「ロレックスはなぜ人気なの?」
「ロレックス人気が下がらないのはなんでだろう」
数ある高級時計ブランドの中でも、言わずと知れたロレックス人気。
アメリカ、欧州、中国に東南アジア・・・日本国内に留まらず、その人気の波は全世界に広がります。
デイトナ、GMTマスター、エクスプローラーにサブマリーナ・・・
今、ほとんど全てのスポーツロレックスの価格は、歴史的な高騰を見せていますが、これもロレックスの圧倒的な人気ゆえ。
そんなロレックスの人気の理由について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
愛され続ける理由としては高い実用性や資産価値の高さなどが挙げられます。
この記事ではロレックスの人気の理由を、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
ロレックス人気を証明する数々の逸話についても紹介しますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
ロレックス人気を証明する数々の逸話
確かにロレックスの名前はみんなが知っているけれど、「すごい人気」と言われてもいまいちピンとこない。
オメガとかタグホイヤーだって人気あるけど?
そんな方々のために、ロレックス人気を物語るいくつかの逸話をご紹介いたします!
①世界で最も売れているスイス製腕時計はロレックス
ロレックスは詳細な企業情報をあまり公表しませんが、2015年には売上高が50億フランに達したと言われています。
日本円にすると5500億円程度で、2位のオメガとカルティエを倍以上も引き離しています。
(参考:スイス公共放送協会(SRG SSR)国際部)
2017年、アップルウォッチに売上を抜かされたということで「スイス製腕時計」にカテゴライズしましたが、ロレックスは中古市場でもダントツ人気。
そのため、中古やアンティーク品で売り買いされている額を合わせるとまた違ったものになってくるのではないでしょうか。
②世界中の有名人が愛用している
ロレックスはマーケティング戦略に非常に長けており、スポーツを中心に芸術や文化、偉業など様々な分野・人へのスポンサードを務めてきました。
その関係もあってか、メディアを通してロレックスを着用した著名人を見かけることが多いでしょう。
広告塔でなくとも、公私ともに愛用している方々は国内外で少なくありません。
プロテニスのロジャー・フェデラーさん、サッカー選手のデヴィット・ベッカムさん、ズラタン・イブラヒモビッチさん、ゴルファーの松山英樹さん。
タレントの木村拓哉さんや俳優の吉田鋼太郎さん、梅沢富男さんなど、国内外で幅広い年代層の有名人・芸能人によって愛用されてきました。
出典:https://www.rolex.com/ja
③凄まじく高い資産価値
今、ロレックス投資がかなり盛り上がってきています。
近年の高騰は非常に顕著で、留まるところを知りません。
人気モデルであれば、購入時の8~9割ほどの価格で売れることもあるため、こぞってロレックスを購入。
需要に供給が追い付かず、さらに高騰に拍車をかけています。
それもこれもロレックス人気の成せる業でしょう。
④世界で一番高いロレックスは約20億円で落札された
ロレックスは資産として本当に大きな価値を持ちます。
レアモデルの中には、オークションにかけられものすごい値段がついてしまうものも・・・
世界で最も高額で落札されたロレックスは、なんと1780万ドル!約20億3000万円です!!ちなみに腕時計史上最高額でもあります。
何も極上のダイヤモンドが何カラットもセッティングされているとか、超絶複雑機構が搭載されているわけではありません。
該当モデルはデイトナのRef.6239。
レーシングドライバーであった故ポール・ニューマンが愛用していた個体です。
出典:https://www.phillips.com/detail/ROLEX/NY080117/8
ロレックスは決して雲上ブランドではありません。
ロレックスより高い定価をつけているブランドはパテックフィリップ、オーデマピゲやヴァシュロンコンスタンタンにランゲ&ゾーネなど、複数あります。
にもかかわらず、通常モデルでこれほどまでの値が付けられるのは、ロレックスが他社とは一線を画す何か特別な人気を誇っているからに他なりません。
なぜロレックスは人気があるの?理由①デザイン性が高いから
ロレックスにまつわる様々な逸話で、その人気の凄まじさをおわかりいただけたでしょうか?
それでは、ロレックスの人気の理由を解説いたします!
