高級時計の中でもお手頃価格のノモス。ドイツブランドらしい実用的な時計がラインナップされており、高級腕時計の入門機としてオススメのブランドです。
特にフラッグシップモデルである「タンジェント」はそのシンプルな美しさから高い人気を博しています。
そんなノモスは2018年新作モデルとして「スモールシャンパーニュ」を発表しました。このモデルはタンジェントの誕生25周年を記念して作られた新たなコレクションであり、女性向けのノモスとして大きな話題を呼んでいます。
今回はノモスファン待望の新シリーズ「スモールシャンパーニュ」についてご説明いたします。
出典:https://nomos-glashuette.com/ja/tangente/-33-150
目次
「スモールシャンパーニュ」シリーズとは?
スモールシャンパーニュは女性向けに作られたスレンダーで可愛らしいノモスの新たなるラインナップです。
シャンパンカラーの文字盤を特徴とするこのモデルは、ノモスの数あるコレクションの中でもひと際目立つ存在感があります。
シャンパンカラーは「ネオマティック」シリーズで既に採用されていますが、今回の25周年記念シリーズは同じシャンパンカラーでも、サイズが小さくジュエリーにも似合う女性用デザインとなっています。
そして、このコレクションは以下のような特徴があります。
■文字盤がシャンパンカラー
■ケースサイズがスモールサイズ(33mm)
■ムーブメントは全て自社製手巻きムーブ”α”を採用
■レザーベルトにベロアレザーを採用
いずれも女性のファッションによく似合う性質を持っており、まさに今作は女性のためのノモスといっても過言ではないでしょう。
尚、スモールシャンパーニュはフラッグシップモデルである「タンジェント」に人気のある「オリオン・ラドウィッグ・テトラ」を加えた計4つのモデルで展開されます。
自社製手巻きムーブメント α
ノモスの新シリーズ「スモールシャンパーニュ」のムーブメントには4モデルとも自社製手巻きムーブメントα(アルファ)が採用されています。
この価格帯で自社製ムーブメントが搭載されていることは珍しく、他ブランドに対して大きなアドバンテージとなっています。
出典:https://nomos-glashuette.com/ja/tangente/-33-150
手巻きムーブαは「直径23.3mm/厚み2.6mm」という薄型設計。このムーブメントがあるからこそ、ノモスのモデルは薄型のデザインにすることが可能なのです。
加えてαはドイツ グラスヒュッテの伝統技法「3/4プレート」が採用されているため、薄型ムーブの欠点である耐久性の問題も克服しています。現在の主流であるハイビート(毎時28,800振動)ではなく、耐久性重視のロービート(毎時21,600振動)であることも耐久性に優れる要因の一つです。
また、ムーブメントの表面にはコート・ド・ジュネーブ装飾が施されており、心臓部であるテンプの奥にはペルラージュ装飾が施された美しい地板を見ることができます。
美的にも優れるこのムーブメントはスケルトンタイプのケースバックからご覧いただけます。
選べる2タイプの裏蓋
スモールシャンパーニュの裏蓋は「スチールバック」と「シースルーバック」の2タイプから選ぶことが可能です。
スチールバックは一般的なクォーツ時計によく採用されているスチール製の裏蓋です。ムーブメントを眺めることは出来なくなりますが、耐久性や防水性が増します。
対して近年の主流であるシースルーバックはサファイアクリスタル製のガラスから自社製手巻きムーブαを覗くことができます。
出典:https://nomos-glashuette.com/ja/ludwig/-33-247
ノモスのファンからは断然シースルーバックの方が人気がありますが、スモールシャンパーニュのスチールバックには特別なメッセージを彫ることが可能です。
そのため、プレゼントやサプライズ用途としてはスチールバックモデルの方が適しているかもしれません。
スモールシャンパーニュ① タンジェント33
出典:https://nomos-glashuette.com/ja/tangente/-33-150
まず最初に紹介するのはフラグシップモデルであるタンジェント。
基本的なデザインはそのままに、シャンパンカラーの文字盤が配されました。
長短針はロジウムメッキで作られており、美しさが際立ちます。スモールセコンドの針は可愛らしいネオンオレンジ秒針が採用されました。
女性のファッションに合わせやすいキュートな仕上がりです。
出典:https://nomos-glashuette.com/ja/tangente/-33-150
タンジェント スモールシャンパーニュの厚さは「6.45mm」。機械式時計でこれほどまでに薄い時計は少なく、細身の女性にもスマートにフィットします。
