「カルティエのベニュワールって何がすごいの?」
「カルティエ ベニュワールの魅力について詳しく知りたい」
世界屈指のジュエラー、カルティエ。
王家の宝石商とも、宝石商の王とも呼ばれる超一流ブランドです。
カルティエでは男女の腕時計を発信していますが、やはりレディース人気は至高。
当店GINZA RASINでも、レディース売上ランキングを取ると、常時トップに君臨しております。
カルティエの中でも“大公妃の腕時計”ベニュワールは超ハイエンドライン。
また、カルティエの腕時計の中でもっとも曲線美に優れたエレガントなコレクションでもあります。
そんなベニュワールの魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
ベニュワールは磨き抜かれたジュエラーが手掛ける、アクセサリーのように美しいコレクションです。
この記事ではベニュワールの魅力について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
おすすめモデル厳選5本の紹介もしますので、カルティエウォッチの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
カルティエ ベニュワールの魅力とは?
ベニュワールは1967年にカルティエから発売された、レディースドレスウォッチです。
素材にゴールドだけを使用し、特上のダイヤモンドやサファイアだけを使用した最高品質の腕時計で、古くは女性の高貴さ、現代ではステータスを象徴するアイテムとなっています。
女性の繊細な手首にやわらかく寄り添う曲線の腕時計は、美しさ、上品さ、着け心地の良さすべてにおいて生涯をともにするに相応しいものです。
①概要
ベニュワールが誕生した年代は発売よりもかなりさかのぼり、1912年になります。
高名な三代目ルイ・カルティエが、当時の時計業界の「常識」であったラウンドケースに疑問を感じ、楕円フォルムの懐中時計をデザインしました。この類まれな懐中時計を見たロシア皇族マリア・パヴロヴナ氏が「まるでバスタブのようだわ」と表現し、仏語でバスタブを意味する「ベニュワール」の愛称を持つに至りました。
その後1973年に「ルイ・カルティエコレクション」としてシリーズ化し、長らく世界中の女性陣を虜にしていくこととなります。
このように大変深い歴史を持つベニュワールですが、2009年に大きなモデルチェンジがありました。
左:オリジナル / 右:第一回モデルチェンジ後
ベニュワールのどこまでもまろやかだったケースは、ひとまわりシャープになり、すらりとしたスタイルへ。ベゼルが引き絞られたため、文字盤範囲が広がったことも特筆すべき点です。
ジェムセッティングのあるデザインではダイヤモンドをグラデーションに並べ、リューズもより全体のバランスを損なわないデザインとなっています。
ローマンインデックスも大きく視認性が高くなり、クラシカルなふくよかさをたたえた旧モデルから、現代女性を象徴するようなすっきりと洗練されたデザインへと変化したのです。]
2009年のモデルチェンジから10年を迎え、ベニュワールは2019年のSIHH(旧ジュネーブサロン)でさらなる進化を遂げました。
2019年に発表されたベニュワールでは、2009年のモデルチェンジ以前の麗しいラインが戻ってきました。
※SIHH2019でリリースされたベニュワール(画像出典:https://www.cartier.jp/)
しかしジェムセッティングのすっきりとしたグラデーションラインや機能性を重視し洗練されたインデックス・リューズなどは健在です。
そんなベニュワールのバリエーションは、サイズや形状の違いで分類できます。
◆ミニベニュワール…縦25.3mm×横18mmのオーバル。最も小さくフェミニンな人気サイズ
※左が旧型ミニベニュワール、右が現行品です。サイズは変わりませんが、旧型ミニベニュワールはリューズを持たず、裏蓋に取り付けられたプッシャーで時刻操作を行います。
◆ベニュワールSM…縦31mm×横23mmのオーバル。ミニよりも一回り大きく使いやすいサイズ
◆ベニュワールLM…縦44mm×横34mmのオーバル。ボリューミーで華やかな腕時計
◆ベニュワールアロンジェ…縦47×横21.5mmの先がとがった紡錘形。アロンジェは「引き伸ばされた」という意味。一時姿を消していたが、現行に戻ってきた
出典:https://www.cartier.jp/
手首が細く華奢な日本人には、ミニベニュワールやSMサイズがよく似合い、人気もあります。
もっとも大きなLMサイズであっても、幅は34mm以内に収まってしまいます。女性のたおやかな手首の美しさを損なうことのない、ジュエラーならではの絶妙なサイズ展開と言えるでしょう。
②魅力
ベニュワールの魅力は究極の曲線美・本物しか使わない贅沢さ・高いステータス性にあります。
前述の通り、ベニュワールとはフランス語で「浴槽」。猫足のついた優雅な西洋式のバスタブのことです。
カルティエの創業者が帝政ロシアの大公妃に腕時計を贈ったところ、オーバルの柔らかな曲線が「バスタブみたいね!」と評されたことから名づけられた、と伝えられています。
