークォーツモデルの復活です。
ロレックスでは、ご存じの通り「機械式時計」をメインに展開していますが、その反面世の中的には“スマートウォッチ”のような最新の機能が備わった時計も人気です。
それゆえ、流行りと伝統の間をとって元々人気があったオイスタークォーツRef.17000が復活すると予想します。
リファレンスでいうと127000になるでしょうか。
ダイヤルや素材などのバリエーションが他のモデルに比べてとても多く、多彩な顔を持つデイトジャスト なら、再度クォーツモデルが並ぶということもあり得ると思いませんか。
Ref.17000は1970年代に誕生し、直線と曲線を絶妙に使い分けた特徴的なケースは有名デザイナーのジェラルド・ジェンタ氏のデザインです。
ジェラルド・ジェンタ氏といえば、真っ先に思い浮かぶのはパティックフィリップのノーチラスという方が多いのではないでしょうか。
丸みを帯びた8角形のベゼル、船の窓からインスピレーションを得たケース、丸平エンボス文字盤。Ref.17000の美しいトノーケースのデザインと通じるところがあると思います。
このRef.17000のケースやブレス、ムーブメントが最新のものになって生まれ変わったら、また人々の心を躍らせるのではないでしょうか。
2024年ロレックス新作予想⑧回転ベゼルのデイトジャスト ターノグラフが復活
次の予想もデイトジャストからのチョイスです。
こちらも人気モデルだった「ターノグラフ Ref.116261」の復活です。
ターノグラフ 116261は2004年に登場し、そのデザインはスポーティーで魅力的。ベゼルが回転して“0”に戻ることから「ターン0(オー)」がモデル名の由来となっている回転ベゼルを備えたデイトジャストです。
現在、デイトジャストの「回転ベゼル」を備えたモデルは生産終了となっています。現状ではターノグラフ(サンダーバード)の愛称が着くのはダイヤルのみとなっています。
この人気モデルのベゼル部分のデザインを同じくデイトジャストのサンダーバードRef.16264に変更したモデルが発表されると予想します。
サンダーバードRef.16264とは1956年に誕生した根強い人気のモデルで、空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」の隊長ドン・フェリス大佐の引退記念モデルとして特別発注されたのがその由来とされています。
16264のエッジが効いたベゼルデザインを116261に掛け合わせるというハイブリッドモデルが誕生したらかなり感動的ですね。
2024年ロレックス新作予想⑨サブマリーナー126618LB オイスターフレックスモデル登場
最後の予想はサブマリーナーRef.126618LBのオイスターフレックスモデルの登場です。
1953年に世界初のダイバーズウォッチとして誕生したサブマリーナーは、2020年にシリーズが刷新されてからは2022年、2023年と新作発表はありませんでした。細かな機能の向上などを続けながら成長してきたモデルですので、現行モデルで既に完成されていると言っても過言ではないでしょう。
そこでさらなる機能性の向上としてブレスレットがオイスターフレックスになったモデルの登場を予想します。
オイスターフレックスベルトは、ロレックスが展開するゴールドモデルに採用されているラバーベルト風ストラップです。
2015年ヨットマスター40のローズゴールドモデルに使用されて登場しました。
一般的なラバーとは異なりメタルブレードを「ブラック エラストマー」という、豊かな弾性を有したゴム状の高分子物質でコーティングしています。
エラストマーとは「erastic(弾性のある)」+「polymer(重合体)」を合わせた造語です。
メタルブレスレットのような堅牢性・防水性を保ちつつも縦方向クッションシステムによって快適な装着感をも実現しており、デイトナやヨットマスター、スカイドゥエラー等に採用されてきました。
現在ではゴールド製モデルに採用されていますが、ラグジュアリーな雰囲気の中にスポーティーさをプラスできることにも定評があります。
昨今は日本でも海外でも気温や湿度が高い季節が増えつつあります。ステンレスモデルにもこのラバーストラップを採用したモデルが発表されれば、ロレックスウォッチの実用性はさらなる高みへ到達するのではないでしょうか。
最後に
今年も昨年に引き続き2024年、ロレックスが発表すると思われる新作モデルを予想してみました!
デイトナの新作、ターノグラフ20周年記念モデルなど期待はふくらむばかりです。
ロレックスらしい高級感あるこだわりの新作。待っている時間もあれこれ想像をめぐらせて楽しみましょう。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年