「オーデマピゲの型番ってどんな意味があるの?」
「オーデマピゲの型番の読み方について知りたい」
世界三大時計ブラントの一角として時計界を牽引するオーデマピゲ。
ラグジュアリースポーツウォッチの代名詞であるロイヤルオークを筆頭に、数々の名作を世に放ってきました。
そんなオーデマピゲの型番の読み方について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
非常に長いリファレンスナンバーを採用しているオーデマピゲですが、その法則性を読み解くことでモデル名やケース素材といった情報を知ることができます。
この記事ではオーデマピゲの型番の読み方について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
モデル別に詳しく解説しますので、オーデマピゲの時計に興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
オーデマピゲの型番法則
オーデマピゲの型番は「15400ST.OO.1220ST.02」のように数字とアルファベットで構成されており、3つの「.」で区切られています。
各項目がシンプルに区分けされているため、意外と読み取りやすいのがオーデマピゲの型番の特徴です。
一度覚えておけば、おおよそのモデルの特徴を知ることができます。
オーデマピゲの型番法則 冒頭5桁の数字:モデルナンバー
型番の冒頭5桁は「モデルナンバー」を表します。ショートリファレンスとも呼ばれ、モデルを区別する際によく使われます。
後述する2桁のアルファベットを加え、15400STと型番で語られることが非常に多く、これだけで概ねどのモデルのことを指しているかを判別することが可能です。
ロイヤルオークの基盤モデルであれば、15300ST、15400ST、15500STなどがあります。
ロイヤルオーク
ロイヤルオークは冒頭2桁が15〜で始まるモデルが多いです。ステンレススティールを採用した基盤モデルも15300ST、15400ST、15500STと15〜から始まる型番がつけられています。
また、近年相場を上げているエクストラシンは「15202ST」。フロステッドゴールドには「154〜系」の型番が与えられています。
クロノグラフ搭載モデルに関しては26〜で始まっており、後述するオフショアも26〜系の型番となっています。
ロイヤルオーク オフショア
ロイヤルオークの派生モデルとして展開され、力強いデザイン性から人気を博すオフショア。
クロノグラフ搭載モデルが豊富に存在するため、型番には「26〜系」が主に採用されています。
現行モデルは「264~系」が多く、次いで「262〜系」や「261〜系」も見受けられます。
なお、オフショアダイバーについてはクロノグラフを搭載していないため、型番は通常のロイヤルオークと同じ「15〜系」です。
ミレネリー
ミレネリーの型番は「15230」。レディースモデルには「77〜系」やユニセックスモデルには「15〜系」など、複数の型番バリエーションが存在します。
ちなみに数は少ないですがクロノグラフ搭載モデルもあり、こちらは「261〜系」。クロノグラフはコレクションを問わず、「26〜系」です。
ジュールオーデマ
出典:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/collections/jules-audemars.html
ジュールオーデマはオーデマピゲが誇るドレスラインです。
型番は「150~系」及び「151〜系」が基本。クロノグラフやデュアルタイム、カレンダー搭載モデルは「261〜系」「263〜系」が採用されていることが多いです。
CODE11.59
CODE11.59は2019年に発表されたオーデマピゲの新作です。
基本的には「15210」。クロノグラフであれば「263〜系」など。新作であっても特殊な番号は割り当てられず、従来と同じ型番法則が採用されています。
オーデマピゲの型番法則 2桁のアルファベット:ケース素材
冒頭5桁「モデルナンバー」と組み合わせて使われるのが「ケース素材」の表記です。
基本的にアルファベット2桁で表され、ステンレススティールであれば「ST」が採用されます。
一定の法則はありますが、素材の組み合わせによっては下記以外のアルファベットが用いられることもあります。
アルファベット | モデル |
---|---|
ST / SK / SO | ステンレススティール |
BC | 18Kホワイトゴールド |
OR | 18Kローズゴールド |
AU / FO / FT | フォージドカーボン |
PT | プラチナ |
BA | 18Kイエローゴールド |
TI | チタン |
オーデマピゲの型番法則 最初と2番目のドットで区切られた数字:ベゼル装飾
最初と2番目のドットで区切られた2桁の数字はベゼル装飾の有無を表します。
オーデマピゲにはハイジュエリーを用いたベゼルダイヤ、ケースダイヤモデルが存在しますが、これらのモデルには「ZZ」が採用され、それ以外の通常モデルには「OO」が使用されています。
基本的にはこのどちらかが使われるため、見分け方は非常にシンプルです。
数字 | ムーブメントの種類 |
---|---|
ZZ | ベゼル装飾あり |
OO | ベゼル装飾なし |
ちなみに型式の古いモデルは、「ZZ」「OO」だけでなく、アルファベット1文字で表されている場合もあります。
オーデマピゲの型番法則 2番目と3番目のドットで区切られた英数字:ブレスレット(ストラップ)の型番
2番目と3番目のドットで区切られた英数字はブレスレットおよびストラップの型番を表します。
前半4桁の数字でリファレンスを示し、残り2桁のアルファベットが素材を表します。
本体の素材と同じく、ステンレスであれば「ST」、チタンであれば「TI」が使用されており、統一感のある表記になっています。
ただ、こちらも明確な基準がなく、「アルファベット1文字 /3桁の数字 /アルファベット2文字」といったイレギュラーパターンの存在も確認されています。
アルファベット | モデル |
---|---|
ST / SK / SO | ステンレススティール |
BC | 18Kホワイトゴールド |
OR | 18Kローズゴールド |
AU / FO / FT | フォージドカーボン |
PT | プラチナ |
BA | 18Kイエローゴールド |
TI | チタン |
CA | ラバーストラップ |
CR | レザーベルト |
基本的にブレスレットであればケース素材と同じアルファベットが採用されますが、近年はロイヤルオークオフショアを中心にラバーストラップ「CA」が型番に使用される頻度が高まっています。
オーデマピゲの型番法則 末尾二桁の数字:文字盤の素材や色
型番末尾の2桁の数字では文字盤の素材や色が示されています。
モデルによって素材として割り振られたり、文字盤の色で割り振られたりと、使い方が異なるので、法則性がありません。
例えば15500STでは.01の文字盤カラーはブルーですが、15400STでは.01にシルバーが採用されています。
製造順に割り振られている可能性が高く、番号によって仕様が定められているわけではありません。
なお、番号が飛んで「.06」や「.08」しか設定されていない場合、限定モデルやコラボモデルを示す場合が多いです。
オーデマピゲで6つ以上の文字盤バリエーションをもつモデルは殆ど存在しないため、概ね「.01~.03」が使用されています。
まとめ
オーデマピゲの型番では、3つのドットで区切った17桁の英数字で時計の仕様を表します。
タグホイヤーやウブロ、オメガの型番法則と比較するとシンプルな内容となっていますが、一部法則性に欠ける部分もあるので、型番を読み解くだけで、明確に時計の特徴を網羅することはできません。
そのため、高級腕時計のちょっとした豆知識ぐらいに思っておくのが良いでしょう。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年