「ロレックスの最新人気モデルはどれ?」
「どのロレックスを買ったら自慢できるのか知りたい」
世界一の知名度を誇る腕時計ブランド「ロレックス」。オメガやタグホイヤーといった強豪を凌いで、人気腕時計不動の1位に君臨しています。
数ある高級腕時計ブランドの中で最も高い人気を誇り、歴史、技術、ステータスいずれも突出しています。
多くのお客様から「ロレックスの中で人気があるモデルってどれ?」とお問い合わせいただくこともあり、その人気はさすが時計界の王者といったところです!
そこでこの記事では、ロレックスの人気モデルを、GINZA RASINの売上データをもとにランキング形式で紹介します。
各モデルの魅力や特長も解説していますので、ロレックスのご購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
人気売れ筋ナンバーワンは、泣く子も黙るロレックスの最上位機種・デイトナです!
2016年のリリース以来、常に売上第1位にランクインしており、その強さは圧倒的と言えるでしょう。
デイトナマラソンというものもあるぐらい、ロレックスの中で憧れの腕時計として認識されています。
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12.5mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性:100m
例年高い人気を誇るデイトナ 116500LNは、常に品薄です。正規店での購入が非常に難しいという現状になっています。
もともと人気モデルの宿命か、デイトナは正規店でなかなか買えない代表格でした。
しかしながら、ここ数年は品薄状況が加速。
高級品需要や、デイトナの「資産価値」への注目度の上昇などといった背景により、並行輸入店ですら在庫確保に躍起になっていると言った状況です。
116500LNは2017年・2018年・2019年・2020年・2021年・2022年・・・そして2023年、2024年と当店ロレックス人気ランキングにおいて8年連続一位に輝いており、そのぶっちぎり具合はロレックス内のみならず、他ブランドの追随も許しません。
2023年に後続機である126500LNが発表されたため生産終了となりましたが、それでも相場は下がるどころか再び上昇傾向に。
現在もその人気は衰えることなく、現在進行形で売れ続けています。
116500LNは2024年においては多少の相場変動がありながらも、実勢相場は高値をキープしました。
126500LNもよく売れましたが、流通量の多さとデザイン性に大きな違いがないことから、いまもなお116500LNがトップクラスの需要を博しています。
2025年に入ってからもその人気は衰えを知らず、1月時点では、並行価格が白文字盤500万円台~、黒文字盤でも440万円前後〜とまだまだプレミア価格で推移しています。
普通、「売上本数」で計上すると安価なモデルが上位にくるもの。しかも116500LNと言えば屈指の価格高騰モデルです。
これほどまでに高額になってしまうと、普通は「買い控え」が起きるもの。しかしながら116500LNへの需要は一向に止まず…むしろ入荷から販売までの回転数の高さから、いかに多くの方々から愛されてきたかが垣間見えますね。
デイトナというと資産価値の高さがまず取沙汰されますが、セラクロムベゼルを採用したデザインのかっこよさもまた圧巻です!
実際、セラクロムベゼルの存在がデイトナ人気を押し上げたと言われています。
このベゼルはただのセラミックではなく、メモリ部分がプラチナコーティングされており、独特の艶感や光沢を醸し出すとあって、デイトナのもともとのクラス感をさらに強調することとなりました。
高価格帯とはなりますが、実物を手に取ってみると、「それでも欲しい」という方が後を絶たない理由が垣間見えるでしょう。
スーツに合わせるもよし、オフスタイルでかっこよく着けこなすもよし。死角のない、不動のナンバーワンがデイトナという存在です。
本当に欲しい方はこれからさらに価格が上がってしまう前に買うのが吉と言えるでしょう。
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12.5mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性:100m
人気モデルにはデイトナの2世代前のモデル「Ref.116520」がランクイン。
2016年に既に生産終了しておりますが、今なお人気。例年本当に高い需要を誇っており、現在も業者間で激しい争奪戦が繰り広げられています。
生産終了から年数を経るごとに稀少性は高まり続けており、デイトナ 116520は当店では絶対に在庫を切らせないロレックスの一つとして重要視されています。
116520は、デイトナの第五世代にあたるモデルで、ロレックス初の自社製自動巻きクロノグラフCal.4130搭載させたことが特徴です。
16年にわたる製造期間の中で随所にマイナーチェンジが加え続けられてきた関係から、品番や仕様によっては非常に高値で取引されるものも存在します。
