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池田裕之, ロレックス

ロレックスエアキングは人気がない?知る人ぞ知るエアキングの魅力に迫る!

最終更新日:

エアキング 人気ない

デイトナやサブマリーナほどの知名度はないものの、ロレックス史には欠かせない存在・エアキング。
1940年代後半に誕生し、現行ロレックスの中で最も歴史あるペットネームとして親しまれてきました。
ロレックスマニアにはもちろんのこと、高騰続きのスポーツロレックスの中では比較的価格が安定しており、エントリーモデルとしても親しまれる全方面対応可能な優等生でもありますね。
とは言え2022年に最新型エアキング Ref.126900が発表されて以降、急速に注目度が高まってきており、これに伴い人気や相場の変化も気になるところです。

そこでこの記事では、エアキングを持っている方、エアキングが気になっている方、ご購入をお考えの方に、是非知ってもらいたい基礎知識や最近のエアキングの人気・相場動向をまとめてみました。

ロレックス エアキングとは?人気はあるの?

デイトナやサブマリーナ、GMTマスターやエクスプローラーにデイトジャストなどがロレックスの有名どころだと思います。

しかし、エアキングはいずれのモデルよりも早い1940年代にRef.4925として登場します。「航空業界へのオマージュ」というコンセプトで生み出されました。

1930年代~1940年代は航空産業が急速に発達していた時代です。とりわけ二つの世界大戦は航空機の高速化や長距離移動を実現し、戦後も大量輸送を中心に発展を続けていったのはご存知の通りです。各時計メーカーからはパイロットウォッチや航空を賛歌するプロダクトが製造されるようになり、ロレックスでも「スペースキング」「コマンダーエベレスト」などといったモデルがリリースされていきました。

エアキングもまた、そんな時代の中で誕生した「航空業界へのオマージュ」であったと言うわけです。

さらにエアキングは、現行ロレックスの中で最も古いペットネームを持つことでも知られています。

ペットネームとは、様々な定義がありますが簡単に言うと商品の愛称のこと。デイトナとかサブマリーナもそれにあたりますが、文字盤に表記され、ロレックス内での正式なモデル名となったのはエアキングが最初でした。

エアキングは誕生当初はオイスターパーペチュアルの一モデルでしたが、このペットネームがあるがゆえに「エアキング」としてのアイデンティティを確立していくこととなります。

ロレックス エアキング

なお、現在のエアキングはオイスターパーペチュアルの派生ではなく、プロフェッショナルモデル(スポーツモデル)として「エアキング」という独立シリーズを展開しています。また、後述する「エアキングの系譜」をご覧頂くと、サブマリーナやエクスプローラー等と異なり、デザインコードが一貫していないことが判明するかと思います。

こういった背景があるためか、「エアキングがイマイチどういったモデルかわからない」といった声も出てくるでしょう。

ロレックス エアキング
※2016年にリニューアルしたエアキング 116900

確かにかつてのロレックスは、今ほどシリーズを確立していませんでした。特に1950年代~1960年代辺りまではロレックスにとって「試行錯誤の時代」でもあり、いくつかの外装やデザインが併売されていました(中にはエアキングのリファレンスなのに、エクスプローラーの文字盤、といった個体がある)。

しかしながら初代からの「航空世界へのオマージュ」という理念は、一貫して歴代エアキングに引き継がれています。

パイロットウォッチとして必須である「高い視認性」「高い機能性」。加えてAir-Kingのロゴ。

これらがあるからこそ、エアキングはエアキングとしての人気があり、好きな人にこそ高い価値を感じさせ、生粋のロレックスLOVERSから支持を集めてきたと言えます。

ロレックス エアキングの魅力

ロレックス エアキング

エアキングはロレックスマニアにも初めてロレックスを買う方にも厚い支持を集めます。
前者はエアキングが持つ歴史ゆえ。
後者は、リーズナブルな価格帯のため。
今スポーツロレックスは軒並み高騰していますが、エアキングは比較的価格が安定しており、並行輸入店であれば中古モデルで60万円前後~手に入れることが可能です(ただしリニューアル後のRef.116900は高相場です。詳細は後述)。
生産終了したエアキングはオイスターパーペチュアルの派生ゆえ、デザインが豊富で流通量も多かったことから、プレミア化しているものはごくわずか。
この安定感は、普段使いの時計をお探しの方や初めて高級時計を購入する方にとってはかなり嬉しいポイントです。

