「ロレックスの型番(リファレンスナンバー)の最後のアルファベットにはどんな意味があるの？」
「ロレックスの型番を読み解くにはどうすればいいの？」
ロレックスには型番の最後に「LN」「 LB」「BLNR」「BLRO」「CHNR」・・・といったアルファベットが付いているモデルが多く存在します。
この型番の最後に付いているアルファベットについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
一般的に知られているアルファベットの法則はロレックスが公式で認めたものではない為、中には例外も存在しますが大半は合っています。
この記事ではアルファベットに秘められたそれぞれの意味を、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
画像付きで説明しますので、ロレックスに興味がある人はぜひ参考にしてください。
目次
①アルファベットの意味
結論から申しあげますと、「LN」「 LB」「 BLNR」「 BLRO」「 CHNR」といった型番末尾に配されたアルファベットは「装飾」を意味します。
そのため、装飾が施されていないモデルには記載されておらず、あくまでも装飾が施されているモデルのみにアルファベットが末尾に配されます。
②代表的なアルファベットの種類
ロレックスには数多くの装飾が存在しており、末尾に配されるアルファベットのバリエーションはかなり豊富です。
今回はその中でも代表的なアルファベットをまとめてみましたので、是非ご覧ください。
LN：黒いベゼル
LNは黒いベゼルという意味があります。代表的なモデルはデイトナの現行モデル116500LNですね。
旧世代のデイトナはステンレスベゼルだったので、アルファベットは付いていませんでした。今作からLNが付いたのは黒いセラミックベゼルが採用されたからです。
LV：緑のベゼル
グリーンサブの象徴となっているLVというアルファベット。こちらはイメージ通り「緑のベゼル」を意味します。尚、定番デイトナとは異なり、5桁リファレンスの16610LVにもLVというアルファベットが付いています。あくまでも緑のベゼルであることが重要というわけです・
LB：青のベゼル
LBは「青のベゼル」という意味です。青サブ系統のモデルの多くにLBが配されています。なお5桁リファレンスの青サブにはLBの2文字は付いていません。
BLNR：黒/青 ベゼル
上半分が黒、下半分が青で作られた黒/青ベゼルには専用のアルファベットBLNRが型番末尾に付けられています。尚、このアルファベットが付けられたのは6桁リファレンスからであり、5桁リファレンスモデルにはついていません。
BLRO：青/赤ベゼル
今も昔も圧倒的な人気を誇る青/赤ベゼル。固有のアルファベットはBLROです。
2018年バーゼルワールドで発表された新型126710BLROも末尾がBLROとなっており、今後発売される6桁リファレンスの青/赤ベゼルも「BLRO」が末尾に付くことが定番化しそうです。
CHNR：黒/茶ベゼル
バーゼルワールド2018で発表された新作126711CHNR。このモデルの誕生によって新たなるアルファベットCHNRが追加されました。
CHNRはBLNRやBLROと同じく「ベゼルのカラー」を意味し、黒/茶ベゼルであることを証明しています。
SARU：サファイア/ルビーベゼル
滅多にお目にかかることのないSARUという4文字のアルファベット。これはサファイアとルビーで作られたベゼルが採用されたモデルにのみ使われるアルファベットであり、超高級モデルであることを証明しています。ちなみに116758SARUの定価は¥12,673,500円(税込）と驚愕の1000万円オーバーです。
ZER：全面ダイヤ
ロレックス デイトナ 全面ダイヤ 116599TBR ZER
全面ダイヤモデルは末尾にZERのアルファベットが配されます。バケットダイヤベゼル、フラッシュフィットダイヤ、パヴェダイヤ文字盤。無数のダイヤモンドは、内部に傷のある石を一切使用しないというロレックス社の厳格な基準の下に選定されたものが使用されています。
GV：グリーンガラス
GVはミルガウスのアニバーサリーモデル”116400GV”にのみ備えられているグリーンガラスに対するアルファベットです。現在はこのモデル専用のアルファベットとなっています。
