「オイスターパーペチュアル41って何?」
「オイスターパーペチュアル41の魅力について知りたい」
2020年、現在のロレックスの礎とも言える初代オイスターの直系モデルから新作「ロレックス オイスターパーペチュアル41」が登場しました。
このオイスターパーペチュアル41、新世代ムーブメントCal.3230を搭載していることも特筆すべき点ですが、文字盤のカラーバリエーションも要刮目。
これまでのロレックスとは違ったカラフルなカラーバリエーションを取り揃えています。
そんなロレックス オイスターパーペチュアル41について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
オイスターパーペチュアルは、ロレックスで入門機のポジションとなっています。
この記事ではオイスターパーペチュアル41の魅力を、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
定価と実勢相場についても説明しますので、ロレックスに興味がある人はぜひ参考にしてください。
目次
ロレックス オイスターパーペチュアル41とは?
まず始めに、オイスターパーペチュアル41の概要、およびオイスターパーペチュアルシリーズについて解説いたします。
基本スペック
ロレックス オイスターパーペチュアル41 124300
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径41mm
ムーブメント:自動巻き Cal.3230
パワーリザーブ:約70時間
防水性:100m
定価:621,500円(税込)
ロレックス オイスターパーペチュアル41とは、2020年9月に発表されたロレックスの新作モデルです。
これまでオイスターパーペチュアル史上最大と言われていたサイズは36mmケースでしたが、こちらは生産終了。代わって41mm始め、ラインナップは36mm、34mm、31m、28mmの5種展開となりました。
そう、39mmから41mmへと変更されたのは、大きなポイントです。
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/oyster-perpetual.html
オイスターパーペチュアルモデルでは、長らく39mmサイズがメンズ定番となっていました。それが2mm大きい41mmへと変更になり、発表時には話題となりました。
近年、時計業界での一つのトレンドがケースの大径化にあるためでしょう。
また文字盤のカラー展開が豊富で、シルバー、ブラック、ブライトブルー、ターコイズブルー、グリーン、イエロー、コーラルレッドの7色のカラー展開がされています。
ムーブメントは、新型サブマリーナやエクスプローラーなどにも搭載されている新世代ムーブメントCal.3230。
詳しくは後述しますが、パワーリザーブ約70時間と実用性に優れたムーブメントです。
オイスターパーペチュアルとは
ロレックスのオイスターパーペチュアルというモデルは、ロレックスを初めて買う方に最適な「入門機」としてのポジションが強い印象です。
一方でオイスターパーペチュアルは、ロレックスを語る上では欠かせない歴史背景を持った、同社にとって特別な存在でもあります。
出典:https://www.facebook.com/rolex/photos/
オイスターパーペチュアルの登場は、1933年までさかのぼります。デイトジャストの登場が1945年だったことからも分かる通り、オイスターパーペチュアルの方が登場は早く、歴史が長いと言えます。特に1926年に誕生した高い防水性を誇るオイスターケースの直系モデルという点は大きな魅力ですね。
名前の通り牡蠣の殻のようにぴったりと閉じたケースを持つゆえ、水中での使用に耐えうる腕時計として、ロレックスの名声を確固たるものとしました。
1927年、イギリス人のメルセデス・グライツがロレックスのオイスターケースを着用し、ドーバー海峡を泳いで横断した逸話は有名です。このとき10時間以上も水中にあったにもかかわらず、ロレックスの時計は完璧に動き続けていたこと、そしてロンドン紙「デイリー・メール」の全面広告を掲載したことにより、さらにロレックスの品質が証明されました。
その後、特許を取得したパーペチュアル機構を搭載したモデルとして、オイスターパーペチュアルが誕生します。
現在ではデイトジャストがロレックスの人気モデルとして名前が上がることが多いです。しかし、デイトジャストのベースとなったモデルは前述の通りオイスターパーペチュアルです。また、その後のスポーツロレックスとして地位を確立するエクスプローラーやミルガウス、サブマリーナなどにも系譜が続きます。
ロレックス オイスターパーペチュアル41が名機たる理由
歴史,品質,人気。いずれもきわめて優れるオイスターパーペチュアルですが、さらに41mmサイズによって、またその魅力を押し上げることとなりました。
とは言えリリースされたばかりで市場の出回りも少なく、「いったいどんなモデル・・・?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。しかしながら新型オイスターパーペチュアル41の出来栄えは、多くの業界人が墨を付けるところ。
そこで本項では、オイスターパーペチュアルが純然たる名機である理由を、大きく3つに分けて解説いたします。
①ロレックスが誇る高性能かつ美しい外装「オイスタースティール」
まずなんと言っても、ロレックスが誇る外装技術について、触れるべきでしょう。ケースにはオイスタースティールを使用しています。
この素材は、ステンレス素材のなかでも最高級である904Lスチール系統に属し、優れた硬度と耐蝕性を持っています。
そのため、ハイテク産業や航空宇宙、化学産業で使われること多いですが、その加工には高度な技術が必要です。
しかしロレックスには、この素材を削り出し外装パーツとして仕上げることをむしろお家芸としています。
