高級時計好きに知らない人はいないと言われるロレックスの「デイトジャスト」。
長い間、多くの人々にロレックスのアイコンとして、さらには腕時計のアイコンとしても愛され、購入され続けてきた理由に迫ります。
目次
ロレックス デイトジャストとは?
ロレックスの「デイトジャスト」は、その名の通り、日付が深夜0時にぴったりと変わることから名付けられました。
この革新的な機能で一躍有名になった腕時計ですが、現在ではこの機能は当たり前のものとなっているため、当時の凄さが分かりにくいかもしれません。
デイトジャストが発売された1945年当時、多くの時計は日付変更時刻に近づいた23時頃からゆっくりと日付表示が変わり始め、24時を過ぎてから日付が変わる仕様が一般的でした。
そんな時代に、0時ちょうどに日付が変わるデイトジャストは知的で画期的に見えたことでしょう。
デイトジャストの歴史
「デイトジャスト機構」は、「オイスターケース」「パーペチュアル機構」と並んでロレックスの三大発明と言われています。
これらの3点が揃ったロレックス「デイトジャスト」は、不動の人気を誇り、ロレックスの中でもアイコン的存在です。
1945年の登場では、初めての3時位置に日付を表示する自動巻防水クロノメーターとして発表され、1953年「サイクロップレンズ」が加えられ完成されたものになります。
1957年に女性用モデル「オイスター パーペチュアル レディ デイトジャスト」がケース外径26 mmで登場し、男性だけでなく人類全体にむけた腕時計のアイコンへと進化します。
著名な愛用者からも歴史を感じることができます。
イギリスの首相を努めた「ウィンストン・チャーチル」、第34代アメリカ合衆国大統領「ドワイト・D・アイゼンハワー」や人種差別撤廃を唱えた「マーティン・ルーサー・キング」。
歴史の目撃者としても「デイトジャスト」は1945年から現在まで80年近い歴史を刻み続けています。
デイトジャストのラインナップ
デイトジャストはロレックスのシリーズの中でもラインナップが豊富なモデルです。
そのラインナップは主に「ケースサイズ」「素材」「ベゼル」「ブレスレット」「ダイアル」「アワーマーカー」の組み合わせによって構成されています。
満足のいく「デイトジャスト」を手にするには各要素にどのようなものがあるかを知ることが大切です。
それぞれの選択肢を順番にご紹介いたします。
デイトジャストのケース外径サイズ
デイトジャストの現行サイズは全3種です。31mm、36mm、41mmです。
サイズごとに「デイトジャスト○○(デイトジャスト31など)」という商品名になります。
31mmはボーイズサイズと呼ばれ、ユニセックスとして男女問わず使える設定とされています。
大柄な男性が装着するとやや小さいと感じるかもしれませんが、夫婦やカップルで共用できるメリットがあります。
特別な時だけ装着し、それ以外の時間はパートナーが使用するという使い方もできます。
36mmは一般的には日本人男性に似合う大きさとされています。
個人差はありますが、多くの日本人男性が装着してしっくりくるサイズです。
女性で大きめの時計が好きな方にもおすすめなので、購入を検討する際は試着してみると良いでしょう。
41mmは大きめサイズですが、西洋の感覚ではスタンダードなサイズに入ります。
日本視点でもデカ厚時計の流行を経験している現代では、至ってノーマルなサイズの範囲内での「大きめ」という印象でしょう。
デイトジャストがやや落ち着いたサイズ感の範疇で展開しているシリーズであることが伺えますが、ケース外径サイズにおいても個人に寄り添うラインナップが用意されています。
デイトジャストの金属素材
主に使われる金属素材には以下の4つがあります。
- オイスタースチール(ステンレススチール)
- イエローゴールド
- ピンクゴールド
- ホワイトゴールド
「オイスタースチール」は一般的に採用されている「SUS304」ではなく、さらに耐食性に優れた「SUS316L」でもありません。
それよりも、さらに耐食性の高い「SUS904L」を採用しており、究極の実用性を備えています。
ちなみに、ロレックスでは「SUS904L」を「オイスタースチール」と呼んでいます。
「ゴールド」がつく素材は、貴金属の金に他の金属を配合して色味をコントロールしたものです。
