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速報!2020年ランゲ&ゾーネ新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
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出典:https://www.alange-soehne.com/ja/stories/novelties-2020#section-5
故ウォルター・ランゲ氏による復活25周年として、2019年には多くのスペシャルエディションがランゲ&ゾーネよりローンチされました。
とりわけ、同社初となるステンレススティール製スポーツモデル「オデュッセウス」が10月下旬に発表された時、驚かされた時計愛好家も多かったのではないでしょうか。
明けて2020年。
ランゲ&ゾーネの勢いは止まらないままです。
この度Watches & Wonders Geneveで発表された、同社の2020年新作をご紹介いたします!
目次
2020年 ランゲ&ゾーネ新作 オデュッセウス ホワイトゴールドモデル
出典:https://www.alange-soehne.com/ja/stories/novelties-2020#section-5
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径40.5mm×厚さ40.5mm |
素材: | ホワイトゴールド |
文字盤: | グレー |
ムーブメント
ムーブメント: | L 155.1 DATOMATIC(ダトマティック) |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 最大50時間 |
機能
防水: | 12気圧(120m) |
予価: | 4,370,000円(税別) |
冒頭でもご紹介したように、2019年10月、ランゲ&ゾーネより「オデュッセウス」が公開されました。
このオデュッセウスは、驚きの連続です。
ランゲ&ゾーネ初となるステンレススティールモデル、スポーツモデル、120m防水、ケースとブレスレットが一体型となった構造・・・何もかもが同社にとって初めての試みで以て、唐突に市場に繰り出されたのです。
そんなオデュッセウスから2020年、新たなレギュラーモデルが仲間入りしました。
そう、ホワイトゴールド製のオデュッセウスです。
出典:https://www.alange-soehne.com/ja/stories/novelties-2020#section-5
ケース構造や後述するムーブメントなど、基本的なスペックはステンレススティール製オデュッセウスと同一です。
しかしながら最たる違い。それは、金無垢素材である、ということもそうなのですが、革ベルトまたはラバーベルトが付属されることとなったのです!
ラバーベルトもまた、ブランド初の試みとなります。
出典:https://monochrome-watches.com/a-lange-sohne-odysseus-now-in-white-gold-with-leather-or-rubber-straps/
昨年のオデュッセウスでは5つの細かな、サテン仕上げが施されたリンクで形成されたブレスレットがきわめて特徴的でした。
2020年新作では、エンドピースを残しつつも、濃いブラウンレザーかブラックラバーの2タイプを選択することが可能です。
ホワイトゴールドとラバーストラップの相性の良さは、ロレックスのデイトナ 116515LNなどで証明済み。
まだオデュッセウスの実機を見たことがないのですが、かっこいいに決まっている、そう断言できます。
さらにディテールを見ていくと、2020年新作オデュッセウスならではのアイデンティティが感じられます。
落ち着いたスレートグレー文字盤には放射状のパターンが丁寧に装飾されており、アジュラージュ装飾(同心円状のパターン)を外周部にあしらわれていたSSオデュッセウスとは、ちょっと様相を異にします。
これがまた、ラバーベルトとマッチして、大人のスポーツウォッチを地でいく雰囲気ですね!
出典:https://monochrome-watches.com/a-lange-sohne-odysseus-now-in-white-gold-with-leather-or-rubber-straps/
なお、前述の通りケース構造は同一となるため、昨年驚嘆させられた立体的なケース構造は健在です。
これまたランゲ&ゾーネ初となるねじ込み式リューズが採用されているのですが、その外辺にはリューズガードのような突起が見られます。
これはリューズガードではなくプッシャーで、これを用いてデイ&デイトを制御することができるのです。
そう、このアウトサイズデイトもオデュッセウスのミソ。
これはランゲ&ゾーネにとって伝統的なデザインコードですが、搭載するムーブメントはオデュッセウスのためだけに開発されたCal.L155.1 DATOMATICとなっております。
ちなみに「DATOMATIC」というネーミングは日付け機構と自動巻き機構の組み合わせを意味するランゲ&ゾーネの造語です。
出典:https://monochrome-watches.com/a-lange-sohne-odysseus-now-in-white-gold-with-leather-or-rubber-straps/
この自動巻きムーブメントのテンプは、新たに開発されたものとなります。
四つの埋め込み式調整用ビスが取り付けられ、スポーツウォッチらしい耐衝撃性や振動への耐性を獲得することとなりました。
「ランゲ&ゾーネの時計を身に着けている時にスポーツをするか?」などと言われることもあるように、従来品はここまでの堅牢性は重視されてきませんでした(だからと言って、実用時計より劣るかと言うと全くそのようなことはありません)。
しかしながら「スポーツウォッチを作る」というブランドの意気込みにより、この度の堅牢かつラグジュアリーな逸品を仕上げるに至ったのでしょう。
なお、SSモデルも今回の新作も、限定モデルではありませんが、ランゲ&ゾーネはもともと少量生産のブランドであるため、なかなか市場に出回ってきません。
当店でも、2020年は入荷できるよう頑張ります!
