「ブレゲの型番にはどんな意味があるの?」
「ブレゲの型番の読み方が知りたい」
時計の歴史を大きく塗り替えた天才時計技師「アブラアム=ルイ・ブレゲ」によって生み出された名門ブランド「ブレゲ」。
「パーペチュアルカレンダー」「トゥールビヨン」といった革新的技術を生み出し、時計界に貢献し続けてきました。
そんなブレゲの型番の読み方が知りたいという人は多いのではないでしょうか。
この記事ではブレゲの型番の読み方を、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
一つ一つ読み解くことでモデル名やケース素材といった情報を知ることができます。
型番の法則についても詳しく解説しますので、ブレゲに興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
ブレゲの型番法則
ブレゲの型番は「5920BA/15/984」のように数字とアルファベットで構成されており、2つの「/(スラッシュ)」で区切られています。
型番から読み取れる情報はモデルナンバー、ケース素材、文字盤コード、ストラップコードの4つ。
法則は比較的単純で、型番を読み解きやすいブランドであるといえます。
ブレゲの型番法則 冒頭4桁の数字:モデルナンバー
型番の冒頭4桁は「モデルナンバー」を表します。この数字はモデル固有のナンバーであり、時計本体に刻まれている4ケタのリファレンスナンバーと同じ番号があてがわれます。
特徴としては「3」「5」「7」「8」から始まるモデルナンバーが大半を占めること。
モデル名 | モデルナンバー |
---|---|
トラディション | 7097、7077、7047、7057、7067、7027 など |
クラシック | 7147、7787、9067、5178、5717、8067 など |
マリーン | 5823、5857、5827、5817、8828、8818 など |
ヘリテージ | 5400、5410、5497、3661、8860、8861 など |
タイプ]] | 3800、3810、3817、3880 など |
クイーン・オブ・ネイプルズ | 8928、8967、8978 など |
なお、4桁目の数字に関しては法則性があり、こちらは主にシースルーバックかそうでないかを表します。
宝石のセッティングによって幾かのパターンがあり、よく見かけるのは「7」や「8」です。
数字 | 意味 |
---|---|
0 | 金属のケースバック |
1 | 金属のケースバック(ラウンドダイヤ) |
2 | 金属のケースバック(バゲットダイヤセッティング) |
3 | 金属のケースバック(特殊なセッティング) |
4 | シールスルーバック(特殊なセッティング) |
5 | シースルーバック(スケルトン文字盤) |
6 | シースルーバック(スケルトン文字盤/宝石セッティング) |
7 | シールスルーバック |
8 | シールスルーバック(ラウンドダイヤセッティング) |
9 | シールスルーバック(バゲットダイヤセッティング) |
「7」が多いのは、ブレゲがシースルーバックの採用に拘っているからです。
雲上ブランドならではの芸術的な内部機構を楽しみたいのであれば、モデル名の末尾が「4」〜「9」のモデルを選ぶと良いでしょう。
ブレゲの型番法則 5、6桁目のアルファベット:ケースの素材
モデルナンバーに続いて表示される2桁のアルファベットはケース素材を指し示しています。
最も使用率が高いのは「ST=ステンレススティール」。「TI=チタン」もよく見かけます。
他のブランドでも使用されるオーソドックスな表記なので、慣れればすぐに素材を判別することが可能です。
アルファベット | モデル |
---|---|
AG | シルバー |
BA | イエローゴールド |
BB | ホワイトゴールド |
BE | ホワイトゴールド+ローズゴールド |
BR | ローズゴールド |
PR | プラチナ+ローズゴールド |
PT | プラチナ |
SA | ステンレススティール+イエローゴールド |
ST | ステンレススティール |
TI | チタン |
TR | チタン+ローズゴールド |
一昔前のブレゲはイエローゴールドが主流でしたが、近年はスポーツモデル人気に伴いステンレススティールを用いることが増えてきています。
