「ロレックスを正規店で購入するのは難しいの?」
「購入制限とは具体的にどんなルール?」
高級時計ブランドとして、誰もがその名を知るロレックス。
近年、プロフェッショナルモデル(スポーツタイプの時計)を中心に人気が過熱しており、正規店での購入が難しくなっています。
そこで、なるべく多くのロレックスファンに時計が行き渡るよう導入されたのが、「購入制限」と呼ばれる正規店独自のルール。
2024年12月からは新ルールが適用されており、そのせいかはたまた値上げのせいか「買いやすくなった」という声も、一部では聞かれるようになりました。
そんなロレックスの購入制限について、この記事では最新情報をわかりやすくお伝えします。
対象モデルや制限期間なども具体的に解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ロレックスの正規店では、2024年12月16日から購入制限のルールが大幅に変更されました。
これにより、すべてのモデルが購入制限の対象になっています。
購入できる本数はモデルを問わず1人1本に限られ、購入後6ヶ月間はどのモデルも正規店で手に入れることができなくなります。
なお、同じ品番(リファレンス)の再購入は1年間不可。
一部のプロフェッショナルモデル(ステンレス製のデイトナ、GMTマスターII、サブマリーナー)に限っては、制限期間が6ヶ月ではなく1年に設定されており、同じ品番は5年間購入することができません。
正規店がこのようなルールを設けているのは、転売目的の購入を防ぐためで、致し方がないことかもしれません。
ロレックスの購入を検討中で、なおかつ将来的に複数のモデルをコレクションしたい場合は、こうした制限内容をよく理解した上で、狙うべき候補を事前に決めておくなど計画的に立ち回ることが重要です。
ロレックスの正規店が購入制限をかけているのは、転売対策が理由の1つであることは間違いありません。
ここ数年ロレックス人気は世界中で過熱しており、特にデイトナやGMTマスターIIなどのプロフェッショナルモデルは、二次流通市場において定価よりも高値で取引される状況が続いています。
その結果、本来の愛用目的ではなく転売益狙いの購入者が増え、本当にロレックスが欲しい一般ユーザーには一向に時計が行き渡らないことで、ブランドの品位や信頼性が低下しかねない状況にも陥っています。
そのため、ロレックスは購入制限を厳しくすることで転売を抑止し、正規店での販売を健全に保とうとしているわけです。
本人確認やクレジットカードでの支払いの必須化なども、その一環といえるでしょう(これに関しては本記事の後半でお伝えします)。
もう1つの理由は、限られた在庫を少しでも多くの顧客に公平に行き渡らせるためです。
ロレックスの時計は供給数が厳密にコントロールされており、そもそも正規店の入荷は少数に限られています。
こうした状況下で特定の人が複数本購入すれば、すぐに在庫が枯渇してしまい、多くの一般ユーザーの間で不満が生じやすくなります。
さらに、近年予約制を導入している店舗以外は、わざわざ並んでも買えない状況が続いているだけに、在庫を少しでも長く保ち、多くの顧客にチャンスを与えることも店舗側の課題になっているはずです。
購入後に一定期間再購入ができない仕組みにしているのは、在庫を一極集中させないことで販売機会を分散できるメリットも、おそらく計算に入れているのでしょう。
2024年12月16日以降、ロレックスの全モデルに6ヶ月間の購入制限が設けられましたが、以下の7品番に限っては制限期間が1年間に設定されています。
これらは、人気の高さ故に正規店での購入難易度が高く、定価と市場価格の差も大きくなっています。
では、どのくらい価格差があるのか、次項では各モデルの定価や市場価格などを細かくチェックしてみましょう。
※定価と市場価格は、2025年3月時点の情報に基づいて記載しています。
コスモグラフ デイトナ 126500LNは、前作116500LNの後継機として2023年に登場。
シンプルな三針モデルが多いロレックスにおいてクロノグラフという特別感と、セラクロムベゼルやオイスターブレスレットなどロレックスならではの高級感と堅牢性を備えることで、多くの時計ファンを魅了しています。
ムーブメントには最新のCal.4131を搭載し、約72時間のパワーリザーブを実現。
文字盤カラーはブラックとホワイトの2種類があり、どちらも定価は2,349,600円です。
