ロレックス初のパイロットウォッチ・GMTマスターII。
具体的には、赤青ベゼル―通称ペプシ―の126710BLRO、および青黒ベゼルーこちらは通称バットマン―の126710BLNRが現行としてラインナップされ、さらに2022年にはレフティ仕様の黒緑ベゼル 126720VTNRも登場!一方で長年親しまれてきた116710LNや116710BLNRは生産終了となりました。
まだまだ旧型の人気は根強く、現在のロレックス市場ではステンレススティール製GMTマスターIIが多彩に流通している形となります。
2018年発表の新型GMTマスターIIの国内入荷からはや4年が経過し、新旧GMTマスターIIが市場に潤沢に出回りつつある「今」買うなら、一体どのモデルを購入するのが正解なのでしょうか。
もちろん好みで選ぶことが一番ですが、どれも甲乙つけがたい。そう思ってる方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、現在の相場動向や当店での売り上げ、そして時計業界に従事する人々の声をもとに、どのモデルを選ぶのがベストなのか検証してみました!
※定価・相場は2022年4月現在のものとなります。また、本稿掲載の価格推移グラフは、当店GINZA RASINで販売した中古品価格をもとに平均を算出しております
目次
ステンレス製GMTマスターIIのラインナップ
ホームタイムの他、GMT針と回転ベゼルを使って第二・第三時間帯を読み取ることができるGMTマスターII。ロレックスきっての歴史あるパイロットウォッチとして有名ですね。
現在ロレックス市場において、ステンレススティールでは126710BLRO、126710BLNR、116710LN、116710BLNRの四つがメインで併売されている状態です。なお、126710系は初出時はジュビリーブレスレット搭載モデルのみでしたが、2021年よりオイスターブレスレットモデルもラインナップに追加されました。
GMT機能という面では同一となりますが、デザインや細かな仕様の違いで四者四様に個性を持っており、どれがどのようなモデルなのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで、まず最初にそれぞれのモデルのスペックや概要をご説明いたします。
ロレックス GMTマスターII① 126710BLRO
型番:126710BLRO
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き Cal.3285
バーゼルワールド2018でデビューした新型GMTマスターIIがこちらの126710BLROです。
登場と同時に時計業界で大きく話題をさらい、さらに国内入荷が始まってしばらく経つ今なお定価の2倍以上の価格高騰を維持し続けると言う、最も熱い一本でもあります。
特徴は、大きく分けて三つあります。
一つ目は、赤青ベゼルが搭載されたこと。
126710BLROが出るまでは、現行モデルに赤青ベゼルはホワイトゴールド製の116719BLROのみでした。しかしながら赤青ベゼルは、実はロレックス GMTマスターの歴史を最も象徴するアイコン的存在です。
と言うのも、容易に昼夜を読み取ることができる赤青ベゼルがもともとは定番で、GMTマスター誕生期から使用されていた色使いでした。
GMTマスターと言えば赤青ベゼル、と言っても過言ではありません。
116710LNが2007年に登場して以来ステンレススティールモデルでは姿を消してしまい、ファンから復活の声がよく挙がっていたものです。
この度復活を果たしたことにより、また人気ラインとして仲間入りを果たしました。
二つ目は、ジュビリーブレスレット。
これは、デイトジャストなどドレス系ロレックスに使用されてきたブレスレットタイプで、スポーツロレックスにはあまり使われてきませんでした。
GMTマスターIIに搭載されたことは賛否両論あるかと思いきや、これが「カッコイイ!」と大評判に。
実際、「オシャレ」といった声を頂くことが多いです。
堅牢性ではオイスターブレスレットに劣るものの着け心地は大変すばらしく、スポーツロレックスが一気にドレッシーに仕上がります。
ちなみにGMTマスターIIに搭載されるジュビリーブレスレットは、デイトジャストと同一ではありません。GMTマスターIIのために設計された専用品です。
そのためケース・ブレスレットがシームレスとなり、美しいフォルムを形成していますね。
そして三つ目は、自社製の新世代ムーブメントCal.3285の存在です。
ロレックスは現在新ムーブメントの開発に意欲的で、その一環として2018年にGMT機能で新しいCal.3285を投入してきました。
正確性・耐衝撃性・耐磁性・エネルギー効率が上がったことはもちろん、パワーリザーブを従来の48時間から70時間と、約1日分の大幅延長!