まず一つ目は、デザイン性です。
デザインはユーザーの好みが大きく反映されるところ。
タグホイヤーでなくては、とか、ウブロがいい!という方もたくさんいらっしゃるでしょう。
しかしながら、好みにかかわらずロレックスのデザインは、本当に完成されていると言われています。
もちろんかっこいい、ということもあります。
それに加えて、ロレックスは一目見てロレックスだとわかるアイコニックなデザイン性を有しているのです。
ロレックスデザインという、一つの分野を確立していると言ってもいいかもしれません。
基本スタイルはシンプル。
そして、一部の宝飾モデルを除いて、初代からデザインを一貫して踏襲している、という特徴があります。
左:1960年代~1980年代後半まで製造されたサブマリーナ5513 右:現行サブマリーナ114060
デイトナにしろGMTマスターにしろサブマリーナにしろ、ロレックスの定番モデルは50年以上の歴史を持つものばかり。
そのほとんど全てのデザインが、マイナーチェンジをしながらも連綿と受け継がれているのです。
つまり、イイ感じにかっこよくて、イイ感じに不変的。
不変ということは普遍。時代や年齢・シーンを選ばず通用する使い勝手の良さに繋がります。
もし30代でロレックスを買ったとして、40代、50代、60代・・・そして自分の子どもへ。ずっと使い続けてもずっと「かっこいいロレックス」という地位は変わらないでしょう。
また、シンプルだからこそ、ビジネスでもおしゃれスポットでもアウトドアでも、様々なシーンで活躍してくれる汎用性があります。
そういった、末永く使い続けていける安心感。万人受けする普遍性というのが、ロレックス人気の理由のうちの一つです。
なぜロレックスは人気があるの?理由②実用性が高いから
前述した「末永く使い続けていける安心感」は、デザインだけに留まりません。
ロレックスの真髄は実用性と言えます。
「高級時計」の代名詞的な存在であるものの、ここぞと言う時にだけ身に着け、あとはタンスの肥やし・・・
決してそういった使い方はされません。
ビジネスにもプライベートにも、毎日まいにちガンガン使い続けてこそ、ロレックス本来の価値と言えます。
改良され続ける機能
出典:https://www.rolex.com/ja
また、ロレックスは派手なモデルチェンジをすることは少ないですが、初代モデルから機能性を確実にアップデートしてきています。
最も顕著なところは、ムーブメント改良です。
ロレックスはムーブメントを自社製造しているこだわりのマニュファクチュールであることは周知の事実ですが、その改良にも目を見張るものがあります。
腕時計の本来の価値はムーブメントにあることを誕生から今に至るまでブランドの根幹にしてきたのでしょう。
高い精度と信頼性、そして日常使いに堪えうる耐久性を今なお追求し続けているのがロレックスです。
まず第一に、ロレックスのムーブメントは高精度の証であるクロノメーター認定機です。
それを成し遂げたのは2007年となりますが、それまでもエアキング以外の定番モデルは全てがクロノメーター規格でした。
ちなみにムーブメントの精度の要である「テンプ」を構成するパーツに「ヒゲゼンマイ」というものがありますが、これを自社製できるメーカーは非常にわずかで、ロレックスがそこに名を連ねていることは言うまでもありませんね。
出典:https://www.rolex.com/ja
第二に、独自技術のもと、他社とは一線を画す手法で改良を重ねていること。
例えば耐磁性・耐衝撃性に優れ、温度変化にも強いブルーパラクロムヒゲゼンマイや耐震装置のパラフレックスなど、新素材や新システムをどんどん活用した技術躍進は、三大機構を発明した頃となんら遜色ありません。
また、ロングパワーリザーブを一般的にしたのもロレックスが先鞭をつけたと言っていいでしょう。
パワーリザーブ72時間を実現したことにより、「週末時計を外していたら月曜日にまた巻かなくてはならない」という自動巻きの定説を覆しました。
もちろんムーブメントだけに留まらず、よりケースの機密性を強めたシードゥエラーやディープシーなどのトリプロックリューズや、高級感を保ちつつ堅牢にしたオイスターブレスレットなど、様々な技術改良への手は止むことがありません。
購入後の手厚いサポ―ト体制
日本ロレックスを始め、各国のロレックスは購入後のサポート体制が手厚いことに定評があります。
と言うのも、ロレックスは2015年7月より、メーカー保証期間を従来の二年間から五年間へと変更したのです。
通常、メーカーの保証期間は二年が一般的です。パテックフィリップしかり。パネライ、カルティエ、ジャガールクルトなどしかり。ブランドの中には、一年保証に設定しているところもあります。
それを、ロレックスは倍以上の五年間保証にしてのけたのです。
なぜ各メーカーが保証を設けているのかと言うと、腕時計は精密機器だから。ブランドは徹底した設計・緻密な製造を心がけていますが、思わぬ不具合や自然故障があるものです。二年間はそういった自然発生トラブルの面倒は見る、といった役割があります。
もちろん二年経過した後も修理を受け付けてくれますが、保証が切れれば有償となります。
