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アンティークロレックス(ヴィンテージ) 人気売れ筋ランキング
最終更新日:
「人気のアンティークロレックスが知りたい」
「アンティークロレックスの売れ筋モデルってどれ?」
時計好きなら一度は覗くアンティークロレックスの世界。
今ではヴィンテージという呼び方も一般的ですね。
世界的なオークションハウスで高値取引される個体も多く、中には億超えの値段がつくものも・・・!
こんな背景から、購入が難しそうと思う方が多いかもしれません。
しかしながら近年ではファッション業界全体がクラシック回帰に動いており、年々アンティーク市場が広がっています。
そんなアンティーク(ヴィンテージ)ロレックスの人気モデルが知りたいという人は多いのではないでしょうか。
アンティークロレックスは意外と扱いやすい・手に入れやすいものが多いです。
この記事では人気のアンティークロレックスを、GINZA RASINの売上データをもとに紹介します。
アンティークロレックスの定義についても解説しますので、中古ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
※掲載する情報は2023年1月現在の情報となります。
※簡易的な相場を掲載しておりますが、アンティークはコンディション等によって大きく価格を変えるケースが多々あります。参考程度にお読みください。
目次
アンティーク(ヴィンテージ)ロレックスの定義
人気売れ筋ランキングを発表する前に、「アンティーク」「ヴィンテージ」とは一体どのような年代の、どういったロレックスを指すのかをご紹介致します。
実は明確な定義のようなものはないのですが、1970年代~1980年代以前に製造されたものを指すことが多いでしょう。
また、ロレックスは型番に数字を用いていますが、4桁のモデルはアンティークに分類されます(現行は6桁)。近年では5桁の一部モデルもアンティークとして扱われており、分類は遷移し続けています。
なお、今回のランキングは当店での売上本数のデータが基となります。そのため入荷状況によってランキングは左右されることとなり、比較的出回っているものが上位になりやすい傾向にあります。
一方でデイトナの一部モデルのように注目度は高いのに滅多に出回らない、と言った類のアンティークロレックスもございます。
例えばシードゥエラーのRef.1665(初代モデル)の中には赤シードと呼ばれる極めて稀少な個体があり、700万円近い販売価格のものも・・・
そのため売上高ではトップクラスであるものの、なかなか入荷できないため、今回のランキングには載っておりません。
左:デイトナ第三世代のRef.6263 / 右:赤シードゥエラー Ref.1665
こういった背景から、今回のランキングに入っていないアンティークロレックスが人気がないかと言うとそうではありません。
ただし、よく出回っている個体は扱いやすく、何かあった時にメンテナンスも受けやすいこと。そのため再販時にも、比較的どのお店でも受け入れやすくオーナーが売りやすいことを意味します(もちろんアンティーク時計にノウハウのある専門買取店に持ち込むことが前提となりますが・・・)。
アンティークロレックス 人気売れ筋ランキング10位 エクスプローラーII 1655
エクスプローラーII 1655
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
ムーブメント:自動巻きCal.1570
防水性:100m(当時)
製造期間:1971年~1984年
まず10位にランクインしたのは、エクスプローラーIIの初代モデル1655です!
エクスプローラーIの上位モデルとして誕生し、24時間針と固定された24時間ベゼルによって昼夜表示ができる性能が大きな特徴です。
ちなみにエクスプローラーIは名前の通り「探検家」を意味しますが、エクスプローラーIIは洞窟探検家という何ともニッチなターゲティングが行われました。外光が差さない洞窟内だからこそ、24時間表示が重要視されたのでしょう。
なお、現行では文字盤カラーは黒・白のツーラインですが、発売当初は黒一色のみでした。
発売当初から人気が高く、かつ比較的製造期間は長いのですがニッチであったためか現在ではそう多くは出回っていません。また、現行エクスプローラーII 216570はこの初代から24時間針の意匠を継承していることもあり、ロレックスファンなら抑えておきたい、といった立ち位置です。
エクスプローラーII 1655 相場・レア仕様について
エクスプローラーII 1655は、ロレックス人気と相まって実勢相場をグングン上げている個体でもあります。
とりわけ文字盤仕様によって金額が大幅に揺れます。
と言うのも、初代エクスプローラーII 1655の初期型文字盤は大きく分けて三つ(マークI、II、II)存在します。
最初期のマークIダイアルは秒針にドットが無いストレート針が使われていることが特徴で、また12時位置の王冠マークやロゴ表記が小さめ。
1655のマークIダイアル(画像出典:https://www.revolution.watch/tooled-rolex-explorer-ii-reference-1655/)
その後1972年頃からマークIIと呼ばれる文字盤に移行し、夜光塗料が塗布された秒針・ロゴ表記などが大きくなっていきました。
さらに1974年からマークIIIが登場し、いわゆるセンタースプリット(6時位置のSUPERLATIVE CHRONOMETERとOFFICIALLY CERTIFIEDの単語間のスペースが揃っている仕様。レイルダイアルとも呼ばれる)となりました。
1655のマークIII、センタースプリット(画像出典:https://www.revolution.watch/tooled-rolex-explorer-ii-reference-1655/)
さらに年を経て1977年頃になると、マークIV、マークVが出回るようになり、こちらが初代エクスプローラーII 1655のスタンダードと言えるでしょう。
相場的には、初期型が圧巻の高額です。とりわけマークIダイアル、かつベゼルもマークI・IIとで若干の違いがあるのですが(ベゼルの数字やメモリが太字)Iの方であれば、280万円近い値付けが行われる個体も!
