1945年に登場した、ロレックスデイトジャストは種類が豊富なモデルとして広く認知されています。ロレックスの代表的な時計でありながら、色々な文字盤、サイズ、素材、デザインがあるのが特徴です。そのバリエーションは非常に多く、様々なニーズや好みに合った「自分だけのロレックス」を選ぶ楽しみがあります。
そこで今回はデイトジャストにはどのような種類があるかをまとめていますが、本当に種類が多く選び方も様々なので、全3回に分けてご紹介します。
第1弾では、メンズのデイトジャストを選ぶにあたって、まずは基本となる「ケースサイズ・ブレス・素材・ベゼル」に着目して説明していきます。それぞれの素材を使用した代表的なデイトジャストをご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
デイトジャストの基本モデルは、細かな変更はありますが誕生当初からケース径36mmサイズ(メンズ)を守り続けています。そして時代を経るにつれて、女性用モデルや男女兼用(ボーイズ)モデルも登場し、さらに近年は、41mmの大型ケースのバリエーションも作られました。
ロレックスに限らず、腕のサイズに合わせて腕時計を選ぶ際は「手首幅の6割~7割のサイズ」が適していると言われています。したがって手首幅が60mmの場合ですと、36mm~42mmという計算になります。手首幅が55mmの場合は33mm~38.5mmということです。
日本人男性の手首幅は50mm台後半~60mm台が多いと思われ、ロレックスのメンズモデルのケースサイズは合わせやすいでしょう。
通販でロレックスを購入する際に迷った時は、手首幅をもとに検討されてみてはいかがでしょうか。
現行で販売されているメンズ のデイトジャストは以下のサイズ展開です。
1945年から続くデイトジャストの超定番モデル。2018年からモデル名がデイトジャスト36に変更されました。スッキリとした印象でスーツなどに合わせやすいサイズです。
2016年に誕生した【デイトジャストⅡの後継モデル】。サイズが41mmとデイトナやGMTマスターⅡなどの定番スポーツモデルよりも1mm大きくなっています。腕まわりがしっかりしている人、カジュアルに着けたい人に合っているサイズです。
また、レディースは28mm・ボーイズは31mmとなっています。ボーイズでも女性が使いやすいサイズが揃っているため、ペアウォッチにも向いていますね。
今回は日本人の平均的なサイズである
の男性が着用しています。
(左)36mm、(右)41mm
平均的な腕回りであれば36mmサイズの方がちょうど良く、スッキリして見えますね。
デイトジャストの現行モデルには「ジュビリーブレス」と「オイスターブレス」のモデルがあり、選ぶポイントの一つとなります。現行モデルの場合は両方ともこの真ん中が鏡面仕上げになっているので高級感がありますが、よりスポーティに見えるのはオイスターブレスでドレッシーに見えるのはジュビリーブレスです。
ジュビリーブレスは通称「5連ブレス」とも呼ばれ、デイトジャストのためにデザインされた定番のブレスです。デイトジャストが登場した1945年から使用されています。ゴールドとのコンビモデルで多くみられるデザインで、“高級感溢れる“エレガントな印象です。
1つ1つのコマが小さいため、腕に馴染みやすくフィット感があるので老若男女問わず人気のブレスです。
オイスターブレスも、ジュビリーブレスと並んでロレックスの代表的なブレスです。1930年代後半から様々なモデルに採用され、人気が衰えることなく最新モデルにも使われています。オイスターブレスは別名「3連ブレスレット」と呼ばれており、3つの大きなコマが連なっている形状で”プレーンな”モデルです。ジュビリーブレスに比べると大ぶりなコマが使われており、スポーティでカジュアルな印象を与えます。
スポーティーやカジュアルな装いが好きな人はオイスターブレス、ドレッシーさや高級感を求める人にはジュビリーブレスがおすすめです。
ロレックスは製造する18金ゴールド素材の全てを自社内で鋳造できる唯一のウォッチメゾンです。デイトジャストはファーストモデルが金素材だったので、外装の一部に金素材を使用しているモデルが多いです。
「金素材」と一口に言っても、実際は「エバーローズゴールド」「イエローゴールド」「ホワイトゴールド」の3種類があります。
また、時代を経て手に入れやすい価格帯のステンレス素材のモデルも登場します。オールステンレスだけではなく、ステンレススティール×エバーローズゴールド、ステンレススティール×ホワイトゴールドなど金素材と組み合わせたコンビ素材も多く展開されています。
その他にも、レディースには高級素材であるプラチナを使用したモデルもあります。プラチナは金よりも産出量が少なく希少価値が高いためあまり見かけることができませんが、出会えた際にはその魅力に心惹かれるでしょう。
