2025年、スイスの高級時計ブランド・ロレックスは創業120周年を迎えます。
過去ロレックスは歴史の節目ごとに、多くの注目すべきモデルが登場してきました。100周年(2005年)、110周年(2015年)と話題となる新作も出してきたロレックス。。
ブランド進化、時計業界のトレンドなどあらゆる要素がその時々で考えられ、新作が展開していくのはロレックスも同じ。
120周年を迎える節目でもあり、世界的にも大きな時代の変革が起こりそうな2025年。一体どのような新作が発表されるのでしょうか?
昨年に引き続き2025年のロレックス新作モデルを大胆に予想してみました!
毎回、予想してみるもののまさかの新作展開をしているロレックス。
もはや予想して当てに行くというよりも「これはそろそろ出してほしい」「これが出たら面白い!という期待などを込めた予想となりました。
今回は、GINZA RASINのスタッフの予想に加え、時計好きライターの予想も掲載していますので最後まで楽しんでお読みいただけたらと思います。
目次
ロレックス2025年新作予想モデルはこれ!
Watches and Wonders 2025に先駆けて、ロレックスの新作を大胆予想いたします!
毎日時計に触れ、さまざまな情報を取り入れているGINZA RASINのスタッフが予想してみました。
【新作予想①】ヨットマスターII Ref.126688|新ムーブに変わりモデルチェンジ?
基本的な使用は変わらず無垢モデルは裏スケで新ムーブを大々的に押し出し発表と予想します。
※116688の裏スケ、ムーブは金ローターのCal.4131をベース
惜しまれてディスコンとなった、ヨットマスターⅡは、コアなファンから根強く支持されてきたモデルです。重くて、デカいとネガティヴな意見もありましたが、プロ仕様の特殊時計は、ロレックスが最も得意としているジャンルになります。
本格的なレガッタ仕様モデルの時計は、プロならぜひ欲しいはずです。トランスパレント(裏スケ)は、近年市場から要望が強い機能になります。装飾的要素が強いことからロレックスは、トランスパレントに対して決して積極的ではありませんでした。
しかし2024年の新作、パーペチュアル1908にトランスパレントを採用して周囲を驚かせました。
もしかすると社内方針に変化が出てきた可能性もあります。裏スケにして金ローターを見せる手法をこのヨットマスター2で、是非実現させて欲しいです。
【新作予想②】ヨットマスター40チタン|ヨットマスター42の40mmが出る?
チタンはロレックスの現行モデルでは、ディープシーチャレンジとヨットマスター42に採用されている素材です。
サイズが小さいヨットマスター40にもチタンが採用されると、製品ラインナップ的にも統一感がでます。
またヨットマスターのコンセプトは洋上でラグジュアリーな一時を過ごすための時計です。水中と異なり浮力の無い洋上ではできるだけ軽量な腕時計の方が実用的で動きを妨げません。
チタン製であれば、デッキでシャンパングラスを手にする時も、より高くグラスをかかげることも可能です。
【新作予想③】エクスプローラーIIロレゾール Ref.226573|EX2のコンビモデルが発表?
今回こそはYGコンビモデルの発表を望みます。
※226570のYG・SSモデル
EX2は2021年にモデルチェンジしてからまだ数年しか経過していないため、大幅なモデルチェンジは無いはずです。しかし、エクスプローラー(EX1)が2019年にコンビモデルをリリースしてそのモデルが予想外に受けたことを忘れてはいけません。
当然兄弟モデルのEX2にコンビモデルを登場させる事も多いに期待できます。ロレックスの他のプロフェショナルモデルでも近年コンビモデルが増加中です。
「二匹目のエクスプローラー」を考えてもおかしく無いと思います。
【新作予想④】GMTマスターII Ref.126715CHNR(126711CHNR)のジュビリー
※126711CHNR・126715CHNRのオイスターブレスモデル
GMTマスターⅡ126711CHNR・126715CHNRにジュビリーブレスモデルを加えるのはアリです。ジュビリーブレスは装着感が良く、位置付けとしてはフォーマルとカジュアルの中間となっています。
GMTマスターⅡはビジネスでの旅行でも使うこともあるため、オイスターブレスではカジュアル過ぎるという意見も当然あるはずです。海外への出張といえども、最初から最後までフォーマルスタイルというのは若干硬すぎます。
ジュビリーブレスが人気となっているのは、そういった需要にも対応できる事が人気の秘密なのでしょう。
ターノグラフ Ref.126263・126264・126261|116264系を新ムーブに乗せ換え再登場?
