「エクスプローラーのブラックアウトって何?」
「エクスプローラーⅠ14270のブラックアウトについて詳しく知りたい」
高級時計ブランドとして100年以上の歴史を持つロレックスには、同じ型番でも外装に細かな違いがある個体が多く存在します。
その中でも製造本数が少ない個体は「レアロレックス」と呼ばれ、プレミア価格で取引されています。
様々な個体がレアロックスとして扱われていますが、エクスプローラーⅠ14270のブラックアウトについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
ブラックアウトはレアロレックスの中でも特に人気が高い個体です。
この記事ではエクスプローラーⅠ14270のブラックアウトについて、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
ブラックアウトの相場価格についても説明しますので、エクスプローラーⅠの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
①該当モデル:エクスプローラー 14270
エクスプローラー14270は現行モデルの2世代前に該当し、1990年代に発売されたモデルです。
外観は現行モデル”214270″と大差ありませんが、ケース径がやや小ぶりな36mmとなっていることや、文字盤の夜光塗料にトリチウムが使われているといった特徴があります。
左:14270 右:214270
1990年~2001年に発売された”14270″には製造年数ごとに「E番、X番、N番・・・」といった品番が割り振られており、そのアルファベットで大体の製造年式を特定することができます。そして、ブラックアウトと呼ばれる個体は E、X品番の一部に存在します。
②エクスプローラー 14270 ブラックアウトの特徴
14270の E、X品番の一部に見られるブラックアウトダイヤル。その特徴はインデックスの違いです。
まず、14270の通常インデックスを確認してみましょう。
数字の上に白いラインが入っていることが分かるはずです。
次にブラックアウトと呼ばれるインデックスを見てみます。
左:通常のインデックス 右:ブラックアウト
比較してみると実に一目瞭然です。
通常インデックスにあった白いラインがありません。
つまり、ブラックアウトとは「白いラインが無いインデックス」を持つ個体の事を指します。
レアロレックスと呼ばれる個体はごく僅かな違いであることが多いのですが、このブラックアウトはかなり明確に通常個体とは異なる特徴をもちます。
左:通常のインデックス 右:ブラックアウト
時計の全体像を見ても、ブラックアウト文字盤には強い個性があります。
14270は2世代前のモデルではありますが、スタイリッシュに見えるブラックアウト文字盤の人気は絶大です。
今尚多くの時計コレクターがこの個体を探し求めています。
③エクスプローラー 14270 ブラックアウトの種類
ちなみにブラックアウトタイプの文字盤は2種類存在します。どちらも「インデックスが白ではない」という特徴をもちますが、センターのロゴがシルバープリント(シルバーレター)かホワイトプリント(ホワイトレター)かに分類することができるのです。
■ブラックアウト×シルバーレター
ブラックアウトの中で特に稀少性が高いと言われるレア仕様はコチラです。
シルバープリント文字に黒いラインがはいったブラックアウト、そしてかつてエクスプローラーIに採用されていたロゴ―シルバーレター―が採用されています。やや見づらい気もしますが、よりクラシカルな印象が強く、ファン垂涎であることが頷けますね。
■ブラックアウト×ホワイトレター
ブラックアウトインデックスはそのままですが、現行エクスプローラーIに採用されているロゴがホワイトとなった仕様です。
シルバーレターの方が稀少性は高くなります。もっとも、ブラックアウト自体がレアですので、当店での入荷がなく画像をご用意できませんでした。
④エクスプローラー 14270 ブラックアウトの相場価格
14270のブラックアウトは製造数が少なかったこともあり、現在プレミア価格がついています。
中古品でも購入となるため、個体の状態にもよりますが、概ね100万~150万程の価格で取引されています。(黒ラインが塗られたブラックアウトの価格)
特に付属品の状態が良好であれば、更に価値は高価です。
現行の214270の新品価格が約70万円程。2世代前のモデルが最新モデルの約2倍の価格となることは驚きです。
いかにレアロレックス、及びブラックアウトに価値があるのかが分かります。
また、今後更にブラックアウトの価値が上がる可能性も考えられますので、投資目的で購入するのもアリだと思います。
勿論、生涯の相棒として購入することもオススメです。人と被らないロレックスであることは間違いありません。
⑤114270にもブラックアウトが存在する?
ブラックアウトは14270に存在するレア個体とお伝えしましたが、実は後続モデルに当たる114270にもブラックアウトが存在します。
ただ、どちらのモデルも黒いラインが乗ったブラックアウト個体は存在しておらず、ラインなしの”シルバーの地がむき出しになったタイプ”のみです。
114270のブラックアウトはV番の一部個体だけが持つ特徴です。製造数は非常に少なく、市場に出回ることはごく稀です。
そのため中古相場も通常モデルより数十万円高くなっています。
しかし、通常個体の2倍ほどの価値を持つ14270の黒ラインブラックアウトと比較すると、レアリティは低めです。
一般的には黒塗りラインが施されたブラックアウトこそが真のブラックアウトという評価を受けているため、現段階では114270のブラックアウトにそこまでの価値はありません。
ただ、何十年か経った時、プレミア価格に化ける可能性はあるでしょう。
まとめ
インデックスが白ではなく、黒で表現されているブラックアウト。36mmという引き締まったケースサイズも相まって、非常にスタイリッシュな表情を見せてくれます。
レアロレックスの中でも特に人気が高い個体ですので、見かけたら即買いしても良いでしょう。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年