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ロレックス各モデルの最終品番をまとめてみました
最終更新日:
「ロレックスの安い最終品番って何?」
「ロレックス各モデルの最終品番について知りたい」
ロレックスは情報を公開しないメーカーとしても有名です。
モデルが製造された年代も正式発表しておらず、また同一リファレンスの中にも文字盤や仕様に違いがあり、マニアックな目線で見ると非常に謎めいているブランドです。
ロレックスが公開しないがゆえに、長年好事家らによって推測や議論が飛び交わされてきた結果、近年では年式や仕様が体系立てられてくるようになりました。
この先人たちの尽力は、特定の仕様に思いがけない価値をもたらすこととなります。
こういった経緯により、価値を持った仕様は枚挙にいとまがありません。しかしながらその代表例と言えば、「最終品番」です。
そんなロレックスの最終品番について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
大半の最終品番は流通量が少なかったことから希少価値が高く、場合によっては2倍以上の価値となります。
この記事では各モデルの最終品番を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
最終品番の付加価値についても解説しますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
最終品番とは?ロレックスの謎めいた歴史が生み出した付加価値
最終品番とは主にロレックスで用いられる言葉で、あるリファレンス(モデル)が生産終了する直前に製造されていた個体を指します。
ロレックスは2010年より前の個体は、品番(シリアル)から「いつ製造されたか(製造年)」の予測を立てることが可能ですね。例えばU+数字6桁のシリアルを持つ個体は、1997年頃。V+数字6桁のシリアルであれば、2009年頃・・・といった要領です。
※2010年頃より後は英数字がランダムに並んだ仕様となり、製造年特定は難しいとされています。これをランダムシリアル等と呼びます。
そしてロレックスは、同一シリーズ内でアップデートを加えながらリファレンスチェンジを行うことでも知られています。
例えばエクスプローラーIは1960年頃から第三世代のRef.1016が製造され始め、1990年に入るとムーブメント・外装一部がアップデートされたRef.14270へ、2001年に入るとさらに進化したRef.114270へ…
このリファレンスチェンジ直前まで製造されていた個体を判別するのにシリアルを用いており、「最後の個体」と思しきものを最終品番と定義づけているのです。
リファレンスチェンジされれば、当然これまで販売されてきた旧型は生産終了・型落ちとなります。
普通、型落ちモデルは価格がお値打ちになります。新しいものほど性能が良いですからね。
しかしながら、ことロレックスにその図式は当てはまりません。むしろロレックスの場合、生産終了したモデルに需要が集中するという、ロレックスならではの現象が存在するのです。
とは言え、時計は精密機器である以上、一般的には新しいものほど状態は良好です。できれば安心して使いたいという心理が働き、旧モデルの中でも最も新しい年代―すなわち最終品番に注目が集まります。
もっとも先に申し上げた通り、ロレックスは公式に「このモデルは●年まで製造されていました」とは一切言及していません。
そのため、あくまで最終品番と「思しき」といった言い方に留まります。
しかしながら先人たちの尽力の結果、市場に出回っている個体などからある程度の最終品番は判明してきました。
次項より、とりわけ当店GINZA RASINにお問合せが多く、また実勢相場も年々上がっているリファレンスの最終品番をご紹介いたします。
ロレックス最終品番の情報
モデル名 | リファレンス | 最終品番 |
---|---|---|
デイトナ | 16520 | 2000年(P番) |
デイトナ | 116520 | 2016年(ランダム番) |
エクスプローラーI | 1016 | 1990年(一般的にはL番※詳細は後述) |
エクスプローラーI | 14270 | 2000年(P番) |
エクスプローラーI | 114270 | 2011年(ランダム番) |
エクスプローラーII | 16550 | 1988年(R番) |
エクスプローラーII | 16570 | 2011年(ランダム番) |
サブマリーナ ノンデイト | 5513 | 1990年(一般的にはL番※詳細は後述) |
サブマリーナ ノンデイト | 14060 | 2000年(P番) |
サブマリーナ ノンデイト | 14060M | 2011年(ランダム番) |
サブマリーナ デイト | 16610 | 2011年(ランダム番) |