そのためロレックスが保証期間を五年にしたことはユーザーにとっては手放しで喜べることで、ロレックス人気にまた火をつける大きな要因となりました。加えて、実はここにロレックスの、自社技術に対する圧倒的な自信が伺えます。
出典:https://www.rolex.com/ja
なぜなら、「五年間使ってもトラブルのない製品を作っている」ことを宣言しているようなものだから。
もし技術に自信のないブランドが五年間もの保証を設定してしまったら、修理費用だけでかなりのコストになってしまいますよね。
ロレックスではこの五年間保証の他に、ロレックスでオーバーホールされた個体はさらにその後二年間の保証対象とすることも併せて取り決めております。
なお、今ではタグホイヤーやゼニス、ブライトリングにオメガなど、条件付きで保証期間を従来より延長しているブランドが出てきましたが、この「保証期間延長」に先鞭をつけたのはロレックスでした。
もちろんブランド戦略だったり、より高い顧客満足度のため、といった側面もあると思います。
しかしながら、ロレックスが自他ともに認める「実用時計の王者」で、高い技術力への絶対的な自信表明が消費者の安心感、そして高いロレックス人気へと繋がっていくことは言うまでもありません。
※メーカー保証は内部自然故障が対象で、事故や誤った使い方に起因する故障、外装修理は保証対象外となります。
出典:https://www.rolex.com/ja
アフターケアで特筆すべきことはもう一点あります。ロレックスはある製品の製造から、30年は修理体制を保証することを明言しているのです。
ロレックスはムーブメントも、ある機械をベースに改良し続けているため、長年出回っている機械・パーツが比較的多いです。
そのため、長期にわたる修理体制を敷きやすい、といったこともあるかもしれませんが、それだって30年後もきちんと面倒をみてくれるなんて、なかなか他ブランドにはない姿勢です。
それをロレックスが進出している各国で行うのですから、かかるコストは並大抵のものではないでしょう。
ちなみに時計店の中には、ロレックスに限って手厚い保証を設けているところがあります。
もしロレックスの実用性がここまで高いレベルになければ、そんなことできませんよね。
こういった、時計店も実際のユーザーもそしてロレックス社ですら認める、普段ガンガン使える実用性の高さこそロレックス人気の本質と言っていいかもしれません。
なぜロレックスは人気があるの?理由③資産価値が高いから
モデルにもよりますが、ロレックスの定価は「超高級」と言うほどではありません。
パテックフィリップやオーデマピゲ、ランゲ&ゾーネなど、ロレックスより定価の高いブランドは存在します。
しかしながらロレックスの資産価値は、高級時計の中でも最高クラスと言っていいでしょう。
実際、投資目的で買う方も少なくありません。
この資産価値が高い理由は様々あります。
まず第一に、今回の内容とは「卵が先かニワトリが先か」みたいな話になりますが、ロレックスの人気が高いから。
世界的な需要の高まりがさらに資産価値を押し上げています。
第二に、製造本数が少なく稀少価値が落ちないから。
ロレックスはブランドイメージを保つため、年間製造本数を制限しています。
そのため、人気モデルのほとんどが需要に供給が全く追い付いていない状態です。
それが生産終了モデルとなれば、なおさら市場に出回る数は少なくなります。
多くの時計店で在庫確保に躍起となっているため、売り手市場が続き、投資としても注目されるようになっているのです。
第三の理由は先程ご紹介した実用性や品質の高さゆえ。
ロレックスは中古の需要も抜群に高いブランドです。
それはとにもかくにも品質が良いから。
多少経年があっても、きちんとメンテナンスをすれば日常使いに問題のないことが多いのです。
早い段階から高い技術を確立していたことも大きな要因ですね。
ロレックスは生産終了モデルほど値段が上がる傾向にありますが、ただ「レアだから」とか「資産価値が高いから」ではなく、「時計としても楽しめる資産だから」に他ならないでしょう。
なぜロレックスは人気があるの?理由④ステータスが高いから
人気があって、実用時計として完成していて、資産価値も高い。
こういったロレックスの魅力は世界中で常識となっており、ロレックスの知名度に繋がっています。
それは、「良い時計をつけている」ことが誰にでもわかる、ということ。
時計は時間を知るための日用品ですが、同時に地位やステータス、経済力のシンボル的存在とも言えます。
時計に詳しくない方でも知っているロレックスを着けることは、それだけで大きなステータスを獲得することになります。
まとめ
ロレックスの人気の理由を解説いたしました。
まず人気。実用性の高さ。そして資産価値の高さ。
これらが重なりあって相乗効果として、類まれな高いステータスを有していることが理由となります。
もちろんこれらは勝手に作り上げられたものではなく、ロレックスの伝統的な企業努力のたまものです。
様々なモノやサービスが溢れ返っている現代社会において、消えては無くなっていくブランド製品も少なくありません。
しかしながら本当に良いものは、いつまでも人々の心を捉えて離さないもの。
その代表格であるロレックスの人気は、当然なのかもしれませんね。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年