また、マークIIIのセンタースプリットもなかなかのレア仕様で(3年程度しか製造されていないため)、400万円超の値付けが行われることもあるような、高額アンティークロレックスの代表格です。
エクスプローラーII 1655の人気の秘訣
こんな話をすると「のっけから手を出しづらい!」と思うかもしれませんが、ご安心ください。
アンティークロレックス、特に1655のように比較的製造期間が長いモデルはどうしても仕様によって価値を変えるという多面性を持ちがちなのですが、マークIIやマークIV以降の個体であればコンディションにもよりますが180万円台~出回っております。
もちろんアンティークロレックスの中でも高額ですが、エクスプローラーII 1655の「初代」「現行に続くデザインコードを確立した」と言ったアイデンティティを鑑みれば、むしろ適正価格と言っていいでしょう。
搭載されるムーブメントCal.1575(1570系)も、クロノメーター認定×ハック機能付きに加えて優れた性能を有しており、発売から40-50年経過する今なお実用的。比較的出回っている機械ですので多くの修理店でメンテナンスが受けやすく、ご予算が許せば「初めてのアンティークロレックス」としても太鼓判を押したい逸品です。
ちなみにさらに価格を抑える秘訣として、交換された文字盤の個体を選ぶ、というのも手。
これはマークVI、VIIなどと分類されるのですが、オリジナルとは言えないものの当然デザインは同一となります。ファン垂涎の仕様よりもデイリーユースを第一にお考えの方は、このような選択肢もぜひ考えてみて下さいね。
もう一点、1655ならではのヴィンテージらしい特徴があります。
全ての個体で言えるものではないですし、文字盤同様オーバーホールの際に交換されてしまっているケースも少なくないのですが、24時間針の夜光が良い具合に焼けて特殊カラーになったものが存在します。
もともと初代1655はオレンジカラーなのはご存知の通りですが、市場に出回っているものの中には黄色や、黄色を通り越して白っぽくなっている(アルビノ針と呼ばれる)個体が見られます。
1970年半ば頃までの個体の一部がこのような経年変色を見せているようですが、正確にどの製造年代のどの個体が、ということはわかっていません。
こういったレア仕様があるからこそ、アンティークロレックスは楽しいんですよね!
アンティークロレックス 人気売れ筋ランキング9位 エクスプローラーII 16550
エクスプローラーII 16550
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
ムーブメント:自動巻きCal.3085
防水性:100m(当時)
製造期間:1984年頃~1988年頃
第9位にランクインしたのは、先程ご紹介したエクスプローラーIIの二代目です!
製造期間は1984年頃~1988年頃と「アンティーク」「ヴィンテージ」と呼ばれている年代ではなかったのですが、最近仲間入りするようになりました。
確かに世代的には新しく「ポストヴィンテージ」に分類されることもありますが、実は16550、他のアンティークロレックスを凌ぐようなミステリアスっぷりを発揮しています。例えば「1984年~1988年の間で二年しか製造されていない」とか、「1988年に販売開始された」とか・・・製造について、色々な説が出回っているのです。
その謎の深さからコレクターズアイテムとして注目度が高く、晴れてアンティークロレックスの仲間入りを果たしたのでしょう。
前述した1655と比較して頂くとよくわかるかと思いますが、外装デザインが随分変わっていますね。
ベゼルやインデックス、針などがブラッシュアップされ、スタイリッシュな印象が強くなりました。なお、このデザインコードは、現行216570まで続いていくこととなります。
デザインのみならずプラスチック風防からサファイアクリスタルに変わったり、ムーブメントがCal.1575からハイビートの3000番台「Cal.3085」の搭載になったりと、性能もまた現代風にリファインされました。
また、黒オンリーだった文字盤カラーに白が追加されたことも16550世代の特徴です。
なぜ16550が短命に終わったかは定かではないのですが、一説にCal.3085に初期不良が多かったから、と言うものがあります。
確かに第三世代にあたるRef.16570がリリースされると、ムーブメントは後継機のCal.3185が搭載されるようになりました。
しかしながら今出回っているCal.3085搭載機(GMTマスターII 16760も)が他の年式の古いロレックスと比べて性能が劣るかと言うとそのようなことはありません。
Cal.3085は時針の単独稼働を行うことで第二時間帯表示(GMT機構)が可能になったり、振動数が28,000/時のハイビートになったため精度アップしたりと、前述の通り間違いなく性能はアップしております。
むしろ、わずか数年しか製造されていないという事実がレアリティをアップさせ、コレクターからの熱視線を集める要因となっていることを鑑みると、今最も狙うべきアンティークロレックスの一つと言えるのではないでしょうか。
エクスプローラーII 16550 相場・レア仕様について
一方でランキング10位の初代エクスプローラーIIと比べると、相場を上げ切っていない印象です。
もともとエクスプローラーII自体がデイトナやサブマリーナなどと比べると落ち着いた相場感を保っていること。16550はデザイン的には現行品と大きく変わらないことなどから、通常モデルであれば黒・白モデルともに大体100万円程度~販売されております。もっとも、ほんの一年前は80万円程度で出回っていたことを鑑みれば順当に相場上昇していると言って差し支えありませんね。