サブマリーナ デイト | 168000(トリプルゼロ) | 1988年(R番) |
グリーンサブ | 16610LV | 2011年(ランダム番) |
シードゥエラー | 16600 | 2009年(V番) |
GMTマスター | 16750 | 1988年(R番) |
GMTマスター | 16700 | 1999年(A番) |
GMTマスター | 16710 | 2007年(M番) |
次項より、各最終品番についてご紹介いたします。
ロレックスの最終品番① デイトナ Ref.16520
■製造開始 1988年(R番)
■製造終了 2000年(P番)
そもそも私がこの記事を書こうと思った最大の理由はこのモデルです。
デザイン面から見ても現在のデイトナの根幹とも言える【16520】
自動巻きクロノグラフとして確かな実績を持った名機「ゼニス社:エルプリメロ」をベースとしたCal.4030を搭載したモデルです。
16520は自動巻きという利便性に加えて、積算計の位置が整っており端正な顔つきであることから、当時から抜群の人気を誇っていました。
2018年現在においてもその人気は健在であり、最終品番のP番は400万円を超える驚異的な価格で取引されています。
16520が生産終了になったのが1999年。次世代機のRef.116520が2000年から生産開始され、バトンタッチされたと言われています。
いえ。
「当初は言われていました。」という方が正確でしょうか。
当時はA番(1999年)が最終品番と言われたりもしていましたが、P番(2000年)も多数目撃されたりしてデータが集まり、今では「P番が最終品番」というのがこの業界の一般的な見方です。
マニアックな話ですが、16520はP番の中でもどうやら初期ロットしか製造されていないようなのです。
P0番台~P3番台までしか確認できていないようです。
弊社でも過去に数本P1番台を扱っていますが、それ以外は今のところ扱いがありません。
このデータを見ると2000年の中でも初期のみに製造が偏っていることが推測できます。
なぜこんなことが起こるのか考えてみましょう。
アンティークロレックスの裏蓋やブレスの刻印を紐解くと、ロレックスは一年を4半期に割って製造していることが分かります。
それをベースに考えると、例えば日本の学校のように4月はじまりを1期とすると
■1期:4~6月
■2期:7~9月
■3期:10-12月
■4期:1-3月
に分けれらます。
これに16520の最終品番である、1999年(A番)から2000年(P番)のカレンダーを当てはめてみると、
1~3期は1999年の4-12月。
4期のみ年をまたぎ、2000年の1-3月ということになります。
実際の年の切替わりよりも、自分たちの4半期に分けた製作カレンダーを優先した場合、このような事象が発生します。
するとP番のごく初期のP0番台~P3番台にのみ、旧作の16520が存在することにも合点がいきますし、話の辻褄もあいます。
そして春からはいよいよ次世代機の116520が製造開始されたのではないかと、私はにらんでおります。
あくまで一個人の推測の域は出ませんが、私なりに説得力のある説だとは思っています。
ロレックスが情報を公表しない以上、真偽については結局のところ分かり兼ねますが、過去の歴史や多くの事実から推測して答えを考える楽しみがロレックスの魅力の側面なのかもしれません。
なお、A番・P番どちらも市場価値が高いことはここに記しておきます。
詳細は下記記事をご参考にして頂ければ幸いです。
ロレックスの最終品番② デイトナ Ref.116520
■製造開始 2000年(P番)
■製造終了 2016年(ランダム番)
16520の製造終了後、満を持して登場した次世代デイトナ 116520。ロレックス初の自社製自動巻クロノグラフムーブメント Cal.4130 を搭載し、約16年もの間デイトナの顔として君臨し続けました。
これぞレーシングウォッチといわんばかりのスタイリッシュなフォルムに加え、男らしいステンレスベゼルと黒文字盤のコントラスト。
現行モデルにはない魅力を秘めているため、今尚人気は衰え知らずです。
116520の最終品番はランダム番です。
16520の最終品番であるP番は流通量が少なく、圧倒的なレアリティを誇りましたが、116520の最終品番であるランダム番は流通量が多かったため、割と「どこでも買える個体」といった立ち位置でした。
しかしながら現行116500LNの圧倒的需要に釣られる形で相場高騰。また、最終品番の中でも「新型バックル」「クロマライト夜光」「新型ギャランティ(もっとも2021年に新型へと移行)など細かな分類が行われ、個体によっては16520に勝るとも劣らぬ急騰を遂げているものも存在します。
今後、年数を経るに従って流通量が減り、さらに相場をあげてくることは想像に難くありません。
購入を検討されている方は今のうちに買っておくのも手です。
ロレックスの最終品番③ エクスプローラー Ref.1016