金なので安定的な価値があり、製造上も形状を成形しやすく、シャープな「フルーテッド」ベゼルの表現を可能にしています。
一方で、傷つきやすいため扱いには注意が必要です。
ケース部分は「オイスタースチール」で傷つきにくく、ベゼルは「ゴールド」でフルーテッド仕上げとなっているなど、理にかなったコンビネーションも見られます。(SS×WGなど)
素材を理解することは「デイトジャスト」を選ぶ上で大切な観点です。
デイトジャストのベゼル
現行品デイトジャストではベゼルの種類は以下の4種類です。
- 「スムースベゼル」:一般的な斜面で構成されたベゼル
- 「フルーテッドベゼル」:ロレックス特有の「山」「谷」の凹凸が連なったデザイン。
- 「貴石入りベゼル」:ダイヤが配置されたデザイン。
- 「ドームベゼル」:おおらかな膨らみのある曲面を採用したベゼル。
これらのベゼルは、表現したいテイストや採用素材によって組み合わせが変わるため、購入する際にはよく注目したい部分です。
自分の好みに合ったデザインを選びましょう。
デイトジャストのブレスレット
ブレスレットの種類も大きく3つのタイプがあります。
- 「オイスター」:比較的平坦な駒を使用した3列構成のブレスレットで、スタンダードやスポーツの印象を与えます。
- 「プレジデント」:甲丸感の強い半円形断面の駒を使用した3列構成のブレスレット。かつてアメリカ大統領を務めたアイゼンハワー氏に贈呈されたことから「プレジデント(大統領)」と命名されました。
- 「ジュビリー」:こちらも甲丸感の強い半円形断面の駒を使用していますが、5列構成になっています。中央の3列が細いため繊細な輝きを放ち、エレガントな印象を与えます。
デイトジャストのダイアル種類
80年近い歴史の中で、製造技術が培われる中で多数のダイアルが用意されています。
ダイヤモンドセッティングされたものや、白蝶貝を用いたもの、その他には放射状の筋目の金属光沢仕上げが施されたものなど。
様々な個人に愛されるバリエーションを持つダイアルは「デイトジャスト」の多様な魅力を深めています。
詳しくは以下の記事をご覧いただければ、その多様さをご理解いただけると思います。
アワーマーカー(時字)
現行のアワーマーカーは下記の3つですが、過去には「アラビア数字」など、さまざまなバリエーションが存在しました。
- 「インデックス」:棒などの幾何学形状のアワーマーカー
- 「ローマ数字」:ローマ数字を採用したアワーマーカーで、よりエレガントな印象を与えます
- 「貴石入りアワーマーカー」:ダイヤモンドなどの貴石がセッティングされたアワーマーカーで、華やかさを演出しています。
これらの要素を組み合わせてデイトジャストのラインナップは構成され、中古市場含めて個人の好みを網羅する寛容な世界観があります。
ロレックス デイトジャストの魅力
デイトジャストは高級時計好きなら誰もが知っている「腕時計」なので、出会った人に「良い時計ですよね」と言われやすいことでも魅力は確かなものです。
具体的に「良い時計」と言われる、その「魅力」の要因とは何か、詳しく解説していきます。
相場の上昇が緩やかで買いやすい
ロレックスのスポーツモデルなど相場が急激に変動するモデルだと、いつ買えば良いのかわかりません。
しかし「デイトジャスト」の場合、相場の上昇が緩やかであるため、欲しい時に購入しやすい時計でもあります。
高級時計の場合、資産性という観点で人はできる限り安い時に買いたいという心理が働くことがあり、購入を躊躇する方もいると思います。
しかし、実際に相場が下がった時には「逆に下がり続けたらどうしよう。もっと下がるかも!」という気持ちになり、購入のタイミングを逃してしまいがちです。
値下がりの観点でも瞬間的に下がることもありますが、デイトジャストは安定的に上昇していますので、急激な値動きに一喜一憂することなく欲しい時を買い時として良いと考えられます。
比較的、買い時を選ばずに買いやすいモデルです。
モデルのバリエーションが豊富
その長い歴史の中で製造されたモデルは、把握しきれないほど多くの組み合わせがあります。
ダイアルひとつとっても、「色」「アワーマーカーの種類」「ダイアルグランドの仕上げや柄」「針の色」「日付の色」「分目盛の種類」など、多岐にわたります。
