「ロレックス デイトナの王冠マークって変わった?」
「デイトナの王冠の透かしマークについて知りたい」
ロレックスのガラスには「6時位置」にレーザーで小さく透かしの王冠マークが彫られています。
その大きさは 肉眼ではほとんど見えず、ルーペ等を使って初めて分かるくらい細かなものです。
そんなデイトナの王冠の透かしマークについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
このマークですが、実はデザインが微妙に変わったことが判明しました。
まだ詳細は明らかになっていませんが、2016年の新作デイトナ(Ref.116500LN)では確かに以前と違うデザインになっています。
この記事では王冠 透かしマークの変化について、GINZA RASINスタッフ監修のもと考察しています。
ロレックスの王冠マークの見方も解説しますので、ロレックスに興味がある人はぜひ参考にしてください。
目次
そもそもこのマークは何のためにあるの?
まずはこのマークが何のためにあるのかを説明します。結論から言うと「偽物防止」の為です。
常に高い人気を誇るロレックスは人気であるが故「偽物」が世界中に出回っています。そこでロレックスは「本物」であることの証明として、偽物には決して真似できない高度な技術により「王冠透かしマーク」を風防に施すことを決めました。
「王冠透かしマーク」は1999年にヨットマスター・ロレジウムに初採用され、翌2000年には新型デイトナにも採用されました。2001年にはCal.3130搭載モデル(エクスプローラー I ・サブノンデイト・エアキング)に採用、更に2003年には残りのスポーツモデルに採用され、一般化することに成功しています。
王冠透かしマークの見かた
ロレックスの現行モデルにはすべて「サファイアクリスタル」を使用したガラスが使われています。
サファイアはダイヤモンドの次に固いといわれており、傷の付きにくい素材としてロレックス以外でも多くの高級腕時計のガラスに採用されている時計風防の定番です。
そんな優れた強度を誇るサファイアクリスタルレンズに刻まれているのが「王冠透かしマーク」。実はこのマークは肉眼では見つけられないほどの大きさしかありません。確認するためにはルーペが必要になります。
ロレックスを手に持ち照明を当てる
王冠透かしマークを確認するために必須なのは「ルーペ」ですが、出来れば卓上ライトなどの照明があると見つけやすさは格段に上がります。机に直置きではなく時計を手で持ち、ルーペで6時位置を見ながら照明の光を使って角度をゆっくり変えると王冠透かしマークはその姿を現します。
ポイントはガラスを真上からではなく、斜めから見ることです。特に白やシルバー系の文字盤はうまく角度を調整しないと文字盤の色と同化してしまい、見つけることが大変難しくなります。
どうしても見つけにくい場合は時計を反対に持って12時側から斜めに覗き込むと見つけやすいです。
王冠透かしマークのデザインが変わった!?
さて、本題はここから。1999年から現在までデザインに変更のなかった王冠透かしマークですが、2016年に発売された新作デイトナ(Ref.116500LN)にて同マークを確認したところ、今までのデザインと異なる点を発見しました。
今までの王冠透かしマーク
新型デイトナ116500LNの王冠透かしマーク
王冠透かしマークはロレックスの象徴である王冠を点線で描いているのが特徴です。旧マークと新マークを比較すると、旧マークは王冠下部の円がロレックスのロゴと同じように1重になっていますが、対して新型デイトナに刻まれていた新マークはその円部分が2重になっており、更に繊細なマークとなっています。
他の2016年モデルはどうなのか?
ここで気になるのは、この新マークが新型デイトナだけに刻まれているのか、それとも2016年以降に発売されたモデル全てに刻まれているのかという点。
そこで新型デイトナと同じく2016年に発売された「ヨットマスター ロレジウム 116622 ダークロジウム」の王冠透かしマークもチェックしたところ、こちらは以前の旧マークのままでした。
全てのモデルをチェックしたわけではなく断言することは難しいですが、現状では新マークは新型デイトナにのみに確認されている刻印なのかも知れません。今後はシードゥエラーRef.126600やチェリーニ ムーンフェイズなど話題の新作が次々と発売されていくため、これらのモデルの刻印がどちらのタイプになっているのかも気になるポイントです。
参考モデル
ロレックス コスモグラフ デイトナ 116500LN ホワイト
2016年のバーゼルワールドで発表された、待望の新型「コスモグラフ デイトナ」116500LN。ベゼルがステンレスから傷のつきにくいセラクロムへ変更され、文字盤のインダイヤルの縁取りもブラックとなり、より精悍なイメージになりました。ムーブメントはパワーリザーブ約72時間を誇る”Cal.4130″を搭載しています。
まとめ
なぜ王冠透かしマークのデザインに変更が加えられたのかは現在謎に包まれています。このマークが新たにロレックスの王冠透かしマークの定番になるのか、それともデイトナだけの特別仕様になるのかすら不明です。
今まで幾度なく細かな仕様の違いを生み出してきたロレックス。今回の新マークも初期モデルにしか見受けられない「レアポイント」である可能性もあり得ます。ですが、そんな謎めいた部分もロレックスの魅力の1つかも知れません。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年