■製造開始 1960年頃
■製造終了 1990年頃(一般的にはL番※詳細後述)
2021年、モデルチェンジによって大きく市場を賑わせているエクスプローラーI。
これまで「入門機」といったイメージの強かった同シリーズですが、歴代モデルに需要が集中しており、これに伴い相場も上昇しています。
そんなエクスプローラーIの、現行の基礎を作ったと言われているのがこちらのRef.1016です。
1960年代~1990年前後までエクスプローラーIの顔を張ってきた超絶ロングセラーであり、流通量も豊富ゆえにこれまでアンティークロレックスの中では比較的落ち着いていると言えるでしょう。
なお、エクスプローラーI 1016はその歴史の長さから様々な仕様変更が行われますが、搭載するムーブメントによって「前期型」「後期型」に分類することが一般的です。
前期型がハック機能(リューズを引いて時刻操作する際、秒針が止まる機能のこと)なしのCal.1560,後期型がハック機能ありのCal.1570搭載機となり、どちらも傑出した名機ではあるものの、年式の新しい後期型の方に人気が集中しています。相場も、状態によりますが50万円程度の差がつくこととなります。
さらにこの1016の最終品番ともなれば、近年のエクスプローラー人気も相まって急激に価格が高くなってまいりました。
ところで1016の最終品番、前述しましたが「一般的にはL番」とされてきました。
しかしながら実は「幻のE番」が見つかっており、ロレックス史が塗り替えられています。
1016のE番はSSS級の激レアモデルであるため、私もお目にかかったことはありません。この時代は今以上に製造年の特定が難しく、このミステリアスぶりがロレックスの魅力をさらに押し上げているようにも思います。
ロレックスの最終品番④ エクスプローラー Ref.14270
■製造開始 1990年(E番)
■製造終了 2000年(P番)
デザイン面で現行のモデルの根幹となったモデル。
前作Ref.1016からの変更点は、インデックスがプリントからメタル製アップライドになったことと、プラスチック風防からサファイヤクリスタルへ仕様となったことが挙げられます。また、ムーブメントもCal.3000へと移行し、スペックアップが図られました。
最終品番はP番ですが、流通量が多かったため、特別レア個体としては扱われていません。もっとも前述の通り、歴代エクスプローラーの相場が上昇しているので、所有している方は大きな売り時を迎えていると言えるでしょう。
ロレックスの最終品番⑤ エクスプローラー Ref.114270
■製造開始 2000年(P番)
■製造終了 2011年(G番・ランダム番)
ムーブメントがより安定性とメンテナンス性が増したダブルブリッジ式のCal.3130へ変更。基本デザインはほとんど14270と同じですが、夜光塗料がルミノバへ変更され、ガラスの6時位置に王冠マークの透かしが入るようになりました。
最終品番はG番及びランダム番。製造数が少なかった為、現在は手に入りにくい個体として知られています。
レアリティーが高いため、付属品・保証書が完品であれば、他の品番の2倍ほどの価格で取引させることも珍しくありません。
スポーツロレックスの最終品番はやはりそれだけで価値があります。
ロレックスの最終品番⑥ エクスプローラーⅡ Ref.16550
■製造開始 1984年頃(83番)
■製造終了 1988年頃(R番)
第二世代のエクスプローラーII 16550です。
わずか4年間のみの製造と、当時のロレックス個体の中でもかなり謎めいた存在。「1984年~1988年の間で二年しか製造されていない」とか、「1988年に販売開始された」とか・・・製造について、色々な説が出回っているのです。
短命ゆえに製造本数はそう多くはありませんが、相場はまだ上げ切っていない状態。
最終品番もR番となりますが、110万円台~と他のポストヴィンテージロレックスに比べれば良心的。また、最終品番と言うより、アイボリーダイアルやスパイダーダイアルといったレア仕様の高騰が著しいリファレンスです。とは言えほんの数年前は80万円程度であったことを鑑みれば、やはり「欲しいなら今買っておきたい」モデルであることは間違いありません。
ロレックスの最終品番⑦ エクスプローラーⅡ Ref.16570
■製造開始 1990年(E番)
■製造終了 2011年(ランダム番)
エクスプローラーIIの第三世代モデルです。先代とデザインは大きく変わっていませんが、ムーブメントが長らく基幹機として活躍したCal.3100番台へと移行しました。
なお、次世代Ref.216570はケース径が2mm増し、24時間針が1stモデルのようになるなど、デザイン面で大きな変更点があったため、結果的にRef.16570は独自性の高いデザインとなりました。
最終品番はランダム番。製造数が少ないため、エクスプローラー114270と同様に現在はなかなか手に入りにくい個体となっています。