市場価格はホワイトが約520万円、ブラックが約440万円とホワイトの方が高くなっていますが、どちらもその高騰ぶりには目を見張るものがあります。
「バットマン」の愛称で親しまれるGMTマスターII 126710BLNRは、黒×青のツートンベゼルがプライベートはもちろん、ビジネスでも使いやすいモデルです。
ムーブメントには約70時間のパワーリザーブを誇るCal.3285を搭載し、GMT機能によって2つのタイムゾーンを同時に表示できるのも特徴。
ブレスレットはオイスターとジュビリーの2種類が用意されており、ブレスレットの違いによって価格が異なっています。
オイスタータイプの定価は1,633,500円で市場価格は約260万円、ジュビリータイプの定価は1,664,300円で市場価格は約270万円と、どちらもジュビリーの方がやや高くなっています。
人気でもジュビリーの方が多少上回っているため、逆に正規店ではオイスターの方が狙い目なのかもしれません。
赤×青のベゼルカラーから「ペプシ」と呼ばれているGMTマスターII 126710BLROは、同コレクションの象徴ともいえる1本。
視認性の高い配色とクラシックな雰囲気を兼ね備えており、往年のロレックスファンからも支持を集めるモデルです。
男性はもちろん、女性からの人気も高く、特にカジュアルなシーンでは腕元を華やかに彩る存在感が魅力。
こちらもオイスターとジュビリーの2タイプがあり、オイスタータイプの定価は1,633,500円で市場価格は約340万円、ジュビリータイプの定価は1,664,300円で市場価格は約370万円と、いずれも市場価格の高騰ぶりが目立ちます。
GMTマスターII 126710BLROは、ロレックスの中でも指折りの入手困難モデルとして知られており、これを求めて正規店に何年も通い続ける人は少なくありません。
GMTマスターII 126720VTNRは、2022年に登場した比較的新しいモデルで、リューズが左側に配置されたレフティ仕様が大きな特徴。
日付表示も9時側にあるなど、他のモデルとは一線を画すユニークな構造が話題を集めました。
「スプライト」の愛称で親しまれる黒×緑のツートンベゼルは、ロレックスのコーポレートカラーを手にできる満足感があり、他人と被りにくい点も魅力といえます。
こちらもオイスターとジュビリーの2タイプがあり、オイスタータイプの定価は1,711,600円で市場価格は約250万円、ジュビリータイプの定価は1,742,400円で市場価格は約280万円となっています。
これを見る限り、オイスタータイプは市場価格の高騰が緩やかであるため、正規店でのライバルは比較的少なく、購入できるチャンスも十分にありそうです。
サブマリーナー 124060は、ロレックスの定番ダイバーズウォッチとして常に安定した人気を誇るモデルです。
最大の特徴は日付表示を持たないシンプルな文字盤にあり、シンメトリーでバランスの取れた意匠が王道にして普遍的な魅力を兼ね備えています。
約70時間のパワーリザーブを誇るCal.3230を搭載し、300mの防水性を備えるなど、機能性と実用性の高さも折り紙付きです。
定価は1,400,300円であるのに対し、市場価格は約190万円と135%程度の高騰ぶりを見せています。
汎用性の高いデザインに堅牢なつくりも相まって、ロレックスのファーストチョイスとしても申し分のない選択肢です。
「黒サブ」の愛称で知られるサブマリーナーデイト 126610LNは、ロレックスの中でもひときわ信頼性の高いベーシックモデルとして、世界中の時計ファンに支持されています。
日付表示付きの実用性と、飽きのこないオーソドックスなデザインは一生モノや上り時計にも最適。
搭載するCal.3235は約70時間のパワーリザーブを誇り、日差も-2秒~+2秒と完璧な精度を備えています。
定価は1,570,800円であるのに対し、市場価格は約220万円とサブマリーナー 124060よりもさらに高騰しています。
ロレックスを代表する定番中の定番なだけに、「手に入れて後悔する人の姿は想像できない」といっても過言ではありません。
グリーンのセラクロムベゼルが特徴的なサブマリーナーデイト 126610LVは、通称「グリーンサブ」として親しまれているモデルです。
グリーンのインパクトが強烈な前作の「ハルク」(116610LV)から文字盤がブラックに変更されたことで、より引き締まった印象に仕上がっています。
ムーブメントはサブマリーナーデイト 126610LNと同じCal.3235で、約70時間のパワーリザーブや高い耐久性といった基本性能はそのままに、ロレックスならではのカラーリングで所有欲を満たしてくれます。
