男性だからこそ楽しめるデカ顔時計。
フォーマルシーンではスリムサイズが主流ですが、デカ顔の力強い存在感と重量感は圧倒的なまでにカッコよさを感じさせます。
ここ10年以上デカ顔はトレンドであり、近年老舗の高級時計メーカーもボリューミーなコレクションを展開しています。
今回は東京 銀座の腕時計専門店GINZA RASINのスタッフが、2016-2017年の売上データをもとに、旬でおすすめなデカ顔時計をご紹介させていただきます。
体形や手首の太さなど気にせず、ビッグで男らしい存在感を手元で演出しましょう!
目次
1.旬のデカ顔おすすめウォッチ ~パネライ3選~
デカ厚トレンドの火付け役とも言うべきオフィチーネ パネライ。
イタリア海軍から潜水特殊部隊用の軍用ダイバーズウォッチの製造を依頼された事が、
時計製造ブランドとしての始まりです。
出典:https://www.panerai.com/ja/about-panerai/history.html#1993年
パネライは長らく、軍に納入するための軍用時計を取り扱ってきましたが、東西冷戦後の1993年頃に経営不振に陥ったことで、一般市場へ向けた時計の製造や販売を開始。
軍需製品ゆえに、どんな過酷な状況下でもその機能を発揮させる堅牢で視認性を優先したボリューミーな顔が特徴的で、それが大ヒットに繋がりました。瞬く間に「デカ厚ウォッチ」の先駆けとして、トップブランドの仲間入りを果たします。
ただ大きいだけに留まらず、時代に合わせ洗練させたデザインや軍用を前提とした
高性能・高機能のパネライウォッチは、世界中のメンズから根強い人気と注目を集め続けています。
①パネライ ルミノール パワーリザーブ PAM00090
出典:https://www.panerai.com/ja/home.html
ケース径44.0mm、重さは156gと、デカ顔の持ち味である威厳を持つ、デカ顔の金字塔とも言うべき存在。
このパネライ独特の、クッションケースにレバーロック式リューズガードを装備したボディは、300mの防水性を備えた見た目通りの堅牢で耐久性に優れたデカ顔時計です。
その性能も、アクティブで男らしいメンズにぴったり。
多くの高級腕時計愛好家や専門家から高く評価されるパワーリザーブ表示機能を搭載。
ダイアル上にあるインジケーターによってゼンマイの残量が示されるため、残りの作動持続時間を一目で確認することができます。
また、内包するムーブメントは永遠の名機と称され名高いバルジュー7750-P1ベースのOP-IXを採用。
計算し尽くされた絶妙なバランスの配置を持つダイアルが、当ブランドらしい視認性とスマートさを両立しています。
スポーツウォッチでありながらも、ステンレススチール製のケースとブラックダイアルはシックな雰囲気を纏っているので、スーツスタイルにもおすすめできる一本です。
②パネライ ルミノールマリーナ PAM00104
出典:https://www.panerai.com/ja/home.html
ケース径44.0mm、9時位置に配されたスモールセコンドが特徴的な、パネライ初期からの定番モデル・ルミノール マリーナ。半世紀以上にも渡る伝統を踏襲した、シンプルでベーシックなデザインが根強い人気を持ち続けています。
この伝統から感じさせられるノスタルジーはデザインだけではありません。
イタリア海軍の潜水特殊部隊は、深海を始めとした過酷な状況下でパネライウォッチだけが時刻を告げてくれる存在でした。
当時必須だった機能―夜光塗料が塗布された大きな針とインデックス、高い防水性―がそのまま受け継がれ、時代を超えた実用時計としての価値が変わらずあります。
ボリューミーなボディだけでなく、こういった腕時計が持つストーリーを考えたとき、パネライ ルミノールマリーナはロマンと屈強なスピリットを秘めた最も男らしいデカ顔時計に思えてなりません。
ムーブメントにはCal.OP IIIが搭載されています。
③パネライ ラジオミール 1940 3DAYS アッチャイオ PAM00662
ケース径は47.0mmとかなりのビッグフェイスにもかかわらず、重さは比較的軽やかな139g。
現在はルミノールがパネライの主流ですが、歴史的には先に開発が手掛けられ、よりクラシカルな腕時計愛好家から熱狂的支持を得ているのがラジオミール。