なお16550の中にも、レア仕様ゆえにあっと驚くプレミア価格を記録している個体がいくつかあります。
それは大きく分けて「センタースプリット」「スパイダーダイアル」「アイボリーダイアル」です。
センタースプリットとは、10位の1655でもご紹介したように、文字盤下部のSUPERLATIVE CHRONOMETERとOFFICIALLY CERTIFIEDの単語間のスペースがきっちり中央で揃っている仕様でしたね。1960年代~1970年代頃に製造された一部スポーツロレックスに見られるレア仕様なのですが、第二世代の16550でも発見されています。
次にご紹介したいスパイダーダイアルとは、1980年代に製造された黒文字盤にまま見られる仕様です。
※別モデルですが、キレイにヒビいったスパイダーダイアル
文字盤が割れてヒビが入った個体なのですが、これがキレイに入った個体が、なんと高値で取引されるのです!もちろんただ割れていれば良い、というわけではなく、蜘蛛の巣状に入った個体でなくてはなりません。
そしてアイボリーダイアルとは、文字通りアイボリー色となった16550を指します。16550の中では最も有名なレア仕様と言ってもいいでしょう。
※左が通常モデル、中央と右側がアイボリーダイアル。特に右の個体は大変美しい
退色によって独特のアイボリーに彩られたのかと思いきや、よくよくインデックスや針を見て頂くと、白文字盤は黒フチであるのに対してアイボリーダイアルはシルバーで縁取られていますね。
つまり、ラインナップの一環としてリリースされた可能性が高い、ということ!
これらレア仕様は16550の中でも高値取引されており、中には200万円超えの個体も!
GMTマスターIIやサブマリーナ並のプレミアアンティーク・・・
歴史あるアンティークの世界だからこその実勢相場と言えるでしょう。
アンティークロレックス 人気売れ筋ランキング8位 GMTマスター 1675
GMTマスター 1675
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
ムーブメント:自動巻きCal.1565または1575
防水性:50m(当時)
製造期間:1959年頃~1979年頃
第8位は、これぞアンティーク・ヴィンテージロレックス!GMTマスターの第二世代Ref.1675です!!
GMTマスターはロレックス唯一のパイロットウォッチです。1955年、米国パンナム航空のパイロットのために製造されました。
この第二世代は、そのパイロットウォッチを民生向けに1959年頃からリリースしたモデルとなります。
その後約20年に渡って製造され続けるロングセラーであることは、ご存知の方が多いかもしれません。
この1675、ラインナップが多すぎてアンティークロレックスを複雑にしている一因です。
と言うのも、この第二世代より、ステンレススティール、イエローゴールド、そして後年ロレゾールの名前でも知られるSS×YGのコンビネーションが素材ラインに加えられることとなりました。GMTマスターは以降、スポーツロレックスには珍しくカラーバリエーション(素材のみならずベゼル、文字盤含む)を豊富に獲得することとなります。
ただ、最も有名なのは、赤青の通称ペプシカラーベゼルではないでしょうか。
実はGMTマスターはそのカラーの奇抜さゆえに、かつてはそこまで定番でもありませんでした。しかしながら2018年、126710BLROとしてペプシベゼルのGMTマスターIIが復刻されたことを見れば、現状の人気は明らかですね。
なお、2018年以降ステンレススティール製GMTマスターIIにはジュビリーブレスレットが採用されることとなり、スポーツロレックスでは見慣れない、といった声も聞こえました。
しかしながら第二世代のGMTマスター 1675からオイスターブレスレットとジュビリーブレスレットのラインナップが見られており、かなり忠実なリバイバルであったことがわかります。
GMTマスター 1675 相場・レア仕様について
バリエーションの豊富さ以外にも、1675を複雑にする要因があります。それは、20年以上に渡る製造期間の中でリューズガードやら針やらミニッツサークルやらが変わり、その仕様の違いで相場も変わる、というもの。
後述しますがこういったレア仕様によって1675全体の相場が底上げされており、「プレミア価格の代表的存在」にもなってきました。
でも、実際は20年の製造期間があるため、流通量は少なくありません(もちろん状態の良い個体は年々減ってはおりますが)。
また、1675よりムーブメントがCal.1575のクロノメーター認定機となったことで実用性はいや増しており、アンティークデイトナやサブマリーナが実勢相場をグングン上げる中で、かつては「安価に普段使いできるアンティークロレックス」と言った立ち位置でした。
とりわけ黒ベゼルは比較的安価に売買されていました。
と言うのも、黒ベゼルの1675は交換された個体である可能性が高いためです。昔からサブマリーナは高額だったので、「似ているから」という理由で交換していく方が多かったものです。
そんな背景もあり、GMTマスターは高い、高い、とは言え、通常のSSモデルであれば140万円程度~の実勢相場を築いています。
もちろん高額ですが、GMTマスターは現行含めほとんどが高騰しているためその勢いにつられている、といった要因の方が大きいもの。そのためアンティーク初心者にもお勧めしたいのが1675です。
価格面や流通量の豊富さに加えて、アンティーク初心者に1675をお進めしたい理由がもう一つあります。
それは、どの個体でも比較的「アンティークらしさ」「ヴィンテージの風合い」を楽しめること!
