ダイバーズウォッチではなく、ヨットクルージングなど遊び心あるマリンスポーツのためにロレックスが展開するヨットマスターシリーズ。
ハイエンドの位置づけにあるため、ラグジュアリーかつ大変気品あるデザインが魅力です。
デイトナやサブマリーナほどの歴史はありませんが、実はその異色の高級感から国内外で高い人気を獲得し続けてきました。
ビジネススーツにもジャケパンスタイルにもカジュアルファッションにも、ヨットマスター一本を携えるだけでクラス感が備わること請け合いです。
今回は、そんなヨットマスターを持っているならぜひ知っておいてほしいことをまとめてみました。
すでに所有している方も、購入を検討している方も、必見の内容です。是非ご確認ください。
目次
ロレックス ヨットマスターとは?
1992年、スイスのバーゼルにて、ロレックスが堂々発表したヨットマスター。
スポーツラインでありながら、ケース・ブレスレットともにイエローゴールド製であったこと。
加えてこれまでのスポーツロレックスとは一線を画すような華やかなデザインを有していたことから、ヨットマスターの登場はロレックスファン・時計愛好家・セレブリティを多いに湧かせました。
当時はオーデマピゲのロイヤルオークやパテックフィリップのノーチラスと言った、「ラグジュアリー・スポーツウォッチ(ラグスポ)」が既に存在していましたが、一般ユーザーにこの概念を浸透させるに至ったのは、ヨットマスターの存在が大きいでしょう。
※初期ヨットマスター 16628。当時はオール18金イエローゴールドのみのラインナップだった
ヨットマスターの意匠は非常に特徴的で、サブマリーナ同様に回転ベゼルを搭載していますが、こちらは両方向回転式。
さらに目盛が立体的にエンボス加工された独特なデザインとなっています。
また、高級ラインであるため、初代モデル以降いずれもオールステンレスモデルを採用していません。
スポーツウォッチとしてはまさに異例中の異例ですね。
ただ、1997年にイエローゴールド×ステンレススティールのコンビ(ロレゾール)モデルを、1999年に「ロレジウム」で名高いプラチナ×ステンレススティールモデルを発売したことから手に入れやすいラグスポ的立ち位置を獲得し、ますますファンを増やすこととなりました。
もっとも、ラグジュアリーとは言え基本的にはプロフェッショナルモデルの扱いなので、オイスターケース・ブレスレットを搭載しており、防水性能は100m。
また、現行モデルでは耐磁性や耐衝撃性・メンテナンス性といった面でハイスペックなムーブメントを搭載しております。
また、ロレックスのスポーツラインで唯一メンズ・ボーイズ・レディース(29mm)の3展開を行っていたため、ペアウォッチとしても人気を誇ります。
なお、ヨットマスターの歴代モデルは後述しますが、現行は42mm・40mm・37mmのラインナップとなっております。
しかしながら中古市場でも生産終了モデルがよく出回っており、ボーイズ・レディースヨットマスターもまだまだ現役で私たちの腕元を彩ってくれています。
ロレックス ヨットマスターの素材
ヨットマスターのコンセプトは高級感にあります。
意匠も非常に端正でラグジュアリーですが、さらに特筆すべきはその素材。
オールステンレスモデルは採用せず、誕生当初はオール金無垢のみのラインナップでした。
また、現在ロレックスらしい独特の素材を使用しています。
それは、ロレジウム、ロレゾール、オイスターフレックスブレスレット。
あまり聞きなれない名称かもしれませんが、ヨットマスターのコンセプトには必要不可欠な三本柱です。
①ロレジウム
ロレジウムはロレックスの造語で、ロレックス+ステンレススチール(SS)+プラチナ(PLATlNUM)のこと。
ヨットマスターにのみ採用されるコンビネーションで、1999年に発表されました。
その斬新で異色とも言える光沢は大ヒット、日本国内でもヨットマスター人気を一気に高めました。
ケースとブレスレットには実用性高いステンレススチールを採用し、対してベゼルディスク・文字盤にはプラチナをあしらっています。
とてもスポーツウォッチとは思えない重厚さと存在感を感じられるのではないでしょうか。
実際、Ref.16622としてロレジウムモデルがリリースされて以降、ヨットマスター人気は飛躍的に高まったと言えます。
なお、ロレジウムヨットマスターは、文字盤カラーもまた特筆すべき事項が多くなります。
1999年の発売当初は、前述の通り文字盤にプラチナを使用したシルバーカラーがラインナップされました。