「高値」の最も顕著な例は2010年頃~製造された最終品番(ランダムシリアル)でしょう。
文字通り、116520の中では後期に製造されたモデルなのですが、過去モデルは製造年が新しいほどコンディションが良いため(もちろん、ロレックスは経年の影響が少ないブランドではありますが)、最終品番が重宝される傾向にあります。
さらに、2014年頃から新ギャランティ(2021年現在ではもはや旧型ですが)が、あるいは2015年頃から新クラスプが採用されています。
2016年に116520が廃盤になっていることを鑑みれば、新ギャランティ&新クラスプ個体は実質数年しか製造されていないこととなります。つまり、きわめて高い稀少性と相まって、非常な高値で取引されているのです。
コンディション良好な一部個体は、現在では500万円前後の値付けが行われています。
さらに、最終品番などではない個体であっても300万円をなかなか切ることがない、ということも特筆すべき点です。
もともとデイトナ116520は116500LNや先代16520に比べればまだ相場は落ち着いていると言われてきました。116500LNの実勢相場が300万円の大台を記録し始めた2019年頃でもまだ220万円程度で購入できる個体があったと記憶しています。
しかしながら現在はロレックス屈指のプレミア価格となっているにもかかわらず、買い控えが全く見られないことに、「キング・オブ・クロノグラフ」と呼ばれて久しいデイトナ 116520の実力のほどを垣間見る思いです。
相場は抜きにしても、精悍なメタルベゼルやインダイアルのシルバー縁取りが「これぞロレックス」「これぞデイトナ」といった様相であり、今なおスポーツウォッチの王者として君臨し続けています。
そして、それは2025年も変わらないことでしょう。
第2位は、「シンプルイズベスト」を地でいく、エクスプローラーIです!
他の人気ロレックスを圧倒する勢いで売れて続けています。
人気上位は単価の高いデイトナなどが占めることも多いですが、その中にエクスプローラーI(各種モデル)は必ず食い込んでおり、このモデルの強さを例年感じさせられます。
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径39mm×厚さ11.3mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3132
パワーリザーブ:約48時間
防水性:100m
Ref.214270は、2010年、39mmへとアップサイジングされて堂々誕生したエクスプローラーIです。
日付表示すら持たない3針のブラック文字盤は大変使いやすく、それでいて「冒険家」のモデル名に恥じない堅牢さや視認性を誇ります。どの年代のどのシーンにも対応できる、定番中の定番ですね。
2021年に生産終了となりましたが、ケースサイズ39mmはエクスプローラーIでは基本的に214270のみとなるため、需要は生産終了後、いっそう高まるばかりです。
ちなみに一口に214270と言っても、文字盤が二種類あります。
と言うのも、2016年にランニングチェンジが行われており、3・6・9のインデックスに夜光が塗布&針が長くなり、どんな条件下でも視認性を向上させる、というエクスプローラーならではのコンセプトがフィーチャーされるようになりました。
上:新型文字盤 / 下:旧型文字盤
スペック自体は大きくは変わらないのですが、旧型文字盤の方が生産終了から日が経つことからジワジワ相場を上げてきている傾向があります。
しかしながら「人気」としては、新型文字盤が圧倒的となります。
旧型文字盤の売上本数もまた上昇していますが、新型文字盤のみであれば116500LNに匹敵する売上を誇ります。
ちなみに新作発表時には一時期200万円超えとなるものの、現在は後期型文字盤で120万円台~130万円台、前期型文字盤で100万円前後~110万円台と、やや落ち着いてきつつも、高値推移となっております。
50万円~60万円、さらに2019年時点でもまだ70万円台で購入できていたことを鑑みると、かなりの上昇率であることがおわかり頂けるでしょう。
2025年もロレックス人気を牽引していくであろう一本ということは明言できます。
もっとも、エクスプローラーIはもともと人気が高く価値が安定しているため、手放すときは入手価格から大きく存せずにお買い取りが可能なモデルです。そのためイニシャルコストは高くなっても売却時に損をしづらいと言ったマインドから、あまり買い控えが見られない商材となっています。
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径36mm×厚さ11.5mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3130
パワーリザーブ:約48時間
防水性:100m
人気モデルにランクインしたのは、エクスプローラーI 114270です。近年のロレックス人気ランキングでは、当コレクションが上位を多く占めることとなりました。