そして、スモールシャンパーニュはレザーベルトにも強いこだわりを持っています。
ベロアレザーについて
スモールシャンパーニュの4つのモデルには上質なベロアレザーが使われています。
ベロアレザーは成牛革の床面(裏面)を起毛させた革であり、スエードよりも粗くて毛足が長い素材です。
柔らかなレザーであるため装着感にも優れ、光沢を持つため上品さも兼ね備えます。
スモールシャンパーニュにはこのベロアレザーをベージュに染色し、女性の肌に馴染みやすくしました。ベージュカラーはカジュアルファッションのみならず様々なシーンで応用が利くため、汎用性が非常に高いことも魅力です。
スモールシャンパーニュ② オリオン33
出典:https://nomos-glashuette.com/ja/orion/-33-327
オリオンは徹底的に機能美を追求したバウハウスデザインのお手本のようなモデルです。インデックスはシンプルなバータイプとなっていますが、オリオンはバー1本1本にまで拘って製作されています。
オリオンのバーインデックスはダイヤモンドを研磨して作られた美しいバーであり、表面に角度の違う多数の切子面(ファセット)を作ることで光を屈折させる仕上げを施しています。
繊細に作られたバーインデックスはバーの内側から輝きを放つように見える効果があり、シャンパン文字盤との相性は抜群です。
オリオンのケース厚は「7.57mm」。タンジェントより1mm程厚めの設計です。ただ、オリオンのケースは流れるような曲線美も魅力ですので、1mm厚いからといってタンジェントに劣るわけではありません。
寧ろ、オリオンを選ぶ方は細かいところまで美しさを追求するこだわり派が多い印象を受けます。
スモールシャンパーニュ③ ラドウィグ33
出典:https://nomos-glashuette.com/ja/ludwig/-33-247
ラドウィグはノモスのコレクションの中で最もモダンな雰囲気を放つモデルです。特徴は何といっても「ローマンインデックス」でしょう。視認性を損なわないよう緻密に考えられたデザインは機能的であり、上品な美しさをもちます。
ただ、今作はラドウィグの大きな特徴であるインデックス外周のレイルウェイではなく、タンジェントと同じ通常の目盛りが採用されているため賛否両論が起こりそうです。
恐らくはシャンパン文字盤を目立たせようとしてレイルウェイが採用されなかったのではないでしょうか?
出典:https://nomos-glashuette.com/ja/ludwig/-33-247
ラドウィグの厚さは「6.5mm」で設計されているため、殆どタンジェントと一緒。ただ、ラドウィグの方が丸みを帯びたケースです。
今作はタンジェントに近い仕上がりとなっているので、お好きなインデックスデザインを選べば良いと思います。
スモールシャンパーニュ④ テトラ27
出典:https://nomos-glashuette.com/ja/tetra/-27-473
テトラはノモスのコレクションで唯一のスクエア型モデルです。シンプルなスクエア型時計は意外と少ないため、通な時計ファンから根強い支持を受けているモデルでもあります。
基本的なデザインはタンジェントとほぼ同一。ロジウムメッキの長短針、ネオンオレンジの秒針といった特徴は健在です。
ただ、シャンパーニュシリーズの中でテトラだけは「27.5mm x 27.5mm」と他の3モデルよりも6mmも小さいサイズ感で作られています。
出典:https://nomos-glashuette.com/ja/tetra/-27-473
コンパクトなスクエア型は丸型ケースとは一味違う可愛らしさがあります。厚さも「6.05mm」とスモールシャンパーニュコレクション最薄の設計です。
スクエア型はジュエリーにもよく似合うので、アクセサリーとしてコーディネートするのも良いと思います。
まとめ
タンジェント誕生25周年を記念して作られた新シリーズ「スモールシャンパーニュ」はラウンド型モデル”33mm”、テトラ”27.5mm”と小ぶりで女性にピッタリ似合うモデルです。
シンプルで美しいデザイン、高性能自社ムーブメントα、装着感に優れるベロアレザー。こんなにも素晴らしいモデルが20万円前後で買えることは衝撃的です。
プレゼントにも最適な「スモールシャンパーニュ」。大切な人に贈られてみてはいかがでしょうか?
当記事の監修者
安 寧実(AN NINGSHI)
中国吉林省の出身で中国語と韓国語が母国語。
日本語学校で1年半日本語を勉強し、専門学校では英語を専攻。卒業後、羽田国際空港のロレックス正規店に勤務し、2018年7月からGINZA RASINで勤務。中国語、韓国語、日本語、英語の4か国語に精通。時計業界歴10年。