プラスティック風防、アルミベゼルの良い感じの退色、トリチウム夜光の焼け・・・とりわけ赤青ベゼルの赤の部分がピンクになったりオレンジ味を帯びていたり、青がネイビーや水色になったり・・・ちなみにロレゾール1675でブラウン×ゴールドベゼルがあるのですが(海外ではルートビアの相性で親しまれる)、良い感じに色が退色して渋くなります。
こういった現行では絶対に味わえない「自分だけのロレックス」を所有できるというのは、アンティークのだいご味ですね。
ちなみに前述の通り、1675にもレア仕様があります。
むしろ、1960年代に生まれたロレックスらしく、レア仕様が多岐に渡ります。
ただ、有名どころを一つ挙げるとすれば、「ミラーダイアル」ではないでしょうか。
ミラーダイアルとは、まさに「鏡のような輝き」になった文字盤を指します。GMTマスターのみならず、エクスプローラーやサブマリーナ、デイトナなどの黒文字盤を中心に確認されています。
1967年頃までに製造されたアンティークロレックスに見られる仕様で、独特のツヤ感があることが魅力。年代によってラッカー系染料とニス系染料に分類されます。ちなみにロゴやプリントされた文字がゴールドカラーなことも特徴の一つです。
基本的にミラーダイアルの個体は高値となり、通常モデルの1.5~2倍程度の相場を築きます。
しかもミラーダイアルは鏡のように割れやすい特性を持っており、現存する個体はヒビ入りが多め。しかしながら逆説的にミラーダイアルを証明することにもなり、ヒビが入ったからといって安く手に入るかと言うとそういうわけでもありません。
また、「ロングEダイアル」と呼ばれる個体もあります。
左:ロングEダイアル 右:通常ロゴ(とは言えブラックミラーですが)
これは文字盤ロゴのROLEXの「E」の文字の真ん中が長く表記された個体で、海外ではマークIダイアルなどとも呼ばれております。
初期に見られる仕様で、ロングEのレア仕様もさることながら、この個体は文字盤がアンティークロレックスでは貴重of貴重のブラウンダイアルに変色しやすいこともミソ。
その他にはGMT針が小さい「小GMT針」、センタースプリット、黒ベゼルが青っぽく変色した通称「ブルーベリー」などがレア仕様として認知されており、個体によっては200万円~300万円が当たり前、なんて実勢相場を築いています。
ただ、繰り返しになりますが、1675は比較的流通量が多いことが魅力です。
そのため入荷状況が良好で、今回のランキング8位として君臨することとなりました。
もちろん必ず目当ての個体がいつも販売されている、というわけではありませんので、欲しい一本があったら即決がオススメですよ!!
アンティークロレックス 人気売れ筋ランキング7位 サブマリーナ デイト 1680
サブマリーナ デイト 1680
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
ムーブメント:自動巻きCal.1570
防水性:200m(当時)
製造期間:1965年頃~1980年頃
みんな大好きサブマリーナが、7位にランクインです!
8位でアンティークロレックスの中では有名なGMTマスター 1675をご紹介致しましたが、あるいはこちらのモデルの方が「昔ながらの」と言った印象かもしれません。
10年以上前、まだアンティークロレックスがメジャーではなかった時代から、親しまれ続けてきたサブマリーナの過去モデル。その代表とも言えるのが、デイト付きサブマリーナの初代Ref.1680です。
サブマリーナの初代5513も有名ですが、1680人気もまた根強いものがあります。
これまでノンデイトであったサブマリーナにデイト機能が取り付けられたこと。さらに、視認性向上のため、サイクロップレンズが採用されたことで1680のアイデンティティ。
さらに、この1680は年代は古いながら、「レア仕様」と呼ばれ相場の上げ下げを大きく分ける個体が一般的には「赤サブ」のみ、というわかりやすさが魅力。そのため初めてアンティークロレックスをご購入される方も、選択肢に入れやすいのではないでしょうか。
赤サブは、文字盤中央のモデル名ロゴ「SUBMARINER」が赤く彩られた個体を指します。
1960年代後半~1970年代中頃に製造された1680にのみ確認される仕様で、赤という鮮烈なアクセントがデザインとして魅力的。上位モデルに当たるシードゥエラーにも存在することから、2017年には「赤シード」としてリバイバルされるに至りました。
ちなみにこの赤サブも、最近では研究が進んでさらにマークI~Vに体系立てられました。
ロゴなどの仕様でバリエーションがあるのですが、最も価値を持つのがメーターファーストです。
※画像はサブマリーナのRef.5513です。
メーターファーストとは防水表記の一種。現行を始め通常のマリン系ロレックスは「●ft=●m」と印字されていますが、初期のサブマリーナ 1675に「200m=660ft」となった個体がメーターファーストです。
赤サブであれば200万円超えが当たり前、中には300万円を超える個体もありますが、「赤サブが高い」と覚えるだけ、というのは非常にシンプルですよね。
通常モデルに関しては、夜光塗料はトリチウム、インデックスも全てがフチなしと特筆すべき仕様変更はありませんが、おおむね150万円程度~。
こちらも一年ほど前は120万円程度で販売されていたにもかかわらず大きな相場上昇を描くこととなりました。もっともこれは、2020年9月に新型サブマリーナがロレックスより発表されたことが大きいかもしれません。現行の人気や注目度が上がると、生産終了モデルもそれに釣られて相場が上がる…といった現象がロレックスでは珍しくなく、サブマリーナも歴代モデルのほとんどで需要を集めているのです。