上記のように素材の選び方だけで6種類も存在します。ここから先は、デイトジャストに使われている素材を1種類ずつご紹介していきます。
ロレックスは1985年以降、全てのスティール製ケースを高品質な904Lステンレススティールで製造するようになりました。904Lスティールは特に耐蝕性に優れており、ハイテク産業や宇宙工学化学工業などで限定的に使用されている数あるステンレススティールバリエーションの中でも特別なものです。製造可能なのは高度な技術力を持つ一部の製鉄所だけで、「904Lスティール」のように、素材や部品には番号が振られています。
スティール素材にはほかに304、316Lなどがあります。このようなナンバーを覚えておくと素材を見分ける際に役立ちます。この904Lスティールは表面加工によって光沢を得られることでも知られています。
904Lスティール自体は加工が非常に難しく、他のブランドではあまり取り扱わないので、ロレックスの代名詞的なスティールとして広く認知されています。オイスターケースとは、ロレックスが開発した防水・防塵ケースです。牡蠣(かき)のような形状をしているため、この名がつきました。堅牢なオイスターケースを作るには、質の良い金属が不可欠。そこで選ばれたのが904Lスティールでした。
以下で、オールステンレスのモデルをいくつかご紹介します。
1988年に登場したオールステンレス仕様のデイトジャストRef.16200。現在では見かける事が少なくなってきた旧型デイトジャストです。現行モデルには無いシャープなケースデザインが特徴です。爽やかな真っ白のダイアルにローマインデックスを採用した上品なモデルです。
強度とデザインを両立した新しいオイスターブレスや、視認性を高めるために太くなった針、緩やかに盛り上がったドーム型のベゼルなど、旧型に比べてより実用性が高められた1本。美しい同心円のコンセントリック文字盤とアラビア数字の組み合わせが印象的なモデルです。
こちらは、人気のブラック文字盤、トリチウム夜光の組み合わせです。トリチウム夜光とは、自発光塗料でスーパールミノバに変わる1990年台後半まで使用されていました。この夜光の特徴はなんと言ってもエイジングです。茶色く経年変化し、ヴィンテージ感が出てくるので人気の夜光です。
エバーローズゴールドは、ロレックスが発明した金素材です。名前自体聞き慣れないという方も多いかもしれませんが、簡単にいうとロレックスオリジナルのピンクゴールド素材のことです。
エバーローズゴールドは上品で優しく「肌馴染みが良い」のが特徴で、経年変化に強いことから綺麗な色味が長続きしやすい素材として人気があります。ゴールドに配合されているプラチナが、耐食性に強いため変色を抑えられています。
また、よく見られるピンクゴールドより赤みが少なく、名前のとおりローズのような上品な色合いが楽しめる人気のカラーです。エバーローズゴールドを使用したモデルをご紹介します。
こちらは、ローズゴールドとステンレスのコンビが醸し出す高級感が魅力的なモデルです。ホワイトシェルダイヤルに10Pダイヤも相性が良く上品な輝きを放っています。
エバーローズゴールドのフルーテッドベゼル×深みのあるチョコレートブラウンの組み合わせ。あたたかみのある色味はファッショナブルで高級感があり、大人の余裕を感じさせます。
こちらは、シックなスレートダイアルにグリーンローマが美しく映えた目を惹くデザインです。エバーローズゴールドの優しい輝きとスレートも絶妙にマッチした1本です。
次にイエローゴールドは、まさに金といった色合いの素材です。遠くから見ても圧倒的な存在感があり、煌びやかで高級感あふれる印象が強いイエローゴールドですが、実際はカジュアルな服装にも合う万能な素材です。
ホワイトゴールドだとすべてシルバー色なのでそれではちょっと寂しさを感じるという方におすすめです。イエローゴールドを使用したモデルをご紹介します。
シルバーダイアルに10Pダイヤを配しています。シルバーカラーとゴールドのコンビネーションによって、明るく華やかなデザインに仕上がっています。
こちらは、K18イエローゴールドとステンレスのコンビ仕様です。見る角度によって様々な表情が生まれるシェル文字盤とフルーテッドベゼルが調和し、高級感あふれる華やかなデザインに仕上がっています。
文字盤に「オニキス」という黒色の天然石を使用した、まるで工芸品のような風格あるモデルです。オニキスは悪霊を祓う石として使われてきた魔除けの石です。嫉妬や妬みなど悪い感情から持ち主を守ってくれると言われています。
ホワイトゴールドはもともとプラチナの代用として考えられた素材です。使用する場合はベゼルだけが金素材でブレスやリューズはステンレスです。
エバーローズゴールドやイエローゴールドと比べると控えめな色合いなので、あまり主張させたくないという人にはホワイトゴールドがおすすめです。ホワイトゴールドを使用したモデルをご紹介します。