このように、デザイン面でも機能面でも進化を遂げ、絶好調なGMTマスターIIが126710BLROです。
なお、冒頭でもご紹介した通り、126710BLROに2021年からオイスターブレスレットモデルがラインナップに新たに加わりました。
旧型同様にポリッシュ・サテン仕上げのコンビネーションが美しい仕様です。
ロレックス GMTマスターII② 126710BLNR
型番:126710BLRO
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き Cal.3285
前述した126710BLROが登場した翌年にあたる2019年。同スペックで誕生し、またもや大きく話題をさらうこととなったのがこちらの新型126710BLNR―新型バットマン―です。
従来の現行モデルのバットマンは116710BLNRの型番で、現在のGMTマスターII人気を牽引してきたと言われるほど高い需要を誇ってきましたが、この度126710系としてアップデートされる運びとなりました。
新型ペプシで採用されたジュビリーブレスレットが踏襲され、ムーブメントも新世代にあたるCal.3285へとチューンアップ。話題にならないはずがありませんね。
なお、国内入荷は2019年5月下旬頃~。3年程が経過し、市場にかなり出回ってきました。
相場は126710BLROが出た時ほどではありませんが、新作特有のプレミアを記録。現在はやや落ち着いてはいるものの、定価を超える価格となっています。
詳細の相場については後述いたします。
こちらも2021年にオイスターブレスレットモデルが追加しています。
ロレックス GMTマスターII③116710LN
型番:126710BLRO
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き Cal.3186
2007年にリニューアルを果たし、GMTマスターIIの顔とも言うべき存在となった116710LN。
他のステンレス製スポーツロレックスに先駆けてセラクロムベゼルを採用し、セラミックベゼル及びGMTマスター人気の火付け役となりました。
とりわけ黒という使い勝手の良いカラーリングとベゼルの高級感から、幅広い年代のビジネスマンに支持を得ております。
赤青や青黒などツートンカラーが主流だと思われがちですが、やはり黒は手堅い人気。
風紀の厳しい職場で使えることはもちろん、大体のファッションの邪魔をしないシンプルさは嬉しいところです。
また、ステンレススティール製の三本の中では、唯一GMTマスターIIのロゴがコーポレートカラーにあたるグリーンで彩られており、GMT針と併せておしゃれ感が強まります。
ムーブメントは従来通りのCal.3186が搭載されます。
パワーリザーブは48時間と新世代ほどではないものの、信頼性や機能性が高いことは変わりません。
なお、現在GMTマスターIIの需要が高まっていること、そして2019年、生産終了が決定したことから、相場が上昇傾向にあります。
特に現在のGMTマスターIIのステンレススティーモデルのラインナップから黒が完全に消えることとなったため、稀少性は日に日に高まっているとも言えます。
かつてGMTマスターIIの中で最も「おとなしい」印象の116710LNですが、今ロレックスの中で最も高い注目を浴びていると言って過言ではありません。
ロレックス GMTマスターII④116710BLNR
型番:126710BLRO
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き Cal.3186
かつて技術的にセラクロムベゼルは黒一色でしか色付けできない、と言われていましたが、2013年に青黒のツートンを初めて実現したのが116710BLNRです。
ローンチと同時に絶大な人気を誇り、現在のデイトナに次ぐGMTマスター高騰に一役買うこととなりました。
本当に需要が集中しているロレックスのうちの一つで、当店でも入荷即完売が続きます。
特徴はなんといっても青黒ベゼル。通称、バッドマンとも呼ばれます。
GMTマスターは歴代でベゼルデザインのバリエーションが豊富ですが、どこまでもスタイリッシュな116710BLNRのかっこよさというのはひとしおです。
ムーブメントは116710LNと同様にCal.3186となります。
他のスポーツロレックスと同じく防水性や堅牢性にも優れますので、ビジネスのみならずアクティブに活動するシーンにもうってつけでしょう。
なお、前述の通り126710BLNRが出たことで116710BLNRおよび116710LNは生産終了となりましたが、青黒ベゼルのデザインコード自体は生き残った形です。
126710BLNRの国内入荷はまだ二年程度であること。加えて116710BLNRは状態の良い個体が比較的よく出回っていることから、並行市場では青黒ベゼルが併売されている状態です。
ロレックス GMTマスターII どれを選ぶべきか?
