WEBマガジン, Watches and Wonders Geneva 2024 現地から速報!, 新美貴之, チューダー
速報!2021年チューダー新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
最終更新日:
出典:https://www.facebook.com/tudorwatch/
出自はロレックスの弟分でありながら、兄貴にはできないことをやってのけるチューダー(チュードル)。今では全く異なる路線を突き進み、独自コレクションを拡充してきました。
そんなチューダーはフラグシップのブラックベイを中心に、ますます勢いを加速させています。2020年は新型コロナウイルスの影響で寡作かと思いきや、新コレクション「ロイヤル」を市場に投入し、また新たなる側面を見せつけてくれました。
この記事では2021年にチューダーが発表した、特筆すべきモデルの数々をご紹介致します!
目次
チューダー2021年新作①ブラックベイ クロノ 79360N
出典:https://www.facebook.com/tudorwatch/
スペック
外装
型番: | 79360N |
ケースサイズ: | 直径41mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | パンダ |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.MT5813 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約70時間 |
機能
防水: | 200m |
予価: | ストラップ:530,200円/金属ブレス:564,300円(いずれも税込み) |
2021年は、実はチューダーがクロノグラフを製造してから50周年の節目を迎えます。
チューダーのクロノグラフと言えば、往年のクロノタイムがまず思いつきますね。1976年から歴史を始めた、自動巻きクロノグラフモデルです。しかしながらクロノタイム以前、1971年に手巻きクロノグラフモデルを既にコレクションに追加していました。
現在はクロノタイムは生産終了しており、ブラックベイを始めとするヘリテージラインの中でクロノグラフが息づきます。
そのブラックベイの一角として、2021年、流行りのパンダダイアル(または逆パンダダイアル)モデルがリリースされました!
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
これまでブラックベイ クロノにはいくつかの派生モデルが存在してきました。無骨なブラック文字盤,SS×YGのラグジュアリーなタイプ,あるいはモンテカルロを彷彿とさせるレーシーなデザイン…
しかしながらオフホワイト×ブラック,そしてブラック×シルバーのパンダ文字盤は、あまりブラックベイコレクションには見受けられなかったデザイン!
もっともパンダ文字盤は時計市場でも非常に人気が高く、またブラックベイ人気を押し上げるであろうことは、想像に難くありませんね。
チューダーらしいイカ針(海外ではスノーフレーク針とも)も、良い味わいです。ファンにはたまりません。また、赤が差し色になり、レーシーな印象が加味されているのもチューダーらしい心遣いではないでしょうか。
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
搭載するムーブメントはMT5813。ブライトリングのB01がベースとなっており、精度や実用性の高さでは秀でています。
なお、メタルブレスレット・ファブリックストラップ・台座のついたレザーストラップの計6モデルがリリースされています。
チューダーはロレックスの系譜を引くだけあり、近年では新作や人気モデルの品薄が顕著で、中には定価超えのプレミア相場を築くものも多くあります。
そのためパンダがどう市場に影響するのか。
今年最も目が離せない新作モデルの一つとなりました。
チューダー2021年新作②ブラックベイ 58 シルバー925
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
スペック
外装
型番: | 79010SG |
ケースサイズ: | 直径39mm |
素材: | シルバー925 |
文字盤: | トープ色 |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.MT5400 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約70時間 |
機能
防水: | 200m |
予価: | 467,500円(税込) |
前項で「品薄」「相場高騰」に言及しました。その筆頭とも言うべきチューダーモデルが、ブラックベイ58(フィフティエイト)ではないでしょうか。
ブラックベイ58は、2018年にチューダーのラインナップに追加されました。そしてその後、「正規店で手に入らない」「並行輸入店にもなかなか入ってこない」ような稀少性としても語られるモデルです。事実、30万円台~40万円台がプライスレンジのチューダーには珍しく、定価399,300円のところ実勢相場は一時50万円前後と、プレミア価格と言っていい勢いを築きあげてきました(相場は落ち着いたと思われたものの、今なお新品40万円前後~)。
そんなブラックベイ58に2020年、オールブルー文字盤が追加されたことで、さらに人気を加速させたように思います。
なお、「58」はサイズが58mmある…というわけではありません。むしろブラックベイの中では小径に分類できる、39mmサイズ。
この名前は、1958年に同社がリリースした200m防水のダイバーズウォッチRef.7924にちなみます。「ビッグクラウン」の名でも知られるこの歴史的名機をリバイバルした、というのがブラックベイ58のコンセプト。
そのため機構は至ってシンプルな3針、そしてオリジナル同様に39mmサイズが踏襲された、というわけです。
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
そして今回新作として発表されたブラックベイ58、驚くべきことにシルバー925を素材として用いました!