中でもこちらのラジオミール 1940 3DAYS アッチャイオは、エジプト海軍の潜水工作隊員の為に数十本のみ製作されたエジツィアーノ ピッコロを現代に蘇らせたスペシャルエディションです。
元々の製造数が30~40本であったため、大変な希少性の高さとしてパネライのヴィンテージウォッチの中でも人気を誇り、なかなか市場に出回ることがありませんでしたが、クラシカルな雰囲気を守りつつ現代風に洗練させ、懐かしいのに新しい復刻を遂げたモデルです。
ブラウンダイアル上にシンプルな2針のみのデザインは、よりアンティーク調を強めました。
威厳あるデカ顔は、古今の男らしさにふさわしいモデルと言えます。
2.旬のデカ顔おすすめウォッチ ~ブライトリング3選~
数あるコレクションの中でもとりわけパイロットウォッチでは他の追随を許さないブライトリング。
空と密接な関わりを持ち、空の時代の幕開け期から航空用クロノグラフを開発、1915年には初のクロノグラフ搭載腕時計を誕生させます。
以来、パイロットや搭乗員、そして限界に挑む全ての人々のために革新的かつ実用的な時計を続々とラインナップし続けてきました。
ブライトリングのデザイン・機能性は航空計器にその原点が据えられています。
そのため、不具合が許されないきめ細やかさがありながらも、大空を自由に飛び回る精悍さと奔放さを併せ持つ時計の世界のプロフェッショナル計器と言えるでしょう。
迫力あるデカ顔ケースに広がる空の世界が手元から輝けば、どんなシーンでも
ワンランク上の男を演出できること請け合いです。
①ブライトリング クロノマット44 A011B56PA(AB0110)
ブライトリングの空への情熱そのものでありフラグシップモデルでもあるクロノマット44。
ケース径は44㎜、防水性500mにも及ぶスペック、そして216gのずっしり感は、まさにブライトリングが謳う「プロフェッショナルのための計器」を体現したパイロットウォッチです。
搭載しているブライトリング初の完全自社製クロノグラフムーブメントCal.B01は従来のものより薄型のため、威厳あるデカ顔とはうらはらにスリムでスタイリッシュな一本となりました。
ブラックダイアル上にはバランスよくインダイアルと大きいローマ数字が配され、12時位置にはおなじみのロゴ。
ブライトリングの、機能だけに留まらず美に対しても妥協をしない企業姿勢が伝わってきます。
現在は生産終了していますが、不朽の名作として今なお市場では熱い注目が集まっているモデルです。
②ブライトリング ナビタイマー ワールド A242B26NP(A24322)
出典:https://www.breitling.co.jp/products/navitimer/navitimer_world/#/DETAIL/
「時計ではない、計器である」
ブライトリングが掲げる1990年代初頭のコンセプトを基に誕生し、パイロット協会AOPAの
公式時計に認定されているナビタイマーからは、時代に即した様々なコレクションが展開されています。
とりわけナビタイマー ワールドは、国境を超越して飛び回るパイロット、そしてグローバル社会を生きる
全ての現代メンズに向けて製造され瞬く間に人気を集めました。
ダイナミックなダイアル中央から伸びるGMT針と世界のあらゆる時刻を刻んだ24時間スケールで
第二時間帯を表示できるようになっています。
さらに、裏蓋には世界主要都市のタイムゾーンを刻印。
ナビタイマーは誕生以来、時代に即した新機能の搭載やブラッシュアップが行われてきましたが、
現代のみならず今後もニーズが見込まれるモデルです。
出典:https://www.breitling.co.jp/products/navitimer/navitimer_world/#/TOP/
気になるケース径は46mm、そして厚さ15.5mmと申し分のない威厳に視認性。
世界中を精力的に飛び回る男性にぜひ身につけていただきた一本です。
③ブライトリング エアロマリン スーパーアベンジャー A337B07PRS(A13370)
ケース径48.4㎜に重さ256gとブライトリングの中でも飛び抜けた存在感にもかかわらず、最高の装着感が伴います。
これは、人間工学に基づいてデザイン・製造されているためです。
空だけでなく、海の世界でもその名を馳せるブライトリングの本格ダイバーズウォッチ・スーパーアベンジャー。