近年の動向として面白いのが、5桁リファレンスの人気が飛躍的に高まり、活発に売買されているということです。
114270や5桁リファレンスの14270が最新世代の124270を上回っており、シリーズ全体を通して売上本数が伸びました。
Ref.114270は、2001年~2010年まで製造されたエクスプローラーIです。
先代の第4世代Ref.14270から引き続き、デイト窓も回転ベゼルも持たない、シンプルで汎用性高いデザインを引き継いでいます。
次世代のRef.214270でケースサイズは39mmとなりますが、当114270までは36mmサイズとなっており、小径ケースのエクスプローラーIとして人気があります。
また、流通量が豊富なことも、今なお売れ続けている理由の一つとして大きいでしょう。
流通量の豊富さはロレックス相場が高騰を続ける近年において、「まだ安く買えるロレックス」にも繋がっていきます。スポーツロレックスの中では唯一「価格の優等生」と言って過言ではありません。
しかしながら新作発表によってエクスプローラーI相場が全体的に上がる中、Ref.114270も確実に相場は上昇しています。
2017年頃までは40万円台~50万円ほどの相場推移でしたが、2020年には70万円超え。2023年、70万円台~80万円台後半ほどの値付けとなっております。
スポーツロレックスの中ではお手頃感が強いですが、Ref.114270のように生産終了した個体は年月が経つにつれ、グッドコンディションがどんどん減っていき、相場はジワジワ上がるものです。
確かに今も高くなりましたが、さらに手が届かなくなる前に。気になる方は、ご購入頂くことをお勧めいたします。
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径36mm×厚さ11.5mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3230
パワーリザーブ:約70時間
防水性:100m
人気モデルににランクインしたのは、2021年に満を持して登場した、最新エクスプローラーI Ref.124270です!
発売からわずか3年足らずでランキング上位に位置するとは、さすがエクスプローラーI。
エクスプローラーIは、ご存知「冒険家」をコレクション名に掲げるロングセラーです。
1953年に誕生しましたが、同年の登山家の故エドモンド・ヒラリー卿による世界初エベレスト登頂の達成と紐づけられたことで、その堅牢性や信頼性を裏打ちしたことは言わずもがな。ロレックスの巧みなブランディングを象徴するコレクションともなっております(もっとも、世界初エベレスト登頂時の時計はオイスターウォッチ)。
わが国では、1997年に放映されていた月9ドラマ『ラブジェネレーション』で木村拓哉さんが着用したことで、エクスプローラーI,そしてロレックス人気に火が付く形となりました。
他のロングセラーコレクション同様に、初代モデルから大きくデザインを変えず、時代に合わせたアップデートを経てきたエクスプローラーI。
最新世代として2021年に発表されたのがRef.124270でしたが、最新ムーブメントを備えるのみならず、ケース直径36mmへとダウンサイジングしたことでも大きな話題となりました。
現代メンズ時計と言うと、直径40mm前後のサイズ感がベーシックでしょう。しかしながら最近は「レトロ回帰」が一つのブームです。
そのため、往年のオールドウォッチに見られる小径サイズを採用するブランドもまま見受けられるのですが、エクスプローラーIもまた2010年以前の、先々代Ref.114270以前に見られた直径36mmをリバイバルすることとなりました。
近年の新作ロレックスの動向としてラグのテーパーが聞いていたり、文字盤レイアウトがRef.114270から範を取っていたりと、懐かしさを感じる仕様であることも特徴です。
エクスプローラーI Ref.124270の相場は、流通量が増えてきたこともあり、実勢相場130万円台~と落ち着きつつあります。
ただ、定価超えであることに変わりはありません。
「定価超えでも欲しい」といった人気に支えられて人気ランキング上位にきていることを鑑みれば、相場が急落することは考えづらく、安定した高相場ロレックスでもあります。
第3位としてご紹介するのは、20年以上に渡って製造された超ロングセラーの「サブマリーナー」です。
ロレックスを買うなら最初はサブマリーナーと言う人も多い、人気モデル。デイト、ノンデイトともに常に売れています。
バリエーションも豊富な300m防水を備えたダイバーズウォッチという点でも、非常に使いやすいモデルといえます。
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm×厚さ13.2mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3135
パワーリザーブ:約48時間
防水性:300m
サブマリーナーと言えばコレ!といった方も少なくないであろう、Ref.16610です!