※アンティークの6202の様なドットの文字盤でも面白いかも(124060の文字盤みたいな感じ)
かつて好評だったターノグラフは、近年のデイトジャスト人気もあって面白い試みだと思います。ダイバーズウォッチのような逆回転ベゼルは、若い世代には意味が理解できなくて、不評に感じている人たちもいるかも知れません。
その点両方向に回るターノグラフだと、抵抗なく受け入れられる可能性があります。またデイトジャストは2025年に80周年という節目の年になる事もターノグラフをデイトジャストに復活させる理由になるかもしれません。
ミルガウス|126400GV Z(グリーン文字盤)
※見た目は116400GVのグリーン文字盤
まずひっそりと2023年ディスコンになったミルガウスですが、人気が無かったとは考えられません。また、近年のロレックスのラインナップにはグリーン文字盤が増加中。
そこで、ミルガウスに人気が高かったグリーン風防が加わるというのも、かなりアリな感じがします。
ミルガウスを廃止した理由の可能性として、耐磁性が1000Gと他のブランドと比較すると決して高く無いことも十分に考えられます。そう考えると耐磁機能をさらに高めて復活させるのも、ロレックスらしい試みです。
サブマリーナー|126618LV(グリーン文字盤)
126610LVは文字盤が黒となっていた為、無垢モデルは差別化を図る為グリーン文字盤と予想します。
グリーン文字盤は、人気があるカラーですが現行モデル126610LVではグリーンベゼルのみに留まっています。また文字盤は黒色で、現行品を見てもメテオライトのモデル以外文字盤は同色です。
金無垢にコーポレートカラーであるグリーンサブは各所でも期待が寄せられている予想モデルです。
無垢モデルは差別化を図る意味でもグリーン文字盤は有力な2025年新作候補かも知れません。また文字盤の発色技術もここ数年でさらに高まり、従来のグリーンよりも鮮やかな発色のグリーン文字盤を期待しています。
デイトナ|126525LN(ルマンエバーローズ)
2023年衝撃的に発表されたルマン・デイトナ、ホワイトゴールド(WG)とイエローゴールド(YG)モデルが出ましたが、なぜかエバーローズゴールドが発売されませんでした。これはもしかしたら2025年のためにキープした可能性もあります。
エバーローズゴールドはロレックス独自技術の合金で、他のブランドのローズゴールドに近い発色で赤みがあるゴールドはファッション業界からも人気の高い色で、さらにラインナップを増強する可能性は、極めて高いです。
ロレックス2025年新作でのざっくり予想(時計好きライターが予想)
ロレックス2025新作での予想は、勘も重要です。ロレックスは定期的なモデルチェンジもあります。しかし専門家が予期しないイレギュラーなモデルチェンジも高い頻度で行われる事が、このブランドの特徴です。
以下に現在考えられるイレギュラーな2025年の新作予想をざっくり予想として並べてみました。
GMTマスターⅠ6542のヘリテージ
2025年はGMTマスターⅠが誕生してから70年になります。アニバーサリーとは直接関係しないかも知れませんが、コロナ禍も終わり旅行の日常が再び戻り、日本にもインバウンド観光客が戻ってきました。
2024年に新作のGMTマスターⅡがいくつかリリースされましたが、1stモデルである6542に敬意を表したヘリテージモデルが出ることを期待します。
ベゼルは初期に採用された赤・青です。一方ムーブメントは3箇所の異なる時間帯表示ができるGMTマスターⅡと差別化するため、2箇所のみとするムーブメントを期待しています。その事で価格を抑える事ができます。
近年の時計価格高騰に歯止めをかけるため、敢えてムーブメントの機能を少なくして100万円以下をロレックスには目指して欲しいです。
サブマリーナ 青サブノンデイト
こちらも人気がある青サブのノンデイトモデルを予想します。青サブはこれまで全てサブマリーナ・デイトでしたが、近年はノンデイトモデルの人気が上昇中です。ブランド目線で見ても機能が少ないノンデイトモデルは歓迎すべき点になります。
