近年ロレックスの腕時計は需要と供給のバランスが取れておらず、何度も正規店に足を運ぶ「ロレックスマラソン」という言葉が流行るような事態です。
デイトナやGMTマスターなどのプロフェッショナルモデルの購入は困難を極め、数ヵ月通い続けても購入できないことが当たり前の状況です。
数年前はプロフェッショナルモデルに比べて購入しやすかった「デイトジャスト41」も今では購入できなくなったと嘆いている人も多いとか。
本当に店頭に置いてないのか、ロレックス正規店に実際に行って確認してみました。
目次
以下に当日の行動を簡単に記載しますが、やはり1回目の来店でロレックスを購入するのはなかなか難しいかもしれません。
今回は20時頃に一人で入店。店内には運営メンバー以外にもう一組、店員は2名の状況でした。普段は入店制限のある店舗でしたが、時間が遅かったのもあり、この店舗では店内が空いている時間は制限無しで入店できるとのことでした。
入店してすぐに店員の方に声をかけられ、簡単なヒアリングをしてもらいました。「デイトジャストを探してて…」と言いながら、スマホでロレックス公式の商品ページを見せました。
今回は検証として、比較的購入しやすそうなオイスターブレス、シルバー文字盤のシンプルなモデル(Ref.126300)を見せました。すると店員の方が在庫を確認しますのでお待ちください、と言い店の奥に入って行き、しばらくすると「在庫はありませんでした。」という回答が返ってきました。
実際に正規店に行ったGINZA RASINスタッフの情報は以下です。仕事の帰りだったのでカジュアル過ぎない格好でしたが、年齢や服装なども見られている可能性がありそうです。
「正規店の来店予約はなかなか取れず、取れたとしても目当てのロレックスは定価で購入することは難しい」このような状態となっているのはいくつか要因がありますので、考察してみました。
2023年のデイトジャストの平均販売価格の推移をみると、ほとんどのモデルがこの1年で値上がりしています。以下のグラフは126300のデータですが、1月から12月で30万円程度の値上がりを見せています。
定価は126300のダイヤなしのモデルで105〜108万円となっていますので、ほとんどのモデルが定価越えの価格となっていることが分かります。
買っても値段が落ちづらく、資産価値が上がる時計というのはやはり人気の理由の一つですね。この人気上昇によって、デイトジャストに目をつける人が多くなったため在庫が少なくなっていると思われます。
上記より需要は増える一方、国内のロレックスの在庫は需要に対して常に少ない状態が続いています。2019年からは購入制限がかかっていて、ロレックスが指定しているモデルを1度購入すると、同じ型番のモデルは5年の間は購入することができません。
プロフェッショナルモデルの多くに購入制限がかかっていますが、対象のモデルが買えない人の2本目として、価格の安定したデイトジャストを選択肢に入れる人はかなり多いようです。
在庫が少ないとロレックス側としても在庫を切らさないために売ることを控える可能性もありますので、在庫が少ないと購入できるチャンスは減っていくことになります。
昨今の高級時計業界では転売目的での購入客の扱いが難しくなってきています。ロレックス側としても、目の前の顧客が本当にロレックスを身に付けたくて購入しに来ているのか、それとも転売目的なのか、注意深く観察しながら接客を行っているようです。
そんなロレックスの中でも特にスポーツモデルは正規店で購入できれば2倍近い値段で買取してもらえるため、転売目的の来店客が年々多くなっています。そしてこのデイトジャストもこの転売の対象になってきつつあります。
以下は当時の定価と実勢価格を比較したものですが、定価が少しずつ値上がりするとともに、実勢価格は常にそれを上回る価格で推移していることが分かります。
スポーツモデルに比べて価格の上下が少なく、安定した値上がりを見せているデイトジャストは、転売や投資目的の方にとっては有効な選択肢と言えます。
デイトジャストの当時の現行品の定価と二次流通の実勢価格を比較してみました。
買った瞬間に売ったとしても数十万円の利益が出る&購入制限がかかっていないモデルとあって、転売目的の顧客はここ数年で大幅に増えたと思われます。
