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速報!2022年チューダー新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
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出典:https://www.tudorwatch.com/ja
2018年、わが国でも正規販売をスタートさせてより、知名度・人気ともに高まり続けているチューダー(チュードル)。
ロレックスのスピリットを感じさせるデザイン・コンセプトを採用しつつ、チューダーらしさや良心的な価格設定を特徴とする点に、チューダーの魅力の真髄があるように思います。
そんなチューダーは、例年意欲的に新作発表するブランドでもあります。チューダーの存在感をまた高めることとなった2022年新作とは?
目次
2022年チューダー新作①ブラックベイ プロ Ref.M79470
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径39mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | ブラック |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | Cal.MT5652 |
パワーリザーブ: | 約70時間 |
機能
防水: | 200m |
定価: | ブレス:455,400円/ストラップ:419,100円 |
ロレックスの姉妹ブランド・チューダー(チュードル)。1926年にロレックスの創設者ハンス・ウイルスドルフの代理でスイス時計メーカーが「TUDOR」を商標登録したことに端を発するブランドです。
チューダーはロレックスがイギリス市場での普及を目指して展開した廉価ブランドとなり、ロレックスの外装パーツやデザイン・コンセプトを用いつつも、汎用ムーブメントを搭載することでお求めやすい価格帯を実現してきました。
近年ではロレックスとの姉妹ブランドとしての歴史をフィーチャーしたコレクション展開を行いつつも、ロレックスとはまた違った独自路線を突き進むことで自社のファンを獲得しています。長らく正規店が不在だったわが国にも、2018年に本格進出。年々知名度・人気が上昇しているブランドでもあります。
そんな背景を持つチューダーの2022年新作、まず最初にご紹介するのはブラックベイ プロ。ロレックスの初代エクスプローラーIIを彷彿とさせるデザインですが、これはまた時計ファンの心をくすぐるカッコよさです!
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ブラックベイは、もともとチューダーが1954年にリリースされた、同社初のダイバーズウォッチ「オイスタープリンス サブマリーナー Ref.7922」の系譜を引くコレクションです。
このサブマリーナ―の名前からもわかる通り、本家ロレックスの同名コレクションからインスパイアされています。
もっともインスパイアとは言え、チューダー独自のデザインが味わえるのも、同社サブマリーナーの大きな魅力!とりわけサブマリーナー第二世代に突入した1969年、Ref.7016およびRef.7021がリリースされますが、現行ブラックベイやペラゴスにも続くイカ針(スノーフレーク針)やスクエアインデックス仕様が用いられるようになり、ロレックスとはまた違った世界観を楽しめる人気コレクションとして成長していきました。ちなみにオールドチューダーの中でも、サブマリーナーは今なお屈指の人気を誇っていることは特筆すべき点です。
そんなサブマリーナーをチューダーが2012年に復刻します。これがブラックベイです。
発売当初は逆回転防止ベゼル、サテン仕上げがメインとなった精悍な外装、視認性の高い文字盤等を持った、オーセンティックなダイバーズウォッチでしたが、現在では多彩なバリエーションを加えており、メンズ・レディースともに高い人気を誇ります。
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そんなブラックベイに新たに加わったのは、その名も「ブラックベイ プロ」!
他のブラックベイ同様にサテン仕上げが基調となったケース・ブレスレットの精悍さもさることながら、同じくマットなメタルベゼルがヴィンテージ然としていて、繰り返しになりますがとにかくカッコいいです。
24時間スケールの黒字やオレンジの24時間針はロレックスの初代エクスプローラーⅡを彷彿とさせるものの、チューダー特有のイカ針が搭載されることで独創的な顔立ちとなりました(もっともエクスプローラーⅡも相当独創的ですが)。なお、ベゼルは固定式となっております。
チューダーの心憎いところは、ケース直径を39mmサイズに抑えたことです。
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長らくメンズのスタンダードと言うと直径40mmオーバーの腕時計が挙げられたかもしれません。ちなみにロレックスの現行エクスプローラーIIは42mmです。
しかしながら近年、時計業界に小径化の波がきています。確かにスーツの袖口に収まる30mm台のケースサイズへのニーズは、かなり大きいものがありました。チューダーでは2018年、「ブラックベイ58」として39mmサイズのブラックベイをコレクションに加えますが、これが大ヒット!
ロレックスの血筋か、一時期は正規店でほとんど手に入らず、並行市場でも品薄が続くといった状況でした(今も正規店ではなかなか出会えないと聞きますが)。
こういった市場の要請を理解してか、この度39mmサイズとして新コレクションが加わったというわけです。
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ドーム型のサファイアクリスタルベゼルやブラックダイアル,そして良い風合いを演出する夜光が、レトロ・テイスト極まります。
搭載するムーブメントはマニュファクチュールムーブメントCal.MT5652です。このムーブメントは2018年に登場したブラックベイ GMTにも搭載されていた自動巻きキャリバーです。ちなみにこのGMTモデルも、品薄で話題となっております。
チューダーにとってはブライトリングと共同開発したクロノグラフCal.MT5813に次ぐ複雑機構の自社製ムーブメントとなりますが、COSC認定の高精度、シリコン製ヒゲゼンマイを用いたことによる耐磁性、そして約70時間のパワーリザーブと、実用性は十二分です。
このように新機種、そして自社製ムーブメント搭載、ついでに言うと200m防水を堅持しつつも、メタルブレスレット製モデルの定価が455,400円に抑えられているのも、さすが私たちのチューダー!