組み合わせが多くて選ぶのが大変に感じるかもしれませんが、自分にしっくりくるモデルを探せるという点は、デイトジャストの大きな魅力です。
ロレックスのデザインコードがふんだんに詰め込まれている
デザインコードとは何でしょうか?ここでは「人に記憶されている特徴」と捉えたいと思います。
真の時計好きの方が目を閉じてロレックスというブランドを思い浮かべると、多くの方はまずベゼルの「フルーテッド」と呼ばれる尖った山と谷が連続するデザインを思い浮かべるのではないでしょうか。
次に、ケースのラグが頭に浮かびます。
スッとラグの先に向けて流れるような抑揚とラグ側面の柔らかな膨らみが、高級品の品格を備えた表情を見せます。
フェイスには3時位置に配置された日付表示と、その日付を見やすくする「サイクロップレンズ」がアイコンとして浮かび上がります。
これは現在では一般的な日付表示ですが、ロレックスがその先駆けとなりました。
また、日付表示を拡大して見せる拡大鏡の役目を果たす「サイクロップレンズ」も、ロレックスらしいデザインの特徴です。
ブレスレットについても、5列の甲丸状の「ジュビリーブレスレット」の輝きが目に眩しく浮かびます。
「フルーテッド」「ラグ形状」「3時位置の日付」「サイクロップレンズ」「ジュビリーブレスレット」これらはほんの一部ですが、「デイトジャスト」の多くのモデルに採用され、人々の頭の中に留まっています。
こういった多くの人の目に浮かぶデザインコードを持つ「デイトジャスト」を所有することは、初めて出会う人にオーナーへの親近感を持たせてくれます。
ちょうどコンサートで知っている曲が演奏された時の高揚や、同郷の出身だとわかった時の共感にも近い感覚を呼び起こしてくれます。
これも「デイトジャスト」の魅力であり、ロレックスの長い歴史で醸成された「デザインコード」がふんだんに詰め込まれた魔力と言っても過言ではありません。
ロレックスデイトジャストの文字盤バリエーション
やはり、ロレックス デイトジャストを選ぶ際の楽しみといえば、その多くのバリエーションの中から自分に合った文字盤を選べる点にあります。
「メンズ」、「レディース」、「珍しい」ものに焦点をあててご紹介いたします。
【メンズ】デイトジャスト36 126234 グリーン パームモチーフ 5列 ジュビリーブレス ランダム番
型番:126234
素材:ステンレススティール/SS ×ホワイトゴールド/WG
ケースサイズ:直径 36mm
文字盤:グリーン パームモチーフ
駆動方式:自動巻き
2021年に登場したパーム(植物のヤシ)モチーフのダイアルは、新作発表当時から注目度が高く、所有欲をくすぐられる一品です。
ロレックスのブランドカラーであるグリーンのダイアルとヤシの葉のモチーフがマッチしたモデルで、鬱蒼とした熱帯を想像させるデザインが魅力的です。
熱気に溢れたヤシのモチーフにはフルーテッドのベゼルとジュビリーブレスレットがよく似合います。
オイスターブレスレットにドームベゼルを組み合わせたモデルもありますが、ややあっさりして見えるのでコンセプトの一貫性は本モデルの方が高いと感じます。
【メンズ】デイトジャスト41 126300 ブルー フルーテッド 3列 オイスターブレス ランダム番
型番:126300
素材:ステンレススティール/SS
ケースサイズ:直径 41mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き
こちらも、上述のモデルと同時期の2021年に登場した、フルーテッドをモチーフにした模様をダイアルに施したモデルです。
ロレックスを象徴するフルーテッドがベゼルではなくダイアルに用いられたことで、当初は賛否両論ありましたが、徐々に市場でも見慣れてきて、「ロレックスらしくて良いね!」という評価が聞こえてきます。
ダイアルのブルーは表情豊かです。
その理由は放射状の筋目で金属光沢を出しながら、フルーテッドの模様が入る部分はレーザーで荒らして輝きを抑えたマット表現になっているため、見ていて飽きないフェイスに仕上がっています。
主張が強そうな模様ですが、落ち着いたブルーの色味と相まって装着しやすいモデルです。
涼しげにポロシャツやTシャツに合わせても似合いますし、もちろんここぞ!というスーツの時にも合わせられる、コスパの高いモデルです。