ロレックスとしても転売目的の購入をできるだけ抑えるために、シリアルと顧客情報を照らし合わせて転売目的の顧客への再販を防止するための対策をしているという話もありますので、ロレックスの転売目的の購入防止はかなり意識されていると言えます。
正規店での店員との会話などにも少し気を使って、普段使いしたい旨を伝えることも大切かもしれません。
ここまででデイトジャスト41を購入できるチャンスが少ないということはわかりましたが、全く買えないわけではありません。どんな方法で購入できるのか、いくつか対策を提案します。
画像引用:ロレックス公式サイト
どうしても新品で正規の値段で購入したい、という人はあきらめずに正規店に通うしかありません。
「こうしたら買える」という確実な方法は存在しませんが、私の知り合いなどで購入できた人の特徴をまとめてみました。
「家族と店舗に行く・熱意を店員に伝える・何度も足を運ぶ」などが挙げられます。店員に顔を覚えてもらって担当スタッフになってもらうことや、欲しいモデルを1〜3種類くらいまで明確に絞っておくことは重要なようです。
並行輸入店では新品商品や未使用商品を扱っている店舗があります。取り扱いや価格は店舗によって様々ですが基本的には定価より高額になる場合が多いため、お財布との相談になります。目当てのロレックスがいつ買えるか分からずに正規店に通い続けるのはキツイ・・という人は、並行輸入店での購入がお勧めです。
正規店で購入できるのはあくまで現行モデルのみ。せっかくデイトジャストを買うなら、過去のモデルも選択肢に入れてはいかがでしょうか。
他モデルよりも種類が豊富で選ぶ楽しみがあるのもデイトジャストの良さです。現行モデル以外を購入するならほとんどの場合中古品を購入することになりますが、内部パーツまで洗浄して傷なども研磨して新品さながらの輝きを放つロレックスはたくさんあります。
販売前のメンテナンスは店舗や時計によって様々なので、お気に入りのモデルが自分の納得のいくコンディションで販売されていたら、めったにないチャンスかもしれません。是非購入を検討してみてはいかがでしょうか。(ヴィンテージモデルであれば出会いは一期一会。見つけた時が買い時です。)
今回はロレックスではデイトジャストも購入できないのか、という事象にフォーカスしてみました。正規店ではロレックスの腕時計全般がなかなか購入できないという状況なのでもちろんデイトジャストも購入しづらいです。
今後もロレックスの価格高騰は続く可能性が十分にあるので、それに伴って需要は増えると思われます。もしお気に入りのデイトジャストが見つかったらすぐに購入検討することをおすすめします!
デイトジャストの他にも価格が上がってきたモデルも複数ありますので、今は正規店にあっても1年後には買えない状況が来るかもしれません。中古品でも新品仕上げの時計はたくさんありますので、過去のモデルも選択肢にいれてはいかがでしょうか。個人的にはポストヴィンテージモデルになっている五桁のデイトジャストもおすすめです。
デイトジャストは素材や文字盤の種類が豊富で、選ぶ楽しみがあるのも特徴の一つ。是非、現行モデル以外のデイトジャストも選択肢に入れて、妥協せずにお気に入りの1本を探してみてくださいね。
当記事の監修者
遠藤 有隆(えんどう ゆうこう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC 上級ウォッチコーディネーター取得
営業企画部 マーケティング課
好きなブランド IWC・ジャガールクルト・ランゲ&ゾーネなど
1984年生まれ、神奈川県出身。時計業界は2017年より。
デザイン系の短期大学を卒業後、23歳で大手セレクトショップに入社。約10年間、レディースの服飾雑貨の責任者として店頭接客、MDやVMD業務に従事してきました。
10年目を迎え、更なる成長を求めて高級時計店への転職を決意し、2017年にGINZA RASINに入社。店頭接客を7年経験した後、現在の営業企画部 マーケティング課へ異動。
人と話すことが好きで、スーパーポジティブな私は現在、愛用のIWCメカニカルフリーガークロノとスモールギーゼを共にしながら、店舗での経験を活かしつつ、多角的な視点で記事の監修を行っています。