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田所孝允, ロレックス

50年前のロレックスに価値はある?資産価値などを解説!

最終更新日:

50年前のロレックス 価値

ロレックスは約120年の伝統があるブランドです。創業以来、数々の革新的な時計を世に送り出し、高級時計屈指のステータス性をもつ超一流ブランドに成長を遂げてきました。

現行モデルも人気がありますが、現在注目を浴びてるのは「ヴィンテージ」と呼ばれる60年代頃から80年代頃に発売されたモデルです。

50年前の古いロレックスではありますが、現行品とは異なる魅力を持つ時計です。

この記事では、50年前のロレックスがもつ価値や特徴、手に入れ方について掘り下げていきます。

50年前のロレックスにはどんな価値がある?

50年前のロレックス

50年前1970年代のロレックスは、自動巻きが一般化してきた頃です。エクスプローラーを皮切りにGMTマスターなどが発売されて現代のようなラインナップが確立されてきました。

コレクター目線で見れば50年前のロレックスは現在のプロフェショナルモデルが揃った時期でもあり、中古時計として、高い価値があると言えるでしょう。黎明期のプロフェッショナルモデルは現行品のスペックには及びませんが、機能は実用レベルです。

50年前のロレックスは枠組みとして、アンティークロレックスとしての価値があります。モノや状態(コンディション)によっては、当時の(販売)価格より、数倍以上の値段が付けられる事もあるでしょう。

50年前のロレックスの特徴

50年前のロレックスは「➀経年変化によって個性を持ったモデル」、「②有名ブランドとのダブルネームモデル」、「③今では使われていない素材を使っているモデル」が存在します。

それぞれを、個々に解説していきます。

経年変化文字盤の「トロピカル」や「スパイダー」

ロレックス スパイダーダイアル

現行品のダイアルのペイント作業では、経年劣化を防止するため様々な対策を施しています。しかし、1970年代だと現代のレベルには至らず、50年前のロレックスでは特にダイアル(文字盤)に経年変化が顕著にあらわれるのが特徴です。

「トロピカル」や「スパイダー」とニックネームがつけられているモデルはダイアルが経年変化によって色が変わり、ひび割れたモデルを愛情を込めて、愛好家たちはそう呼びます。

トロピカルは元々黒色だったミラーダイアル(鏡のように艶と輝きを持つ文字盤)が経年変化で茶色に日焼けしたダイアルを総じてそう呼びます。一方のスパイダーは蜘蛛の巣状にひび割れた文字盤のモデルです。

現行品ではなかなか見られない変色は、酸素と塗料の分子が結びつき起こるエイジングになります。塗料の分子構造が永久的に安定していれば、このような経年変化は起きません。

もちろん現行品ロレックスでも将来的には、経年変化は起きる可能性はあります。ただ、この50年の間で製品品質は大きく向上しており、この頃に見られる「トロピカル」や「スパイダー」の様な経年変化が起きる可能性は、低いと考えられています。

「ロレックス×ティファニー」などのダブルネーム

ロレックス デイトジャスト ティファニー Wネーム 69173 ホワイト

50年前のロレックスには「ロレックス×ティファニー」、「ロレックス×カルティエ」などの有名宝飾リテイラーとコラボした、ダブルネームと呼ばれるロレックスが多く出た事も特徴です。

1970年代のロレックスのビジネスにおける立場は、現代ほど優位なステータスでは無かったと思われます。歴史ある名門ブランドでは無く、「成長著しい新興銘柄」的なブランドだった事は、間違いありません。

そのためTiffany(ティファニー)やCartier(カルティエ)の名門宝飾店の威光が必要だったようです。またダブルネームモデルはスポーツモデル(現在のプロフェッショ
ナルモデル)が殆どでした。

詳細は後述しますが、50年前のプロフェッショナルモデルは、人気が無く価格も安く設定されていました。そのため販売促進も兼ねてTiffany(ティファニー)に販売を委託した可能性も否定できません。