なお、サブマリーナは防水モデルとして誕生した経緯もあり、もちろん当時の防水性を保っているとは言いませんが、堅牢で経年劣化の影響を受けづらい側面もあります。
ちなみにデザインコードは現行に受け継がれていますが、ケースは薄くブレスレットも巻きブレスのため、やはり「人と被らないサブマリーナ」を楽しむ、という醍醐味もあります。
アンティークロレックス 人気売れ筋ランキング6位 エクスプローラーI 1016
エクスプローラーI 1016
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径36mm
ムーブメント:自動巻きCal.1560またはCal.1570(ハック無・有)
防水性:100m(当時)
製造期間:1960年頃~1989年頃
前述の通り、当ランキングは「売上本数」ベースとなっております。しかしながら売上高に目を向けてみて、ナンバーツーを誇っているのが、こちらのエクスプローラーI 1016です!これまた有名なアンティーク・ヴィンテージロレックスと言えますね。
エクスプローラーと言えば「探検家」のためにリリースされたスポーツモデルで、そのデイト表示すら持たないシンプルさゆえに、ロレックスのエントリーモデルとしても親しまれてきました。シンプルゆえにオンオフ問わず使える汎用性、そして低価格帯でリリースされていることが大きいでしょう。
しかしながらことアンティークとなると話は変わってきます。
エクスプローラーIのアンティークは1953年に誕生した「6350」、1954年の「6610」(併せて1960年頃海外向けに発売された5500・5504)、そして1960年代~1980年代末までエクスプローラーの顔としてロレックス人気を牽引した「1016」が挙げられます。
1016より前のモデルはもうオークションクラスの希少個体で、普通の販売店で購入することは難しいでしょう。
一方で1016であれば、かなりメジャー。
一部個体を覗けば流通量が豊富で、またシンプル機能ゆえに扱いやすい個体が揃っております。
そのため、当ランキングでも6位を誇ることとなりました。
エクスプローラーI 1016 相場・レア仕様について
エクスプローラーI 1016は、搭載するムーブメントによって「前期型」「後期型」に分類することが可能です。
すなわち、ハック機能無のCal.1560またはCal.1570を搭載した前期型、ハック機能有のCal.1570を搭載した後期型です。
ハック機能とはリューズを引くと秒針が止まり、より正確に時刻合わせができる、という機能を指します。1972年頃に登場しました。
ハック機能以外にもメンテナンス性を高めたりと性能面では後期型に軍配が上がりますが、1560が使いづらいというわけではありません。
むしろ前述の通りシンプル機能ですので衝撃などにも強く、年式が経っているにもかかわらず良好なコンディションを維持しているものは少なくありません。
とは言え後期型の方が人気は高くなります。
特に1980年代後半の製造にあたるR番やL番は当店でも非常に多くのお問合せを頂きます。
やはりアンティークとは言え、年代が新しめの方が扱いやすい、というのはありますね。
大体の相場感をお伝えすると、前期型が150万円前後~、後期型は200万円程度~(R・L番はさらに高くなりますが)となっており、後期型はやや高価格帯となります。
なお、アンティークロレックスのお約束として、プレミアモデルが存在します!
それは、前期型の中でもさらに「初期型」に分類される文字盤仕様です。
初期の1016には前世代の6610で使われていたと思しきミラーダイアルが存在します。
※上の画像はミラーダイアルのうえ、外周に円を描くようにラインが入ったミニッツサークル。しかも6時インデックスの下に一点夜光が入った「6ドット」という、超希少種な1016
ミラーダイアルは1967年頃までに製造されたロレックスで確認される仕様で、以降のマットダイアルと比べて破格の相場を築いているのはお話した通りです。
さらに、このミラーダイアルはブラウンに変色することがありますが、1016のブラウンチェンジしたミラーダイアル個体に「トロピカルブラウンダイアル」の異名を持つ個体があります。
このトロピカル1016が、もうマニア垂涎。当店でアンティーク時計に精通したバイヤーですら、「数年に一度出会えるかどうか」と語るほどです。
価格は大体200万円~250万円が当たり前、さらにミニッツサークルともなれば300万円を超えるほど・・・!!破格と言っていいでしょう。
冒頭で「売上高ではナンバーツー」と表記しましたが、このレア個体のプレミアぶりが凄まじいことで、他の1016が落ち着いていても平均売上高を押し上げている形となります。
惜しむらくは、初期製造された個体であっても、文字盤交換されてしまっているケースの多いこと!
ロレックスはオーバーホールなどメンテナンスの際にパーツに劣化が見られると、交換対象となってしまいます。そのため当時の文字盤が現存していて、さらに美しいトロピカルブラウンに変色しているということが、いかに奇跡的でアンティーク・ヴィンテージならではのロマンに溢れるかがおわかり頂けるでしょう。
アンティークロレックス 人気売れ筋ランキング5位 GMTマスター 16750
GMTマスター 16750
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
ムーブメント:自動巻きCal.3075
防水性:100m(当時)
製造期間:1980年頃~1988年頃
第5位にランクインしたのは、GMTマスターの第三世代16750です!