しかしながら2012年、ヨットマスターのモデルチェンジが行われるに伴い、ロレジウムにブルーカラーが追加されます。
さらにその4年後の2016年、ダークロジウムという新バリエーションでは、その独創的な美しさとロレックスのお家芸でもある独自加工にまたもや世間は驚かされる形となりました。
画像引用:ROLEX
ダークロジウムとは、シルバーと同様に文字盤素材にプラチナを用いています。
しかしながらダークロジウムの方はロレックスがプラチナとそのほか素材を独自配合したことで生み出されたカラーリング。
プラチナ自体の美しい白銀はそのままにやや黒味を帯びるその新ダイアル、エレガンスな側面が強かったヨットマスターにクールさとモダンさを加えたように思います。
ダークロジウムの登場によって、さらにさらにヨットマスターは需要を上げることとなりました。
なお、現在ダークロジウム文字盤はデイトジャストやオイスターパーペチュアルにも採用されていますが、いずれも他カラーと比べても圧倒的に高い人気を誇ります。
②ロレゾール
ロレジウム同様ロレックスの造語で、ロレックス+SS+ゴールド(GOLD)のコンビネーションを指します。
ロレゾールはデイトナやGMTマスターⅡなど他のスポーツラインにも採用されていますが、ステンレスにアクセントとして織り込まれたゴールドが品のある高級感を沿えてくれることで、ヨットマスターのコンセプトに非常に合致した素材であると言えます。
2015年まではイエローゴールドとのコンビを指す用語でしたが、2016年よりエバーローズゴールドがヨットマスターに初登場。
これまたロレックス独自の金で、2008年頃から話題になり始めました。
様々な他金属を配合することで純金にカラーをつけることは一般的ですが、中でも男女問わず人気あるピンクゴールド。
実は混ぜられた金属の経年によって変化することがあります。
この変化を抑えるため、ロレックスがやはり独自に少量のプラチナを配合・加工した金がエバーローズゴールドとなります。
これからの季節、海やプールに行く方も多いかもしれませんが、多少の水では色合いを損ねない画期的な新素材と言えるでしょう。
「世代を超えて続く眩い輝きを保証する」― ロレックスが連綿と受け継いできた企業理念そのものののような素材と言えます。
③オイスターフレックスブレスレット
画像引用:ROLEX
2015年、ヨットマスター第六世代としてバーゼルワールドで発表されたRef.116655とRef.268655。
ロレックス初のラバーベルトがハイエンドであるヨットマスターに採用されたことにも驚かされましたが、なんとこのラバーもロレックスが開発・特許取得した素材だったのです。
「オイスターフレックスブレスレット」と名付けられた当ラバー、ブラックエラストマーでコーティングしたことで、オイスターの名に恥じないメタルブレスレット並みの堅牢性、防水性を確保することに成功しています。
エラストマーとは、「erastic(弾性のある)」+「polymer(重合体)」に由来するゴム弾性工業用材料のこと。
ベルトの内側には手首にフィットするように、これまた特許を取得した縦方向クッションシステムが備えられます。
着けた時の硬い、かゆくなるという弱点を見事克服しました。
機能面だけでなく、エバーローズゴールドとブラックによって醸し出されるスポーツエレガンスがなお他のモデルにはない魅力を感じさせるでしょう。
快適性と美観とを両立した、実用時計の追求に余念のないロレックスならではの素材。
ロレックスによりまた時計技術の未来に一石が投じられました。
ロレックス ヨットマスターの世代別おすすめモデル
ヨットマスターはスポーツラインでありながら、デザイン性とコンセプトを大切にしたモデルを多く展開しています。
大海原を見晴るかすヨット上、ラグジュアリーなクルージングパーティー、少しフォーマルなスーツスタイル・・・
オールマイティに活躍するヨットマスターの系譜と、おすすめモデルをいくつかピックアップしてご紹介いたします。
また、相場も併せてご紹介しておりますので、時計選びの参考にしてくださいね。
【初代】ヨットマスター 16628 ホワイト
型番:16628
製造期間:1992年~2013年
素材:イエローゴールド
ケースサイズ:直径 40.0mm
文字盤:ホワイト
駆動方式:自動巻き(Cal.3135)
1992年にリリースされた、初代ヨットマスターです。
前述の通り、スポーツロレックスとしては異例ともいえるオール金無垢仕様!