定価は1,648,900円であるのに対し、市場価格は約240万円とサブマリーナーの中で最も価格が高騰している点も見逃せないところ。
限定モデルではないものの、配色の希少性からコレクターの注目度も高く、資産価値の面でも今後に期待が持てる1本です。
ロレックスを複数本購入したい場合は、中古のモデルがおすすめです。
正規店では運が良くても1年間に2本(もしくは1本)しか購入できないため、短期間でコレクションを充実させるのは不可能です。
対して中古市場では購入本数に制限がなく、複数本を一度に揃えることもできます。
さらに、正規店では手に入らない人気モデルやレアモデル、生産終了モデルも流通しており、選択肢の幅が広がります。
未使用品や試着程度にしか使用されていない美品も多いため、状態にこだわる人でも満足できる個体が見つかるでしょう。
中古腕時計販売店では、ロレックスの購入本数に制限が設けられていないため、例えばデイトナを色違いで2本購入するなど、同一モデルを複数本手に入れることも可能です。
正規店では、在庫があっても購入者の条件によって販売されない場合がありますが、中古店では在庫があれば誰でも購入できます。
さらに、中古市場では需給バランスや為替変動により販売価格が上下するため、安くなったタイミングを狙えるのもメリットです。
人気モデルを確実かつ柔軟に手に入れたいのであれば、最初から中古店での購入を決めてしまうのも賢い選択といえるでしょう。
ロレックスの正規店では、購入時の支払い方法にも制限が設けられています。
2024年12月16日以降、現金のみでの支払いが不可となり、クレジットカードの利用が必須となりました。
ただし、本人名義のカードであれば、現金との併用は可能とされています。
このルールも、やはり転売目的の購入を抑制するのが目的で、そのために購入者の本人確認を徹底しているのでしょう。
在庫があってもクレジットカードがなければ、せっかくのチャンスを逃してしまいますし、ロレックスはどれも高額なだけに、クレジットカードの支払限度額がオーバーしないように注意することも大切です。
ロレックスの正規店で購入する際は、身分証明書の提示が必須です。
また、書面にサインすることで、購入制限の内容に同意する必要もあります。
提示するのは、運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きの身分証明書でなければなりません。
身分証明書を提示できない場合、購入できない可能性があるため、来店時には必ず持参しましょう。
ロレックスの購入制限は、店舗を変えても回避することはできません。
なぜなら、国内の正規店すべてで購入履歴が共有されており、どの店舗でも過去の購入状況を把握できるシステムが構築されているからです。
たとえば、あるモデルをA店で購入後、何らかのモデルをB店で購入しようとしても、その間が6ヶ月以内(モデルによっては1年以内)であれば断られてしまいます。
店舗間の情報連携が徹底されているため、地域や系列店を変えても購入制限の対象から外れることはありません。
ロレックスの購入制限は、日本の正規店が独自に設けているルールであり、海外の正規店は無関係です。
そのため、海外では購入制限を一切気にする必要もなく、いつでも入手できる可能性があります。
ただし、品薄なのは海外も日本も大して変わらず、日本より購入が難しい国も少なくありません。
実際、世界中どこを探してもロレックスが確実に手に入る正規店は存在しないため、旅行や出張のついでに立ち寄るなら選択肢になりますが、購入を目的とした渡航は現実的とはいえないでしょう。
ロレックスの購入制限は、転売を前提とした購入を抑制し、さらにブランド価値の維持を目的に設けられている正規店独自のルールです。
2024年12月に見直された新ルールでは、全モデルに6ヶ月間の購入制限が設けられ、一部の人気モデル(ステンレス製のデイトナ、GMTマスターII、サブマリーナー)に限っては、制限期間が1年間に設定されています。
さらに、現金のみの支払いが不可になるなど、決済方法と本人確認においてより厳格な対応がとられるようになりました。
対して、中古品は当然ながら購入制限とは無関係で、複数本購入することもできます。
また、近場に正規店がない、あるいは正規店に通う時間も気力もないという人は、並行輸入店や中古販売店での購入も検討してみると良いでしょう。