「ロレックス デイデイトって何がすごいの?」
「デイデイトの魅力ついて知りたい」
ロレックスにおいて最上位ラインに位置付けられ、最上級の素材のみで製造されるデイデイト。
「成功者の持つ時計」と称され、男性の憧れとして常に人気を博してきました。
そんなデイデイトの魅力ついて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
ロレックスの最上級ラインに位置するデイデイトは、ゴールド若しくはプラチナ素材のみが使われています。
この記事ではロレックスが誇る究極のドレスウォッチ デイデイトの魅力について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
デイデイトの文字盤バリエーションの紹介もしますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
ロレックス デイデイトとは?
デイデイトはロレックスの最上級ラインとして1956年に発売されたコレクションです。
もともとデイデイトは曜日・日付表示機能が付いたカレンダーのことを指しますが、ロレックスはこのデイデイト機能を搭載したモデルに『高級素材』のみを採用することで、成功者が持つ時計としてのステータス性を確立しました。
俳優梅沢富美男さんや演歌歌手の北島三郎さんといった芸能人にも愛用されており、特に40代〜50代の男性から大きな支持を集めています。
デイデイトの歴史
デイデイトが誕生したのは1956年。
当時のロレックスは類まれなブランディング戦略によって世界中に知名度を広げていた時期であり、デイデイトはロレックスの最上級ラインとして開発されました。
サブマリーナやデイトナがスポーツウォッチとしてメディアに注目される中、デイデイトに求められたのは圧倒的なステータス性。
それを表現するために、ロレックスは敢えて曜日カレンダー機能をデイデイトシリーズにしか搭載させず、プレミアム感を演出しました。
加えてケース素材をゴールド及びプラチナのみに絞ることで、他のシリーズとは一味も二味も違う独自の存在感を確立させます。
また、デイデイトは第34代アメリカ大統領であるドワイト・D・アイゼンハワー大統領に贈呈されたことでも有名です。
メディア戦略に長けていたロレックスはデイデイトに『大統領が持つ時計』というイメージを定着させるため、35代目以降の大統領にもデイデイトを贈呈し、世界中にデイデイトが最高級の時計であるということを認識させます。
第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディ、第38代アメリカ大統領ジェラルド・R・フォード、第40代アメリカ大統領ロナルド・レーガン。
ロレックスにしかできない「大統領を広告塔」にするという大胆な戦略は見事に成功をおさめ、究極のドレスウォッチとしてのイメージは完全に定着します。
その後も大統領だけでなく、数々の著名人がデイデイトを愛用し、デイデイトは「成功者が持つ時計」と呼ばれるようになりました。
ちなみにデイデイトは最新スペックのムーブメントが優先して搭載されるという特徴を持ちます。
現行モデルに搭載されているCal.3255は14件もの特許を取得したハイスペックムーブメントですが、こちらはスポーツロレックスよりも早い2015年~搭載されています。
知名度こそデイトナやサブマリーナ、エクスプローラーといったスポーツロレックスに遅れを取りますが、ロレックスにとってデイデイトが特別な存在であることは間違い無いでしょう。
デイデイトのラインナップ
デイデイトのラインナップは大きく分けて「デイデイト36」「デイデイトII」「デイデイト40」の3種類です。
デイデイトは36mmケースを基準サイズとして製作されてきましたが、2009年に41mmケースを採用したデイデイトIIを発売。
2016年には40mmケースにダウンサイジングしたデイデイト40が新たにコレクションに追加されました。
デイデイトIIは生産終了となっているため、現在は36mmと40mmが基本のサイズとなります。
ロレックス デイデイト36 128235A ピンク
ケース径36mmはデイデイトの伝統的なサイズです。
控えめなサイズであることからスーツの裾に収まりがよく、ビジネスシーンに最適なモデルとなっています。
細身の日本人にとって最も馴染みのあるサイズであり、デイデイトの売れ筋ラインとして常に高い人気を誇ります。
4桁リファレンス、5桁リファレンスの多くのモデルがこのサイズで作られており、デイデイトのスタンダードとして親しまれています。
2019年には36mm径モデルの後継機種として、新世代ムーブメントを搭載したデイデイト36が登場。
日差±2秒と公認クロノメーターの約2倍の精度を実現したCal.3255がムーブメントに採用され、スペックが大きく向上しています。
ロレックス デイデイトII 10Pダイヤ 218235A
こちらは2008年〜2015年の7年間のみ製造されたデイデイトIIです。
41mmケースが使われていることが特徴で、デイデイトとしては最大のサイズとなります。
現在ロレックスのドレスウォッチでプレミア化したモデルはありませんが、デイデイトIIは将来的に価値が上がるのではないかと時計ファンの間では噂されています。
ロレックス デイデイト40 228235A チョコレートブラウン