その名の通り湾曲したオーバル型のケースがもっとも大きな特徴で、ブレスレットに至るまでどこにも角が無いのではないか、というほど曲線の美しいデザインです。
ベニュワールはカルティエのレディースウォッチの中でもハイエンドラインになります。
18Kゴールドのピンクゴールド・ホワイトゴールド・イエローゴールドのみをケースに使用し、ジェムセッティングもブリリアントカットされたハイクオリティなダイヤモンドにサファイアと、本物の素材しか使用しません。
つやめくゴールドケースはジェムセッティングされていなくても、ブレスレットのトップパーツのような存在感を放ちます。
ベルトは3種類になります。
・レザー
・ゴールド
・トワル
ゴールドブレスはケースとおそろいのカラーで、カスクドールと呼ばれています。フランス語で「黄金の冠」という意味があるデザインで、なめらかなパーツが組み合わされたブレスです。
カスクドールは幸運をもたらすとされており、どこまでも続くまろやかな曲線の波が輝くさまを見ているだけで、きらめきの虜になってしまいます。
トワルとは布のことで、19世紀の貴婦人たちが身に着けていたシルクのようなラグジュアリー感のある、ファブリック素材を使用しています。
高いステータス性も、ベニュワールの持つ魅力のひとつ。
かつて大公妃に贈られ、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴに愛されたベニュワールは、世界中のセレブリティな女性たちを魅了してきました。
有名どころとしては、国内芸能人では西川史子先生をはじめ叶恭子さん、河野景子さんなどが愛用者として知られています。海外セレブではアメリカの女優エイミー・アダムスさん、韓国の女優ユン・ウネさん、少女時代のユナさんが愛用しているようです。またナイジェリアのファーストレディにして美容セラピスト・作家でもあるアイシャ・ブハリさんのベニュワールも高名です。
③価格帯
繰り返しになりますがベニュワールはカルティエのレディースウォッチのハイエンドであるため、定価100万円が最低ライン。
ジェムセッティングされているモデルなら200万円からの価格設定になり、高額な個体であると2000万円近い定価に!なかなか気軽に購入できる価格帯とは言い難いかもしれませんね。
もっとも、カルティエは中古価格がぐっとお得になるブランドのひとつです。またカルティエの公式サイトから姿を消してしまったデザインも、中古なら見つけられる可能性があります。
中古価格相場はシンプルな個体であれば20・30万円台~。50万円以下で買えるモデルも数多く出回っており、当店では往年の輝きを取り戻した状態でお手元へお届けします。
リーズナブルに上質な個体に出会うために、中古コレクションをチェックしてみることをおすすめいたします。
カルティエ ベニュワールお勧めモデル5選
アンティークモデルも入れると大変数の多いベニュワールコレクションの中から、おすすめのモデルを5つ厳選しました。
世界中の女性が恋するジュエリーの王者カルティエが手掛けた、レディーのための腕時計をつぶさにご紹介していきます。
①ベニュワールSM W1516856
【素材】18Kホワイトゴールド
【ジェムセッティング】リューズにカボションサファイア
【ケースサイズ】縦31mm×横23mm×厚さ6.5mmg
【駆動方式】クォーツ
【防水性】日常生活防水
【参考定価】637,200円
ベニュワールSM W1516856は、ベニュワールのもっとも基本的なスタイルのひとつです。
SMサイズなので、一般的な女性向けオーバル腕時計サイズといえます。
ホワイトゴールドを磨きぬいたオーバルケースはケース自体にもなめらかな反りがあり、女性の腕にしっくりと馴染むだけでなく、曲線美がなまめかしさまで感じさせます。
シンプルな文字盤ですが、10時のローマンインデックスの2画目が「Cartier」のロゴになっていて、バスタブという名前とともにフランスならではのエスプリがあふれるデザインです。
リューズには細やかなホワイトゴールドの細工とカボションサファイアが添えられており、ブルースチール針との相性もよく爽やかさがあります。
旧モデルのためインデックスも控えめで、昔ながらのカルティエファンから根強い人気を得るモデルです。
②ベニュワールSM WB509751
【素材】18Kホワイトゴールド
【ジェムセッティング】ブリリアントカットダイヤモンド78個・リューズに1個
【ケースサイズ】縦31mm×横23mm×厚さ7mm
【駆動方式】クォーツ
【ムーブメント】クォーツ
【防水性】日常生活防水
【参考定価】3,121,200円
ベニュワールSM WB509751は、SMサイズのベニュワールのベゼルを二重のダイヤモンドで取り巻いたデザインです。
ブリリアンカットのダイヤモンドをびっしり並べた、ボリュームとラグジュアリー感の高い仕上がりになっています。
SM WB509751も旧タイプのベニュワールで、小さめのインデックスとほぼグラデーションになっていないダイヤモンドのセッティングが特徴です。