ロレックス エアキング

また、基本スタイルは日付窓すらないシンプルな3針。
そしてサイズも現行モデル40mm、それ以前は33mm~36mmと大きすぎないため、ビジネスシーンでの使用にももってこい。
こういった理由から、ロレックスきってのロングセラー&人気モデルとして、幅広い世代の男性陣からご購入頂いています。

ロレックス エアキングの系譜

ロレックス史を語るうえで欠かせないエアキング。
たどってきた系譜をご紹介いたします。

ロレックス エアキング

なお、エアキングの誕生は1946年。
初代エアキングとなるRef.4925や4365の文字盤上に「Air-King」のロゴが誕生します。
その後Ref.6552など経て、1950年代にエアキングの中で40年近くと最もロングセラーとなるRef.5500が発表されることとなりました。
代表的なモデルを系譜に沿ってご説明いたします。

①Ref.5500(1950年代~1990年頃)

エアキング Ref.5500

型番:5500
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:33.0mm
文字盤:シルバー など
駆動方式:自動巻き(Cal.1520、1530)

まず、40年近くもの間愛されてきたRef.5500。オイスターパーペチュアルシリーズの中の一モデルとして誕生しました。
エアキングの中で最も息の長い5500は、幾多のマイナーチェンジは行われたものの、基本スタイルは変わらず貫き続けてきました。その「基本スタイル」とは、すなわち33mmケースサイズ、シンプルで視認性の高い文字盤、そしてAir-Kingのロゴです。

ロレックス エアキング Ref.5500

一方でオイスターパーペチュアルシリーズとしての展開であったため、文字盤デザインがとっても豊富!
シルバーやブラック、ブルーなどがラインナップされた他、インデックスにもいくつかのバリエーションが存在します。
ムーブメントはノンクロノメーターのCal.1530を採用。その後1970年代頃からハック機能が搭載されたCal.1520へ移行しました。
Ref.5500の文字盤に表記されている「PRECISION(プレシジョン)」は、「正確な」という意味です。ちなみにロレックスは2007年以降、全てのモデルがクロノメーター化したことで、PRECISION表記からクロノメーター表記(SUPERLATIVE CHRONOMETER)へと変遷していきました。

※クロノメーター・・・時計の工業規格のこと。主に高精度であることを証明する

ロレックス エアキング Ref.5500

ちなみに、これだけ製造期間が長いと、文字盤やブレスレットの仕様で相場がアップダウンすることが少なくありません。
しかしながらエアキング 5500は後述するレア個体を除き、概ねどの仕様でも価格が落ち着いています。
「ロレックスを買うには100万円を出さなくては」と言われる現在でも、5500なら40万円台で購入できる個体は少なくなく、初めてアンティークロレックスをご購入になる方からも選ばれております。

②Ref.14000(1990年頃から2000年)

ロレックス エアキング Ref.14000

型番:14000
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:34.0mm
文字盤:シルバー など
駆動方式:自動巻き(Cal.3000)

1990年頃、ついにエアキングが大幅なモデルチェンジを果たします。
ケースサイズが1mmアップしたこと、プラスチック風防からサファイアクリスタルとなったことが大きな変更点です。
しかし、最も特筆すべきはキャリバーが3000番台に入ったことでしょう。ロレックスは、キャリバーを一新して新リファレンスを出す、ということが珍しくありません。

このCal.3000はエクスプローラーIのRef.14270やサブマリーナRef.14060(前期)に採用されていたノンクロノメータームーブメントで、毎時19,800振動から28,800振動へとハイビート化。つまり、精度が飛躍的に向上したこととなります。精度向上に合わせて、ペルラージュ模様など装飾にも力が入れられた名機です。

ロレックス エアキング Ref.14000

Ref.5500同様オイスターパーペチュアルであったため、様々な文字盤デザインがリリースされています。
一部を除いて概ね相場が落ち着いており、状態の良い個体でも50万円台~60万円前後で手に入れられるものが結構多くなります。

③Ref.14000M(2001年~2007年)

ロレックス エアキング Ref.14000

型番:14000M
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:34.0mm
文字盤:シルバー など
駆動方式:自動巻き(Cal.3130)

