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【世界三大時計】挑戦し続ける老舗ブランド「オーデマ・ピゲ」。定番作に見る、ブランドの意匠
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オーデマ・ピゲは、ヴァシュロン・コンスタンタンやパテック・フィリップと共に「世界三大時計メーカー」のひとつに数えられている高級腕時計ブランドです。スイスのジュー渓谷にあるル・ブラッシュを本拠地とし、スイスをはじめとしたヨーロッパのみならず、世界中の人々に愛される高級腕時計ブランドとなっています。ここでは、世界中のエグゼクティブの憧れの的である「オーデマ・ピゲ」についてご紹介します。
目次
革新的な腕時計を生み出す「オーデマ・ピゲ」の成り立ち
オーデマ・ピゲがこの世に誕生したのは、1875年のこと。日本では、「廃刀令」が出る前の明治時代に当たります。1875年、現在の本拠地であるスイスのル・ブラッシュにてオーデマ・ピゲは設立されました。創設者は、ジュー渓谷で古くより時計職人として名をはせてきた名門一家出身のジュール=ルイ・オーデマと、その幼なじみであり、時計師としての技術力はもちろん経営力や営業力にも優れた才能を併せ持つエドワール=オーギュスト・ピゲの2人です。スイスを本拠地とする時計ブランドには2人の人名を組み合わせたブランド名や社名が多く見られますが、オーデマ・ピゲもそのひとつ。
天才的な2人の時計職人によって始められた「オーデマ・ピゲ」は、1875年に創設されて以降、140年以上にもわたって途切れることなく「家族経営」を継続させてきたブランドでもあります。長い歴史があり、なおかつ創業以降一貫して家族経営を保っているビジネスは、今日では「非常にめずらしい」といえるでしょう。オーデマ・ピゲがこれほどまでに「独立」を継承できているのは、まさしく創業以来、一度も一族から手が離れていないから。だからこそ独立を保つことができ、独自の歩みと伝統を止めることなく実現し続けることができるのです。
定番商品のスペックや特徴
オーデマ・ピゲを作り出したジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲの2人には、「最高の複雑時計を作る」という目標がありました。そのため、創設初期に作られたほとんどの製品には、複雑機能が1つ以上備わっていたとされています。その中には、自動調節を100年にわたって行える永久カレンダー機構であったり、2つの音色を用いて1分単位で時間を知らせるミニッツ・リピーター機構の備わった懐中時計であったり、ストップウォッチ機能が備わったクロノグラフ機構などがあります。オーデマ・ピゲは、こうした巧妙かつハイスペックな複雑機能を併せ持つ時計をいくつも作り出し、その高い技術力を証明してきたのです。その高い技術力が世界に認められ、「世界三大時計」として世界中のエグゼクティブを魅了するようになりました。
そんな世界中のエグゼクティブを魅了するオーデマ・ピゲの代表作は、以下の通りです。
ロイヤルオーク
オーデマ・ピゲを代表する永遠の定番作品といえば、ラグジュアリーなスポーツウォッチである「ロイヤルオーク」です。1972年に発表されたロイヤルオークは、世界的なデザイナーであるジェラルド・ジェンタ氏によってデザインされました。ジェラルド・ジェンタ氏といえば、ロレックスの「オイスタークオーツ」やパテック・フィリップの「ノーチラス」、カルティエの「パシャ」やブルガリの「ブルガリ・ブルガリ」を手掛けた伝説のデザイナーです。彼によってデザインされたロイヤルオークは、当時、高級腕時計といえば金が主流であった高級腕時計にステンレススチール製のブレスレットとケースを採用し、世界を驚かせたといわれています。
八角形のベゼルに8本の六角形ビスが打ち込まれ、直径39mmというケースサイズは当時からすると画期的で、通称「ジャンボ」として親しまれたとされています。
ロイヤルオーク オフショアダイバー
ダイバーズモデルの中でも高い人気を誇るのが、「ロイヤルオーク オフショアダイバー」です。オーデマ・ピゲではおなじみとなった八角形のステンレススチールケースに、ブラックのインナーベゼルが特徴のオフショアダイバーには、ダイバーズウォッチの中でも最大の機能を誇る回転ベゼルが搭載されています。防水機能は300mまで対応しており、50時間パワーリザーブという高機能も兼ね備えています。また、シースルー仕様の裏蓋からは、22Kで作られたゴールド製ローターを備えた自社開発ムーブメント「Cal.3120」を見ることができ、ハイスペックなだけでなく美しさも楽しむことができる腕時計となっています。
ミレネリー4101
2000年のミレニアムイヤーに初期モデルが発表された「ミレネリー」。シースルー仕様の文字盤から立体的な脱進機の動きを見ることができる独創的でラグジュアリーなデザインが特徴のミレネリーシリーズから、2011年、「ミレネリー4101」が発表されました。ミレネリー4101は、日本人時計師である浜口尚大氏が設計責任を務めたムーブメント「Cal.4101」を搭載。高い耐久性や精度にもこだわり抜いた究極のラグジュアリー時計となっています。
ジュールオーデマ
オーデマ・ピゲを代表するモデルとして忘れてはいけないのが、「ジュールオーデマ」です。シンプルなモデルから超複雑時計とされるグランドコンプリカシオンモデルまで幅広く展開されているジュールオーデマには、創業者であるジュール=ルイ・オーデマの名前が用いられています。
まとめ
伝統を継承しつつ、大胆で革新的な超高級腕時計を次々に世に送り出しているオーデマ・ピゲ。オーデマ・ピゲは、エグゼクティブでラグジュアリーな人にぴったりの腕時計なのではないでしょうか。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年
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