ちなみにRef.16570はZ番からムーブメントがCal.3185からCal.3186と変遷を遂げ、精度・安定性の向上がなされました。
そのため、ランダム番は性能が良く希少性も高い貴重なモデルとして扱われています。
だた、最終品番だからといって価値が高いかといわれると実はそうでもありません。
2018年現在においては特別価値の高いモデルとしては扱われてはおらず、他の品番と今のところ価値はほぼ一緒です。
ロレックスの最終品番⑧ サブマリーナ(ノンデイト)Ref.5513
■製造開始 1962年
■製造終了 1990年頃(一般的にはL番※詳細後述)
次にご紹介するのは、サブマリーナです。
とりわけ5513はアンティーク・ヴィンテージロレックスの旗手のような存在ですね。
約30年という長きに渡って製造されていく中で、映画『007』でボンドウォッチとなったり、文字盤に顕著な変遷を持っていたりと、何かと話題性の高いモデルでもあります。
そんなサブマリーナ 5513、エクスプローラーI 1016と時を同じくして製造されており、1500番台ムーブメント搭載機の宿命か、同時期くらいにモデルチェンジされています。
それゆえか、1016同様一般的にはL番が最終、と言われてきたのですが、近年E品番が見つかっており、歴史が塗り替えられることとなりました。
さらに特筆すべきはこのE品番5513、現在当店に入荷しております!
サブマリーナ 5513 E番
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.1520
防水性:200m(当時)
よもや、この個体を拝める日が来るとは…!
これまたSSS級の激レアモデルですので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
ロレックスの最終品番⑨ サブマリーナ(ノンデイト)Ref.14060
■製造開始 1989年(L番)
■製造終了 2000年(P番)
サブマリーナでは14060からサファイヤクリスタルが採用され、防水性能が300mに高まりました。ベゼルに逆回転防止機能が付いたのもこのモデルから。
まさに14060は現行ノンデントの基盤となったモデルといえます。
最終品番はP番。
市場に出回ることが少ない個体ではありますが、殆ど見た目の変わらない14060Mが後続機として発売されたため、相場に目立った高騰は見受けられません。
最終品番に価値を見出すのであれば、次にご紹介する14060Mを購入する方がベストでしょう。
ロレックスの最終品番⑩ サブマリーナ(ノンデイト) Ref.14060M
■製造開始 2000年(P番)
■製造終了 2011年( ランダム番)
14060を進化された14060M。
スタイリングの変更はありませんがムーブメントがダブルブリッジ式のCal.3130ヘ変更され、6時位置に王冠透かしマークが入るようになりました。
またクロノメーター化が図られた2007年以降の品番にはインナーリングに刻印が入っており、2007年以前の品番よりも人気が高いです。
そんな14060Mの最終品番はランダム番。こちらも製造本数が少ないため、なかなか手に入れることができません。
14060の最終品番「P番」とは異なり、14060M「ランダム番」は状態にもよりますが、5万円~10万円ほど高値で取引されているケースが目立ちます。
ただ、スポーツロレックスの最終品番としてはそれ程高騰していない印象です。
ロレックスの最終品番⑪ サブマリーナデイト Ref.16610
■製造開始 1988年(R番)
■製造終了 2011年(ランダム番)
ダブルブリッジ式のCal.3135へと変更され、性能が向上した旧サブマリーナデイト。長い製造期間の中で、夜光の種類・ブレスの仕様・ルーレット刻印・王冠透かしなど様々なマイナーチェンジが行われました。
最終品番はランダム番。希少ではありますが、手に入りにくいレア個体とはいえず、しばしば市場で見かけることがあります。
とはいっても他の品番よりも20万程度高値で取引されているので、価値の高い個体であることには間違いありません。
ロレックスの最終品番⑫ サブマリーナデイト Ref.168000
■製造開始 1986年
■製造終了 1988年(R番)
1980年~1986年頃まで製造された16800の後継機として、突如現れた168000。
ゼロが三つ居並ぶリファレンスから、「トリプルゼロ」の異名でも知られてます。
先代16800と、外観は瓜二つ。さらにムーブメントも同一で、ロレックス屈指のミステリアスな存在と言っていいでしょう。ちなみにロレックス自身がしばしば16800と168000を混同したかのような表記が見られることも、この謎に拍車をかけています。
例えばケースバックに16800の表記がある個体が、16800にも168000にも存在します。また、168000の個体のギャランティ(保証書)に16800記載がなされていたり・・・