リファレンスに「M」を備えてモデルチェンジを果たしたエアキングRef.14000Mです。
外装面での大きな変更はありませんが、やはり大きな変更点はムーブメントとなります。当時から、ロレックスはムーブメント改良の試行錯誤に励んでいたのでしょう。
このRef.14000MからついにCal.3130を搭載します。このムーブメントは、現行サブマリーナ ノンデイト 114060やエクスプローラーI 114270などにも搭載されました。
改良点のミソは「精度」と「メンテナンス性」の向上です。

cal.3130

テンプがシングルブリッジからツインブリッジへと変更され、テンプのアガキ(隙間。これに誤差があるとテンプが安定しない)をミリ単位で調整することが可能となりました。このムーブメントは1989年の開発当時から今に至るまで傑作機として高い評価を得ています。

ロレックス エアキング

※画像はサブマリーナとなります

また、Ref.14000Mよりガラス6時位置に王冠マークの透かし彫りが入りました。
ケースとブレスレットをつなぐ横穴もふさがっています。
とは言え前世代と14000M、本当にぱっと見て判別はできない変化かと思います。

Cal.3000搭載機であるRef.14000はリューズを6時側に回すと針が進みます。
Cal.3130搭載機であるRef.14000Mはリューズを12時側に回すと針が進みます。

なお相場感は60万円前後~となっており、高年式や付属品が完品するなど状態の良い個体だと67万円台~と高値傾向になります。

④Ref.114200(2007年~2014年)

ロレックス エアキング Ref.114200

型番:114200
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:34.0mm
文字盤:シルバー など
駆動方式:自動巻き(Cal.3130)

いよいよエアキングも6桁リファレンスへと突入します!114200からは、ムーブメントはそのままに、外装が大きく変化を遂げました。
ケースフォルムがボリューミーになり、ブレスレットも一新。それに合わせて文字盤・ベゼルバリエーションが、さらに豊富になっております。
もちろん基本スタイルはシンプルな3針です。バーインデックスなど従来のスタイルもそのままラインナップされています。

ロレックス エアキング Ref.114200

一方でただ文字盤カラーを追加しただけでなく、夜光部分にも彩りをつけたりコンセントリックと称される同心円状のギョーシェ装飾を施すなど、これまでのエアキングにはなかった新たな試みがとられました。

基本の114200のほか、エンジンターンドベゼルを搭載したRef.114210、エアキングで初となるステンレス×ホワイトゴールドのコンビ素材にフルーテッドベゼルを搭載したRef.114234など、ラグジュアリーなモデルが登場した世代でもあります。

ロレックス エアキング Ref.114200

このバリエーションの増加は賛否両論があったことは事実です。
しかし、手頃に自分好みのロレックスウォッチを選択できることから、一大コレクションとして認知されていったこともまた事実です。
ちなみにこの世代のエアキングのCal.3130よりクロノメーター認定がされ、以降ロレックスのムーブメントにノンクロノメーターは姿を消しました。

相場は文字盤デザインや状態にもよりますが、おおむね70万円台~となっております。

⑤エアキングの一時的な生産終了(オイスターパーペチュアル 114200)

オイスターパーペチュアル 114200

型番:114200
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:34.0mm
文字盤:シルバー/アラビア
駆動方式:自動巻き(Cal.3130)

2015年のバーゼルワールドにて、突如としてエアキングのロゴが文字盤から消え去ったことが判明します。
型番やスペックは同じため「マイナーチェンジ」の位置づけで、オイスターパーペチュアル34mmシリーズとして変わらずラインナップはされていました。
エアキングのロゴがないこと以外は。
この唐突な生産終了は、ファンを騒然とさせたものです。

⑥Ref.116900(2016年~2022年)

ロレックス エアキング Ref.116900

型番:116900
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3131)

ロレックスの定番シリーズから一度姿を消したエアキングはリニューアルして帰ってきました!
しかし、大幅な刷新が加えられ、これまでのどのエアキングとも異なるデザインが話題に。
さらに、オイスターパーペチュアルではなく、デイトナやGMTマスターIIなどと同様のプロフェッショナルシリーズとして展開されることとなりました。

「プロフェッショナル」として生まれ変わったからか、ボーイズとしても重宝がられた34mmのサイズ感が一新。40mmとなり、ボリュームあるケースやブレスレット形状と併せて男らしいスポーツロレックスに仕上がりました。
文字盤デザインも従来のどのエアキングとも異なります。
黒文字盤をベースに12・3・6・9時以外の二桁のアラビアインデックスがスタイリッシュに並び、さらに秒針にはロレックスのコーポレートカラーである緑がカラーリング、王冠マークも黄色に彩られました。

ロレックス エアキング Ref.116900

ムーブメントも一新されCal.3131が新たに搭載。これは、ミルガウスにも使用されているムーブメントで、高い耐磁性能が特徴的な機械です。
ロレックスはエアキングの耐磁性について特段言及はしていませんが、ミルガウス同様、耐磁用インナーケースバックも備わります。