では、バーゼルワールドが終わった今、126710BLRO、126710BLNR、116710LN、116710BLNRの三つは、どれを選ぶべきでしょうか。価格面、デザイン面、お客様からよくいただく声で比較してみましょう。
①価格(相場)から選ぶ
前述の通り、GMTマスターIIは今デイトナに次ぐ価格高騰を遂げています。
国内定価は
- 126710BLROおよび126710BLNR(ジュビリーブレス):1,189,100円
- 126710BLROおよび126710BLNR(オイスターブレス):1,166,000円
- 116710LN:864,000円
- 116710BLNR:918,000円
となっておりますが、ステンレスのGMTマスターIIの実売価格は定価超えが当たり前!定価はあってないようなものです。
とりわけ近年のGMTマスターIIの相場上昇は、デイトナと肩を並べるほど!前述の通り116710BLNRが登場して以来、確かにGMTマスターII全体の相場は上がりましたが、それでも100万円程度であったと記憶しています(もちろんそれでも定価超えですが)。
しかしながら現在、その相場感を大きく上回る価格で売買されていることを、ご存知の諸氏も少なくないでしょう。
各モデルの、直近の相場は以下の通りです。
◆126710BLRO
年 | 付属品 | 平均相場 |
---|---|---|
2018年 | 箱/保証書 有 | 2,014,000円 |
2019年 | 箱/保証書 有 | 2,021,000円 |
2020年 | 箱/保証書 有 | 2,025,000円 |
2021年 | 箱/保証書 有 | 2,650,000円 |
◆126710BLNR
年 | 付属品 | 平均相場 |
---|---|---|
2019年 | 箱/保証書 有 | 1,720,000円 |
2020年 | 箱/保証書 有 | 1,702,000円 |
2021年 | 箱/保証書 有 | 2,180,000円 |
◆116710LN
年 | 付属品 | 平均相場 |
---|---|---|
2017年 | 箱/保証書 有 | 862,000円 |
2018年 | 箱/保証書 有 | 1,007,000円 |
2019年 | 箱/保証書 有 | 1,263,000円 |
2020年 | 箱/保証書 有 | 1,326,000円 |
2021年 | 箱/保証書 有 | 1,529,000円 |
◆116710BLNR
年 | 付属品 | 平均相場 |
---|---|---|
2017年 | 箱/保証書 有 | 1,081,000円 |
2018年 | 箱/保証書 有 | 1,320,000円 |
2019年 | 箱/保証書 有 | 1,650,000円 |
2020年 | 箱/保証書 有 | 1,699,000円 |
2021年 | 箱/保証書 有 | 2,010,000円 |
上記のグラフが直近の価格推移となり、現在の各モデルの並行相場は、以下の通りとなります。
- 126710BLRO(ペプシ):350万円台~
- 126710BLNR(新型バットマン):280万円台~
- 116710LN(黒ベゼル):180万円台~(年式・コンディションによって上下)
- 116710BLNR(旧型バットマン):240万円前後~(年式・コンディションによって上下)
なお、オイスターブレスレットの126710系は出回りがまだ少ないためグラフ掲載はいたしておりませんが、現在の実勢相場は赤青ベゼルが370万円前後~。青黒ベゼルの方が310万円台~となっております。
いずれにしろ、定価を大きく上回るプレミアム価格であることがおわかり頂けるでしょう。
とりわけ126710BLROは中古であっても340万円台~と、GMTマスターIIはおろか他のスポーツロレックスを凌ぐ権勢を誇ります。そして126710BLNRは280万円台と、旧型青黒ベゼルと大きく意匠を変えていないせいかペプシと比べると相場は低いですが、それでも立派なプレミア価格となります。
では、旧型の相場はどうでしょうか。
未使用などではなく年式を経た中古であっても116710LNが現在170万円~、116710BLNRが200万円前後~となります。