青文字盤は技術的にコストがかかり、生産効率は決して良くはないモデルです。しかし、ノンデイトの青サブはこれまでに無いモデルのため、他のサブマリーナとの差別化ができます。ぜひノンデイトの青サブも実現して欲しいモデルの一つです。
ミルガウス 116400 トロピカルマンゴーヘリテージ
2016年に廃盤になってしまった「ミルガウス白文字盤」。ムーブメントのパワーリザーブを高めてケースを小型化して薄く仕上げたトロピカルマンゴーのヘリテージが見たいです。
ロレックスには数少ない白文字盤と鮮やかなオレンジのインデックスの針が特徴。白文字盤の時計は、スーツスタイルと相性がよい組み合わせになります。
スポーツモデルで多い黒文字盤は案外スーツスタイルとは相性が良くない組み合わせです。
40代以上の管理職ではスポーツモデルは極力避けた方が良いと思います。しかし、白文字盤なら白シャツが多い日本のオフィス事情を考えると、このトロピカルマンゴーであれば、ギリギリ許容範囲でしょう。
個性的な他のロレックスと被らない外観のデザインにも好感が持てます。
【廃盤モデル】ロレックス ミルガウス 116400 ホワイト V番 中古 メンズ
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 40mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
ロレックス2025年新作で完全NEWモデルの発表
2025年新作で完全NEWモデルの発表という可能性も高いと思います。
可能性があるとしたら、ロレックスではこれまでリリースしたことが少ないスクエア(四角形)の形状のモデルでしょうか。
パテックフィリップでは新作がスクエアのキュビタスが発表されて、話題になっています。従来スクエアの腕時計は防水性の確保が難しく、特に四隅の箇所の防水性の確保が製品化のポイントです。
しかし、カルティエやパテックフィリップ、タグホイヤーでもスクエアの腕時計は実用化されているので、後はロレックスが、自社基準をクリアするかどうかだけの問題になります。
カルティエのサントスも近年人気が上昇しているので、賛否はあるかと思いますがロレックスのスクエアも可能性は決してゼロではありません。
ロレックス新作の予想をする上での観点は?
ロレックスの新作を予想する上での観点は、ざっくりと「アニバーサリー」、「前年のモデルチェンジ」、「ムーブメントの更新時」の3点です。
ただ、予想が当たる可能性は半分以下だと常に考えています。
前述した観点以外ではやはり時計愛好家目線である「出て欲しいモデル」=「希望的な観測」で予想することが、どうしても多いです。
筆者なりの新作予想の観点を説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
8割以上は希望的観測で予想する
8割以上の時計愛好家たちの予想は、希望的観測がほとんどです。新作予想は基本的に時計専門メディアや愛好家(含むインフルエンサー)が中心になるので、自分らが欲しいモデルの予想になりがちです。
時計ブランドも愛好家にウケる時計の方がセールス的に良くなるため、追随する事があるとかないとか‥‥
アニバーサリーなど特別な年かどうか
アニバーサリーなど特別な年かどうか、これは愛好家はもちろんライトな時計好きにもウケます。ブランドとしても、過去のモデルを共有することで、ブランドアイデンティティを確立できることがメリットです。
新たなマーケットの掘り起こしや自社の中古市場での価値の上昇に繋げることができます。ロレックスは伝統的にそのようなマーケティング手法を早い時期から取り入れていたブランドでした。
そのため、新作よりもモデルチェンジや、アニバーサリーモデルを定期的に発売して、ブランドとしての価値を高めていったのだと推定できます。デザインが自社内にあるアニバーサリーモデルは、初期コストがあまりかからない事も魅力だったはずです。