デイデイト40は40mmケースが使用された現行デイデイトの1つです。現代のトレンドに合わせた迫力のあるフェイスを持ち、圧倒的な高級感を演出します。
ムーブメントにはデイデイト36と同じくCal.3255が採用され、パワーリザーブが約3日に延長されました。
これまでのデイデイトよりも耐衝撃と耐磁性がアップしていることも見逃せないポイントです。
ロレックス デイデイトの魅力
デイデイトの特徴は大きく分けて「プレジデントブレス」「最高級素材」「デイデイト表示」の3つです。
また、ロレックスの最上級ラインということもあり、デイトジャストやオイスターパーペチュアルより、非常に高価な価格設定となっています。
高級素材の採用(ゴールド・プラチナ)
デイデイトには一般的によく使われるステンレススティールやチタンといった素材は使われていません。
使われるのは「イエローゴールド」「ピンクゴールド」「ホワイトゴールド」そして「プラチナ」といった高級素材です。
真の成功者だけが身に着けられる素材、そして価格。
これこそがデイデイトがロレックスの最上級モデルと呼ばれる所以です。
デイデイトはどのモデルも非常に高価で、ゴールド系なら定価300万円〜400万円のモデルが数多くラインナップされています。
中古であっても200万円〜が相場となっており、他のロレックスと比較しても高級ラインであることが伺えます。
特にプラチナケースを採用したデイデイトは価値が高く、中古相場においても800万円を超える価格で取引されています。
プレジデントブレス
ブレスレットに「プレジデントブレス」が採用されているのもデイデイトならではの特徴です。
プレジデントブレスはデイデイトの象徴ともいえるブレスレットで、基本的な形はデイトジャスト等に使われているジュビリーブレスに似ています。
ただ、コマが5連タイプになっているジュビリーブレスに対し、プレジデントブレスは一般的なメンズモデルに採用されている3連タイプです。
コマの大きさもジュビリーブレスよりも大きめな設計となっており、華やかさの中でも力強さを感じさせてくれます。
左:ジュビリーブレス 右:プレジデントブレス
堅牢性の高さはもちろんのこと、フィット感にも優れるため装着感も抜群です。
年式によってバックルの仕様や形は異なりますが、コマの形は初期から変わっていません。
デイデイトだけに備えられた曜日表示機能
デイトナがクロノグラフを搭載した唯一のモデルであるのと同じく、デイデイトも曜日表示機能を唯一搭載したモデルとして、高いステータス性を誇ります。
デイデイトの曜日表示は12時位置に付いており、英語で各曜日が記されているのが基本です。
一般的に時計の曜日カレンダーは頭3文字で表示されるモデルが大半ですが、デイデイトは敢えてフルカレンダーにすることで高級感を演出しています。
また、曜日カレンダーの言語は英語以外にもフランス語・ドイツ語・イタリア語といった言語に変更することも可能です。
変更する方法は至って簡単で、日本ロレックスに依頼すればどの言語にも変更することができます。
英語 | フランス語 | イタリア語 | ドイツ語 | スペイン語 |
Monday | Lundi | Lunedi | Montag | Lunes |
Tuesday | Mardi | Martedi | Dienstag | Martes |
Wednesday | Mercredi | Mercoledi | Mittwoch | Miercoles |
Thursday | Jeudi | Govedi | Donnerstag | Jueves |
Friday | Vendredi | Venerdi | Freitag | Viernes |
Saturday | Samedi | Sabato | Samstag | Sabado |
Sunday | Dimanche | Domenica | Sonntag | Domingo |
なお、製造年の古い個体の中には日本語表記カレンダーに変更されたデイデイトを見かけることがあります。
こちらは一見偽物にも見えますが、紛れもない本物のデイデイトです。
こちらも日本ロレックスに依頼することで言語を変更することができます。
ロレックス デイデイトの文字盤バリエーション
ロレックスのドレスラインに位置するデイデイトは、デイトジャストと同じく豊富な文字盤バリエーションが存在します。
シルバー、ブルー、シャンパンといったカラーリングはもちろんのこと、ダイヤインデックス、天然素材を用いた特殊文字盤など、他のモデルにはない強い個性を楽しむことができます。
機能性に関しても申し分なく、時計としてのスペックも最高品質です。
デイデイト イエローゴールド 228238A 10Pダイヤ/バー
ケースサイズ:直径40mm
ケース素材:イエローゴールド
搭載ムーブメント:自動巻き Cal.3255
パワーリザーブ:約72時間
防水:10気圧防水
定価 :4,340,600円(税込)
イエローゴールドで統一されたケースにインデックスのバケットカットダイヤモンドが輝く、高級感溢れる一本。デイデイト40シリーズに属する迫力のあるモデルです。
公認クロノメーター規格以上の制度を誇る新型自社開発ムーブメント「3255」を搭載しており、パワーリザーブは約3日間に延長されました。