【メンズ】デイトジャスト41 126334 スレート (グレー) グリーンローマ 3列 オイスターブレス ランダム番
型番:126334
素材:ステンレススティール/SS ×ホワイトゴールド/WG
ケースサイズ:直径 41mm
文字盤:スレート
駆動方式:自動巻き
こちらは一言で言えば「センスが良いなぁ」と思わせる配色が魅力です。
ロレックスのブランドカラーであるグリーンをフェイスに使う場合、候補として挙がる部品は「ダイアルのグランド」「針」「日付」「アワーマーカー」「目盛」などです。
「アワーマーカー」を選択する場合、色を表現する手法が限られており、「印刷」が妥当な手段になります。
例えば、バーアワーマーカーを印刷で表現すると簡素で単純になってしまいます。
やはり印刷で映えるのは細かい部分も必要とする「ローマ数字」でしょう。
では、ローマ数字のグリーンをどのくらいの見え方にするか?ですが、ブランドカラーを踏まえると濃いめのグリーンが選択されます。
次にグリーンのアワーマーカーに合う「ダイアルのグランド」の色を考えます。
通常はブルーやシャンパンなどの有彩色ではミスマッチを起こしやすいため、無彩色(白や黒)が考えられます。
しかし、無彩色の黒ではアワーマーカーの濃いグリーンが見えなくなってしまいますので、「白」かなと思うところですが、ここでライトグレーを持ってくるところが「センス」です。
少し長く難解になりましたが、このフェイスの配色は本当によく考えられており感動に値します。
なお、9時のアワーマーカーがバーアワーマーカーになっているのは、3時位置の日付窓とバランスを取るためだと思われますが、ローマ数字でも成り立たないことはありません。
しかし、デザイナーはエレガントにし過ぎず、ややスタンダードテイストの香りを含ませたかったのではないかと思います。
そのため、ブレスレットの組み合わせも5列のジュビリーブレスよりも3列のオイスターブレスの方がスタンダードテイスト寄りで理にかなっていると考えられ、このモデルの組み合わせがベストのように感じられます。
【レディース】デイトジャスト 278273 オリーブグリーン フローラルモチーフ ランダム番
型番:278273
素材:ステンレススティール/SS ×イエローゴールド/YG
ケースサイズ:直径 31mm
文字盤:オリーブグリーン
駆動方式:自動巻き
フローラルモチーフの模様と散りばめられたダイヤが華やかな印象のモデルです。
その一方で、ダイアルのグランド色はオリーブグリーンのため、落ち着いた大人の印象も兼ね備えています。
ダイアルをよく見ると、フローラル柄はダイアルの金属光沢とマット表現、印刷の濃いグリーンの表現を巧みに使い分けて浮き出させており、非常に手の込んだ構成になっています。
見るたびに異なる表情が楽しめるため、長く付き合えるモデルになることは間違いありません。
12時の王冠マークやダイヤの留まっている台座、針、ベゼルに使われたゴールド色とダイアルのオリーブグリーンは相性の良い色味でお互いを映えさせています。
フルーテッドベゼルとジュビリーブレスレットも華やかさを演出し、全体として妥協のないモデルと言えるでしょう。
【レディース】デイトジャスト 178240 グレー フラワー 6アラビア 3列 オイスターブレス ランダム番
型番:178240
素材:ステンレススティール/SS
ケースサイズ:直径 30mm
文字盤:グレー
駆動方式:自動巻き
こちらも、上述のモデルと同じくフラワーモチーフを取り入れたモデルですが、その表現は全く異なります。
ややイラスト風のデザインの花でポップな印象の柄になっており、気持ちを明るくするような効果が期待できるモデルに仕上がっています。
ダイアルのグランドはグレーで、ケースやブレスレットも含め全体的にモノクロでまとめられているため、花モチーフのポップさを抑え「甘過ぎない」ちょうど良いテイストに調整されています。
使い勝手の良い一品と言えるでしょう。
【レディース】デイトジャスト 10Pダイヤ 179171G ピンク 彫りコンピューター ランダム番
型番:179171G
素材:ステンレススティール/SS ×エバーローズゴールド/ERG
ケースサイズ:直径 26mm
文字盤:ピンク
駆動方式:自動巻き