2020年 ランゲ&ゾーネ新作 ツァイトヴェルク・ミニッツリピーター
出典:https://www.alange-soehne.com/ja/stories/novelties-2020#section-5
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径44.2mm×厚さ14.1mm |
素材: | ホワイトゴールド |
文字盤: | ディープブルー×シルバー |
ムーブメント
ムーブメント: | L043.5 |
駆動方式: | 手巻き |
パワーリザーブ: | 最大36時間 |
機能
防水: | 3気圧(30m) |
予価: | 国内定価は未定 |
その他: | 30本限定生産 |
2015年にランゲ&ゾーネからリリースされた「ツァイトヴェルク」。
十進式ミニッツリピーターを備えながらも瞬転数字式時刻表示(いわゆるデジタル表示)を同時に搭載させた、世界で唯一の機械式時計となります。
その超絶コンプリケーションが、2020年にホワイトゴールドケースとディープブルー文字盤を携えて新たにローンチされました!
出典:https://www.alange-soehne.com/ja/stories/novelties-2020#section-5
この複雑機構を実現しているのは、手巻きムーブメントL043.5で、ランゲ&ゾーネのミニッツリピーターファミリーの一つです。
ミニッツリピーター自体がトゥールビヨンやパーペチュアルカレンダーなどと並んで世界三大コンプリケーションと呼ばれるほど製造難易度の高い機構です。
しかしながらツァイトヴェルクでは、そこに十進法ミニッツリピーターっけるデジタル時刻表示を機械式時計として実現する、ということをやってのけた歴史的なモデルです。
出典:https://www.alange-soehne.com/ja/stories/novelties-2020#section-5
「十進法」はご存知10の数をもとにした数値ですが、普通時計は60進法ですよね。でも、ランゲ&ゾーネではデジタル表示と一緒にミニッツリピーターを駆動させなくてはならなかった。そこで十進法に則ったミニッツリピーターを研究開発することとなりました。
そうしてできた当ミニッツリピーターは、15分ではなく10分ごとにハンマーで美しい音色を奏でてくれます(60進法だと15分がクォーターに当たるので、通常のミニッツリピーターは15分ごとに何らかのアクションがある)。
ちなみに文字盤下部から、ポリッシュ仕上げが施されたゴングとハンマーを鑑賞することが可能です。
出典:https://www.alange-soehne.com/ja/stories/novelties-2020#section-5
これらミニッツリピーターの制御は、10時位置にある専用プッシャーによって行います。
多くのミニッツリピーターはスライド式ボタンで制御しますが、ランゲ&ゾーネではケースに隙間が空いてしまうことは美しい音色を妨げると考え、このような仕様にした、とのこと。
ハンマーを動作させると、文字盤のデジタル表示と同じ回数だけ音色を奏でます(10時15分だった場合、アワーを表す左ハンマーが低音で10回稼働し、その後10おきに鳴る超復音が1回、そして右ハンマーでミニッツの高音を2度奏でる、といった動きとなります)。
ちなみにミニッツリピーターが稼働しているときはディスクの進みをストップさせるため、故障の可能性がぐっと低減されたこともツァイトヴェルクを特徴づける要素です。
同様の理由で、ミニッツリピーター稼働中はリューズも引き出せません。
さらにパワーリザーブ残量が12時間を切っても、ハンマーの動きが止まります。
このように、超絶複雑機構であり、もはや工芸品などと一緒で鑑賞用なのでは?と思わせながらも、時計本来の「性能」「実用面」を大切にしているのが、さすがドイツ2世紀半の歴史を持つランゲ&ゾーネ。
世界限定30本の生産。
多くの時計愛好家を魅了する伝説的な一本がまた登場したこととなります。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。
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