こういったランキングで、5桁リファレンスのモデルがランクインするのは、これまで非常に珍しい傾向でした。
5桁リファレンス時代はポストヴィンテージなどとも称されるように、現行には無い雰囲気や魅力を湛えるものですが、一方で「売上本数(すなわち、商品の回転スピードやどれだけ入荷したか)」と言うと、比較的新しいモデルの方が目立つものです。
しかしながら近年は中古市場がかつてより拡大し、USED品の需要も格段に増えたこと。ロレックス相場高騰の煽りを受け、現行モデルがなかなか手の出しづらい価格帯となった結果、相場を上げ切っておらずお得感の強い5桁リファレンスの需要が増えたことなどを背景とし、今やロレックス人気を牽引する存在になっていると言って良いでしょう。
1989年頃~2010年まで製造された、サブマリーナー デイト Ref.16610。
現行はセラクロムベゼルが搭載されていますが、Ref.16610はアルミベゼルによってヴィンテージらしい風合いを醸し出しているのが好きな方には堪りません。
また、現行(または次世代以降のRef.116610系)に比べるとリューズガードやラグのテーパーを始めとしたフォルムがスリムで、これまた往年の銘ダイバーズウォッチといった装いです。
もちろん堅牢性は年式が新しいほど向上していくものですが、この雰囲気こそが5桁時代の魅力と言えます。
スペック面で見ると現行モデルがアップデートされてはいますが、そもそもロレックスは早い段階から実用性を確立していたブランドです
。現在市場に出回る年式の古い個体は、しっかりとメンテナンスされていれば実用に耐えうる機種がほとんどで、5桁リファレンスのモデルはお得に買えつつ、日常使いできるロレックス」としての高い需要があります。
サブマリーナー Ref.16610は、製造期間の長さゆえ。そして長年人気モデルとして君臨してきたため、流通量は豊富です。
しかしながらロレックス相場全体が高騰したことに加えて、2020年にサブマリーナーのモデルチェンジが敢行されたことから、Ref.16610もご多分に漏れず買いが集中。状態や仕様にもよりますが、現在の実勢相場は120万円台~150万円前後となっております。
今後生産終了からさらに年数が経ればRef.16610もさらに値上がりするであることは容易に予測できることから、「今最も熱いポストヴィンテージ」とも言うことができるでしょう。
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径41mm×厚さ13.2mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3235
パワーリザーブ:約70時間
防水性:300m
サブマリーナー デイト 126610LNは、ダイバーズウォッチの永世定番・サブマリーナの現行モデルです!
オメガのシーマスターやパネライのサブマーシブルなど、多くの有名ブランドがダイバーズウォッチをラインナップしていますが、ド定番と言えばまずこちらの顔が思い浮かぶ、と言う方は少なくありません。
だいたいロレックスの人気ランキングを採ると上位の何本かはサブマリーナがランクインするものですが、今年度の126610LNは現行モデルらしい安定した成績を残しました。
サブマリーナはロレックスのダイバーズウォッチですが、1953年の登場以来、そのデザインコードを大きく変えてこず、そのためどんなシーンでもマッチしてくれる、素晴らしい「定番ロレックス」であり続けてきました。
しかしながら2020年に新作として発表されたこちらの126610LN、なんと往年のケースサイズから、1mmアップサイジングされています。具体的には、伝統的に採用されてきた直径40mmが、41mmへと変化しました。
1mmを誤差と捉えるかどうかは人それぞれですが、この「1mm」に大きな反響があったことは言うまでもありません。
またエクスプローラー始め、何度か「新型モデル」について言及してきましたが、ロレックスは2015年よりムーブメントをCal.3100番台からCal.3200番台へ載せ替えを以てモデルチェンジを行っています。
この最新世代Cal.3235を搭載させた新型サブマリーナー Ref.126610LNは、約70時間のロングパワーリザーブに代表されるいっそうの実用性を獲得することとなりました。
そんな新しくなったサブマリーナ 126610LNですが、デリバリーから約3年が経過し、比較的よく出回ってきたことも2024年大きく売れた理由でしょう。
さらに、126610LNはまだ新しい個体が多く、仕入れから出品までにオーバーホールを経ない場合がほとんどといったこともありますが、当店の平均滞留日数はわずか2週間ほどとなっています。これはタグホイヤーやオメガといった人気ブランドの中でも、さらに1・2番目に人気の高いモデルと同程度の回転の速さです。
実勢相場は220万円前後~と決して安くはないものの、非常に回転よく売買されることから、2023年も変わらず大人気機種となっていくことを予見させます。