またオイスターパーペチュアルの魅力と言えば、優れた防水性。このモデルも二重密閉構造のツインロックリューズと、スクリュー式の裏蓋、高性能パッキンとあわせて100m防水を実現しています。
さらに特筆すべき点は、ただ性能が良いだけではないということ。オイスターケースは丁寧なサテン・ポリッシュ仕上げと加工によって高級機としての美しさを有しています。ロレックスは高度な素材加工技術を持っているがゆえに、性能と美しさを両立しているのです。
なお、ブレスレットもケースと同じくオイスタースティール製。3列リンクを採用し、やはり同様に丁寧な仕上げを施しています。
またオイスターパーペチュアルモデルでは初めて、ブレスレットの長さを5mm延長できる「イージーリンク」が採用されました(全サイズにて)。
②新世代ムーブメントCal.3230
ご存知の通り、ロレックスは近年、ムーブメントをCal.31系から32系への移行を図ってきました。
オイスターパーペチュアル41も例外ではなく、これまでのCal.3132から新型ムーブメントCal.3230へと移行しています。ちなみにオイスターパーペチュアル41と同時に発表されたサブマリーナーノンデイト124060も同じくCal.3230を搭載しています。
出典:https://www.rolex.com/ja
オイスターケースと同様、堅牢な設計で優れた精度と耐衝撃性、耐磁性を備えています。
ニッケル・リン合金製のクロナジーエスケープメントによる耐磁性、ブルーパラクロム・ヘアスプリングによる高い耐衝撃性を実現しています。
そして新世代ムーブメントの大きな魅力であり特徴と言えば、ロングパワーリザーブが挙げられるでしょう。前ムーブメントCal.3132では、パワーリザーブ約48時間。しかしCal.3230では約70時間と大幅延長しています。
これなら「土日の間に時計を外していたら、月曜日につける際に止まっていた」ということもなく、実用性に富んでいると言えるでしょう。
③ロレックスらしからぬカラーバリエーション
出典:https://www.facebook.com/rolex/photos/
41mmサイズにかかわらず新型オイスターパーペチュアルモデルの魅力の1つに、バリエーション豊かな文字盤があります。
しかし今回登場した新作ではさらに進化した、豊かなカラーリングモデルが登場しています。
これまでもレッドグレープといったカラフルなバリエーションの文字盤はありましたが、今回はそれよりもさらにユニークなもの。というのも、一言で言えばロレックス「らしくない」カラーなのです。
こう言うとマイナスに聞こえるかもしれませんが、決してそんなことはありません。反対にこれまでになかったロレックスの新たな一面という点で、魅力的なポイントと言えます。
出典:https://www.rolex.com/ja
前述の通りオイスターパーペチュアルは、ロレックスのなかでも言わば入門機のポジションです。
初めてロレックスにチャレンジする方からすれば、さまざまなカラーバリエーションがあったほうが自分の好みに合わせて選ぶことができます。
また従来のファンだがオイスターパーペチュアルには興味がなかった…そんな層もこのカラーバリエーションには心沸かせられるものです。
ロレックスはすでに持っているけれど、オイスターパーペチュアルに興味がなかった層も、他のモデルにはないカラーバリエーションに興味を持つかもしれません。
このようにロレックスらしからぬカラーバリエーションは、ロレックス愛用者の間口を広げるという点において、大きな役割を果たしています。
ロレックス オイスターパーペチュアル41の定価と実勢相場
ロレックス オイスターパーペチュアル41の定価は、621,500円と新ムーブメントを搭載しているため、これまでのモデルよりも少し価格が上がっています。しかし入門機ということもあり、デイトジャストや高騰が続いているスポーツロレックスと比較すると良心的な価格です。
とは言えオイスターパーペチュアル41もまた、実勢相場には注意が必要です。一部の文字盤は人気が殺到し、品薄状態が続いているからです。
シルバーやブラックといった従来からオーソドックスな文字盤は比較的流通量が多いですが、ターコイズブルーやイエロー,グリーンのカラーは正規店・並行店ともになかなかお目にかかれない状況です。
2020年9月に発売しすでに半年以上が経過していますが、需要の高まりは止む気配がありません。
一例を挙げると、実勢相場はグリーンが約140万円、ターコイズブルーに至っては200万円を超えています。基本のシルバー、ブラックの文字盤は90万円前後と、定価よりも高いですが現在の全体的なロレックス需要から考えると予想内の値上がりと言えるでしょう。
他のスポーツロレックスの高騰が依然として続いていることを鑑みると、オイスターパーペチュアル41もまたしばらくは高値を維持し続けることが予想されます。とは言えロレックスはリセールバリュー(再販価値)が高く、売却時に思わぬ買取額が提示されることも。この側面が「高くても買いたい」というマインドを後押ししています。オイスターパーペチュアル41を検討している方は、こういった資産価値に目を向けてみても良いですね。
まとめ
2020年に登場したロレックスのオイスターパーペチュアル41の魅力を解説しました。
オイスターパーペチュアルというモデルは、ロレックスのなかでも入門機のポジション。
優れたコストパフォーマンスと自分の好みにあわせて選べる個性豊かな文字盤。
そして何よりも外装、ムーブメントともにロレックスが為せる最高の技術が搭載されているなど、魅力に溢れたモデルです。
とはいえ、グリーンやターコイズブルーなど一部のモデルでは、入門機らしからぬ価格の高騰が続いています。
シルバーやブラックなどの基本的なモデルも定価よりも価格は上がっています。今後もしばらくこの流れは続くと予想されますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年