当時は人気ある時計では無く、今ほど人気が無かったため、営業努力としてダブルネームで販売していた可能性が高いと考えられます。特に世界最大のマーケット、アメリカでは、Tiffany(ティファニー)の販売網で販売する事が売上に大きなメリットをもたらしていたと思われます。

トリチウム夜光塗料などのモデル

50年前のロレックスの代表的な特徴として、夜光塗料の原料がトリチウムという、自発光塗料が使用されていました。トリチウムは放射性物質で、現在は使用が禁止されて腕時計に使われる夜光塗料はルミノバに置き換わっています。
なお、ロレックスにおいては2007年よりスーパールミノバの2倍相当にあたる約8時間の発行時間が誇るクロマライトが採用されており、夜光塗料に関しても年々進化を遂げています。

トリチウム夜光

トリチウムは1960年代から1990年頃まで多くの腕時計の夜光塗料として、使用されてきました。この元素は放射性物質ですが、時計に使用される極微量のトリチウムは、人体への影響はほとんどありません。

放射性物質であるために、トリチウムに変わる物質を時計ブランドは探し求めて、ルミノバという、アルミン酸ストロンチウムを原料とした蓄光式の塗料が開発されたのです。ルミノバに夜光塗料が置き換わったのは、トリチウムが経年変化することも要因でした。

発光も経年により弱くなり、前述したダイアルの「トロピカル」や「スパイダー」同様に年月と共に、トリチウム自体もひび割れます。

しかし、トリチウムのエイジングによる変化を楽しめる事も50年前のロレックスの魅力でしょう。

50年前のロレックスの定価はどのくらいだった?

ここ数年、度重なる値上げをしているロレックスの新品モデルは50年程前の正規店価格はどの位だったのか、気になるところですね。表を見るとわかると思いますが、現行のプロフェッショナルモデルが当時は今より廉価だった事が実感できるでしょう。

主要モデルの定価

物価が根本的に違うので単純に数字だけで、比較するのは無理があります。以下のリンクで紹介しているように2024年から約50年前の1975年では、大卒初任給が8.9万円の時代にエクスプローラー1は197,000円でした。

また他のモデルも大卒初任給が8.9万円を基準にして考えた時、最も高額なデイデイトで、当時の大卒初任給が8.9万円の約11倍、エクスプローラー1で約2倍になります。また表の中で気がついた事は、サブマリーナがエクスプローラー1より安い価格設定になっている事でした。

この事からも、当時は今ほどプロフェショナルモデルの人気が無かった事が、当時の販売価格の数字を見る事だけでも、伺い知る事ができます。

50年前の「デイトナ 6265」などは高い価値を有する

デイトナ 6265

50年前のデイトナ6265は、1971年より登場した手巻き式ムーブメントを搭載したクロノグラフです。この頃既に他社は、1969年に自動巻きクロノグラフの開発に成功していました。しかし、ロレックスはこの自動巻きクロノグラフの開発に苦戦していました。

この苦戦の原因の理由は様々な事が噂されていますが、自動巻きクロノグラフムーブメントはその複雑な構造ゆえどうしても、ケースに厚みが出るのが難点です。そのため、ロレックスはそれを嫌ったから手巻きになった説が有力ですが、真偽はわかりません。

レースを意識したこのデイトナは、アメリカにあるデイトナビーチで行われているレースからネーミングされたモデルでアメリカ市場を強く意識した製品でした。この手巻き式のクロノグラフは現在では考えられない位、セールス的には苦労した逸話が残されています。

その売れなかった事から、現代となっては希少性が高まり、非常に高額な価格で取引されており、オークションハウスでもセールスの目玉商品として出品されています。市場取引価格は約1000万円以上にもなり、50年前に運よくこのモデルを手にしていた人は、幸運な人たちと言えるでしょう。

50年前のロレックスは手に入る?