売上高でもナンバー3という、本物の実力者!詳しくは後述しますが特にレア仕様などがない個体であれば120万円程度で取引されているにもかかわらず、この売上本数・売上高というのは、16750がアンティークロレックスの中でもいかに人気を得ているかがおわかりいただける事実ではないでしょうか。
16750とは先程ランキング第8位でご紹介したGMTマスター 1675の次世代モデルで、防水性が100mへアップ。また、ムーブメントも3000番台にあたるCal.3075に移行しており、大幅なスペックアップが図られました。
16750より、GMTマスターが「多機能かつ高性能」といった立ち位置を獲得していくこととなります。
なお、Cal.3075はエクスプローラーIIの第二世代16550にも搭載されていましたね。
余談ですがGMTマスターとエクスプローラーIIとは一蓮托生です。「第二時間帯を表示する」という機能が同一であるため(GMTマスターは後年、回転ベゼルを使って第三時間帯まで表示できるようになったが、ベースは一緒)、基本的に足並みを揃えている形です。そのため次のバーゼルワールドではエクスプローラーIIがモデルチェンジするとかしないとか・・・
こういった背景から、16750もまた大幅なスペックアップを果たした、というのは想像に難くないでしょう。
28,000振動/時のハイビート化によって精度向上したことはもちろん、メンテナンス性などにも改良が加えられており、今なお実用に足ることは前述の通りです。
GMTマスター 16750 相場・レア仕様について
なお、16750は8年ほどと製造期間がそこまで長くないこともあり、分類などはシンプルです。
最も顕著なものと言えば、インデックスのフチなし・ありでしょう。
これはGMTマスターだけではありませんが、年式の古い個体はインデックスにメタル製の縁取りがない「フチなし」が採用されています。夜光塗料があるだけ、といったものですね。
16750のフチなしは3年間程度しか製造されていないためフチありより高値ですが、「若干」程度と言っていいでしょう。だいたい150万円台~、といった相場感となります。
なお、16750も厳密にはアンティークではなく「ポストヴィンテージ」とする向きもありますが、フチなしがあることでアンティークとして扱いました。
この程度の価格帯でアルミベゼル&トリチウム夜光といったアンティークらしい風合いを楽しめるのは嬉しいところですね。
ちなみにジュビリーブレスレットの個体も存在します。
1675の項でもご説明したように、GMTマスターはベゼルや素材で多彩なバリエーションを持つことが魅力です。
それは16750にも受け継がれているのですが、第三世代以降は素材によってリファレンスが変わるようになりました(ロレゾールであれば16753、YGなら16758)。
今回のランキング5位はステンレススティール製の16750のみでの売上本数です。やはり16750の人気は強い。今回のランキングを集計していく中で、その思いを確信しました。
なお、16750のレア個体としては、スパイダーダイアルなどが挙げられます。
アンティークロレックス 人気売れ筋ランキング4位 デイトジャスト 16014
デイトジャスト 16014
素材:ステンレススティール×ホワイトゴールド
ケースサイズ:直径36mm
ムーブメント:自動巻きCal.3035
防水性:50m(当時)
製造期間:1977年頃~1988年頃
アンティーク(特にヴィンテージ)ロレックスと言うとまずデイトナやサブマリーナ、GMTマスターなどのスポーツモデルが話題になりますが、ドレス系のデイトジャストも忘れずに!
16から始まる5桁のデイトジャストは、第四世代に当たります。
サンダーバード等名機が多い世代とはなりますが、アンティークロレックス第4位を飾ったのはステンレススティールとホワイトゴールドのロレゾール・16014でした。
第四世代からはプラスティック風防からサファイアクリスタルガラスに変更されており、「いかにもアンティークロレックス」感は薄れてしまうかもしれませんが、傷や劣化がその分少なくなります。
なお、フルーテッドベゼル、ジュビリーブレスレットといかにも「デイトジャスト」らしいデザインコードはそのままに、前世代と比べてCal.3035が搭載されることとなりました。
何度か言及しているように、3000番台のムーブメントは1500番台に比べてハイビート化されていることが魅力です。
また、デイトジャストはご存知の通りバリエーションが本当に豊富で、かつ16000系デイトジャストの多くに搭載された歴史があることから、メンテナンスが受けやすい、という利点があります。
初めてアンティーク時計をご購入になる方は、この「メンテナンスが受けやすい」は非常に大切なファクターです。
ロレックスは早い段階から実用時計を生産しており、メンテナンスが行われた個体であれば製造から数十年が経つ今なおデイリーユースに支障のないケースがほとんどです。しかしながら、やはりアンティーク・ヴィンテージですので、新品同然というわけではありません。
そのため新品に比べると、どうしても不具合やより定期的なメンテナンスが必要になってまいります。
そんな時、「ほとんど流通していないモデル」だとちょっと問題。なぜなら修理ノウハウや互換性のあるパーツが出回っておらず、限られたばしょでしかメンテナンスを受けられない、といった自体に陥ってしまいます。
そこへきてデイトジャスト 16014に搭載されたムーブメントCal.3035は、サブマリーナやシードゥエラー、オイスターパーペチュアルなど多くのモデルに搭載された歴史があります。
そのためメンテナンスノウハウが出回っており、きちんとした時計店で購入すれば、何かあった時のケアを万全に行ってもらえます。
また、Cal.3035はハック機能や日付早送り機能など、現代に続く便利機能が搭載されているため、4桁時代に比べると比較的使いやすいというのもありますね。
実勢相場はコンディションにもよりますが、だいたい45万円程度~。流通量が豊富な分たくさん入荷しており、それだけ売上本数が多い⇒ビギナーが入りやすいモデルと言えるでしょう。
ただ、出回っているアンティークロレックスを購入するうえで気をつけたいのが、信頼できる時計店で、しっかりメンテナンスされた個体を選びたい、ということ。16014なんかは結構どこでも見たりするのですが、著しく安価な個体はメンテナンスされていない可能性が高く、すぐ壊れたり調子が悪かったりと、修理で余計なお金がかかって足が出るケースを耳にします。
いずれにせよ、信頼できる時計店で購入する、ということが大切です。
アンティークロレックス 人気売れ筋ランキング3位 オイスターデイト プレシジョン 6694
オイスターデイト プレシジョン 6694
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径34mm
ムーブメント:手巻きCal.1210、またはCal.1215/1225
防水性:50m(当時)
製造期間:1950年代後半~1970年代頃
いよいよ第3位の発表です!