耐久性に富んだケースには極厚のサファイアクリスタルガラスが埋め込まれ、さらにプロテクタに保護されたねじ込み式リューズは、大変な防水・防圧機能を持つことを示唆しています。
3つのインダイアルの右半分は、光の反射によって様々に色調が変化するストライプのギョーシェ仕上げが丁寧に施され、スポーツウォッチで最も重要視される視認性とエレガンスを両立しました。
このタフで男らしいデカ顔時計は、アクティブなスポーツシーンに留まらず炎天下や極寒の地であってもその真価を発揮してくれるでしょう。
3.旬のデカ顔おすすめウォッチ ~ウブロ3選~
「これまでにない時計を作りたい」
その情熱によって、カルロ・クロッコが1980年に立ち上げたブランド、それがウブロ(日本語で舷窓)です。
伝統的な時計作りの技術と最先端のデザインが融合した腕時計は、大きな衝撃と新鮮な印象を誕生から今に至るまで人々に与え続けてきました。
とりわけ2005年からFUSION―融合―というコンセプトのもと、ウブロが展開するビッグバンシリーズ。
これは、セラミックやチタン、カーボンファイバーなど独自のユニークな素材を高級腕時計に採用するという全く新しい試みで、大ヒットを遂げます。
ウブロはヨーロッパ中の王室・王族に愛用され、「王の時計」と呼ばれることも。
王者の貫禄をまとうデカ顔とともすれば異端とも言えるデザイン性は、腕時計に留まらないトレンドを牽引してると言えるかもしれません。
①ウブロ ビッグバン ウニコ チタニウム セラミック 411.NM.1170.RX
チタンケースとブラックセラミックベゼルを大胆に使用した、ウブロの中でもとりわけ新しく美しいビッグバン。
そのダイナミックな試みを体現したかのようなこのモデル、ケース径は45mmのビッグサイズ。
この斬新なデカ顔の中には、完全自社製ムーブメント“ウニコ”(Cal.HUB1242)を搭載。
スケルトン仕様のダイアルと裏蓋から、その精緻な動きを垣間見ることができます。
独自のラバーストラップと合わせて、ウブロの魅力を余すところなく詰め込んだ一本です。
②スピリット オブ ビッグバン ホワイトセラミック 601.HX.0173.LR
2014年のSIHHで発表され、話題を一斉にさらったスピリット オブ ビッグバン。
ビッグバンシリーズ初となるトノー型ケースは51mm×45mm、重量144gというボリューム。
ホワイトで統一された外観は、スポーツ・エレガンスに新しい可能性を提案しました。
「これまでにない時計を作りたい」というビッグバンのスピリットを内に秘めた傑作と言えます。
さらに、ムーブメントはゼニスと共同製作したHUB4700を搭載。
永遠の名機エル・プリメロをベースに、全く新しいデザインを作り上げました。
③ウブロ キングパワー オーシャノ グラフィック 1000 カーボン 732.QX.1140.RX
キングパワーはビッグバンの進化形で、異素材とのFUSIONはそのままに、どのモデルもブランド史上最大である48mmというケース径を持つコレクションです。
中でもこちらのオーシャーノは1000mの防水性を実現したダイバーズウォッチで、内外ともにダイナミックな一本と言えます。
イエローの針で60分積算計が搭載されていて、極めてシンプルに視認性良く設計されたモデルです。
また、カーボンで覆われたボディの裏蓋には帆船が刻印され、ウブロのアイデンティティを感じられることも魅力。
世界1000本限定生産で、その希少性と人気の高さから市場では特に注目されています。
このモデルに限らずキングパワーはダイナミックで斬新なデザインばかりのため、周囲と差がつくデカ顔ウォッチをお探しの方はこのコレクションから選んでみることをおすすめします。
まとめ
薄型ムーブメントの開発やクラシカルへの回帰など、近年では上品で小ぶりなサイズ感の腕時計もまた様々なメーカーからラインナップされています。
しかし、スポーティーと高級感が共存し、他と差がつくデカ顔の腕時計はやはりかっこいい男の象徴ではないでしょうか。
この記事では代表的なデカ顔を3選の形式でご紹介いたしましたが、ファッショナブルであったりシンプルでスーツスタイルにも対応できるものなど、魅力的なモデルは枚挙に暇がありません。
まだまだデカ顔トレンドが続きそうな昨今、今後もより多くの製品をご紹介していきたいと思います。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。