「ロレックスのお店でどんなに並んでも買えない。どうしたら買えるのか?」
「ロレックスのお店で購入制限があると言われた、どんな制度?」
人気時計ブランド、ロレックスの腕時計は世界的に購入が難しい状況が続いています。
日本国内の正規店では世界に類を見ない独自ルール「購入制限」があるので、より購入しづらい状況です。
本当にロレックスが欲しい人はどうすれば、購入できるのか、また日本独自ルール「購入制限」についてもこの記事で紹介します。
目次
ロレックスの腕時計が購入できないのは、日本だけではありません。
世界的に需要が生産に追いつかない状況の中、ロレックスのスイス本社が購入の難しい状況をメディアで、公表していた事もありました。
ロレックスが正規店(並行店も含む)で買えないことは、ロレックスの2次流通市場(中古市場)が確立していて巨大であることも一因です。
まずは、日本国内のロレックス市場の状況から解説します。
日本だけに限らずロレックスの腕時計の需要と供給のバランスがとれていないことは、世界共通の現象です。
これはロレックスの腕時計に過剰に人気が集中していることにあります。
世の中にこれだけ腕時計ブランドがある中、一人勝ちできているのはロレックスのこれまでの弛まない企業努力の成果です。
高級時計でありながら、他のブランドを凌ぐ優れた耐久性を持つ高級腕時計だからこそ、多くの人から支持されたのでしょう。
時計に全く興味のない人でもロレックスは、パテックフィリップより有名であることは否定できません。
彼らはスイス時計業界では後発であることを逆手にとり様々な挑戦を続けて来ました。
巧みな広告戦略によって、高級腕時計に耐久性を備えてアピールしてきた事でロレックスの認知度はより高まったのは紛れもない事実です。
探検家や長距離旅客機のパイロット、海軍の特殊部隊のダイバーに自社製品を装着させ、従来の高級腕時計の概念を変えてきました。
その成果もあってロレックスは、現在世界で最も有名な時計ブランドとして君臨しています。
ロレックスの時計は耐久性が良いこともあって、何度も売り買いしても、メンテナンスさえ怠らなけば、性能は落ちる事無く半永久的に使用することが可能です。
そのことがロレックスの資産価値上昇にもつながります。
いつしかロレックスの腕時計には時計業界以外の人間たちも注目し始め、特に2019年のコロナ禍以降、時計と全く関連しない業態の人たちもロレックスを買い求めるようになったのです。
「欲しいモデルの在庫が無い」事は、人気モデルがプロフェッショナル・モデルに集中していることが理由です。
特定モデルに人気が偏っている事も、需要と供給のバランスを崩す大きな要因になっています。
GMTマスター2やサブマリーナーは優れた時計ゆえの人気の高さは理解できますが、それだけで、この需要と供給のバランスを崩すほどの人気になっている訳ではありません。
最も大きな要因は正規店で購入したロレックスの時計が、中古でも定価を上回る価格で売却できることにあります。
新品のロレックスを購入した後にそのまま、2次流通業者に買い取ってもらうだけで利益が生じることが理由です。
近年それだけを目的とした、俗に「転売ヤー」と呼ばれる人たちの増加により、欲しいモデルの在庫が無くなっている事は間違いありません。
その対策として、日本国内のロレックスの正規店では、独自の「購入制限」を設けています。
購入制限に引っかかっていることで、希望モデルを入手できない人たちが多くいるはずです。ロレックス正規店が、現在のような購入制限ルールを設けたのは2019年の冬からになります。
これらの購入制限対象モデルは、一度購入すると同一品番の購入は、最低5年間は購入できなくなるルールが日本国内の正規店では存在します。
さらに下記の購入制限対象モデルを一度購入した場合、購入制限対象モデルも購入後1年間、購入ができなくなります(日本国内のロレックス正規販売店のみ)。
購入制限対象モデルは、以下のモデルです。
なぜロレックスには購入制限があるのでしょう。
その理由として、購入制限が「転売ヤー」への対策であることは間違いありません。
前項で解説したモデルの同一品番モデルの購入は5年間購入できなくなります。
さらに別の品番モデルも最低1年間は購入ができなくなります。
つまり現状の購入制限ルールがある以上、転売ヤーは1年に1度しかロレックスの転売をすることができません。
そのため最近では転売ヤーが他人の名義を借りて購入するために、ロレックス購入のバイトをSNSで募集している事実もあります。
