「デイトナ116523と116503の違いって何だろう?」
「デイトナ116523と116503だったらどちらを選んだら良い?」
Ref.116523は2016年に製造終了した先代デイトナ。
Ref.116503はその後を継ぐ形で発売されたモデルです。
デイトナの人気はステンレススティールに集中していますが、海外の方を中心に「116523」「116503」も人気があります。
この2つのリファレンスは見た目が似ているため、116523と116503の違いについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
2つのモデルの大きな違いはベゼルと価格です。
この記事ではロレックス デイトナ116523と116503の違いを、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
価格についても解説しますので、デイトナの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
ロレックス デイトナ コンビモデルの歴史
デイトナのコンビモデルは1988年に発売したRef.16523から始まりました。
16523はデイトナが手巻きから自動巻きに切り替わると同時に誕生した初のモデルで、現在超プレミア価格となっているRef.16520と同時に発売されました。
名機エルプリメロを搭載しているため非常に人気が高く、約12年にも渡るロングセラーとなりました。
現行モデルと比較するとインダイヤルのカラーやバックル(ダブルバックル)に違いがあるため、デイトナの中ではとても違いが分かりやすいモデルといえます。
次に登場したのが、2000年に満を持して発売された2世代目コンビモデルRef.116523。
このモデルはムーブメントに垂直クラッチ式の自社開発クロノグラフムーブメント「cal.4130」が搭載され、クロノグラフ秒針の停止や運針が瞬時に反応するようになりました。
見た目は16523にそっくりですが、スペックは大幅に向上しています。2000年~2016年まで16年に渡って製造され、初代コンビモデル同様ロングセラーとなりました。
その後、2016年に惜しまれつつ116523の製造が終了。そして現在も現行モデルとして発売されている「Ref.116503」が誕生しました。
リファレンス番号が若返っていることから、116523が最新モデルと勘違いしている方が多いですが、116503が現行モデルです。
また、同じ年に発売された116500LNは旧デイトナ116520と見た目に大きな変化が加えられましたが、コンビモデル116503に関しては、前作と殆ど変わらないデザインで作られています。
初代から2世代目に移行する際にはムーブメントが全く異なるという分かりやすい違いがありましたが、116523と116503に関してはムーブメントが同じである上に見た目も瓜二つ。
ロレックスに詳しい方でなければ、どちらも同じという感想を持つことでしょう。
「Ref.116523」と「Ref.116503」の違い
さて、ここからが本題です。
2世代目コンビデイトナRef.116523と現行(3代目)コンビデイトナのRef.116503。
この両モデルの大きな違いはベゼルに隠されています。
左:116523(ブラック) 右:116503(ブラック)
116523と116503は文字盤やインデックス、ケース径、搭載ムーブメントに大きな差はありません。
しかしベゼルのデザインは大きく異なります。
116523のベゼルは長らくデイトナの顔として存在していた116520と同じタイプのデザインが使われていますが、現行モデルの116503はタキメーターの数字の下にあるドットが三角の印に変更されており、モダンな印象となりました。
また、文字のフォントも太くなり、力強さが増しています。
どのバリエーションも違いは同じ
コンビモデルには様々なバリエーションがありますが、どのモデルを選んでもリファレンスの違いは同じです。
どちらのベゼルが好みであるかどうかが購入のポイントとなります。
左:116523(アラビア・黒白) 右:116503(アラビア・黒白)
デイトナとしてはかなりカジュアルな文字盤デザインのアラビア・黒白文字盤。リファレンスを見比べても、ベゼル以外は殆ど同一であることが分かります。
左:116523G(ブラック・ダイヤ) 右:116503G(ブラック・ダイヤ)
ダイヤインデックスが配されたモデルもベゼル以外は殆ど一緒。
どちらのベゼルが文字盤デザインに合って見えるかは、個々の好み次第です。
年式による仕様の違いは存在する
116523と116503の絶対的な違いはベゼルですが、それ以外にも「年式による違い」が存在します。
116523は前述の通り2000~2016年まで16年間製造されましたが、この16年の間に幾度かマイナーチェンジを行っており、同じリファレンスであっても細かな違いがあります。
例えばルーレット刻印の有無。
2006年頃からロレックスの各モデルは文字盤周りのガラスが埋め込まれたところにロレックスという文字が刻まれるようになりました。
これはデイトナに限らずロレックス全てのモデルにおいて変更されています。
この刻印はルーレット刻印と呼ばれ、116523も例に漏れず2006年以前に製造された個体は刻印無し、以降に製造されたモデルは刻印有りとなっています。価値は刻印有の方がやや高いです。
左:116523 旧バックル 右:116523 新バックル
また、バックルも時期によって異なり、後期個体ではバックルを開いた部分にロレックスのロゴが配されています。
こちらも新クラスプの方が少し価値が高いです。
「ベゼルの好み」がどちらを購入するかの決め手であることには変わりありませんが、116523に関してはいつ頃製造されたモデルなのかを確認しておいた方がよいでしょう。
基本的には製造年が新しいほど価格が高くなり、古いほど安くなります。
「Ref.116523」と「Ref.116503」の価格について
「Ref.116523」と「Ref.116503」の価格については、どちらもステンレスデイトナに比べると非常にリーズナブルな価格設定となっています。
右肩上がりに高騰を続ける11620、116520、116500LNに対し、コンビモデルの相場はかなり緩やか。2019年1月末時点の相場は116523が150万円前後、116503が170万円前後となっています。
ゴールドが使われているのにステンレスモデルよりも安い相場となっており、手に入れやすいデイトナとして人気を博しています。
どちらもお得であることには変わりありませんが、ベゼルが違うだけで約20万円ほど安く買える116523は特にオススメです。
まとめ
「Ref.116523」と「Ref.116503」の大きな違いはベゼルと価格です。
同じリファレンスであっても個体によって状態や細かな仕様が異なりますので、116523をご購入される方は細部まで状態をよくチェックしましょう。
ただステンレスモデルと比べると僅かな差ですので、個人的にはベゼルの好みで選んでしまっても良いと思います。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年