シルバー925は、アクセサリーや高級食器等で使われていることもあります。
なお、925とはスターリングシルバーとも呼ばれ、銀の含有率が92.5%。そしてその他の合金で形成された素材となります。今年はゼニスもまたパイロットウォッチで当該素材を使い、話題となりました。
シルバーは美しい一方で硬度はそこまで高くはなく、また変色しやすい特性があります。しかしながら近年では合金に工夫を凝らすことでこの特性を補う試みも始まっています。ブラックベイ58はダイバーズウォッチがその根幹にあるので、強度に関しては独自合金によって補強しているのではないでしょうか。
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
さらに特筆すべきは、同コレクション初となるシースルーバックが採用されていること!
搭載するムーブメントMT5402の意匠を、オーナーは鑑賞できる仕様となりました。これまでブラックベイの基幹ムーブメントとして活躍してきたMT5402を見られると言うのは、ファンには嬉しいところです。
文字盤はシルバー素材に合わせて渋みのあるトープカラーを採用。こちらもイカ針によって、チューダーらしさが醸し出されます。
ラインナップはレザーストラップまたはファブリックストラップ。どちらも税込価格が467,500円と、シースルーバックを採用したためか従来の365,200円から約10万円ほど値上がりしています。
とは言えロレックス同様に実勢相場が気になるところ。こちらも入荷が待ち遠しい逸品です!
チューダー2021年新作③ブラックベイ 58 イエローゴールド
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
スペック
外装
型番: | 79018V |
ケースサイズ: | 直径39mm |
素材: | 18Kイエローゴールド |
文字盤: | グリーン |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.MT5400 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約70時間 |
機能
防水: | 200m |
予価: | 1,823,800円(税込) |
もう一本、ブラックベイ58から、2021年新作が発表されています!なんと、ゴージャスな18Kイエローゴールドモデルです!
リーズナブルな価格設定の多いチューダーの中では、非常に珍しい顔触れではないでしょうか。
もっとも、生産終了したサブマリーナやクロノタイムの実勢相場は、はたせるかな、100万円近いモデルも珍しくはありません…とは言え現行に関して言えば、30万円台~40万円台がプライスレンジです。
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
オール金無垢もかなり稀有ですね。これまでSS×イエローゴールドモデルはいくつかリリースされてきましたが、あくまでコンビであること。また一部に金張りを採用してきたことを鑑みると、180万円台という定価設定と相まって、かなり思い切った舵取りだな、と思わされました。
そんな特別感の演出のためか、やはり同社ではかなり珍しいマットグリーンの文字盤が採用されることに。
ちなみにパテックフィリップやオーデマピゲも2021年、グリーン文字盤をコレクションに追加しています。高級時計とグリーンの親和性は既に証明されていると言えるので、このブラックベイ58もまた、デザイン面での死角はないと言えるでしょう。
基本スペックは従来のブラックベイ58と変わらず。
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
シースルーバックによってMT5400の意匠を鑑賞することが可能です。
200m防水も、他のブラックベイ同様に堅持されました。
ちなみにもう一点、イエローゴールドブラックベイ58の大きな特徴として、ファブリックストラップ・レザーストラップともに付属する、ということ!
かつてチューダーは替えベルトを付属品にしていましたが、現行ではストラップごとに独立モデルとして扱われています(つまり、替えベルトは付属しません)。
そんな中でハイエンドであるがゆえか、二種のストラップを楽しめるのは嬉しいところですね。
こちらも入荷を待ちましょう!
チューダー2021年新作④ブラックベイ 32/36/41
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
スペック
外装
型番: | 79580//7950079540 |
ケースサイズ: | 直径32mm/36mm/41mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | シルバー |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.T600 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約38時間 |
機能
防水: | 150m |
予価: | モデルによる |
デイト窓しか持たないシンプルさ、そして良心的な価格設定からブラックベイの中でも根強い人気を誇るのが、こちらのモデルです。
回転ベゼルも搭載していないため、どこかエクスプローラーIとかオイスターパーペチュアルを彷彿とさせますね。
このスタンダードなブラックベイに、シルバー文字盤が追加されました!
もともと2017年の初出時、ブラックオンリーだった同個体は、2018年にブルーを加え、さらに今年シルバーを携えた形です。
堅調にコレクションを拡張していってますね。
サイズ展開は32mm,36mm,41mm。
また、ファブリックストラップ及びレザーストラップもそれぞれでラインナップされました。
定価は以下の通りです。
◆32mm
メタルブレスレット:308,000円
ストラップ:273,900円
◆36mm
メタルブレスレット:319,000円
ストラップ:284,900円
◆41mm
メタルブレスレット:331,100円
ストラップ:297,000円
まとめ
チューダーの2021年新作をまとめてご紹介致しました!
今年も基幹コレクションのブラックベイに新作が追加されることとなりましたが、パンダダイアルやシルバー925にイエローゴールド・・・これまでのチューダーとはまた違った顔を楽しめるラインナップであったのではないでしょうか。
なお、いずれも発売は4月8日~とのこと!
実機をお目にかかれる機会が意外と早く来るのは嬉しいですね。また当店でも入荷がかないましたら、ホームページに順次掲載していきますので乞うご期待!
2021年新作情報はこちら!
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年