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径41mm×厚さ13.2mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3230
パワーリザーブ:約70時間
防水性:300m
人気モデルとなったのはサブマリーナ ノンデイト 124060。デイト系と共に堅調に売れているモデルであり、2024年においては売上本数を大きく伸ばしました。
124060はノンデイト仕様のサブマリーナとしては8作目にあたります。見た目がシンプルであることからどんなシーンでも使いやすく、ロレックス初心者から上級者まで幅広く愛用されています。
ベゼルの質感や針のデザイン、ダイバーズウォッチらしい堅牢性。すべてにおいてバランスのとれた名機として、デイトと共に今年も売上を伸ばしました。
従来のノンデイトと大きく異なる点は何といってもケースサイズです。
サブマリーナノンデイトは1989年に発売された14060から、14060M、そして114060まで約40年にわたり40mmケースを採用し続けてきた歴史を持ちます。
しかしながら、124060はこれまでの歴史を大きく変える41mmケースが採用されており、歴代機とは一味も二味も違う個性を持ちあわせます。
こういった背景から、旧作の人気が高まっている今年度においても、「高くても欲しい」「今高くても今後の値上がりに期待できる」などといった声に後押しされて、124060は多くの人の手に取られました。
なお、新型124060には「新世代ムーブメント」と称される Cal.3230が搭載されています。
Cal.3230はブルーパラクロム・ヘアスプリングによる高耐磁性、日差-2 ~+2 秒の優れた精度、そして約70時間のロングパワーリザーブを誇るロレックスの新たなるスタンダードです。
土日に腕時計を外していても時間が止まらない実用性が評価されており、Cal.3230を搭載したメリットは大きいといえます。
気になる実勢相場は、並行新品で200万円台~。流通量が増えてきていることもあり、2025年もランキング上位に入ることが予想されます。
サブマリーナが欲しいけど、シンプルなデザインの方が好き。
そのような方にぜひお手に取っていただけたらと思います。
第4位は、エクスプローラーIIがランクイン!
エクスプローラーの上位機種として1971年に誕生したエクスプローラーIIはスぺ―シーでSFテイストを含んだロレックスの中でも、かなり独特なデザインをしています。
カジュアルさもありますが、どことなくエクスプローラー特有の渋さも感じられるコレクションです。
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3185
パワーリザーブ:約48時間
防水性:100m
本来5桁リファレンス時代のロレックスが人気ランキング上位になることは珍しいのですが、エクスプローラーII Ref.16570はまさに別格。
20年に渡って製造されたため、流通量が多く売買が活発なことが人気の大きな要因となりました。
また、2021年のエクスプローラーIIのモデルチェンジによって、歴代モデルの需要が急激に高まったことなどが、背景として挙げられるでしょう。
結構古いモデルでありながら、今なお人気どころか売上本数を伸ばしているというのは大変稀有なことなっております。
Ref.16570は、エクスプローラーIIの第三世代です。1991年~2011年までと長きに渡って製造されたモデルであり、かつケースサイズ40mmエクスプローラーIIの、最後の世代でもあります。
また、現行はオレンジの24時間針が特徴的ですが、第三世代は赤く彩られており、今はない仕様をお楽しみ頂けます。
現在の実勢相場は仕様や年代にもよりますが、100万円~150万円台で推移しております。
ブラック文字盤・ホワイト文字盤ともに人気商品ですが、売上本数では1.5倍ほどブラックの方に軍配が上がっています。
「100万円出さなくてはスポーツロレックスを買えなくなった」と言われる時代。
また、エクスプローラーの名前通りに堅牢な設計のため経年劣化にも強く、メンテナンス性が高いことから中古でも状態の良好なものが多い・かつ維持が比較的容易であることから、お得感の高さもまた魅力です。
今後も人気はますます高まると思いますので、まだ流通量が豊富な今こそ買い時のモデルだといえます。
5桁リファレンスのロレックスは、高年式(特に2010年以降のランダムシリアル)が高くなる傾向にあります。
しかしながらサブマリーナー Ref.16610の項でもお話したように、不思議なもので、ロレックスには今はない仕様(かつて使われていた仕様)の評価が改めて見直されるといったことがおうおうにしてあります。
今はない仕様が「パーツ交換されていない」ことの証左となり、そのオリジナル性から稀少価値が高まったり、あるいは「現行にはないため人と被らない」といったアドヴァンテージになったりするためです。