116710系は黒ベゼルが2007年から、青黒ベゼルが2013年から製造と、比較的域の長いモデルです。一般的にこういったロングセラーは高年式(製造年が新しいということ)は値付けが高くなる一方、年式の古い個体はお値打ち価格になる傾向にあります。しかしながらGMTマスターIIは、初期製造個体であってもプレミアム価格というのだから、驚きを禁じえません。
そして現在どのモデルも一年前と比べると相場が上昇傾向にあります。
相場が上昇した背景は色々な分析がなされていますが、一つには新型コロナウイルスの影響が色濃いでしょう。
今なお世界中で猛威を振るっている同感染症は、人流や製品流通にも色濃い影響を与えることとなりました。メーカーが減産したり、国内バイヤーの海外仕入れが一時制限したりした関係ですね。
一方現在は各国で経済活動が始まりつつあり、これに伴い時計,宝飾,車といった高額商品市場が好調です。まだ旅行や飲食にお金をかけづらい背景から、こういった高級嗜好品に買いが集まっているようなのです(リベンジ消費、などと呼ばれています)。
これに加えてロレックスの近年の高騰ぶりは、「ロレックスのリセールバリュー」に拠るところが大きいでしょう。すなわち、買って楽しんだ後も高値で手放すことができる、と。
こういったロレックスのきわめて高いリセールは近年大手メディア等でも取り上げられるようになった結果、人気が人気を呼んでいる状態。しかしながらロレックスのような高級時計は大量に生産する・・・といった商材ではないため供給が需要に追い付かず、結果として実勢相場が上がりに上がるという現状を誘発しています。
今後の動向については一概には言えません。ただ、各国で経済活動が始まりつつある現在、また相場をじょじょに取り戻してきており、冬のボーナス時期に向けて高騰するのでは、と考えられます。
こういった中で、もし単純に価格の安さだけで選ぶなら、旧型の中古が良いでしょう。前述の通り、基本的には高年式の個体ほど相場が高くなる傾向にあるためです。
とは言え価格が高いロレックスは、同時に資産価値が高いことも意味します。事実、126710BLROの買取相場は、ロレックスの中でもトップクラスと言えます。つまり、手放す時に換金率が高い、ということになりますね。相場は変動するため、絶対に資産価値を維持する、と断言はできませんが、ただロレックスは値崩れしづらいブランドとしても定評があります。
もっとも、ロレックスには「生産終了したモデルの相場は上がる」というシナリオがあるので、旧型の資産価値の上昇も気になるところです。
なお、もう一点注意したいこと。それは、旧型116710LNの中でも、スティックダイアルと呼ばれる仕様は既に価格が高騰している、ということです。
スティックダイアルとは上記画像のように、文字盤中央にプリントされたGMTマスターIIのIIに上下の横棒が無い仕様です。
116710LNではV番(初期製造個体)にのみ確認されている使用で、状態にもよりますが200万円超の値付けが行われることもあります。
②シーンやタイプ別にデザインで選ぶ
これは好みの面もあります。
しかしながら、以下のようなタイプがそれぞれのデザインに向いているのではないでしょうか。
■定番モデルが欲しい方、ビジネススーツに合う腕時計が欲しい方
定番と言えば黒基調の116710LN!
スポーツウォッチをビジネスシーンに着けていくことに抵抗がある方でも、シックな黒であれば違和感なくお使い頂くことができます。
また、黒は様々なカラーと相性が良いので、ネイビーでもグレーでも、ストライプやチェック柄でも、様々なスーツと上手にマッチングしてくれますね。
あまり悪目立ちしたくない、オーソドックスでシンプルなデザインが好き、という方にもお勧めです。
■人とかぶりたくない、ちょっと変わったモデルが欲しい方
ロレックスはその人気ゆえ、人とモデルがかぶってしまう、ということがあります。
ロングセラーである116710LNの他、サブマリーナの116610LNやエクスプローラーI 214270なんかはその傾向が顕著でしょう。
「ロレックスかぶり」を避けたいのであれば、断然126710BLROがお勧め!
