「デイトナ116520と116500LNどちらを選べば良い?」
「116520と116500LNの違いについて詳しく知りたい」
2016年に発表され、今なお破竹の勢いで売れてる時計と言えばロレックスのデイトナ116500LN。
15年以上続いてきたデイトナ116520は惜しまれつつ廃盤となりましたが、市場では今でも品薄が続きます。
この2つのモデル、実はスペックにそれほどの違いはありません。
そんなデイトナ116520と116500LNの違いについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
両モデルの明確な違いはフェイスデザインです。
この記事ではデイトナ116520と116500LNの違いについて、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
市場の動向についても解説しますので、ロレックスに興味がある人はぜひ参考にしてください。
目次
1.ロレックス デイトナ モデルスペック
■2016年新作 ロレックス コスモグラフデイトナ Ref.116500LN ブラック/ホワイト
国内参考定価:127万4400円
材質:ステンレススチール(ケース・ブレスレット)/セラクロム(ベゼル)
ダイアル:ブラックorホワイト/9時位置に12時間積算計、3時位置に30分積算計、スモールセコンド
ムーブメント:自動巻きクロノグラフCal.4130
ケース径:40mm
防水性:100m
■旧型 ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.116520 ブラック/ホワイト
国内参考定価:124万2000円
材質:ステンレススチール(ケース・ブレスレット・ベゼル)
ダイアル:ブラックorホワイト/9時位置に12時間積算計、3時位置に30分積算計、スモールセコンド
ムーブメント:自動巻きクロノグラフCal.4130
ケース径:40mm
防水性:100m
大きな変化はスペックと言うよりも外装。
新作型番116500LNに登場したLNはLunette Noir―フランス語で黒いベゼル―。まさにその大きな変化を表します。
他のロレックススポーツモデルと同様セラクロム素材が採用され、独特の光沢と高級感を持つに至りました。
新ベゼルによりデイトナの「顔」は全く違った様相を呈し、ダイアルカラーによる市場価格差に影響を及ぼす程です。
ムーブメントは新旧共に変わらずCal.4130を搭載しています。
2.ここが違う!新旧ロレックス デイトナ ディテール比較
①フェイス
前述のように新旧の違いは何といってもベゼルが与えた顔の印象にありますが、とりわけ顕著なのがホワイトダイアルです。
左:新型Ref.116500LN/右:旧型Ref.116520
ベゼルだけでなくインダイアルに黒味が加わり、よりコントラストが明確に。
パンダフェイスとも称され、洗練されたかっこよさを感じます。
左:新型Ref.116500LN/右:旧型Ref.116520
ブラックダイアルは大きな違いはありませんが、ベゼルによりブラック面が大きくなったことで、よりスポーティーになったように思います。
ちなみにセラクロムベゼルは独特の光沢の他、その耐衝撃性や耐久性にも優れるといった側面も見逃せません。
どちらもインダイアルの位置やインデックスに違いはありません。
新型らしさならホワイト。
旧型に強いデイトナのイメージを抱いている方ならブラックダイアル、と言ったところでしょうか。
②ダイアルプリント
左 新型116500LN / 右 旧型116520
ロレックスの持ち味の一つ、ディテールのマイナーチェンジ。
ロレックスファンにはたまらない違いとなりますが、じっくり見比べてみると新旧デイトナでも散見されます。
ダイアル12時位置の英字プリント。
右の旧型Ref.116520はフラットなのに対し、新型116500LNではやや盛り上がっています。
素材に違いがあるかなどは明かされていませんが、新型の方が立体感を持ちラグジュアリーになりました。
やはりプリントでも、ホワイトダイアルの方にその明確な違いがあります。
③夜光塗料
ロレックスが独自開発した青色発光の夜光塗料・クロマライト。
2012年以降のRef.116520後期の個体から採用しており、新旧の違いと言うわけではありませんが、2012年以前はほとんど全てのブランドで採用されているスーパールミノバが使われていました。