ステンレススティール素材が異なるとか、168000の方が文字盤に腐食のある個体が多いとか、ロゴのスタイルが異なるとか、そういった報告があるものの、真相はロレックスのみぞ知る。
そんな謎めくトリプルゼロの、最終品番はR番です。
168000自体が個体数が少ないのですが長らく相場を上げ切っておらず、個人的には数年前から目をつけている一本でした。最近ではロレックス相場高騰に煽られたこともあり、着々と相場上昇…今後の動向に注視していきたいと思います。
ロレックスの最終品番⑬ グリーンサブ Ref.16610LV
■製造開始 2003年(F番)
■製造終了 2011年(ランダム番)
サブマリーナ生誕50周年を記念して製造されたモデルです。
現行は文字盤もグリーンカラーとなっていますが、このモデルはベゼルのみがグリーン。他のモデルにはない唯一無二の個性を持っているため、今尚人気を博し続けています。
レア個体が多いことでも話題の尽きない16610LVの最終品番はランダム番。この品番は市場への出回りが殆どなく、希少な個体として扱われています。
マニア垂涎のモデルとなっているので、販売されても即日完売することは間違いありません。
現在でも200万超えの販売価格となることが多いですが、今後も価値を高め続けていくと予想されます。
ロレックスの最終品番⑭ シードゥエラー Ref.16600
■製造開始 1990年(E番)
■製造終了 2009年(V番)
ダブルブリッジ式のCal.3135を搭載。
このモデル以降はRef.116600ディープシーへと変更され、ケースが大型化されました。
最終のV番は希少性が高く、なかなか市場で見かけることがありません。
現在レア個体として相場が高騰しており、他の品番よりも数十万高い価格で取引されています。
尚、V番は生産終了する最後までルーレット刻印が入らなかったことでも知られています。
ロレックスの最終品番⑮ GMTマスター Ref.16750
■製造開始 1980年頃
■製造終了 1988年頃(R番)
サブマリーナ 5513と並んで、アンティークロレックス市場を牽引する16750。
GMTマスター第三世代にあたり、防水性100m&ムーブメントもCal.3075へと、大幅なスペックアップが図られました。ちなみに2018年、ジュビリーブレス搭載のGMTマスターII 126710系がリリースされたことで大きな話題となりましたが、16750にもジュビリー個体が確認でき、GMTマスターの持つ洒脱な高級感を押し上げています。
最終品番はR番です。
生産終了から日が経っていることもあり、最終品番の個体は数が少なく、相場も確実に高騰しています。
126710系の登場で歴代モデルの注目度が増している状況なので、今後も最終品番の動向からは目が離せません。
ロレックスの最終品番⑯ GMTマスター Ref.16700
■製造開始 1990年(E番)
■製造終了 1999年(A番)
GMTマスターの最終世代ということもあり、最終品番「A番」が長らく高騰してきた16700。
もっとも最近ではトリチウム夜光&シングルバックルを搭載した、古き良き時代のE番・N番・X番辺りも高騰してきており、右肩上がりの相場形勢を描いています。
もともとGMTマスターは通好みな印象もあり、長らく落ち着いた相場であったことは事実です。そのため昔買っておいた個体が、思わぬ価値に・・・!そんな夢の話を聞くことも多い個体と言えます。
ロレックスの最終品番⑰ GMTマスターⅡ Ref.16710
■製造開始 1990年(E番)
■製造終了 2007年(M番)
GMTマスターの中でも非常に人気の高い16710。
短針単独操作が可能で、ベゼルとの組み合わせにより3か国の時刻を知ることができるようになりました。
赤青・赤黒ベゼルや、24時関係の赤針など、現行のRef.116710と比べて華やかなカラーリングが特徴です。
16710の最終品番はM番。
このM番はスポーツロレックスの最終品番としては圧倒的に出回りが少ない個体であり、殆ど見かけることのない貴重な個体です。
本来16710のムーブメントにはCal3185が搭載されていますが、M番にはCal3186が搭載されていることも特徴。
M番且つステックダイヤルを備えた個体であれば200万を超える価格で取引されています。
最後に
大半の最終品番は流通量が少なかったことから希少価値が高く、モデルによっては2倍以上の価値を誇ります。
また、製造終了してから時が経てば経つほどその価値は上がっていく傾向にあるため、早いうちから「最終品番」を手に入れることはとても重要です。
時計愛好家・コレクター・ロレックス投資家。
最終品番はコアな時計ファンであれば喉から手が出るほど欲しい個体であることは間違いありません。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年