「デイトナ116500LNと126500LNの違いって何だろう?」
「デイトナ116500LNと126500LNだったらどちらを選んだら良い?」
ロレックスの顔として長きに渡って親しまれてきたRef.116500LN。
デイトナ60周年となった2023年、次世代機 Ref.126500LNが発表されたことで、ついに世代交代が行われることになりました。
デイトナの基幹モデルとしては実に7年振りのモデルチェンジでしたが、116500LNと126500LNの違いについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
126500LNのデザインは116500LNを踏襲しており、ベゼルの縁やインデックスの大きさといった細かな点で変更が加えられています。
この記事ではロレックス デイトナ116500LNと126500LNの違いを、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
定価の違いと今後の相場についても解説しますので、デイトナの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
出典:https://www.rolex.com/ja
目次
ロレックス デイトナ 116500LNと126500LNの違い
これまで幾度もモデルチェンジを果たしてきたデイトナ。初代モデルから現在に至るまで、レーシーなデザイン性とスタイリッシュなディティールで時計ファンを魅了してきました。新作が発表されるたびに進化を遂げ続けてきたモデルではありますが、確かな普遍性を持つことでも知られます。
126500LNにおいては旧作116500LNと瓜二つのデザインとなっていますが、細部まで眺めると所々に相違点があります。
製造期間:2016年 ~ 2023年
搭載ムーブメント:Cal.4130
こちらは旧型となった116500LN。
デイトナの第6世代にあたり、圧倒的な資産価値とステータス性を誇るモデルです。クロノグラフでありながらもシンプルなデザインとなっており、どんなシーンでも使いやすい万能な一本として幅広い世代に愛用されています。
スペック面においてもデザイン面においても最高品質のモデルですが、特筆すべきはメリハリの効いたデザイン。
特にホワイト文字盤ははっきりとしたコントラストを持つことにより、デイトナらしい端正な顔立ちがより洗練されました。
2023年にモデルチェンジとなりましたが、今後も人気モデルとして君臨し続けることになるでしょう。
出典:https://www.rolex.com/ja
製造期間:2023年 ~ 現在
搭載ムーブメント:Cal.4230
116500LNの発売から7年。世界中のロレックスファンが待ち望んだデイトナの2023年新作がRef.126500LNです。
完成されたディティールに優れた実用性。ベゼルには116500LNと同じく耐久性があるセラクロム素材が採用され、デイトナの魅力を見事に受け継いでいます。
文字盤はこちらもパンダダイアルが備えられており、スタイリッシュな見た目は健在です。
このように、時計としての大まかな特徴は新作も旧作もほとんど同じです。サブマリーナやディープシーといった他のコレクションも近年の新作は大きなデザイン変更が行われていませんが、デイトナに関しても旧作を踏襲する流れとなりました。
しかしながら、ぱっと見は同じ時計に見える116500LNと126500LNであっても、細かな点において実は多くの変更点が存在します。
ここからはその変更点について解説していきます。
①セラクロムベゼル
左:126500LN 右:116500LN
126500LNのベゼルは116500LNと同じくモノブロック・セラクロムベゼルが採用されています。
見た目の美しさ、耐久性ともに申し分なく、新技術が生み出されない限りはこちらのベゼルが主流となることでしょう。
ただ、素材は同じであっても126500LNのセラクロムベゼルは縁部分がメタルになっています。
縁取ることで輪郭がクッキリしており、よりシャープな印象を与えるようになりました。
②インデックス
左:126500LN 右:116500LN
116500LNと126500LNを比較した際に目につくのが、インデックスの違いです。
126500LNのインデックスはRef.16520に似た細めのデザインに変更されています。
賛否両論がある変更点とはなりますが、旧作よりもシャープな印象を与えるようになりました。
なお、形こそ16520のインデックスに似てはいますが、夜光面積に関しては126500LNの方が広めの設計となっています。
③インダイアル
左:126500LN 右:116500LN
126500LNはインデックスだけでなくインダイアルも細くなっています。こちらもRef.16520に似ており、スッキリとしたデザインとなりました。
126500LNと116500LNを並べてみると、違いがよく分かります。
ベゼルの材質やダイアルのデザインは最新でありながらも、細かな部分が3世代前の仕様に寄せていることが126500LNの特徴であるといえるでしょう。
微細な仕様変更ではありますが、パンダダイアルのシルエットをより美しくするための変更と感じます。
④ラグの形状と長さ
出典:https://www.rolex.com/ja
ラグのデザイン変更は近年のロレックスのトレンドともいえ、デイトナにおいても変更が加えられることになりました。
116500LNと比較すると、126500LNはラグが横から見ると切り立ったデザインとなっており、それに伴い長さも短くなっています。
※旧型116500LNのラグサイド
ライン自体も変わってるようで、旧作では正面から見ると左右非対称でしたが、新作では対称の設計となっています。