ベゼルまでもが独創的なゴールド製となっており、以降、ヨットマスターの大切なデザインコードとなっていきました。
カラーバリエーションとしては、ホワイトの他、ブルーやグレー、シャンパンがラインナップされました。
また、シェル文字盤等、さらなるハイエンドラインも存在します。
比較的製造期間が長いため中古市場で存在感を示しますが、特に手に入れやすいおすすめはホワイト文字盤でしょう。
なお、2007年以降に製造された個体は、ルーレット刻印(ケースインナーにROLEXのロゴとシリアルを記した仕様)となります。
ゴールド製のため相場は300万円超えとハイエンドですが、一方で金は素材としても価格が落ちづらく、経年変化に強いことから一生ものの価値を持つと言えるでしょう。
なお、40mmサイズの16628とともに、34mmサイズ(ボーイズ)の68628、29mmサイズ(レディース)の69628も同時リリースされています。
※ボーイズ ヨットマスター 68628
【第二世代】ヨットマスター 68623 ホワイト
型番:68623
製造期間:1997年~1999年
素材:ステンレススティール×イエローゴールド
ケースサイズ:直径 33.0mm
文字盤:ホワイト
駆動方式:自動巻き(Cal.2135)
ヨットマスター初となる、ロレゾールモデルです。
1997年のリリース当初は、ボーイズとレディースのみがリリースされました。
こちらはボーイズサイズの方となります。
ムーブメントも、レディースデイトジャストなどに搭載されてきたCal.2135が用いられることとなりました。
33mmケースは男性には小さいと思うかもしれませんが、近年時計業界では小さめのメンズモデルが流行しているため、クラシックに着けこなしたい、といった層から人気です。
ただ、後述する第三世代 16622に二年ほどでモデルチェンジとなったため、流通量はそこまで多くはありません。
一方でステンレススティールとのコンビとなったことでオール金無垢よりかは価格が抑えられており、現在の中古相場はおおむね130万円前後~となっております。
【第三世代】ヨットマスター 16622 ロレジウム シルバー
型番:16622
製造期間:1999年~2012年
素材:ステンレススティール×プラチナ
ケースサイズ:直径 40.0mm
文字盤:シルバー
駆動方式:自動巻き(Cal.3135)
1999年、満を持してロレックスカタログに登場し、以降ヨットマスター人気を牽引することとなったロレジウムモデルです!