赤×青ベゼルはもちろん、ジュビリーブレスレットと力強いスポーツロレックスの組み合わせはこれまで見られなかったデザインです。
ロレックスらしさを味わいつつも、従来のロレックスとは異なるテイストをお楽しみください。
■スタイリッシュなデザインが好き、シティ派の方
116710BLNRは、無骨さを全く感じない青と黒の組み合わせが非常にスタイリッシュな一本です。
さらにそこにホワイトのダイビングスケールを採用したことによって、これまでになかった配色を獲得しました。
実際、GMTマスターは過去様々なカラーリングのモデルがラインナップされましたが、ここまでスタイリッシュなものはなかなありません。
スーツスタイルにクールに合わせるもよし、こだわりのファッションの着こなしワンポイントとするもよし。
できる男を演出してくれる万能選手と言えます。
なお、新型126710BLNRは、旧型とそこまで大きく意匠を変えてはいませんが、話題のジュビリーブレスレットです。
よりスタイリッシュ寄りになり、個性派ファッションのメンズも納得の一本に仕上がりました。
もちろんロレックスらしい高級感は健在ですので、こだわり派も納得でしょう。
③業界人はどのGMTマスターIIを選ぶ?プロからの声
多くの時計を見ている業界人は、どのGMTマスターIIを評価してるのでしょうか。
実際に時計業界で働くプロからの声をご紹介いたします。
■126710BLROを評価する声
業界人が126710BLROを評価する声で最も大きいものは意外にもジュビリーブレスレットの存在です。
前述のように、過去、スポーツロレックス×ジュビリーブレスレットの組み合わせはほとんど見られないデザインでした。
そのためジュビリーブレスを付けることで他のモデルとの明らかな差別化を図っており、それが成功している形です。
ジュビリーブレスレットのドレッシーな印象と赤青ベゼルが上手にマッチして、現行GMTマスターIIの中で最も華やかなデザインに仕上がりました。
スポーツウォッチでありながら、「パーティーなどの華やかで特別な日にこそ似合うラグジュアリーな一本」という声が聞かれます。
また、業界人からは新型ムーブメントの評価も非常に高かったです。
ムーブメントは他の現行GMTマスターIIにはない新世代Cal.3285です。性能は間違いなくNO.1。「ただ外観だけを一新したのではない。2018年に発売されたGMTマスターの『最新作』である」との声の通り、ロレックスの中でも最先端をいく機能性を誇ります。
■126710BLNRを評価する声
どんどん市場に出回り始め、期待値が高い126710BLNR。実は116710BLNRとデザイン面の変化が少ないことから、そこまでの相場高騰はないのでは?と言われていました。
しかしながらいざ実機が出回ってみると、やはりジュビリーブレスレットの影響力の強さに驚かされた、という声が大多数!