ちなみに金無垢デイトナは1165系から切り立ったラグだったので、新しいラグデザインになったと言うよりは金無垢系の設計に寄せたと言った方が正しいかもしれません。ラグの設計からも、126500LNは過去作の特徴をバランス良く取り入れたモデルであることが分かります。
⑤6時位置のSWISS MADEの間の王冠マーク
左:126500LN 右:116500LN
ロレックスの文字盤は年式によって様々な違いがありますが、新型126500LNは旧型116500LNと比較すると文字盤6時位置の「SWISS MADE」のデザインが異なります。
特筆すべきは王冠マークの有無です。
旧型はシンプルな「SWISS MADE」表記ですが、新型はSWISSとMADEの間に王冠マークが配されています。
昨年発表されたサブマリーナやディープシーにおいても同様に変更が行われており、デイトナ 126500LNも最新の仕様が採用されています。
⑥ムーブメント
116500LNと126500LNでは搭載ムーブメントが違います。
116500LNに搭載されているムーブメントはCal.4130。126500LNに搭載されているのはCal.4131です。
カタログ上では大きなスペックの差は見受けられませんが、Cal.4131についてはロレックス曰く「キャリバー 4130の進化形」と。具体的にはクロナジーエスケープメントやパラフレックス・ショックアブソーバーが搭載されており、まさにロレックスの最先端です。また自動巻きの巻き上げに重要な役割を示すボールベアリングに改良が加えられているようで、随所に実用面の配慮を欠かさないロレックスらしい進化と言えるでしょう。
72時間パワーリザーブを備えることは新型も旧型も同様です。
各ムーブメントの画像と詳細は以下の通りです。
なお、上の画像は116500LNに搭載されるムーブメントは完全自社製ムーブメントCal.4130です。
先代のCal.4030よりも部品数が格段に少なくなったうえ高品質パーツを積極的に採用、伝達効率始めムーブメント本来の価値・信頼性が向上しています。
また、パワーリザーブが約72時間、リューズを引くと秒針が止まるハック機能等も搭載されています。
2007年には耐磁・耐衝撃性に富んだブルーパラクロムヒゲゼンマイが搭載され、ロレックスの定番クロノグラフムーブメントとして高い評価を得ました。
時分秒、クロノグラフ、ハック機能
クロノメーター認定
パワーリザーブ約72時間
28,800振動/時
製造年:2000年~
出典:https://www.rolex.com/ja
対して、新型126500LNには「新世代クロノグラフムーブメント」と称されるCal.4131が搭載されています。
こちらはCal.4130のマイナーアップデートにあたり、高効率かつ堅牢な設計となっております。
前述の通りスペックに大きな変更は見当たりませんが、パーツ点数が低減されています。
なお、シースルーバック仕様のプラチナデイトナの新作126506にもCal.4131が搭載されていますが、こちらを見る限りコート・ド・ジュネーブ装飾やゴールド製ローターが採用されるなど、機能性だけでなく見た目に関してもオシャレになっています。
Cal.4130とCal.4131。どちらも素晴らしいムーブメントであるのは間違いありませんが、劇的な違いがあるわけではなさそうです。
時分秒、ハック機能
クロノメーター認定
パワーリザーブ約72時間
28,800振動/時
製造年:2023年~
ロレックス デイトナ 116500LNと126500LNの定価の違いと今後の相場
新旧でデザインが変わらないモデルはあまり相場が大きく動かない傾向にあるのですが、デイトナに関しては他のモデルよりも相場が高く設定されることが予想されます。
定価は旧型116500LNが1,757,800円(税込)。それに対し新型126500LNは1,795,200円(税込)となっていますが、二次流通市場に出回れば、実勢相場は定価を大きく上回るプレミア価格で推移することが予測できます。特に初値はもの凄い相場になりそうです。
また、それに伴い116500LNもこれからジワジワ価格が上がっていくと予想されます。
細かなデザインの差、ムーブメントの性能差が今後どのように価格に影響を与えていくのか、長期的なスパンで見極めていく必要があります。
もっとも今のところは、116500LNの現在の相場は黒文字盤は420万円前後~、白文字盤に至っては450万円程度~と、新作発表後であっても今のところ大きく高騰しているわけではありません。
ロレックスのスポーツモデルは生産が終了すると価値が高騰する傾向がありますが、もともとが高値であったことから予想よりも相場の変動は抑え目となっています。
ただ、前述したとおり少しづつ価値が高まっていく可能性もあるので、購入される方は今のうちに、売却を検討されている方は売り時を慎重に見計らうことが重要です。
まとめ
満を持して登場したSS系デイトナの最新モデル 126500LN。デザインは116500LNを踏襲しており、ベゼルの縁やインデックスの大きさといった細かな点で変更が加えられました。ムーブメントの性能もマイナーチェンジに留まったことから、116520から116500LNへと進化した時と比べると新旧で大きな違いはないといえるでしょう。
しかし、変化が少ないとはいえ、デイトナの新作は世界で最も注目されるモデルです。ひとたび市場に出回れば、すぐにロレックスの顔として人気を博すでしょう。
どのような相場で取引されるのか?どのような評価を得ていくのか?
今後ともロレックスおよび126500LNの動向から目が離せません。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年