第3位は、ロレックスの定番かつロングセラーのデザインコードを持ちながら、今は無き手巻きムーブメントを搭載した「オイスターデイト プレシジョン」です!
「プレシジョン」とは正確な、という意味を持つ英語です。1950年代後半~70年代あたりで製造されていたモデルとなります。
ロレックスは「パーペチュアル」の名前でも知られる通り、現行のほとんどが自動巻きです。しかしながら、時計の機構というのはもともとは手巻きから始まりました。自動巻きは、ローターを手巻きにモジュール的に組み込んだ仕様となります。
そのためロレックスでも1950年代は手巻きを中心に生産しており、その当時のデイトナ6264/6263などはご存知億クラスの希少種となっていますね。
しかしながら、オイスターデイト プレシジョンであれば、スポーツモデルではない、ということも相まってか非常にリーズナブル。コンディションにもよりますが、だいたい20万円台後半~30万円台後半で出回っております。近年のロレックスの高騰を鑑みると、かなり安価と言えます。
なお、手巻きはローターがない分、ムーブメントのパーツが少なく、故障に強いとも言われているので、アンティーク入門機としてはうってつけです。
ちなみに当手巻きのCal.1200番台のムーブメントはよく出回っていたので、前項でもご紹介したメンテナンスの受けやすさは抜群です。もちろん信頼性にも定評があるので、ビジネスユースにも良いでしょう。
ケースサイズ34mmというサイズ感が、またアンティークらしいですね。
なお、デイトジャスト同様にオイスターデイト プレシジョンも文字盤デザインが多彩ですが、ミラーダイアルなどは通常モデルと比べると相場が上がります。
アンティークロレックス 人気売れ筋ランキング2位 サブマリーナ 5513
サブマリーナ 5513
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
ムーブメント:自動巻きCal.1520・1530
防水性:200m(当時)
製造期間:1962年~1990年
いよいよ第2位の発表です!それは、サブマリーナ 5513です!!
ちなみに売上高ではナンバーワン。また、前述の通りサブマリーナ自体がまだアンティーク・ヴィンテージロレックスがここまで人気でなかった時代から、確かな存在感を放っていたことを考えると、アンティーク時計の永世定番と言っても過言ではありません。
しかしながら、5513はデイトナ並みの著しい稀少性を持つかと言うとそうではありません。1962年~1990年と非常に長きに渡って製造されたロレックス屈指のロングセラー。サブマリーナ自体はファーストモデルが1953年に誕生していましたが、リューズガードを搭載させ、200m防水&トリプロック仕様&両方向回転ベゼルなど現行のサブマリーナに受け継がれるDNAの始祖となったのが5512、そしてそのディフュージョンモデルとして生み出されたのが5513です。
30年間にわたる製造期間の中で、多くのファンを虜にしてきました。
ちなみにジェームズ・ボンドでお馴染みの映画『007』では、主役を演じたロジャー・ムーアさんが作中で5513を着用しました。
さらに、5513は派生モデルも多く、シードゥエラーの原型とも言われる5514などはコメックスと共同開発されており、ヘリウム・エスケープバルブを搭載するなどロレックスファンにはたまらないエピソードがそこかしこに詰まっていることも魅力です。
ムーブメントは一度変わっており、初期モデルはCal.1520が。そして1957年以降は順次Cal.1530へと変わっていきました。
なお、仕様変更も本当に多いアンティークロレックスのうちの一つです。仕様によって当然相場も変わっており、先程ご紹介したGMTマスターを凌ぐ難しさかもしれません。
詳細をご紹介いたします。
サブマリーナ 5513 相場・レア仕様について
特にこだわりがなければ、仕様の違いはそこまで気にしなくても良いでしょう。通常モデルの相場は100万円前後~となっており、新しいものほどコンディションが良好なものが多くなります(もっとも、1990年前後に製造された個体をアンティーク・ヴィンテージと呼んでいいのかどうか、議論はありますが・・・)。
しかしながらことレア仕様となると、一言では語り切れません。
最もポピュラーなものは、前期型にあたるインデックスのフチなしと後期型のフチありでしょう。
本項でも何度かご紹介しているように、インデックスのメタル枠の有無となります。
フチあり5513が出てきたのは1985年頃となり、そのまま後継機の14060に受け継がれることとなりました。もし「アンティークらしさ」と「レア仕様」を求めているなら、フチなしの前期型からお選び頂くこととなります。
と言うのも、前期型はさらに仕様を細分化することができ、やはりそれぞれで相場が大きく異なるためです。
いくつか代表的なものを掲載いたします。
■MM:ミラーダイアル×ミニッツサークル(1967年頃まで)
特に人気が高いのが、何度もご紹介しているミラーダイアル。さらにミニッツサークル型ともなれば、コンディションによっては500万円の値付けが行われたケースも・・・!