ところが購入制限対象モデル以外の腕時計には、そのルールが適用されませんでした。そのため、2024年12月より新たなルールが制定されました。
それ以外にも正規店の一部の店舗にはロレックス購入に関する独自ルールも存在しているそうです。
その手法は購入制限対象モデルを「抽選」で決める店舗や、そもそも入店をWEBからの予約制にして、予約がなければ入店できない店舗もあります。
しかし、これら対策を取っても正規店では人気モデルを購入するために「激しい争奪戦」が繰り広げられていたのです。
そこで更なる対策として、2024年12月より新たなルールが制定されました。
2024年12月からの新ルール一覧表
ロレックス 購入ルール | 従来のルール、新ルール |
---|---|
①購入はひとり1本まで | 新ルール |
②購入制限は全モデルが対象、購入後は半年間購入不可 | 新ルール |
③同じ品番のモデルは1年間 購入不可 | 新ルール |
④従来の購入制限対象モデルは、5年間再購入不可 | 新ルール |
⑤従来の購入制限対象モデルは、5年間再購入不可 | 従来通り |
⑥従来の購入制限対象モデル購入後は他のモデルは③と同じく、1年間購入不可 | 従来通り |
⑦購入時は顔写真つき公的な身分証明書の提示 | 従来通り |
⑧支払いはクレカのみか、クレカと現金併用払い | 新ルール |
⑨購入制限同意書に署名 | 従来通り |
2024年からの新ルールを一覧表にしましたが、ロレックスに興味のない人には極めてわかりにくいルールです。
重要な変更点は①と②で、これまでは購入制限対象モデル(前述した、人気プロフェッショナル10モデル)以外は、在庫があれば特に購入の制限はありませんでした。
しかし2024年12月のルール改正で全てのモデルが購入後は、半年間購入不可となります。
さらに従来から存在する購入制限対象モデルの場合さらに複雑で購入制限対象モデルを購入後に購入制限対象モデルを再び買う場合、品番が異なっても1年間は購入できません。
また従来からあった同一品番の5年間再購入不可のルールは継続します。
これらの新ルールは間違いなく転売ヤー対策です。①②③のルールによって、比較的入手が容易だったオイスターパーペチュアルやデイトジャストもひとり1年間に2本までしか購入できなくなりました。
また現金購入が実質不可となると、ロレックス購入バイトで他人名義での購入もこれからは、難しくなるはずです。
ロレックスの現行モデルの新品を購入するには、正規店で購入するのが一番安く購入できます。そのため正規店でロレックスを買うには根気よく通うことが大事です。
世間一般でいう「ロレックスマラソン」が必要になります。
ロレックスマラソンとは、ロレックスの腕時計を購入するために、正規店を複数以上の店舗を「マラソンするかのように走り回る」ことから言われるようになりました。
ロレックスが正規店で買えない時は、中古ロレックスを検討するのもおすすめです。
現在のロレックス現行品の二次流通相場は、かなり異常な相場になります。
そこで敢えて、現行品では無く前世代モデルである、中古ロレックスを検討するのは、現実的で狙い目かも知れません。理由を以下で紹介しますのでぜひ参考にしてください。
ご存知無い方も多いでしょうが、日本の中古時計販売店で売られている中古時計の品質の高さは、世界の愛好家の間でも有名になってきています。
円高もあって、新品の正規品を求める訪日外国人が、日本の中古時計の質の高さにより注目しています。
「中古でも美品がたくさんある」として、SNSでは「殆ど新品と変わらない」という書き込みが実際に数多く散見されています。
訪日外国人が特に注目しているのがPre-Owned と呼ばれる使用歴が少なく、コンディションの良い状態で中古市場に流れている腕時計です。
1世代前のモデルだと、スペック的にも現行品と殆ど大差ありません。日常生活でも全く問題なく使用できます。日本の中古時計では、買取した後にOH(オーバーホール)を実施してから、売り出すものが多いです。
海外ではメンテナンスを施して売りに出す中古時計店は殆ど無く、このことも注目されて評価があがっています。
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廃盤モデルやアンティークも手に入りやすいことが特徴です。これも日本の中古時計店のレベルの高さの証です。
コンディションが悪いアンティークの時計でも、技術力の高い時計職人がリペアすれば、かなり良い状態まで引き上げる事ができます。