なお、レザー×ラバーライニングによるハイブリッドストラップまたはイエローラインの入ったファブリックストラップのモデルもラインナップされており、こちらは定価419,100円となっております。
サイズ感と言いデザインと言い、これはまた争奪戦の激しくなりそうな2022年新作です!
2022年チューダー新作②ブラックベイ GMT S&G Ref.M79833
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径41mm |
素材: | ステンレススティール×イエローゴールド |
文字盤: | ブラック |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | Cal.MT5652 |
パワーリザーブ: | 約70時間 |
機能
防水: | 200m |
定価: | ブレス:634,700円/ストラップ:490,600円 |
ブラックベイ GMTモデルから、もう一つ特筆すべき新作モデルが追加されています!
ステンレススティール×イエローゴールドを用いた、Ref.79833です!余談ですがロレックスもイエローゴールドとSSのコンビモデルのリファレンスには末尾に「3」を付けているので、法則は共通のようですね。
ロレックスではコンビを「ロレゾール」などと称しますが、チューダーでは「S&G」。イエローゴールドの華やかさを採り入れつつ、ゴールド部分を限定することでリーズナブルな価格提供を可能にしていることも、S&Gの特徴です。
なお、こちらはブラックベイの中でもベーシックな41mmサイズです。
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もっとも2022年新作のこちらのRef.79833は、デザイン面でまたも往年の名作を思わせてくれます(その名作を抜きにしても、カッコいいですが)。それは、海外市場では「ルートビア」の名前で親しまれている、ロレックスのGMTマスターモデルです。
ルートビアはアメリカで愛飲されている炭酸ジュースです。この缶の色味に似ているということで、GMTマスター Ref.1675やRef.16713等は「ルートビア」の愛称で親しまれています。
※ロレックスのGMTマスターII 16713
確かに茶金のベゼルやブラウンカラーが、ルートビアに似ているように思われますね。ちなみに現行GMTマスターII 126711CHNRが茶×黒のベゼルがあしらわれていることからルートビアと呼ばれることもあるようですが、日本ではカフェオレなどといって愛されています。
そんな古き良き時代を感じさせるテイストが、2022年新作ブラックベイにも落とし込まれています。
これまたドーム型サファイアクリスタルガラスや良い風合いを感じさせる文字盤デザインが、このレトロ調を後押ししてくれていますね。
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ムーブメントは前項でご紹介したMT5652となるため、レトロな外装の一方で内面は最先端であることがわかります。
定価はSS×YGブレスレット搭載モデルが634,700円です。
ブラウンレザーストラップまたはベージュのラインが入ったファブリックストラップモデルは490,600円です。
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ゴールド時計というと価格面や着用シーンで躊躇するといったお声を頂くこともあります。そういった理由で迷われている方にとって、この2022年新作ブラックベイ GMT S&Gは有力な選択肢となるのではないでしょうか。
2022年チューダー新作③ブラックベイ クロノ S&G Ref.79363N シャンパンダイアル
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径41mm |
素材: | ステンレススティール×イエローゴールド |
文字盤: | シャンパン |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | MT5813 |
パワーリザーブ: | 約70時間 |
機能
防水: | 200m |
定価: | ブレス:826,100円/ストラップ:682,000円 |
2019年に発表された、ブラックベイ クロノ S&G。
ツーカウンターダイアルに精悍なケース・ブレスレットを備えたブラックベイ クロノはともすると武骨な印象があったものですが、このコンビモデルが出たことでラグジュアリーな雰囲気をも、纏うこととなりました。文字盤とインダイアルのカラーが異なる「パンダ仕様」であることも、時代のニーズをよく汲み取っていますね。
そんな華やかなブラックベイ クロノ S&Gに、シャンパンダイアルが追加されました!インダイアルを今度はブラックとしており、メリハリの効いた顔立ちに目を奪われます。
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ブラックベイ クロノは、ロレックスのデイトナを彷彿とさせるなどと言われるクロノタイムとは、また違ったデザインを有します。
と言うのも、前述したサブマリーナー由来のデザインに加えて、ツーカウンターダイアルや6時位置のデイトなどは1970年にチューダーが制作した初期クロノグラフを踏襲しているためです。2020年にクロノグラフ製造50周年を迎えたチューダーのシリーズは、いっそう華やぎを増しています。
ちなみに当店GINZA RASINでもこれまで2019年発表モデルのRef.79363Nを販売してきましたが、とても人気・お問合せが高いのがブンド(台座)付ストラップモデルです。
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この仕様は近年のブラックベイでよくラインナップされていますが、いっそうのミリタリーテイストを強調していること。また裏蓋が直接腕に当たらないことが魅力ですね。なお、このブンドは取り外しが可能なため、クラシカルな革ベルトモデルとしても利用できるのが嬉しいところ。