ベゼルと文字盤にプラチナを使用しており、美しい仕上がりがまさに「ラグジュアリー・スポーツウォッチ」の王道と言えるでしょう。
特に日本はプラチナ素材を用いたジュエリーの需要がきわめて高いため、あっという間に定番モデルとして仲間入りを果たすこととなりました。
一方で赤い秒針をアクセントに加えることで、ロレックスらしい「イケメン顔」も堅持されていますね。
ちなみに、こちらもオール金無垢の16628同様、2007年以降の製造個体はルーレット刻印が採用されています。
10年以上に渡って製造されたロングセラーですが、今なおその人気が衰えないことから、中古相場は140万円台~190万円台を維持しており、ロレックスきっての「値崩れしづらいモデル」と言えます。
一方で現行品に比べれば安く、かつロレックスならではの現象として状態の良いUSED品が多く出回っているため、「200万円以内でロレックスを買いたい」「初めてロレックスを購入する」といった方にオススメしたいヨットマスターです。
なお、同年にボーイズサイズのロレジウム 168622やSS×YGのロレゾール 168623、レディースサイズの同シリーズも併せてリリースされています。
ただし、レディースは2014年を以て、ヨットマスターのラインからは姿を消しました。
また、ボーイズサイズも2016年以降、37mmサイズへと移行し、加えてボーイズではロレジウムとエバーローズゴールドの二択となりました。
。
【第四世代】ヨットマスター 16623
型番:16623
製造期間:2004年~2016年
素材:ステンレススティール×イエローゴールド
ケースサイズ:直径 40.0mm
文字盤:グレー,ブルー,シャンパン他
駆動方式:自動巻き(Cal.3135)
2004年になると、SS×YGのロレゾールヨットマスターも、40mmサイズにラインナップとして追加されました。
実は、2016年を以て、ヨットマスターからイエローゴールド素材仕様は姿を消します。
しかしながら、昔からのヨットマスターファンや、イエローゴールドの華やかさが好き!といった層から根強い人気があり、あえてこちらを選ぶ方は少なくありません。
ホワイトやグレー、ブルー、シャンパンといった、イエローゴールドモデルならではの多彩なカラバリが楽しめるのも、16623ならではでした。
こういった衰えない需要から比較的高値で推移しており、状態や年式にもよりますが180万円台~240万円台の相場を築いています。
【第五世代】ヨットマスター40 116622
型番:116622
製造期間:2012年~2019年
素材:ステンレススティール×プラチナ
ケースサイズ:直径 40.0mm
文字盤:シルバー・ブルー・ダークロジウム
駆動方式:自動巻き(Cal.3135)
ヨットマスターの第五世代として2012年バーゼルワールドで発表された、ロレジウム仕様のモデルです。
デザインコードは、第三世代のRef.16622を踏襲しておりますが、随所にスペックアップが図られています。
特筆すべき変更点としては、ムーブメント仕様がまず挙げられます。
同一のCal.3135を搭載しているのですが、116622以降はブルー・パラクロム・ヒゲゼンマイが採用されています。
これはロレックス独自の技術で、磁性が高く磁気帯びしやすかった従来のヒゲゼンマイの素材を独自のものにすることで、従来の十倍も高い耐磁性、そして耐衝撃性を獲得しました。
また、夜光塗料がクロマライトに移行し、従来のスーパールミノバに比べて約二倍にあたる8時間発光が可能となりました。
さらにバックルとフラッシュフィットも、最新版に移行しています。
デザイン重視と思われがちなヨットマスターですが、そこはロレックスのプロフェッショナルモデルです。
確実に最新スペックへとアップデートが図られてきました。
ただ、デザイン面でも特筆すべきことがあります。
それは、文字盤のカラーバリエーションです。
従来のロレジウムヨットマスターはプラチナベースのシルバーカラーのみでしたが、2012年に発売されたこちらの116622より、ブルーとダークロジウムが追加されました。
前項の「ヨットマスターの素材」でも言及しましたが、とりわけ独自のプラチナ配合によるダークロジウム文字盤はエレガント&スタイリッシュ。
独特の仕上げによって、角度で表情を変える様も、どこか妖艶です。