オイスターブレスレットも決してワイルドすぎるということはないのですが、やはりエレガンスという面ではジュビリーブレスレットに軍配が上がります。
確かに価格面だけで選ぶなら今は旧型GMTマスターIIを選べば良いし、スペック重視なら新型を選ぶのが吉でしょう。でも、業界人の中で、126710BLNR絶対推しの声は少なくありません。
ある販売スタッフの言ですが、「一度試着してみてほしい」そんな時計が新型126710BLNRとのことでした。
■116710LNを評価する声
「現行GMTマスターの中では一番スーツに似合うモデル」と業界人も太鼓判を押すほど、やはり年齢やシーンを選ばないシンプルさ・シックさが魅力の116710LN。ベゼルが黒一色のため、派手になりません。
逆に言うと126710BLROや116710BLNRに比べて地味になるかと思いきや、それは全く違います。なぜなら、2007年に発表されて10年以上販売されておりますが、価格が全く落ちないどころか上昇の一途を辿っているのです。
実際「10年以上資産価値が安定しているという実績は非常に人気が高い証拠。今後の資産価値も安定している可能性が高い」と業界人の間では予想されています。
一方で生産終了により、買うなら超品薄になる前に、という声もあります。
GMTマスターII最後の黒ベゼルになるかもしれませんので、そういった意味では業界内で今最も騒がれている一本です。
■116710BLNRを評価する声
実は最新作の126710BLROや定番の116710LNに比べて最も業界人からの評価の声が高かったのが116710BLNRなのです。
なんといってもベゼルのカラーリングが大きいでしょう。確かに126710BLNRもリリースされましたが、まだ十分な流通量とは言えないため、手に入りやすさを考慮すれば116710BLNRが青黒の定番と言えます。
「落ち着いたカラーリングはロレックスの他モデルにはない唯一無二の存在」であるとし、GMTマスターIIの他モデルと比べて在庫回転率がなんと二倍近く高いそうです!そのため、GMTマスターの中で最も人気が高いモデルと言って間違いありません。
実際に、価格は2013年に発表されてから毎年高騰し続けており、コンスタントな需要の高さが伺えます。先ほども触れましたが3列ブレスレットが新型でも追加されたとは言え、旧型モデルへの需要は今なお健在です。今後の動向が最も気になるモデルでもあります。
ある業界人は「すでに価格が高騰しきってしまったデイトナよりも、このGMTマスターのほうが今後の伸び率を考えるとお得かもしれない」と語ります。
なお、中古相場が200万円前後に対し、現在の当店買取価格は約165万円。80%超えという高い買取率を誇ります(2021年10月現在)。
つまり、きわめて高い資産価値を有する、ということを意味します。
「ロレックスの全モデルの中で一番お勧めしたいモデル」とまで業界人に言わしめる116710BLNRは、あるいは現行GMTマスターII 4モデルの中で最も選ぶべき一本と言えるのではないでしょうか。
2022年 新作GMTマスターII 126720VTNRも登場!
画像引用:ロレックス 公式サイト
GMTマスターIおよびGMTマスターIIは、スポーツロレックスでは珍しく、歴代モデルでバリエーションが豊富なことも魅力であり特徴です。
しかしながら2022年、なんと左リューズモデルがそのラインナップに追加されたことには、非常に驚かされたものです。リファレンスは126720VTNR。オイスターブレス・ジュビリーブレスそれぞれでレフティ仕様が発表されることとなりました。
ムーブメントは126710系同様にCal.3285ですが、リューズはおろか日付窓すらも反転。
さらにこれまでのGMTマスターIIでは見られてこなかったブラック×グリーンカラーのベゼルを搭載したことで、全く新しい一本として時計業界での耳目を集めています。
画像引用:ロレックス 公式サイト
GMT針のグリーンカラーはRef.116710LNでも採用されていましたが、こちらの生産終了とともに現行からは消えていたため、復刻してくれたのは嬉しいところです。
なお、国内定価はオイスターブレスレットモデルが1,224,300円、ジュビリーブレスレットモデルが1,247,400円と、既存の126710系より若干高値となっております。
国内入荷が始まれば、またGMTマスターIIの相場を騒がせそうです!
こんな選択もあり!コンビモデルのGMTマスターII
ステンレス製のGMTマスターIIが主流ですが、かなりの人気ゆえに品薄気味。
また、ステンレス製だと人とかぶってしまう、という心配もありますね。
GMTマスターIIにはコンビモデルも存在します。オールステンレスとは一味違ったテイストが魅力的。
オールゴールドほど重厚感がないため着用の幅が広く、それでいて華やかさも兼ね合わせているため、デザインやステータス重視派にはお勧めです。
さらに「買い」な理由・・・それは、お得感にあります。と言うのも、ロレックスはステンレススティール製モデルを中心に価格高騰しており、金無垢を使ったモデルよりも高い上昇率を誇るという、貴金属市場における逆転現象が起きているためです。
通常、ゴールドやプラチナ、パラジウムなどと言った稀少性の高い素材が使われたモデルは当然ながら定価自体が高く、多くのブランドにとってはハイエンド的存在です。しかしながらことロレックスに至っては、ステンレススティールモデルに需要が集中しすぎて、シリーズの中にはSSモデルの方がゴールドを使ったモデルより実勢相場が上のものすらあるのです。
GMTマスターは超人気シリーズですのでゴールドモデルも相場が上がっており、SSモデルより安い、ということはないのですが、それでもSSの定価に対する上昇率が2倍が当たり前な中で、金無垢は約1.1倍、コンビは約1.5倍ほど。つまりお値打ち感が強いのです。
また、オール金無垢は定価自体高くてなかなか手が出せなくても、コンビなら、という方もいらっしゃいますよね。
日本ではイエローゴールドのような「いかにも金!」といった意匠は敬遠される傾向にありましたが、コンビや上品なエバーローズゴールド(ロレックスの独自用語。ピンクゴールドに近い)の登場で再び人気を獲得していること。加えてSSモデルが手に入りづらくなった今、ゴールドを使ったロレックスに需要が流れ(既にその傾向は強い)、相場が上昇しお得感が薄れるかもしれません。
そうなる前に、コンビGMTマスターIIという選択もご検討してみてはいかがでしょうか?