なんだか何もかも変わってしまったエアキングですが、実は誕生当初のコンセプトに立ち返ったのではないか、とも言われています。
そもそもはパイロットウォッチとして誕生したエアキング。
新生エアキングにあたるRef.116900の発表時期、ロレックスは「ブラッドハウンドSSC」というプロジェクトをスポンサードをスタートさせていました。
これは、航空ジェットエンジンを搭載した超音速のスポーツカーで、ロレックス製のスピードメーターとクロノグラフが搭載されているのですが、そのクロノグラフ計器と新生エアキングの文字盤が酷似しているのです。

ロレックス エアキング
画像引用:ロレックス 公式サイト

ちなみにブラッドハウンドSSCは、2019年に南アフリカで実際に走行されました。
また、耐磁ムーブメントが備わったことを見ても、誕生当初の「空」へのイメージを強く意識したのではないでしょうか。

堂々のスペック、かつロレックスマニアを唸らせるストーリーを有する新生エアキング。定番外しであったゆえか、スポーツロレックスが軒並み相場高騰する中においても、長らく60万円台~70万円台といった並行価格を維持してきました。しかしながら2021年頃から、一気に高騰。なぜなら「モデルチェンジ」すなわちRef.116900の生産終了説が取り沙汰されるようになったためです。

ロレックス エアキング

近年では「生産終了したロレックスの相場は高騰する」といった傾向が独り歩きしてしまっている状態で、新作発表直前には該当となるモデルの予想が喧々諤々(けんけんがくがく)されたり、実際に価格が大きく上下したりすることがままあります。ロレックスは近年ではムーブメントを刷新したうえでモデルチェンジを行っているため、プロフェッショナルモデルではまだこの対象ではなかったエアキング(およびミルガウス)が新作発表間際に大きく高騰。

2021年の新作発表間際には120万円台~、2022年の新作発表間際には一時170万円~を記録。実際に2022年に新作エアキング Ref.126900が登場したことでRef.116900は生産終了となった結果、2022年4月現在の中古相場は130万円台~となっております。

2022年に誕生したロレックス エアキング Ref.126900とは?

ロレックス エアキング Ref.126900
画像引用:ロレックス 公式サイト

Ref.126900

ロレックス エアキング 126900

型番:126900
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3230)

前述の通り、2022年の新作発表に伴い、モデルチェンジとなったエアキング。リファレンスも126900へと変更され、Ref.116900は生産終了となりました。

新作エアキング Ref.126900の大きな特徴は、まずリューズガードが搭載されたことでしょう。
これまでロレックスでは、リューズガードを搭載する場合、タキメーターベゼルやダイビングベゼル等、何らかの特殊ベゼルをともに用いることがほとんどでした。しかしながら2022年の新作エアキングによって、レギュラーモデルとしては初めてスムースベゼル(ポリッシュベゼル)×リューズガードの組み合わせを実現。これに伴い、丸みのあるフォルムから直線的な印象へと変化しております。
さらにリューズが大きくなっているとのことなので、いっそう精悍な印象が強調されているように思われます。

ロレックス エアキング Ref.126900
画像引用:ロレックス 公式サイト

ロレックス エアキング Ref.126900

なお、近年ロレックスはラグをシャープ化しラグ幅・コマ幅を広げる改良を行っていますが、新作エアキングでも見てとれます。

文字盤も変更が加えられました。
計器然としたデザインはそのままに、3・6・9インデックスにも最適化されたクロマライト夜光を塗布。またミニッツインデックスの「5」が「05」と、2桁表記に変更されています。メルセデス・ベンツの時針も先端が長くなったように感じられます。

ロレックス エアキング Ref.126900
画像引用:ロレックス 公式サイト

バックルもエアキングとしては初となるセーフティキャッチ付オイスターロッククラスプが搭載されることとなり、さらにイージーリンクによって5mmの微調整が可能となっております。

さらに忘れてはいけない「刷新」が、新世代ムーブメントCal.3230への載せ替えでしょう。
前項でも言及しているように、長らくロレックスの基幹機として同社の実用性を底座さえしてきたCal.3100系を、最新世代となるCal.3200系へと2015年以降、順次載せ替えしていっています。近年ではこのムーブメント変更で以て、モデルチェンジとなることが多くなってまいりました。