アンティーク ロレックス

50年前のロレックスは、高額な価格で取引されていますが、決して手に入らないモデルではありません。入手先や注意点を把握して時間をかければ、入手する事は可能です。ただ50年前のロレックスには真贋が怪しいモデルも一定数存在します。

そのためには50年前のロレックスに関する知識も必要です。しかしその知識は専門家からも集める事が重要なので、可能であれば知識のある中古時計店のスタッフからもアドバイスを貰う方が、安心です。

中古時計を扱う店で入手可能

中古ロレックス 購入

現状では50年前のロレックスは中古時計を扱うお店で入手する事が可能です。しかし、全てのアンティークロレックスが簡単に入手できる事ではありません。それは流通量が現代の時計と比べ少ない事が理由になります。

50年前の当時の時計の生産量は、どのブランドも生産量が現代と比較すると圧倒的に少ない事が特徴です。

ロレックスの生産本数は公表していないので、正確な数値は不明ですが現代と比較すると半分以下の可能性が高いと思われます。ここ数年ロレックスの生産本数は増加傾向で最新の情報で、年間120万本以上という説が有力です。

それに対して、10年程前の2010年代はクロノメーターの認定個数からロレックスの生産本数は70万本程と言われており、もしこの情報が正確ならば、50年前は現代のロレックスの半分程度の生産数50万本以下である可能性も十分に考えらえれます。

このように当時のロレックスの流通量は明らかに少ないため、どのモデルも入手は困難です。中古時計店でも滅多に出回らないモノも中にはあります。だからといって安易な入手方法に流れるのも危険です。

中古時計は総じて年数が経過するほど、流通量が減る事が特徴です。中には稼働しなくなって廃棄するオーナーやクローゼットの奥底に眠っている時計も世界中でたくさんある可能性も十分に考えられます。

ロレックス オーバーホール

そんな50年前以上のロレックスたちがマーケットに出てきた場合、一番重要な事がメンテナンス作業(オーバーホール)です。信頼性の高い中古時計店は、そのノウハウがあるため、状態が悪い時計も一流の時計職人に依頼して、蘇らせる事ができます。

しかし、昨今のフリマサイトに出品されている50年前のロレックスにメンテナンスを期待するのは無理があります。時計に関する知識を持っている出品者を見分ける術があるなら別ですが、現状のフリマサイトのシステムで、そこまでを求める事はできません。

可能であれば、専門知識や流通ルートを持つ中古時計専門店に依頼して入荷をじっくり待つ事が賢明です。

50年前のロレックスで注目のモデル

では具体的に50年前のロレックスで注目されるモデルはどんなモデルがこれから、必見なのでしょう。どうしてもデイトナ、ポールニューマンモデルといった有名なモデルばかりに目がいきがちですが、決してそれだけではありません。

以下に必見の3モデルをご紹介しますので、ぜひ購入のチャンスがあれば、参考にしてください。

サブマリーナ Ref.1680

ロレックス サブマリーナ 1680

型番:1680
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き

1967年に発売されたサブマリーナ Ref.1680はサブマリーナで初めて日付カレンダー(デイト)が付いた記念すべきモデルです。防水性は200M防水で現行品の300M防水と比較すると劣ります。

しかしサブマリーナといえども、50年前のモデルなのでダイビングで使うのは、避けた方が安心です。陸上では一般的な時計として使用するのは全く問題がありません。

ロレックス サブマリーナ 1680

このモデルには「SUBMARINER」ロゴが赤色のなっている通称赤サブと呼ばれるモデルが存在します。

注意点としてはロレックス以外の業者が故意に赤色にペイントしたモデルも多く流通している事があります。そのためこのREF1680も信頼性の高い中古時計店で、購入するのが安心です。