ダイヤモンドで作られた小鳥の巣のように見えるきらびやかな腕時計は、ホワイトゴールド製ということもあってさまざまなベルトに合わせて楽しめます。
革ベルトであればフォーマルな印象になりますし、トワルやカスクドールなどのストラップに替えることで、ゴージャスかつ上品なジュエリーとしてパーティーシーンでも注目の的になりそうですね。
40代を過ぎ、還暦、古稀を過ぎても色あせることなく女性を輝かせる、価値ある腕時計です。
③ミニベニュワール W1518956
【素材】18Kホワイトゴールド
【ケースサイズ】縦25mm×横18mm×厚さ7mm
【駆動方式】クォーツ
【防水性】日常生活防水
【参考定価】759,000円
ミニベニュワールW1518956は、ベニュワールの中でもっとも小さく愛らしいサイズで人気の高いミニサイズの腕時計です。
こちらもインデックスが控えめで、高級腕時計の伝統的ブルースチール針も可愛らしいサイズになっている旧モデルです。
画像で拡大したケースを見るとベゼルのホワイトゴールドがふっくらと柔らかなふくらみを帯びていて、かなりボリューム感があるような印象を受けます。
しかし実際にはミニサイズで女性の華奢な腕にも違和感なくおさまる大きさのため、ホワイトゴールドの豊かなふくよかさがちょうどよいと感じていただけるのではないでしょうか。
リューズがなく、ジェムセッティングもないつるりとしたデザインなので、どのようなベルトとの相性も楽しめます。
④ミニベニュワール WB5101L2
【素材】18Kホワイトゴールド
【ジェムセッティング】ブリリアントカットダイヤモンド74個
【ケースサイズ】縦25mm×横18mm×厚さ7mm
【駆動方式】クォーツ
【防水性】日常生活防水
【参考定価】2,940,000円
ミニベニュワール WB5101L2は、ピンクシェルの文字盤を使用しています。
こちらもインデックスが控えめな旧モデルで、小ぶりながら二重にセッティングされたブリリアントカットのダイヤモンドベゼルを採用しました。
なめらかな曲線を描くボリューミーなダイヤモンドベゼルが、あでやかなピンクシェル文字盤を包み込むファビュラスな腕時計です。
カスクドールのブレスレットは鏡面のようになめらかに仕上げられ、腕時計全体にアクセサリーとしての華々しさが漂う腕時計になっています。
しかしミニベニュワールのサイズ感が全体をぐっとひきしめ、甘いピンクシェル文字盤やダイヤモンドのボリュームを上品にまとめています。
ピンクゴールドとはまた違った透明感のあるチャーミングな文字盤のカラーは、ベニュワールが持つジュエリーとしての一面をよく表しているのではないでしょうか。
⑤ミニベニュワール WB520026
【素材】18K ピンクゴールド
【ジェムセッティング】ケースとリューズにブリリアントカットダイヤモンド42個
【ケースサイズ】縦25.3mm×横20.79mm×厚さ7mm
【駆動方式】クォーツ
【防水性】日常生活防水
【参考定価】3,458,400円
ミニベニュワール WB520026は新たなタイプのベニュワールです。
2009年のモデルチェンジがしっかりと表れているデザインの腕時計で、豊満なふっくらベゼルもシャープなシルエットになっています。
セッティングされているダイヤモンドも先端に行くほど小粒になってゆくグラデーションで、より洗練された雰囲気を強く感じさせます。
リューズが特に違いを感じる点で、これまでは腕時計の外側にくっついているイメージでしたが、ケースの内側に半分程度が埋め込まれるようになりました。
その分狭くなったベゼル部分には、小粒のダイヤモンドを3粒配置しています。
リューズの先端にもブリリアントカットされたダイヤモンドが輝き、文字盤はシルバーのサンレイ仕上げとなっているため光をはじいてきらめく様が美しいデザインです。
ローマンインデックスもこれまでより一回り大きくしっかりしており、メリハリのついた印象です。
ベルトもすっきりとしたデザインに変わり、全体的にシャープかつスタイリッシュなイメージが強くなりました。
100年以上前に生まれた大公妃の腕時計が、働く女性や自らステータスを勝ち得る女性のための腕時計へ変貌を遂げたといえるのではないでしょうか。
まとめ
ベニュワールはハイブランド・カルティエの腕時計の中でも、トップクラスのクオリティとラグジュアリー感を持ち合わせるハイエンドモデルです。
古くは貴婦人たちの地位をよく表す腕時計でしたが、時代が下がり女性の社会進出とともにベニュワールの魅力も少しずつ変わってきています。
しかしふくよかで柔らかな気品や美しさは、変わることがありません。
ベニュワールは世界の頂点に君臨するジュエラーのレディース腕時計として、誕生から100年以上が経過した今でも女性を魅了してやまないモデルを発信続けています。
当記事の監修者
安 寧実(AN NINGSHI)
中国吉林省の出身で中国語と韓国語が母国語。
日本語学校で1年半日本語を勉強し、専門学校では英語を専攻。卒業後、羽田国際空港のロレックス正規店に勤務し、2018年7月からGINZA RASINで勤務。中国語、韓国語、日本語、英語の4か国語に精通。時計業界歴10年。