こちらはピンクが映えるモデルで、フェイスの柄は「ホリコン」と通称される「彫りコンピューター」柄です。
「ホリコン」はROLEXのロゴのモノグラム(ブランドの文字を柄にした高級ブランドのバッグなどでよく見られる柄)ですが、遠くから見るとマットな質感の部分と金属の輝きが見える部分のコントラストで、まるで木漏れ日のような動きのある表情を見せてくれます。
また、淡いピンクのダイアル色とベゼル、さらに5列のブレスレットの中央3列のみに配置されたエバーローズゴールドの配分は時計全体のピンクの量を完全にコントロールし、華やか、かつ落ち着いた雰囲気に仕上げています。
四季を通して生活に彩りを与えてくれるアクセサリーであり、特に桜の時期には抜群のコーディネートになると考えられます。
【珍しい】デイトジャスト 10Pダイヤ 16233G シャンパン ハウンズトゥース 千鳥格子
型番:16233G
素材:ステンレススティール/SS ×イエローゴールド/YG
ケースサイズ:直径 36mm
文字盤:シャンパン
駆動方式:自動巻き
こちらは千鳥格子と言われる柄で、ハウンズトゥース(猟犬の歯)とも呼ばれます。
一般的には、白黒のウールやコットンで作られたコートやジャケットなどによく見られる柄で、犬の牙が並んでいるように見えます。
伝統的な柄で、控えめかつ高貴な印象を与えてくれます。
デイトジャストは人気モデルなので、多くのロレックス愛好家が所有していると思います。
しかし、ちょっと意表をついてハウンズトゥース柄を選んでみるのも面白い選択肢です。
ハウンズトゥース柄のジャケットに合わせて装着しても統一感がありマッチします。
【珍しい】デイトジャスト 10Pダイヤ 16233G ブルー グラデーション
型番:16233G
素材:ステンレススティール/SS ×イエローゴールド/YG
ケースサイズ:直径 36mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き
デイトジャストにおいてグラデーションダイアルは珍しいものではありませんが、時計全般として見ると、珍しい表現に位置付けられる「グラデーション」について触れておきます。
各社が60〜80年代を中心にグラデーション表現を流行させていましたが、その後はあまり見られなくなりました。
しかし、最近では「H.モーザー」など、グラデーションを主役として採用するブランドも登場し、再注目されています。
そのため、デイトジャストの1つの選択肢としてグラデーションダイアルも挙げておきたいと思います。
ちなみに、ロレックスの革新的なグラデーションといえば「ロレックス ディープシー Ref. 136660」に用いられている、深海をイメージした上下にグラデーションがかかったブルーのダイアルが挙げられます。
このダイバーズウォッチのコンセプトとマッチしたグラデーションは話題を呼びました。
ロレックスが得意とするグラデーションダイアルも、ロレックスらしい表現と言えるでしょう。
【珍しい】デイトジャスト 2Pダイヤ 116233 2BR オニキス
型番:116233 2BR
素材:ステンレススティール/SS ×イエローゴールド/YG
ケースサイズ:直径 36mm
文字盤:オニキス
駆動方式:自動巻き
ダイアルの黒さにどこか精悍な印象があるこちらのモデルは、鉱石である「オニキス」を採用しています。
そのダイアルは金属の板を使ったダイアルと異なり、石をスライスしているため平滑度の高い平面となっています。
また、アワーマーカーを植えるために穴を複数開けると割れてしまう可能性があるため、配慮されたアワーマーカー表現に留まっている点も素材を活かした秀逸なデザインと言えます。
【珍しい】デイトジャスト サンダーバード 1625 シャンパン モザイク バー 3列 オイスターブレス 30番
型番:1625
素材:ステンレススティール/SS ×イエローゴールド/YG
ケースサイズ:直径 36mm
文字盤:シャンパン
駆動方式:自動巻き
両方向回転ベゼル付きデイトジャストの愛称サンダーバード。その歴史は1956年にアメリカ空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」隊長のドン・フェリス大佐の引退を記念して特別発注されたデイトジャストに端を発します。
本モデルの特徴は、そのダイアルの表現にあります。