エクスプローラー2 Ref.1655

エクスプローラー2 Ref.1655

型番:1655
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き

1971年に発売されたこのモデルは、サイケデリックな外観から現在では大人気のモデルですが、発売当時は全く人気が無いモデルでした。当時のコンセプトは「洞窟探検家のモデル」という、いかにもロレックスらしいニッチなモデルでした。

そもそも探検家全般では無く、「洞窟」という現代では考えられないほど秘境が多かった時代背景がこの製品のコンセプトから窺い知る事ができます。

また栄光のルマンに出演したハリウッド俳優の名前を取って、別名「スティーブ・マックイーン」モデルとも呼ばれています。ただ、彼は映画ではこのモデルを着用した記録は無く、ロレックスの広告に起用されて以降、そう呼ばれるようになりました。

このモデルは1985年まで製造されましたが、それ以降のモデルは大きくモデルチェンジして、初代のこのモデルのデザインの面影は姿を消します。初代モデルだけに存在する少し風変わりなデザインは愛好家必見のモデルです。

シードゥエラー Ref.1665

ロレックス シードゥエラー 1665 ブラック

型番:1665
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き

1967年に発売されたこのモデルは、深海向けの「飽和潜水ダイバー」へ向けた特殊時計です。、時計のケース内部に貯まるヘリウムガスを減圧事に逃す「ヘリウムエスケープ・バルブ」を備えた時計になります。

このヘリウムガスは、潜水士が窒素によって引き起こす潜水病にかからないように、低密度のヘリウムを混合した空気を送る事で潜水士が潜水病を防止する事を目的として、飽和潜水作業においては、重要な役割を果たしています。

なお、このシードゥエラー Ref.1665にも2桁の赤いテキストがダイアルにプリントされたモデルが存在して、コレクターズアイテムとして人気になっている事も忘れてはいけません。通常モデルを大きく上回る価格で取引されており、その価値は年々上がっています。

50年前のロレックスを扱う際の注意点

50年前のロレックスを扱う際の注意点は何より、丁寧に使用する事が重要です。特に注意して欲しい点は、現行品より耐久性が劣る事を忘れてはいけません。以下に注意点をまとめましたので、参考にしてください。

丁寧に扱い、オリジナルの部品の保持に努める

リファレンス番号が4桁のモデルで重要な事はオリジナル部品の保持に努める事が大切です。ロレックスも一部4桁モデルでは部品が無い事で日本ロレックスで、受託停止になっているモデルもあります。

多くのアンティークロレックス愛好家たちは、部品確保に全力を挙げていて、信頼できる時計修理専門業者に依頼して、パーツを確保しています。時計修理専門業者は、自力で探す方法以外では、中古時計販売店と提携した業者も多いので、相談してみる方法が賢明です。

オーバーホールなどを定期的に行う

部品交換を少なくする方法は、定期的なオーバーホール(以下OH)が重要になります。OHを欠かすと、一部の部品に無理がかかる事で部品の摩耗を速めます。

50年前のロレックスでは、できるだけOHの間隔を短くして、故障防止に努めてください。

紫外線など劣化を早める環境に置かない

当然保管場所にも注意が必要です。特にダイアルに関しては「トロピカル」や「スパイダー」の項目でも触れたようにダイアルの塗料が経年変化します。経年変化を防止するのは紫外線にあてない環境に時計を保管する事が重要です。

ショーケースに50年前のロレックスを置く時は、太陽光の方向にも注意して保管する事を心がけましょう。

アンティークロレックスの魅力

アンティークロレックスの魅力とはどこにあるのか?やはり最大の魅力は外観の特徴が現行品には無い独特なデザインを持っている事です。それを引き出しているのはロレックスの場合、ほとんどが継続モデルでその事で細部の違いを理解する事ができます。

そして、数の少なさと赤サブに代表されるコレクターズアイテムモデルが一定数存在する事は、愛好家たちには見逃せない事実です。現行品ではまず見られない希少なコレクションがこの頃のロレックスには多く、見られます。

この事が50年前のロレックスの最大の魅力なのでしょう。


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