エクスプローラーII 16570においては夜光塗料がインデックス・針ともにトリチウムとなっている、「オールトリチウム」と、1995年頃まで採用されていたバックル仕様の「シングルバックル」が該当します。
※左がシングルバックル / 右がダブルロック
トリチウムはロレックスで1960年代~1999年頃まで仕様されていた夜光で、1999年頃からルミノバに移行しました。針や文字盤は交換されやすいパーツの一つです。後年交換された個体だと、ルミノバ夜光になっているものが多く、オールトリチウムはオリジナルを維持していることを示唆します。
一方のシングルバックルはスポーツロレックスを中心に採用されていたバックルで、1995年頃からダブルロックへと変遷しています。
二重でパチッと固定できるダブルロックの方が実用面では優れているのですが、市場ではシングルバックルの評価が高まっており、オールトリチウム×シングルバックル個体はそうでない個体と比べて高い値付けが行われております。
エクスプローラーII Ref.16570は今なお入手しやすく、また年式を経ているとは言えメンテナンスされていればしっかりと実用できる個体が出回っており、初めてのポストヴィンテージとしても良い選択肢となっていくことでしょう。
第5位にランクインしたGMTマスターは、ロレックスで初めてGMT機能を搭載したパイロットウォッチとして登場したコレクションです。
ツートンカラーのベゼルが特徴的で、ロレックスのスポーツモデルの中でも安定して売れています。
ベゼルの経年でバリエーション豊かな色味になる点もツートーンカラーならではの魅力です。
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3285
パワーリザーブ:約70時間
防水性:100m
こちらは「バットマン」こと、現行GMTマスターII Ref.126710BLNRです!
2019年発表と比較的新しいモデルであったため売上本数ベースに見ると伸びませんでしたが、流通量が増えてきたこともあって売れ筋モデルとなりました。
GMTマスターIIは、単独稼働する時針の他、GMT針と回転ベゼルを用いて第三時間帯までを表示させる多機能機です。
1954年にパン・アメリカン航空が所望したパイロットウォッチといった出自を持つ歴史あるコレクションで、誕生当初からしばらくは「GMTマスター」として時針の単独稼働はできませんでしたが、1983年にRef.16760がリリースされたことで「GMTマスターII」としの機能を確立しました。
現行ではツートンカラーのベゼルがアイコンとなっていますが、これは初期GMTマスターから見受けられるデザインコードです。
赤×青や赤×黒に代表されるベゼルの配色は、昼夜表示を一目で認識できるとともに、他のスポーツロレックスにはない特別感を強調していたことでしょう。
Ref.126710BLNRは2013年に発売された、待望の赤青ベゼル通称「バットマン」Ref.116710BLNRの後継機です。
この配色はGMTマスターII人気を一気に押し上げるとともに、再びアイコンとしての地位を取り戻していくキッカケとなりました。
既に前年にRef.126710BLROがリリースされていたこと。また過去にジュビリーブレスレットのGMTマスターモデルはいくつか見られることから「全く新しいデザイン」ではなかったかもしれませんが、バットマンの都会的なデザインと相まって、根強い人気を博しています。
なお、2021年にオイスターブレスレットモデルも登場し、この人気はいっそう強固なものとなっていきます。
今回の集計はジュビリーブレスレットモデル・オイスターブレスレットモデルともに合算した結果となりますが、内訳を見てみると若干ジュビリーブレスレットモデルの方が活発に売買されていました。
とは言え、それは「僅差」。むしろ発売からまだ間もないオイスターブレスレットモデルもこれだけ売れているということに、GMTマスターII Ref.126710BLNRの底力を感じます。
オイスターブレスレットモデルの方が高値で売買されることが多いですが、これは人気の差というよりも、販売から間もない個体が出回っていることも影響していることでしょう。
人気売れ筋のロレックスをピックアップしてみました!
近年は人気モデル上位はお馴染みのラインナップが並ぶ傾向にあり、デイトナ、エクスプローラー、サブマリーナの人気の高さが目立ちました。
来年以降126500LNといった新作モデルの流通が増えればランキングに多少なりとも変化がありそうですが、現時点においては大きく変動することはないように思えます。
とはいえ、新たな新作発表の展開によっては、このランキングが根底から覆るような事態もあり得ないわけではありません。
ロレックスの人気・新作・相場動向…2025年も目が離せません!
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年