現在、スポーツロレックスの全体的な相場高騰によってヨットマスターもまた値上がりしていますが、このダークロジウム文字盤が牽引していると言っても過言ではありません。
ただし、現行ヨットマスター40は、ダークロジウム文字盤とブルー文字盤の二択となります。
そのためシルバー文字盤の方の稀少性が高まってきており、ダークロジウム文字盤に肉薄する相場を築き始めています。
大体の相場感としては、ダークロジウム文字盤が220万円台~。
ブルー文字盤が190万円前後~。
シルバー文字盤が180万円前後~となっております。
【第六世代】ヨットマスター40 ロレゾール 116655
型番:116655
製造期間:2015年~2019年
素材:エバーローズゴールド
ケースサイズ:直径 40.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3135)
2015年に発表され、ロレックス初のラバーストラップ、しかもロレックス独自素材のエバーローズゴールドということで一世を風靡したモデル。
「オイスターフレックスブレスレット」で快適な装着感や耐久性といった実用時計としての側面を強化しただけでなく、ヨットマスター特有の斬新なデザイン性も圧巻です。
エバーローズのケースとマットブラックのセラミックベゼル。
さらにダイアルとラバーで黒基調となった一本の中に赤いYACHT-MASTERのロゴ。
ひたすらカッコいいの一語につきるのではないでしょうか。
ちなみにこちらの116655、バイヤーが「長らく市場でなかなか見かけない」と言うほど、品薄気味なモデルです。
何度か言及しているように、現在スポーツロレックスは軒並み相場を上げている状態です。
しかしながらその中心はステンレススティールモデルであり、116655のようなオール金無垢モデルは、派手な急騰は見せていません。
にもかかわらず116655は早い段階から相場を上げ、かつ今なおなかなか在庫確保が難しいモデルとなっております。
それだけ、116655の魅力が、世間の認めるところなのでしょう。
現在はやや落ち着いたものの、相場は定価2,618,000円を超える450万円前後。
後述しますが2019年に生産終了となっており、今後の価格動向から目が離せないヨットマスターのうちの一本です。
ちなみに、新たなるボーイズサイズに当たるヨットマスター37 268655として、同デザインのモデルが同時リリースされています。
「40mmだと、ちょっと大きい」「でも、35mm以下だと、クラシックすぎない?」そんな方々にちょうどよいサイズ感ですので、ぜひ一度ご試着頂きたい一本です。
【第七世代】ロレックス ヨットマスター40 116621
型番:116621
製造期間:2016年~2019年
素材:ステンレススティール×エバーローズゴールド
ケースサイズ:直径 40.0mm
文字盤:ブラウン
駆動方式:自動巻き(Cal.3135)
2016年バーゼルワールドで発表された新作ロレゾールタイプ。
エバーローズゴールドが採用されたことでも話題になりました。
前述したオールゴールドのRef.116655では既に採用されていましたが、お馴染みのメタルブレスレットをエバーローズゴールド仕様としたドレッシーなデザイン性は、またさらにヨットマスター人気を押し上げることとなります。
ゴールドのほのかな気品に、チョコレートのシックなダイアルを採用したことで落ち着いた趣が加わりました。
Ref.116655同様、ダイアル上の赤いYACHT-MASTERのロゴが上手に遊び心を演出します。
また、翌2017年には、ブラック文字盤もラインナップに追加されました。
スポーツシーンのみならず、アフターファイブやパーティーなどにもおすすめしたい逸品です。
なお、平均相場は240万円台~となっております。
ちなみに、やはり同年に新たなボーイズヨットマスター37の、ロレジウムモデルがリリースされています。
【第八世代①】ヨットマスター40 ロレジウム 126621
型番:126621
製造期間:2019年~
素材:ステンレススティール×エバーローズゴールド
ケースサイズ:直径 40.0mm
文字盤:チョコレート・ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3235)
ヨットマスターは、2019年にリニューアルが図られました。
とは言えデザイン面はそのまま踏襲された形です。
大きな変更は、ムーブメント。