過去の発売モデルに無いカラーや素材から予想
過去の発売モデルにないカラーや素材に着目して、その観点から予想することも多くあります。色の流行は時代と共に移り変わり、時代毎に流行りの色が出てくるのはファッション業界では自然な流れです。
また文字盤では、技術革新によってこれまで発色させることが困難だった色調を表現できるようになることもあります。
そのため、過去にラインナップに無いカラーでかつ近年の時計ファッション界での流行色が出てくれば、高い確率で新作にそのカラーが採用されるはずです。
ムーブメントなど中身部分のアップデート履歴から予想
ムーブメントのアップデート履歴から見るのも、最も確実な新作予想の観点と言えるかも知れません。
時計の心臓部であるムーブメントは、やはり最新のバージョンにアップデートしてゆきます。
特にロレックスの場合はマニュファクチュールブランドで、自社でムーブメントを内製化していることが特徴です。そのため、共有できるムーブメントはできるだけ共有した方が、効率的で、製造コストの削減が実現できます。
また耐久性の高いムーブメントができた場合、新しいムーブメントに置き換える方がブランド全体の品質向上も可能です。
もし、ムーブメントが共用できるモデル同士の片方で、ムーブメントのアップグレードによるモデルチェンジがあった時は高い確率でもう一方のモデルもモデルチェンジが行われる事が予想できます。
世の中の人気要素から組み合わせて予想
人気要素の観点から組み合わせて新作を予想する事は、実現する可能性としても高い予想です。近年はジュビリーブレスレットが人気となっていることから、ジュビリーブレスレットのデイトナが復刻されるという予想を立てる人も居るかも知れません。
この手法の具体例としては、GMTマスターⅡでジュビリーブレスレットが採用されて成功した後、スカイドゥエラーにもジュビリーブレスレットモデルを新作として追加された事例がありました。
こういった世の中の人気要素を他のモデルに当てはめて新作予想をするのも楽しいかも知れません。
他モデルにある要素から予想
新たなケース素材を組み合わせる手法としては、ヨットマスター42にRXLチタンが採用された事が代表例です。
RXLチタンはディープシーチャレンジの2022年採用された翌年の2023年にヨットマスター42にも新作としてRXLチタンモデルが登場しました。
またオイスターパーペチュアルに2020年に採用された、ターコイズブルーやイエローなど多くのカラーダイアルの新作を次々に採用して周囲を驚かせた事例も、翌年以降にデイトジャストへそのカラーダイアルが波及しました。
デイトジャストでは、独創的な色彩を加えたモデル(パームモチーフ)を新作として、発表しています。
このような観点から、新作を予想するのもアリでしょう。
復刻モデルの予想
復刻モデルの観点からの予想は、高い確率で新作が期待できる予想方法です。前述したように基本デザインがロレックス社内にあることから、比較的短期間で企画設計ができます。さらに製造現場にノウハウがあることも、短期間で製品化できる大きな要因です。
当時の製作に深く関わったスタッフが多く在籍している可能性が高く、技術の継承という点に置いても、復刻モデルはロレックスには好ましい新作になります。
前述したターノグラフやミルガウス、GMTマスターⅠといった復刻予想が、どこまで的中するか楽しみです。
まとめ
ロレックスの新作発表は愛好家目線からすると、「楽しみ」の要素が多く、そちらに傾向しがちになります。しかしロレックス社の目線からすれば、この新作発表はブランドとしての挑戦・試みといった分野に踏み込む、重要なイベントです。
新作予想は愛好家目線プラス、エンジニア目線で考えると斬新な新作予想ができるかも知れません。
時計ブランドにとっては培った技術を継承したり向上させる事が極めて重要です。新作モデルでいかにインパクトを与えて、市場を活発化させるかも経営手法の一つ。
今回の記事の予想を楽しみつつ、ぜひ皆さんも2025年のロレックスの新作予想をしてみてくださいね!