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これは、もはや芸術作品。天才時計技師が生み出す「フランクミュラー」の腕時計の魅力
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高級時計という言葉から連想するブランドはいくつかあり、フランクミュラーもそのうちのひとつです。天才時計技師であるフランクミュラーが生み出す魅力的な時計は、高い評価を得ています。そんなフランクミュラーの特徴や、その歴史についてご紹介します。
目次
独創的で美しいデザイン
フランクミュラーの特徴といえば、なんといっても独創的で美しいデザインです。他の時計とは一線を画するデザインは、一目見てフランクミュラーの時計であることが分かります。
フランクミュラーのデザインの代名詞といえるのが、トノーケースとビザン文字です。トノーケースとは樽型のケースのことで、1992年のブランド誕生と同時に開発されたトノーカーベックス以来多くのモデルで採用されています。1920年代に流行した芸術様式であるアール・デコスタイルをベースにし、どこから見ても緩やかな湾曲を描くよう独自の三次曲線によって設計された芸術性の高いデザインです。ビザン数字は、アラビア数字のレタリングのひとつです。アンティーク腕時計でよく使われていたもので、絵画を彷彿とさせる高いデザイン性が感じられます。上述のトノーカーベックスを始め、フランクミュラーではビザン数字を文字盤いっぱいに配置するデザインが多く用いられています。
こうした独創的なデザインはフランクミュラーならではであり、フランクミュラーの人気の要因のひとつとなっています。
天才時計技師・フランクミュラーが作り上げた「フランクミュラー」
高級時計ブランドであるフランクミュラーは、天才的な時計技師であるフランクミュラーとジュエラーであるヴァルタン・シルマケスによって1992年に設立されました。その特徴は、なんといってもフランクミュラーの超絶的な技巧と独創的なデザインです。フランクミュラーの歴史は、天才時計技師フランクミュラーの歴史でもあるといえます。
1958年、フランクミュラーが生まれたのは、欧米の時計産業の中心地でもあるスイスです。幼い頃から機械式時計に魅力を感じていたフランクミュラーは10代で既に時計作りを始め、1975年にジュネーブ時計学校に入学。通常は3年かかる課程を1年で修得し、主席で卒業するという天才時計技師の片鱗を見せます。
卒業後、フランクミュラーはパン工房の2階を改装して、オーダーメイドの時計工房を開きます。既にフランクミュラーの持つ技術力は評判となっており、コレクターやミュージアムなどから希少な機械時計の修理依頼が殺到しました。1983年には複雑機構を腕時計に搭載することを思いつき、トゥールビヨンを搭載した腕時計など30本以上を発表。このことからブレゲの再来ともいわれ、まさしく天才時計技師の名をほしいままにしました。そして1992年、宝石商であり、ケースメーカーでもあったヴァルタン・シルマケスと意気投合したことをきっかけに、フランクミュラーの前身であるテクノウォッチ社を設立したのです。
その後もフランクミュラーはブランドを象徴するコレクションとなったトノーカーベックスを始め、カサブランカやコンキスタドールといったさまざまな時計を発表していきます。複雑時計の開発における世界記録や特許も次々に取得していき、ついにはマスター・オブ・コンプリケーション(複雑時計の巨匠)という名声も確立したのです。
フランクミュラーの人気モデル
フランクミュラーで人気のモデルとしては、以下のようなものがあります。
トノーカーベックス
トノーカーベックスは1992年のブランド設立時に発表された、フランクミュラーの象徴ともいえるコレクションです。どこから見ても緩やかな湾曲を描くトノーケース(樽型)とアンティーク時計によく見られるデザイン性の高いビザン数字は、その後のフランクミュラーのコレクションにも大きな影響を与えています。優雅なデザインの他、腕にフィットするフォルムも人気となっています。
カサブランカ
カサブランカは、これまで貴金属を用いた腕時計を製作してきたフランクミュラーが初めてケースにステンレススチールを採用したコレクションです。1920年代に人気を博したアメリカの映画「カサブランカ」にちなんで名付けられたこのコレクションは、ステンレススチールを採用することで気軽に使うことができ、庶民にも手が届く憧れの時計として支持されました。
ロングアイランド
1150SCJ AC / 902QZ COLOR DREAMS OAC
ロングアイランドは2000年に発表されたコレクションで、フランクミュラーの新しい方向性を示した作品です。レクタンギュラー(長方形)ケースいっぱいに書かれたビザン数字にスペード型の時分針、オーバル状のメモリなど、1920年代から30年代に流行したノヴェチェントスタイルと現代のアール・デコスタイルを調和させたデザインが人気を博しています。
ブレゲの再来とまでいわれた天才時計技師のアイデアと技術力が詰まったフランクミュラー。興味がある方は、ぜひフランクミュラーの時計をチェックしてみてください。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。
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