G：ダイヤのインデックス
Gはダイヤのインデックスが配されたモデルに使用されているアルファベットです。デイトジャストでよく見かけます。
2BR：2Pダイヤ
ロレックス デイトジャスト ブルージェダイト69173 2BR
パステル系のブルーが綺麗なジェイダイト文字盤に、2ポイントのダイヤを配したロレックス・デイトジャスト。2BR=2ポイントダイヤの意味を持ちます。
A：ダイヤのインデックス＋バゲットダイヤ
ロレックス デイトナ 8Pバゲットダイヤ/3Pダイヤ 116506A
AはGと似ていますが、インデックスにダイヤだけでなくバケットダイヤが配されたモデルに使われています。高価なモデルばかりであるため、あまりお目にかかることはないアルファベットです。
LR：文字盤を囲むダイヤ＋ルビーのインデックス
ロレックス デイトジャスト 10Pルビー ラウンドダイヤ 79178LR
デイトジャストの一部モデルに採用されている「文字盤を囲むようにして取り付けられたダイヤにルビーのインデックスを配したモデル」。これらのモデルにはLRというアルファベットが末尾に続きます。
LE：文字盤を囲むダイヤ＋エメラルドのインデックス
LRはルビーでしたが、LEはエメラルドのインデックス。文字盤を囲むようにダイヤが取り付けられているのはどちらも変わりありません。
NA：シェルダイアル＋アラビア数字インデックス
アルファベットの冒頭がNになっているモデルはシェルダイヤルモデルです。NAはシェルダイヤルにアラビア数字インデックスを配したモデルであることを意味します。なお、シェルの色はアルファベットには関係ありません。
NR：シェルダイアル＋ローマ数字インデックス
シェルダイヤルにローマ数字インデックスが配されたモデルにはNRのアルファベットが割り振られます。178341NRはベゼルやインデックスにダイヤ加工が施されていますが、NR扱いです。
NG：シェルダイアル＋ダイヤ数字インデックス
ロレックス デイトジャスト 10Pダイヤ 179174NG ホワイトシェル
デイトジャストにおいてとりわけ人気の高いホワイトシェルとダイアインデックスを組み合わせたモデル。シェルダイヤルを表すNとダイヤインデックスを表すGを組み合わせてNGというアルファベットが割り振られています。
NGS：シェルダイアル＋サファイアのインデックス
シェルダイヤル＋サファイアインデックスの組み合わせはNGSで表されます。ロレックスの型番末尾としては珍しい3桁アルファベットです。
NGR：シェルダイアル＋ルビーのインデックス
シェルダイヤルとルビーのインデックスはNGR。サファイアと同じく、3桁のアルファベットが使われています。
OPG：ピンクオパールダイアル＋ダイヤインデックス
天然鉱石オパールを文字盤に採用した珍しいデイトジャスト。このモデルにはオパールダイヤル＋ダイヤインデックスにのみ採用されるOPGというアルファベットが割り振られています。
RG：ルビー＋ダイヤインデックス
ルビーとダイヤが使用されたインデックスをもつモデルにはRGというアルファベットが型番末尾に付きます。ルビーとダイヤが使われているという点はLRと同じですが、LRはダイヤが文字盤を囲むようにして配置してあるのに対し、RGは単純にインデックスにルビーとダイヤが使われています。
SG：サファイア＋ダイヤインデックス
サファイヤ＋ダイヤインデックスはSGのアルファベットが割り振られています。この116613SGは青ベゼルを意味する「LB」が末尾に付けられてもおかしくありませんが、より高級な仕様であるSGの方が優先されていますね。
BIC：トリドールブレス
BICはイエロー、ピンク、ホワイトの3色のゴールドを使用した“トリドールブレスレット”を備えたモデルに採用されるアルファベットです。現行モデルには使われることがないため、非常に珍しい型番となっています。
まとめ
このアルファベットの法則はロレックスが公式で認めたものではない為、中には例外も存在します。
ただ、大半のモデルに当てはまる法則なので、知っておいて損はありません。
当記事の監修者
池田裕之（いけだ ひろゆき）
（一社）日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年