ブレゲの型番法則 /(スラッシュ)で囲まれた2桁の英数字:ケースの素材
2つのスラッシュに囲まれた2桁の数字が示すのはダイヤル(文字盤)の種類です。
組み合わせによって数字だけのパターンと数字とアルファベットが組み合わされたパターンの2通りが存在します。
基本的には1桁目が文字盤の表面を表し、2桁目が文字盤の表示等を表します。
ブレゲは文字盤の装飾が豊富で、色や素材だけでなく「装飾との組み合わせ」によってもナンバーが異なるため、表記のバリエーションは非常に豊富です。
こちらは例外も多いので、飽くまでも参考程度にご活用ください。
1桁目の数字:文字盤の表面
数字 | 文字盤の表面 |
---|---|
0 | イエローゴールドプレート |
1 | シルバープレート |
2 | エナメル |
3 | ローズゴールドプレート |
4 | ミネラル |
5 | MOP マザーオブパール |
6 | シルバープレート(パヴェダイヤセッティング) |
7 | 金属プレート(パヴェダイヤセッティング) |
8 | MOP(ダイヤモンドセッティング) |
9 | マットブラック |
1桁目は文字盤の表面を示します。主にどの素材を文字盤に採用しているかによって数字が異なります。
「0」イエローゴールドプレート、「1」シルバープレートがよく使われていますが、1桁目がアルファベットであることもあり、例外も多いです。
2桁目の数字:文字盤の表示等
英数字 | 文字盤の表示等 |
---|---|
E | 英語表記 |
F | フランス語表記 |
G | ドイツ語表記 |
I | イタリア語表記 |
0 | オープンワーク / スケルトン |
1 | 秒針なし |
2 | 秒針あり |
5 | ネオクラシック |
8 | 秒針なし(アラビアインデックス) |
9 | 秒針あり(アラビアインデックス) |
2桁目は文字盤の表示等を示します。スケルトンや秒針の有無といった文字盤の仕様によって数字が割り当てられており、上記意外にも無数のバリエーションが存在します。ただ、オーソドックスなモデルであれば「1」「2」「9」が採用されていることが多いです。
ブレゲの型番法則 末尾3桁の英数字:ベルトの素材、ナンバー
ブレゲの型番末尾3桁の英数字が示すのはベルトの素材やサイズです。
最初の一桁ではベルトの素材を表し、残り2桁でサイズや仕様によって様々な固有ナンバーが当てはめられます。
末尾二桁のナンバーは法則性に欠けますが、素材を示すコードには法則性が見受けられます。
英数字 | 意味 |
---|---|
3 | カーフレザー |
5 | ラバーストラップ |
8 | サテン |
9 | クロコダイルレザー |
A | イエローゴールド |
B | ホワイトゴールド |
R | ローズゴールド |
P | プラチナ |
S | ステンレススティール |
T | チタン |
ブレゲの型番法則 ハイジュエリー特有のナンバー
ブレゲのレディスモデル(ハイジュエリー)には従来の型番に加え、4桁の英数字が記載されていることがあります。
この英数字の意味は「宝石のセッティング」です。
宝石の種類やセッティング方法によっていくつかの種類があり、クイーンオブネイプルズのベゼルダイヤには「D00D」、マリーン バゲットダイヤなどには「DD0D」、クラシック ベゼルダイヤには「D000」がよく採用されています。
いずれも「D」と「数字の0」を組み合わせたナンバーがあしらわれています。
まとめ
ブレゲの型番は2つのスラッシュで区切った11桁の英数字で、モデル名や使用されている素材といった時計の詳細を知ることができます。
冒頭4桁の数字でモデルナンバーを表すため、コレクション名と合わせて「クラシック 7147」といった呼び方をすることも多いです。
ちなみにブレゲの時計には本体に3桁or4桁の数字+アルファベット2文字で記載されているシリアルナンバーが刻まれていますが、こちらは型番とは別のモノです。
型番には数字の前に「Ref.」の表記があるので、わからなくなったらRef.の有無でどちらかを判断してください。
また、ブレゲの型番法則はシンプルな内容となっていますが、絶対的な法則性があるわけではありません。
あくまでも高級腕時計の豆知識ぐらいに思っておいてください。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。