従来のCal.3135から、Cal.3235の搭載がスタートしました。
このCal.32○○と付くムーブメントは、ロレックスが2015年頃から自社製品に順次入れ替えていっている機械です。
従来品よりさらに耐衝撃性と耐磁性がアップしたこと。
加えてパワーリザーブが48時間から70時間に延長されたことから、ロレックス自身も「最新世代」と自負する名機。
Cal.3235への移行を以て、ヨットマスターはリファレンスも1166〇〇⇒1266〇〇へと変化しました。
なお、エバーローズゴールドの方は変わらずチョコレート文字盤・ブラック文字盤の二本柱となります。
また、オールエバーローズゴールドの126655も、そのままブラックのバリエーションを踏襲しました。
【第八世代②】ヨットマスター40 ロレジウム 126622
型番:126622
製造期間:2019年~
素材:ステンレススティール×プラチナ
ケースサイズ:直径 40.0mm
文字盤:ダークロジウム・ブルー
駆動方式:自動巻き(Cal.3235)
同じく2019年、Cal.3235への移行を以てモデルチェンジを果たした、ロレジウムの新型ヨットマスターです。
ただし、前述の通り、126622以降はシルバー文字盤が生産終了となり、ダークロジウムまたはブルー文字盤の二択となりました。
なお、ヨットマスター37については、ロレジウム・ロレゾール・オイスターフレックスモデル全てがまだ据え置きの状態で、モデルチェンジは行われていません。
しかしながら前述の通り、ロレックスは積極的に新型ムーブメントへの移行を進めているので、37mmサイズの方に関してもいずれメスが入れられるでしょう。
相場については、デザイン面で新旧に大きな違いがないことから、まだ目立った相違はありません。
しかしながら新型の方がスペックアップしていること。
加えてまだ流通しきっていないことから相場が高く、平均して250万円台~となっております。
【第九世代①】ヨットマスター42 226659
型番:226659
製造期間:2019年~
素材:ホワイトゴールド
ケースサイズ:直径 42.0mm
文字盤:チョコレート・ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3235)
バーゼルワールド2019にて、新型ヨットマスターに新しい顔ぶれが仲間入りしました。
それがこちらの、ホワイトゴールド製モデルです。
ヨットマスターとしては初の42mmサイズとして誕生しました。
一目見て、これまでのヨットマスターとは全くデザインを異にすることがおわかり頂けるでしょう。
画像引用:ROLEX
このインパクトのある印象は、ベゼルにセラミックを搭載させたことも大きいですね。
伝統的にヨットマスターにはゴールドやプラチナといった貴金属ベゼルが用いられてきました。
しかしながら今作ではブラックセラミック。
しかもデイトナ等で流行りのセラクロムではなく、マットタイプです。
さらにオイスターフレックスを搭載させることで、よりスポーティーで、よりカッコいいラグジュアリー・スポーツウォッチへと昇華されました。
ここ数年でようやく中古市場にも流通し始めました。
世界中で非常に大きな話題となったため、発売からしばらくは品薄状態でした。
事実、定価が4,577,100円ですが、実勢相場はそれを上回る480万円超え・・・
ただ、発売直後は定価が3,052,500円だったところ、400万円を超える値付けが行われていたため、比較的落ち着いてはきているようです。
今後も、エバーローズゴールドやロレジウムと並んで、ヨットマスター人気を牽引していくことでしょう。
【第九世代②】ロレックス ヨットマスター 42 226658
型番:226658
製造期間:2022年~
素材:イエローゴールド
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3235)
こちらは、ヨットマスター生誕30周年の2022年に誕生したRef.226658。
2019年に誕生した、Ref.226659をイエローゴールドにしたモデルです。
画像引用:ROLEX
ラグジュアリースポーツモデルが軒並み42mm径となってきた近年、満を辞しての登場です。
イエローゴールドの華やかさが好き!という人にはたまらない高級機となっています。
世界的なゴールドの値上げも相まって、定価は4,370,300円。