このディテールの差によりプレミア価格がついたりすることも、ロレックスならではの現象です。
④バックル
左:新型Ref.116500LN/右:旧型Ref.116520
作りは新旧同じくセーフティー機能付きオイスターロッククラスプが採用されており、これはロレックスの最も代表的なバックルです。
装着感はもちろん、堅牢な意匠でスポーツモデルにはうってつけと定評が。
手動での長さ調節を可能にした約5mmのエクステンションリンクを内蔵したイージーリンクも搭載。
でも実はここにも細かな違いがあるんです。
折り畳み部分(プレート)の仕上げが異なり、旧型Ref.116520ではマットなナシジ仕上げ、新型Ref.116500LNは光沢あるポリッシュ仕上げとなっています。
※旧型Ref.116520も生産年式が新しいモデルはポリッシュ仕上げのものもございます。
ちなみに2011年以前は上の画像のようなロレックスのマークの所が○で穴が空いており、そこに固定する仕様でした。
ロレックスの技術躍進の一端を垣間見ることができますね。
以上が明確なディテールの違いですが、実際に装着してみると大きさや重さ、そしてデイトナが持つかっこよさはあまり変わりません。
新旧どちらがいいか、と聞かれたら、やはり各人の好みになってくるのかなと思います。
3.新型ロレックス デイトナ 市場動向
新旧どころかどの世代の型番でも品薄続きのデイトナ。
実際の市場動向はどのようになっているのでしょうか。
定価で見てみると、新型は前モデルより約3万円ほどの値上がりです。
しかし、正規店で購入することが非常に困難なデイトナ、実際の並行輸入市場での相場が重要になってきます。
■新型Ref.116500LN(ブラック)
■新型Ref.116500LN(ホワイト)
■旧型Ref.116520 (ブラック)
■旧型Ref.116520 (ホワイト)
116520の国内参考定価は124万2000円、116500LNは127万4400円。いずれも定価を大きく上回るプレミア価格です。
新型は発売後、220万円をゆうに超える爆上げを見せましたが、徐々に落ち着きを取り戻しました。
しかし昨年末からまた緩やかに相場を上げ、再び値上がりした状態で安定し始めています。
旧型もやはり上昇傾向にあります。
ロレックスは生産終了モデルの価格は上昇しがちですが、Ref.116520は長きに渡って製造されており、マイナーチェンジも施されているため、ものによっては今後更なる上昇もあり得るのではないでしょうか。
また、ダイアルカラーによっても価格差が見られます。
新型Ref.116500LNでは、新型らしさならホワイトダイアル、でも結局は好みというようなお話をしました。
しかし、この新型のカラーによって、旧型Ref.116520の市場価格に小さくはない影響が出始めているのです。
と言うのも、旧型ではブラックダイアルが圧倒的人気で、市場価格も10万円以上高いことが普通でした。
新型では当初は同程度を維持していましたが、ホワイトダイアルの方が逆に10万円ほど高いという現象が起こっているのです。
スペックは同じ、外観もフェイス以外は全く同じなのに10万円という驚くべき価格差!
今後しばらくはこの傾向が続きそうです。
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/cosmograph-daytona.html
お気に入りのデイトナを買うもよし、今はあえてホワイトダイアルを避けるもよし。
せっかく高いお金を出して買うなら、納得のいくものを選んでいただければと思います。
ダイアル交換について
旧型モデルでは日本ロレックスでもダイアル代数万円+技術料を支払うことでブラック→ホワイト(またはその逆)への変更が可能でした。
流通からまだ間もない新型Ref.116500LNではその可否はまだわかりませんが、もし交換できるようになればどちらの色味も楽しめることになります。
まとめ
新作が出ると必ず人気と話題を呼ぶロレックスウォッチの中でも異彩を放つデイトナ。
フェイスデザインだけでここまでの変化を起こすとは、やはり只者ではありません。
新旧どちらもプレミア価格・品薄が今後も続きそうです。
現在の価格。
資産価値の高さ。
より自分の好みに合ったデザイン。
最適な選択をするためにも、リサーチ力と「デイトナを買う!」という気概は忘れずに持ちたいものです。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年