GMTマスターII 126711CHNR
型番:126711CHNR
素材:ステンレススティール×エバーローズゴールド
ケースサイズ:直径40mm
文字盤:ブラウン
駆動方式:自動巻き Cal.3285
2018年、126710BLROとともに登場した新作です。エバーローズゴールドとオイスタースチールのコンビネーション仕様「エバーローズロレゾール」がGTMマスターIIに初めて採用されました。
ブラック/ブラウンのセラミック製ベゼルとエバーローズロレゾールのコントラストにより、非常に美しく上品な仕上がりとなっています。
ムーブメントには126710BLRO同様にCal.3285を搭載していることも特徴です。
なお、「お得感」の話をしておいて何ですが、SSモデルに次ぐ価格高騰の予備軍と言われているモデルでもあります。
と言うのも、定価は1,643,400円ですが、現在の実勢相場は260万円前後と、コンビモデルの中では高め。
それに留まらず、品薄続きで、ある業界人の話では「最近めったに市場でも見かけない」とのこと!
126710BLROなども「ない、ない」言われていますが、そんな兆候が126710BLROにも現れているのです!
もちろん126711CHNR以上にステンレススティールモデルの上昇率が凄まじいため、「比較的」お得感は高いと言えます。
でも、それは今現在の話。前述の通り見た目の美しさ、そして126710系の相場上昇に引っ張られて、今後のリセールバリューの上昇はSS製に匹敵する―あるいは超えるのではないでしょうか。
相場動向から目が離せない一本です。
GMTマスターII 116713LN
型番:116713LN
素材:ステンレススティール×イエローゴールド
ケースサイズ:直径40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
通常、イエローゴールドモデルは「人を選ぶ」と言われてきたのですが、ステンレススティールとのコンビにしたこと。精悍な黒を随所に用いてスポーティーテイストを強めたことから、長年にわたり人気モデルの一つとして活躍してきた116713LN。とは言え製造期間が長く流通量が比較的豊富なことなどから、ステンレススティールに比べればその上昇率は低かったのですが、バーゼルワールド2019で生産終了するやいなや、相場は上昇ラインを描いています。
ちなみに現在の並行価格はだいだい160万円台~180万円台。ほんの一年前は定価前後でしたので、きわめて高い上昇率と言えます。
なお、ロレックスのイエローゴールドは、華美な中にも上品さを忘れていないことが特徴。目立ちはしますがギラギラした印象は少なく、良い感じのゴージャステイストが備わります。こういったコンビモデルの他、オールゴールドモデルや生産終了したモデルの中には様々なカラーリングを持つGMTマスターIIが存在しております。
まとめ
126710BLRO、126710BLNR、116710LN、116710BLNR・・・
いずれもGMTマスターIIらしい高い機能性とかっこよさを誇るロレックスきっての傑作で、四者四様に魅力がありますね。
今回は「選び方」ということでご紹介いたしましたが、機能面で大きな違いはありません。
そのため、好みや直感で選ぶのもいいかもしれません。
いずれも人気が高く、欲しい時に探すことがなかなか難しいのが現状です。気になるモデルがございましたら、ぜひ一度お問い合わせくださいませ!