実勢価格は500万円台~ですが、資産としても求める人の多いモデルでしょう。
【2023年発表】ヨットマスター42 226627
型番:226627
製造期間:2023年~
素材:RLXチタン
ケースサイズ:直径 42.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3235)
2023年、ヨットマスター42に新しいモデルとして登場したのが Ref.226627。
ロレックス独自の素材、グレード5のRLXチタンを採用したこのヨットマスターは、重さ100gを切る軽量かつ堅牢なモデルとしてロレックスファンを驚かせました。
画像引用:ROLEX
グレード5というのは合金されたチタンのことです。
純チタンはグレード2で、時計として加工がしづらいものでしたが、高級機に見合った仕上げをおこなえるようにロレックス独自で合金としました。
2022年に発表された「ディープシー チャレンジ」でも採用され、話題をさらった素材です。
従来、ポリッシュ仕上げを基調としてきた外装はサテン仕上げとなっており、細かく面取りがなされ、耐傷性と高級感を兼ね備えた作りとなっています。
ブレスレットもチタン製で、イージーリンク搭載バックル付き。
これだけ手のかかった高級機ですから、定価は2,029,500円。
まだまだ新しいモデルなので実勢価格は500万円前後〜。
この価格でも欲しいという方が後を絶たないモデルなので、出会えた方は幸運かもしれません。
ロレックス ヨットマスターⅡ
最後に、ヨットマスターの上位機種・ヨットマスターIIについてもご紹介いたします!
ヨットマスターII 116680
型番:116680
製造期間:2007年~(2017年に文字盤仕様がマイナーチェンジ)
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 44.0mm
文字盤:ホワイト
駆動方式:自動巻き(Cal.4161)
ヨットマスターをベースに、本格的なヨットレースに特化したスポーツモデルとして2007年誕生したのがヨットマスターⅡです。
44mmとかなり大型のケースに、世界初のレガッタ・クロノグラフを搭載していることで一躍脚光を浴びました。
レガッタ・クロノグラフとはカウントダウンができる機能のことで、ロレックスが独自に開発した、ロレックスの中で最も複雑と称されるムーブメントです。
ベゼルとムーブメントが連動しているリングコマンドベゼルで、最大10分までのカウントダウンを可能に。
また、ベゼルには高い耐傷性・耐蝕性を持つセラミックベゼルを採用。
ヨットマスターについていたデイト表示を省くことで、特殊機能と視認性の両立を実現しました。
ヨットマスターⅡはその特殊機能に注目されがちですが、デザイン面でもヨットマスターI、そして他のスポーツラインとは一線を画します。
モデル名があしらわれた青いセラミック製のセラクロムベゼルにホワイトダイアル。
特徴的なスモールセコンドを起点に、扇型で青く縁取られたカウントダウン10分計が付されており、醸し出されるマリンテイストはヨットマスターから高級感を受け継いでいることを示唆しています。
コンプリケーションムーブメントであるCal.4161を搭載していますが、 パワーリザーブは約72時間ときわめて利便性が高いことが特徴です。
また、プロフェッショナルモデルらしく、100m防水というのも嬉しいですね。
基幹モデルとなるRef.116680はオールステンレスですが、ヨットマスターⅡは現行でオールイエローゴールド、ロレゾール、ホワイトゴールドとプラチナのコンビネーションのラインナップがあります。
※ヨットマスターII ロレゾール 116681
※ヨットマスターII オールイエローゴールド 116688
なお、ヨットマスターIIは2017年に文字盤一部がマイナーチェンジしております。
まとめ
「スポーティー」の枠に捕らわれず、ともすればフォーマルウォッチのようなエレガンスを携えるヨットマスター。
それでいて日常に息づくことを前提として製造されているところは、最高のウォッチメイカーでありエポックメイカーであるロレックスならではです。
ロレックスウォッチの中でも人と少し違ったモデルをお探しの方は、一度ヨットマスターをお手にとってみてはいかがでしょうか。
プラチナやゴールドが持つ重厚感と高級感に触れられること請け合いです。
※掲載する定価・相場は、2024年8月現在のものとなります。