こちらは一見シンプルなバーインデックスに見えますが、実は10Pダイヤがあしらわれたゴージャスな仕様になっています。
ステータス性も実用性も申し分なく、まさにデイデイトならではのモデルといえるでしょう。
デイデイトII ホワイトゴールド 218239 ローマン×ホワイト
ケースサイズ:直径41.0mm
ケース素材:ホワイトゴールド
搭載ムーブメント:自動巻き Cal.3156
パワーリザーブ:約48時間
防水:10気圧防水
定価 :3,553,200円(税込)
ケース・ブレスにホワイトゴールドを使用した、非常に使い勝手の良いモデル。現行モデルにはラインナップされていない41mmケースが採用されています。
腕に着けたときにズシリと感じる重量感は最上級モデルならではの感触です。
ゴージャスな印象が強いデイデイトですが、こちらはビジネスシーンに適しています。
文字盤は美しいホワイトダイヤル。インデックスには上品なローマンインデックスが配されています。
デイデイト エバーローズゴールド 118135 チョコレート
ケースサイズ:直径36.0mm
ケース素材:エバーローズゴールド
搭載ムーブメント:自動巻き Cal.3155
パワーリザーブ:約48時間
防水:10気圧防水
定価 :2,430,000円(税込)
ロレックスが独自に特許を取得したエバーローズゴールドがケースに採用された美しい一本。
文字盤は上品なチョコレートダイヤルになっており、高級感がより一層引き立っています。
また、このモデルではプレジデントブレスではなく、最高級ブラウンレザーを採用。デイデイトの中でも強い個性を持ち合わせます。
インデックスはバータイプ。外周にはローマ数字が刻印された梯子目盛りがあしらわれています。
ロレックス デイデイト ベゼルダイヤ 118399BR ラピスラズリ
ケースサイズ:直径36.0mm
ケース素材:ホワイトゴールド
搭載ムーブメント:自動巻き Cal.3155
パワーリザーブ:約48時間
防水:10気圧防水
定価 :7,765,200円(税込)
文字盤に「ラピスラズリ」という深みのある瑠璃色の天然石を使用した、まるで工芸品のような風格あるモデルです。
流通量が少ない為、非常に価値のある一本です。
インデックスはダイヤモンド仕様。ベゼルにもダイヤがあしらわれ、ロレックスの宝飾時計として屈指の存在感を放ちます。
天然石を用いた文字盤においてもトップクラスに人気があり、中古市場での評価も高まっています。
デイデイト イエローゴールド 18038 マホガニー
ケースサイズ:直径36.0mm
ケース素材:イエローゴールド
搭載ムーブメント:自動巻き Cal.3055
パワーリザーブ:約48時間
防水:10気圧防水
定価 :-
デイデイトには様々なバリエーションがありますが、18038には文字盤に世界三大銘木に数えられている木材「マホガニー」を用いた非常に珍しいモデルが存在します。
同一リファレンスには天然鉱石やコンピューターで文字盤が彫られたモデルといったユニークな逸品が多数展開されていますが、マホガニー文字盤は特に人気です。
コレクターズ要素が強いこともデイデイトの魅力といえるでしょう。
デイデイト プラチナモデル 118296 アイスブルー文字盤
ケースサイズ:直径36.0mm
ケース素材:プラチナ
搭載ムーブメント:自動巻き Cal.3155
パワーリザーブ:約48時間
防水:10気圧防水
定価 :6,577,200円(税込)
プラチナモデルにのみ展開されているスペシャルカラーのアイスブルーダイヤルを備えたモデル。他のデイデイトと異なり、フルーテッドベゼル仕様ではありません。
ラグ一面にダイヤが張り巡らされた贅沢な仕上がりとなっています。
定価は6,577,200円。まさに富と名誉を象徴とする一本です。
ロレックス デイデイトの資産価値
デイデイトはゴールドとプラチナのみがラインナップされているため、安定した資産価値を持ちます。
デイトナやサブマリーナといったスポーツウォッチのような高騰は見受けられませんが、ゴールド・プラチナ自体に価値があるため、大きく価値が下がることがありません。
当店の買取りデータを見ると、個体にもよりますがデイデイト、デイデイトIIは販売価格の60~70%の買取率、デイデイト40は70~80%の買取率といったところでしょうか。
定価を超えるプレミア価格とはいきませんが、ロレックスのドレスウォッチとしては抜群のリセールバリューを誇ります。
現行モデルだけでなく、デイデイトは生産終了モデルにも価値の高いモデルが点在しています。
天然石を用いたモデルや鉱石を用いたモデルは珍しい文字盤を搭載した個体ほど高値がつけられており、コレクターズウォッチとしても人気です。
時計として高価買取するためには良い状態を保つことが何よりも大切になるので、取り扱いには十分に注意しましょう。
まとめ
ロレックスの最上級ラインに位置するデイデイトはゴールド若しくはプラチナ素材のみが使われる高いステータス性を擁する時計です。
ラインナップも幅広く、曜日カレンダーのカスタマイズも効くため、個性を出しやすいモデルでもあります。
成功者が着ける時計として申し分ないモデルですので、医師や弁護士、起業家や一流企業の役員といった社会的地位の高い方にオススメです。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年