搭載するムーブメントはブライトリングのB01をベースに、チューダーがチューンアップしたMT5813です。
約70時間のロングパワーリザーブ、そしてシリコン製バランススプリングを採用したことによる耐磁性能、COSC認定の高精度を誇る名機となります。ブラックベイ クロノはソリッドバッグのため普段オーナーはムーブメントを鑑賞することができません。しかしながらMT5813は肉抜きしたタングステン製ローター,仕上げ・装飾が成された各パーツを有していると言われており、見えない部分にも手をかけるチューダーのこだわりが感じられますね(もっともこれは、他の同社のマニュファクチュールムーブメントに当てはまることです)。
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定価はブレスレットモデルが826,100円。ストラップモデルが682,000円。華やかなチューダーをお探しの方に、お勧めしたい新作です。
2022年チューダー新作④ブラックベイ S&G 31/36/39/41
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径31/36/39/41mm |
素材: | ステンレススティール×イエローゴールド |
文字盤: | ブラック,グレー等 |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | Cal.MT5601等 |
パワーリザーブ: | 約70時間または約50時間 |
機能
防水: | 100m |
定価: | モデルによる |
スムースベゼルに3針のみとシンプルなブラックベイにも、S&Gのコンビモデルが追加されました!
さらにジュビリーブレスレットや多彩な文字盤を用いており、デイトジャストのようなドレッシーさ,楽しさを感じさせてくれますね。
ブラックベイの当該シリーズはケースサイズ31mm,36mm,39mm,41mmと4展開されているため、男女問わず愛用できるのもユーザーにとっては嬉しいところです。
特筆すべきは、シャンパンカラーにデコレーションがあしらわれた新作です。まるでデイトジャストの彫りコンピューターのようなユニークさで、オシャレに着けこなせそうですね。
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なお、従来の当該シリーズには汎用ムーブメントが用いられてきましたが、内部までリニューアル!31mmサイズにはMT5201を、36mmサイズにはMT5400を、39mmサイズにはMT5602を、41mmサイズにはMT5601を搭載することとなりました(MT5601とMT5602は同じMT5600系)。MT5201のみパワーリザーブ約50時間、他は約70時間となっております。
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ただデザインを刷新するのみならず、内部機構もアップデートされたブラックベイ。
プレゼントとしても人気のある機種ですので、幅広い層から指示されるコレクションとなってくれることでしょう。
2022年チューダー新作⑤ロイヤル Ref.M28320/M28323
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径28mm |
素材: | ステンレススティールまたはイエローゴールドとのコンビ |
文字盤: | ホワイトシェル |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | Cal.T201 |
パワーリザーブ: | 約38時間 |
機能
防水: | 100m |
定価: | 394,900円/539,000円 |
2020年、新たにチューダーのコレクションに追加された「ロイヤル」。もともとはアジア市場の一部で販売されていたモデルですが、現在では世界展開を行っています。
こちらも前項でご紹介したブラックベイ同様、28mm,34mm,38mm,41mmと多彩にサイズ展開を行っていることがミソ。またブレスレットとシームレスになった薄型ケースは、近年流行りの「ラグジュアリー・スポーツウォッチ」に通じるエレガンスを感じさせます。
そんなロイヤルに、28mmサイズの新作モデルが追加されました。ホワイトシェル文字盤の、ラグジュアリーなデザインが特徴です。
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インデックスやベゼルにセッティングされたダイヤモンドや、12・3・6・9時位置のローマンインデックスが、チューダーの武骨さを一層するエレガンスを放ちます。
なお、ステンレススティール×イエローゴールドモデルも追加されています。
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
ロイヤルのコンビモデルは国内では取り扱っていないと昨年チューダー正規店の方に聞いたのですが、こんな魅力的なモデルは、ぜひ国内入荷してほしいところです。
チューダーからの、国内デリバリーを待ちましょう!
まとめ
国内外で人気が高まり続けるチューダーの、2022年新作モデルをご紹介いたしました。
本稿でも繰り返し言及しているように、近年ではロレックスとは異なる独自路線を進み、自社開発ムーブメントの搭載にも意欲的なチューダー。2021年はオメガのお家芸であった超高耐磁性を誇るマスタークロノメーター認定機をリリースするなど、挑戦の手を止めないブランドでもあります。
2022年もまだまだチューダーから、驚かされるようなニュースが放たれるやもしれません(事実、アリンギ・レッドブル・レーシングとの新たな契約が同時に発表されていますが、そのムービーにはマスタークロノメーター認定ブラックベイがチラチラと顔を見せています)。今後のチューダーにも、ますます期待です!