デイトジャストとしては大型となる41mmケースを採用し、ベゼルには華やかな印象を与えるホワイトゴールドのフルーテッドベゼルを使用。コーポレートカラーであるグリーン文字盤の爽やかでラグジュアリーな一本です。
こちらは「ROLEX」の文字が彫り込まれたピンクのダイアルに10Pダイヤを配した高級感あふれる華やかなモデルです。ホワイトシルバー×明るいピンクダイヤルの組み合わせが爽やかな印象です。
精悍なブラックダイヤルに、クラシカルなローマインデックスの組み合わせ。ホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルがさり気なく輝き、上品な印象を与えます。文字盤に放射状に刻まれたギョーシェ模様が光を反射し高級感のあるモデルです。
デイトジャストで使用されているベゼルは、滑らかなスムースベゼル、ふくらみのあるドームベゼル、ギザギザしたフルーテッドベゼルが多いです。もっともデイトジャストらしいと印象に残るのは「フルーテッドベゼル」ではないでしょうか。
フルーテッドは英語「fluted」で“縦溝掘りの”という意味を持ち、その名のとおりギザギザに彫られた模様が均等に配列されています。これはダイヤモンドのカッターで、一つ一つカッティングする技術によって作られており、この技術はロレックスが独自開発したものです。他のメーカーでは使用されていないロレックス特有のベゼルと言えます。
角が多いことでキズがつきやすいという欠点はあるものの、凹凸にすることで光反射作用が起こり、乱反射によってキズが目立ちにくく、さらに時計全体により一層の高級感を演出してくれる、デザインを最大限生かす構造だと言っても過言ではないでしょう。
また、フルーテッドベゼルは“金”を素材としているので、光沢感のある“ドレッシーなスタイル”、“時計を際立たせたい”時などにお勧めです。ただし、金は柔らかい素材ですので、衝撃によるキズには注意が必要ですね。
デイトジャストでよく使用されている「スムースベゼル」「ドームベゼル」「フルーテッドベゼル」と、あわせて「エンジンターンドベゼル」「ファインリーエンジンターンドベゼル」をご紹介します。
標準的なベゼルです。鏡面仕上げされていてベゼルが主張をしないため、すっきりとしたデザインになります。ポリッシュベゼルとも呼ばれています。
デイトジャストのほかにも、ステンレス素材のオイスターパーペチュアル系、エクスプローラーⅠ、プラチナ素材のデイデイトなどに採用されています。
スムースベゼルとドームベゼルを合わせた総称として、プレーンベゼルと呼ぶこともあります。ドレスモデルではフルーテッドベゼルと人気を二分する存在となっています。デイトジャストのほかにも、オイスターパーペチュアルシリーズにも使用されています。ポリッシュ仕上げのみの展開で、ステンレス素材でも十分に高級感が感じられます。
少し離れて見ると縞々のようなデザインですが、厳密にいうといくつもの山型カットが施されています。連続的に見ると「ギザギザ」と表現した方が分かりやすいはずです。デイトジャストならコンビ素材、ゴールド素材のデイデイト、スカイドゥエラーなどに採用されています。
エンジンターンドベゼルは、ステンレススティール素材を用いた、凹凸があるベゼルです。5分毎の凸に鏡面加工が施され、その間の凹には放射線状に無数の線が入っていて、艶消しのような仕上げとなっています。過去にはエアキングにも長く採用されていましたが、2010年にRef115210の生産終了と共に姿を消しています。
名前「エンジンターンド」の由来は、旋盤にて金属表面に幾何学的や規則的な模様装飾を施す技法をエンジンターンと呼ぶことから名づけられています。その他にも航空機のエンジンが回っている様子を模したとも言われています。
エンジンターンドベゼルの進化系。削る面積が大きくなっていて、細かな模様が入っています。通常のエンジンターンドベゼルよりも丸みが少なく、シャープなデザインです。現行モデルには採用されていないベゼルであり、エアキングの旧型モデルにも見られます。通常のスムースベゼルと比較すると、スポーティな印象です。
キラキラと輝くラグジュアリーなフルーテッドベゼルが良いのか、スーツに合いそうなスムースやドームベゼルが良いのか、またはヴィンテージで個性を演出するなど、着用シーンに合わせてお選びください。
デイトジャストには色々な「ケースサイズ・ブレス・素材・ベゼル」があります。その組み合わせだけでもとても種類が多いので、「自分に合った」デイトジャストを選ぶ楽しみがありますね。
別記事ではデイトジャストを実際に着用するシーンを想定して、厳選した文字盤の種類をご紹介させていただく予定です。ちょっと変わった文字盤についても紹介しますので是非ご覧ください。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年