「モザイク」と呼ばれる布目のようなダイアルの表情が、見る者を飽きさせません。
また、シャンパン色のダイアルは一般的に変色しやすく、綺麗に残っているものが少ないのですが、比較的綺麗なものは購入意欲を掻き立ててくれます。
派生デイトジャストのターノグラフもおすすめ
ロレックスの「デイトジャスト ターノグラフ(Datejust Turn-O-Graph)」は、ロレックスが製造する人気モデルです。
初代は1953年に発表され、ロレックス初の回転式ベゼルを搭載した時計で、ダイバーズウォッチ「サブマリーナ」の祖先とも言われるシリーズです。
ロレックス ターノグラフ 116264 ホワイト
型番:116264
素材:ステンレススティール/SS ×ホワイトゴールド/WG
ケースサイズ:直径 36mm
文字盤:ホワイト
駆動方式:自動巻き
唯一回転ベゼルを搭載していたサンダーバードの後継モデルとして、2004年に登場したターノグラフ。回転ベゼルをそのまま受け継ぎ、秒針とデイト表示とダイアルに刻まれたTURN-O-GRAPHの文字に使われたレッドが独特のインパクトを放っています。
ベゼルの「フルーテッド」の中に目盛や数字が入ることでより引き締まった印象があります。
「デイトジャスト」に少しスポーツテイストが盛り込まれた「ターノグラフ」が胸に刺さる方も多いのではないでしょうか?
ターノグラフは「ゼロに戻る」という意味があり、50年代初頭に登場した回転式ベゼル搭載モデルの復刻モデルとも言われ、歴史を考察する楽しみがあるシリーズでもあります。
ロレックス ターノグラフ 日本限定 116263 ホワイト 3列 オイスターブレス
型番:116263
素材:ステンレススティール/SS ×イエローゴールド/YG
ケースサイズ:直径 36mm
文字盤:ホワイト
駆動方式:自動巻き
ロレックスのブランドカラーであるグリーンをポイントカラーに用いたバージョンの「ターノグラフ」です。
より一層ロレックスらしさが強調され、所有する喜びを高めてくれます。
日本限定ということもあり、出張などで海外に行かれる方には、海外の時計好きから「珍しいね」と言われる希少性も魅力の1つになりそうです。
ロレックス デイトジャストの資産価値
急激な上昇は見込めないが、価値の下落も予想しにくい安定的な資産価値があると考えられます。
それは、80年近い歴史を持ち、人気が続いているからです。
1945年以降、時計の代名詞として有名なモデルであり続けることは容易ではありません。
それは独創的なデザインを維持し続け、人々にそれがスタンダードであると認識させることができたロレックスの弛まぬ努力の結果です。
価値が落ちにくいことが予想できる点は、十分な資産と捉えられます。
定価は上昇傾向ではある
デイトジャストの定価はデイトナなどのスポーツモデルと比べて安定的ですが、上昇傾向にあります。
ロレックスの頑強さを象徴するスポーツモデルは定価が高騰していますが、「デイトジャスト」もいつ急騰するかわかりません。
トレンドは波のように揺れ動きます。
スポーツモデルが流行すればその後マンネリ化し、次にドレスモデルが人気を博すという循環が容易に想像できます。
そのため、今のうちに「デイトジャスト」を手に入れておくのは1つの方法です。
また、選ぶ上では実用性の面で上述の「オイスタースチール」と呼ばれる高耐久なステンレススティール素材の方が需要がある傾向にあります。
やはり、貴金属素材は柔らかく傷つきやすいため、普段使いには適しません。
長く綺麗な状態で資産として引き継ぐのにも「オイスタースチール」が人気です。
用途に合わせて選びたいものです。
まとめ
ロレックスの「デイトジャスト」は、その卓越したデザイン、豊富なバリエーション、そして高い資産価値で多くの時計愛好家に支持されています。
相場の上昇が緩やかであり、購入のタイミングを見極めやすい点も魅力です。
これまでに紹介した多様なモデルの中から、自分に最適な1本を見つける楽しみは格別です。
ぜひ本記事でご紹介した内容で気になる点を中心に「デイトジャスト」を探してみてください。
自分だけの「デイトジャスト」に出会えるかもしれません。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年