■メーターファースト
ランキング5位のサブマリーナ デイト 1680でもご紹介したメーターファースト。
なお、ミラーダイアルにも1967年頃から移行したマットダイアルにもメーターファーストは存在しています。
■フィートファースト
基本的にサブマリーナは600ft=200m表記となりますが、あえて「フィートファースト」と呼ばれる時は「660ft=200m」表示の下に「SABMARINER」の文字が配されています。そのため「下サブ」の別名も。
マットダイヤルの中期に製造された個体で確認されています。
■ロリポップ
1970年代後半に製造された個体に見られる仕様です。
この時期の個体には「マキシダイヤル」と呼ばれるドットインデックスが通常より大きい文字盤が存在しますが、ロリポップダイヤルは特にインデックスが大きいという特徴を持ちます。
ミニッツインデックスの棒とアワーインデックスの丸がくっついていることから、お菓子のロリポップに喩えられているのでしょう。
なお、ロリポップが確認できるのはマットダイヤルの後期からとなりますが、6時位置の文字が上段「SUBMARINER」下段「660ft-200m」となっており、以降5513を始めとしたサブマリーナの文字盤表記はこの形で定着しました。
これらの他、おなじみスパイダーダイアルやアンダーバーと呼ばれる、ROLEXロゴの下部「OYSTER PERPETUAL」に下線が引かれた個体などが存在し、通常モデルよりも高い相場を築いております。
アンティークロレックス 人気売れ筋ランキング1位 デイトジャスト 1601
デイトジャスト 1601
素材:ステンレススティール×ゴールド(ロレゾール)
ケースサイズ:直径40mm
ムーブメント:自動巻きCal.1565または1575(1975年~)
防水性:100m(当時)
製造期間:1959年頃~1977年頃
GINZA RASINで最も売れてるアンティーク(ヴィンテージ)ロレックス、第一位はデイトジャスト 1601です!
先程第4位で第四世代にあたる16014をご紹介しましたが、1600番台は第三世代に当たります。
そのためプラスチック風防、ムーブメントは1500番台にあたるCal.1565または1575と、アンティークらしさではこちらに軍配が上がりますね。ちなみにCal.1565と1575の大きな違いは振動数であり、前者はは18,000/時、後者は19,800/時となります。
デイトジャストにステンレススティール素材が使われ始めたのは第二世代から。そのためドレスウォッチでありながらもデイリーユースに適した実用時計として重宝されるようにもなり、身近なロレックスといった立ち位置を獲得していきました。
デイトナやサブマリーナが有名ですが、最も所有率の高いロレックスはデイトジャストです(もちろんメンズ・レディースでラインナップされている、という要素が大きいのですが)。
歴代デイトジャストの全てに言えることですが、1601もまたデザインバリエーションが豊富。
そのため安定して流通しており、相場も35万円程度~と非常に良心的。イエローゴールドとのロレゾールであっても40万円台~、レザーベルトタイプであればさらにお安くお求めいただけるでしょう。
とは言えどこでも買えるということは、メンテナンスノウハウのないショップでも販売されている、ということ。繰り返しになりますが、アンティークロレックスは信頼できる時計専門店で購入されることをお勧めいたします。
まとめ
東京 銀座に店を構えるGINZA RASINで、よく売れるアンティーク(ヴィンテージ)ロレックスTOP10をご紹介致しました!
アンティークというと難しそうなイメージがありますが、意外と扱いやすい・手に入れやすいものも多く、実は初めてロレックスをご購入になる方にもお勧め。また、ロレックスは世界的な人気ゆえに「他人との被り」が心配ですが、アンティークモデルであれば個性的な一本を手に入れることも可能です。
この機会に、アンティークロレックスを手に取ってみませんか?
当記事の監修者
田所 孝允(たどころ たかまさ)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 営業物流部長/p>
1979年生まれ 神奈川県出身
ヒコみづのジュエリーカレッジ ウォッチメーカーコース卒業後、かねてより興味のあったアンティークウォッチの世界へ進む。 接客販売や広報などを経験した後に店長を務める。GINZA RASIN入社後は仕入れ・買取・商品管理などの業務に従事する。 未だにアンティークウォッチの査定が来るとついついときめいてしまうのは、アンティーク好きの性分か。
時計業界歴18年。