エアキングもまたCal.3230へと刷新されたのは大方の予想通りでしょう。Cal.3100系も名機であることに変わりはありませんが、Cal.3200系では日差±2秒というきわめて高い精度を備えながらも、高効率なクロナジーエスケープメント(脱進機)や香箱の改良により、約70時間のロングパワーリザーブを保持。さらに高耐磁性能・耐衝撃性能に優れたブルーパラクロムヒゲゼンマイや耐衝撃システムのパラフレックス・ショックアブソーバーを標準装備するなど、この銘ムーブメントによってロレックスの実用性は死角がなくなったと言って良いかもしれません。

もっともCal.3230が新型エクスプローラーIや新型サブマリーナー ノンデイトなどにも搭載されています。Ref.116900までは専用ムーブメントCal.3131でしたが、新世代キャリバーは耐磁性能が標準装備されているため、住み分けする必要がなくなったのでしょう。
こうなってくると、エアキングに搭載されていたムーブメント保護のための磁気シールドは、どうなったのでしょうか。これが取り外されているとすると、ケースサイズは変わらず40mmとのことですが厚みが変わってくるかもしれませんね。

なお、定価は816,200円となりました。Ref.116900の最終定価が793,100円であることを鑑みれば、良心的な価格設定に思われます。

まだ国内入荷の話は聞きませんが、リニューアルされた2022年新作エアキングの存在は多分に気になるところです。
当店GINZA RASINでも入荷しましたら、初出価格とともにまたご紹介いたします。

ロレックス エアキング レアモデル紹介

このように、長い歴史の中でいくつかのバリエーションを有するエアキング。
概ね落ち着いた価格相場を築いてきましたが、一部にはレアリティが高く、プレミア価格を持つモデルも存在します。
最も代表的なものは、エアキングに限りませんがリファレンス4桁時代。最近注目が集まっており、プレミア化したモデルが顕著です。
エアキングの中では珍しい「コンビモデル」であるRef.5502。そしてデイト機能を持つCal.1530を搭載したRef.5700や5701などは個体にもよりますが、100万円をゆうに超える高い値付けがされています。

エアキング Ref.5701

エアキング Ref.5701

型番:5701
素材:ステンレススティール×イエローゴールド
ケースサイズ:34.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.1530)

また、1950年代~1970年代に、北米向けに製造されたと言われる5504は、エアキングであるにもかかわらず36mmケースサイズであることが特徴です(当時は34mmが主流であったため)。
そのため「ビッグエアキング」と呼ばれており、やはり稀少性から100万円超えが当たり前のレア個体となっております。

ビッグエアキング Ref.5504

ビッグエアキング Ref.5504

型番:5504
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:36.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.1560)

※さらにこちらは、エクスプローラーIの文字盤が搭載された、きわめてめずらしい個体となります。

ロレックス エアキング 今後の価格動向

スポーツロレックスの中では相場が安定傾向で、2019年には下落した時期もありました。
しかしながら2022年の新作発表によって、また相場を上げていっており、もしかしたらエクスプローラーIのように、お買い得感が薄まってしまう危険性もあります。
その傾向がとりわけ目立つのが先代モデルにあたるRef.116900です。

ロレックス エアキング

2918年~2019年初頭に軒並みスポーツロレックスが高騰した頃も、エアキングだけは定価を割っている状況でした。
2020年夏頃から生産終了の噂とともに実勢相場はジワジワ高騰。他のスポーツロレックスと比べればまだお得感は強かったものですが、それでも2021年には100万円の大台を突破します。

そして2022年の生産終了によって、一時期は170万円台を記録。現在は130万円台~となっており、新作126900の出回りにもよりますが、エアキング全体で今後もこの高値傾向は続くと見られています。

また、第三世代にあたるRef.14000Mも、2017年には20万円台後半で購入が可能でしたが、現在は60万円台の水準に達しています。
どの世代にしろエアキングのご購入をお考えの方は、お買い得感が薄れてしまう「今」こそがご決断の時ではないでしょうか。

まとめ

ロレックス史に欠かせない、エアキングの魅力や系譜をご紹介いたしました。
現行モデルはもちろん、生産終了したアンティーク時代のエアキングであっても、流通量が豊富で比較的手に入れやすく、今ならお値段も個体にもよりますが大きくは高騰していません。
そんなロレックスには珍しいコスパ抜群のエアキング。
ぜひ一度手にとってみてはいかがでしょうか。

当記事の監修者

池田裕之(いけだ ひろゆき)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長

39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年

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