日本の中古時計店は、メンテナンス業者と提携したりあるいは販売店自体でメンテナンス部門を設けている業者も数多くあります。
メンテナンスで内部を見れる事は、高い確率で真贋を見極める事が可能です。日本の中古時計店が真贋鑑定をしっかりできるのは、このメンテナンスの仕組みができている事が背景にあります。
同様に廃盤モデルやアンティーク製品もメンテナンス体制が確立されているため購入後のアフターケアもできるため、安心して長く使用できます。
日本の中古時計店では欲しいロレックスのモデルが見つかりやすい事も特徴です。
ロレックスの日本の中古市場は実績があり、在庫も豊富にあります。
前述したようにメンテナンス体制がしっかりとしているため、自然と商品が集まる仕組みができあがっています。
また中古時計店によっては「ショップ独自のポイントが活用できる」ことも忘れてはいけません。
せっかくロレックスの中古時計を購入するならポイントも上手に活用すると、購入資金の足しにもなります。
この辺もしっかりと、チェックしておくとお得な買い物ができるはずです。
巷ではロレックス正規店購入の秘訣が噂されています。この情報も上手に活用するとロレックスの希望モデルが購入できるかも知れません。
前述したロレックスの購入制限ルールは、繰り返しますが「転売ヤー」対策です。
一番注意すべき点は、正規店の店員さんに「転売ヤー」と思われないことは、意識した方が良いと思います。
いくつかのコツを紹介しますので参考にしてください。
注意:あくまで噂程度なので、過信しないように注意して欲しいです。
このところよく聞くのが、正規店内で暴言を吐く人や大声をあげて、店員さんを罵倒する人の噂をよく聞きます。こういった言動をするとどの時計ブランドでも、以降相手にされなくなるはずです。
ラグジュアリーな店舗で大声をあげる理由は、希望モデルが無く、急いで換金しなければならないからだと店員さんから推測されます。
本当の時計愛好家であれば、本当に欲しいモデルがあれば、根気よく待つはずです。
腕時計というものは、大量に短期間で生産できる物ではありません。しかしロレックスの正規店では予約ができなく、入荷して早い者勝ちが原則です。
そのため皆、我先にとマラソンをしてしまうのでしょう。
根気よく販売店に通うのでも、あまり短いサイクルで店舗に通うのは逆効果です。毎月ある程度決まった日にちに行くなど、ある程度間隔を空けて通うのが良いとされています。
もし希望モデルが入荷されていなくても、時計談義をすると店員さんへの印象がアップします。
折角時計のプロと話す機会ですので、入荷の予想日だけではなく時計の知識やブランド談義をするのもおすすめです。
一般的に「転売ヤー」は単独で行動する人が多いと言われているそうです。
恋人や友達など複数人で店舗に行くと、希望モデルが出てきやすいと言う噂もあります。
これは、やはりじっくりと買う方が、お店から転売ヤーと思われないのではと推測できます。
「具体的に欲しいモデルを決めておく」と購入しやすいという噂もありますが、これは少し効果が薄いです。
なぜなら転売ヤーというのは殆どが「デイトナ」か「GMTマスターⅡ」と狙い撃ちにして玉砕している姿をよく目撃されているからです。
もちろんデイトナやGMTマスターⅡ以外のモデルを希望している人には、良い手法かも知れません。
もし希望モデルがハッキリしていて、絶対それ以外のモデルは欲しく無い人は、その熱意を伝えれば、上手くいくかも知れません。
ロレックスが正規店で買えない理由などを解説してきました。
ブランド自体が世界的に人気が高く、資産家なども投資商品として購入するロレックスは需要が供給よりもはるかに高いので人気モデルは特に買うことが難しいといわれます。
加えて、転売対策という面で購入が制限されるという部分もなかなか欲しいモデルを次々に買えない要因です。
ここ数年、常に人気が高いロレックスは欲しいモデルが正規店で買えないというイメージが定着しつつありますが、絶対に買えないというわけでもありません。
いわゆるロレックスマラソンといわれる「正規店への通い詰め」をすることで、欲しいモデルの入荷タイミングを逃さないことも必要な行動といえます。
どうしても欲しいモデルを今手に入れたいという場合は、中古販売店での購入も検討してみるのも良い手段です。
特に廃盤になったモデルなどは中古市場にしか出回っていないので、お気に入りのショップで探して購入するのも良いかと思います。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年