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時計界のアカデミー賞!GPHG2018受賞作一覧~セイコー、ノモス、シャネルなど~
最終更新日:
「時計界のアカデミー賞 GPHG2018を受賞したブランドはどこ?」
「GPHG2018を受賞したモデルの魅力や特長が知りたい」
時計界のアカデミー賞と称される、GPHGをご存知でしょうか。
正式名称はジュネーブウォッチメイキンググランプリで、数ある時計にまつわるグランプリの中で、最大の権威に位置づけられます。
日本国内ではあまり話題になっていませんが実は海外での注目度は非常に高く、多くのサイトでライブ配信されていました。
11月9日、2018年発表モデルの受賞作が発表されています。
当店GINZA RASINで取り扱いのあるブランドも多く、さらに日本が誇るセイコーも栄えある賞を受賞しています!
そんなGPHG2018を受賞したモデルの魅力や特長が知りたいという人は多いのではないでしょうか。
受賞作はシンプルで独創的なものから、美しいコンプリケーションまでバラエティーに富んでいます。
この記事ではGPHG2018を受賞したモデルの魅力や特長を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
部門ごとに詳しく紹介しますので、高級時計の購入をお考えの方はぜひ参考にしてください
出展:https://www.facebook.com/Seiko.Japan/?ref=page_internal
目次
GPHGとは
GPHGはGrand Prix d’Horlogerie de Geneveの略。日本ではジュネーブウォッチメイキンググランプリと称されます。
その年の発表作品の中から、グランプリを選出する形式となります。
2001年から始まって以来、時計界のアカデミー賞と呼ばれているほど時計産業の中では最も名誉のある賞の一つと言われてきました。
実際、時計にまつわる賞は数多あるものの、GPHGほど大がかりに行われているものはありません。
例年、場所はスイス ジュネーブのテアトル・ドゥ・レマンで行われます。
出展:https://www.seikowatches.com/jp-ja
「最大」と言っても、ノミネートしていないブランドも少なくありません。
実際、ロレックス、オメガ、パテックフィリップといった時計産業の重鎮たちは参加していないのです。
しかしながら例年大規模に開催され、ノミネートブランドもセイコーはじめゼニスやノモス、シャネルにロンジンなど、日本国内外で人気のある有名どころが多数参加。
審査員たちも、一流時計師や時計ジャーナリストなどで構成され、注目度が高いこともうなずけます。
グランプリは「金の針賞」。
その他レディース部門やレディース複雑時計部門、メンズ、メンズ複雑時計。クロノグラフなど部門は多岐にわたります。
2018年からは「チャレンジ賞」といって、4,000スイスフラン(2018年11月現在で約45万円)以下の時計から選出する部門も新設されました。
受賞作にはアカデミー賞同様にトロフィーが贈られますが、なんと、「手」の形をしているのです!
出展:https://www.seikowatches.com/jp-ja
この手は、時計を製造する職人の手を表しています。
金メッキされたブロンズで作られていますが、まさに時計グランプリといった趣ですね。
2017年の金の針賞には、ショパールの「L.U.Cフルストライク」が輝きました。
では、GPHG2018、グランプリに輝いた時計とは?
そして、我らがセイコーが受賞に至った部門は?
GPHG2018 グランプリ 金の針賞受賞作!ボヴェ リサイタル22
出展:https://www.facebook.com/bovetfleurier/
2018年のGPHG受賞作は、ボヴェのリサイタル22 グランドリサイタルです!!
ボヴェというブランドを、ご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。
ロレックスやオメガのような巨大資本ではありませんが、超絶技法が活かされた複雑時計を完全マニュファクチュールのもとに製造し続けているブランドです。
1822年創業と非常に歴史あるブランドですが、世界大戦の影響で休眠。
1989年に復活を果たし、再び表舞台に立つこととなりました。2019年は初めてSIHHに参加することでも、今注目度急上昇中のブランドと言えます。
出展:https://www.facebook.com/bovetfleurier/
今回受賞したこちらの時計は、息を呑むような美しさと、ボヴェらしい精密精緻な機構が浮かび上がる文字盤が特徴です。
これは、ボヴェ自身が「ボヴェ時計の真の姿を具現化」したと豪語するほどの逸品で、太陽系義(太陽系の模型のこと)を表現しています。
近年ボヴェは天文モデルを発表してきましたが、こちらは三部作のトリ。美しいエナメルで形成された地球が、24時間サイクルで回転して時間を表示する仕様になっているのです。
さらに、地球の周囲を月が朔望周期(月の満ち欠けのこと、29.53日周期)でまわると言うのです。
出展:https://www.facebook.com/bovetfleurier/
太陽系で忘れてはならない太陽は、6時位置のトゥールビヨンのキャリッジに刻印されています。
太陽が最も大きい存在であることを象徴するかのように、キャリッジがムーブメント表面より高い位置に設置されているのです。
機構のすばらしさもさることながら、ハンドペインティングであしらわれた地球には目を見張るものがあります。
なお、ただ器用に絵を描いただけではありません(もちろんそれだけでもすごいことですが・・・)。発光性物質が取り入れられており、暗所で地球が光を放って浮かび上がる仕様となっているのです。
さながら宇宙から見た地球を表現したように。
ボヴェはかつて休眠する前、「皇帝が愛した時計」と称されていました。
2018年を代表するグランプリ・金の針賞にふさわしい傑作と言えます。
GPHG2018スポーツ部門
出展:https://www.seikowatches.com/jp-ja
受賞作:セイコー マリーンマスター プロフェッショナル
グランプリにあたる「金の針賞」以外にも、魅力的な賞はまだまだたくさん!
次にご紹介するのは、スポーツ賞に輝いた我らがセイコーの受賞作をご紹介いたします!
セイコーはGPHGに非常に意欲的で、過去2度にわたって受賞を経験しています。
しかしながらスポーツ賞では初。
というのも、スポーツ賞は人気が高く、例年非常に競争率が高くなります。
過去にはユリスナルダンのマリーン レガッタや、チューダー ペラゴス 25600TBが受賞しました。
グランプリとは異なり、スペシャルエディションだけでなく、通常モデルのノミネートも多いことが要因でしょう。
そんな中でセイコーが受賞したという事実は日本人として大変誇らしく思います。
栄えある受賞作は、セイコーの人気ダイバーズウォッチ。マリーンマスター プロフェッショナル 1968 メカニカルダイバーズ SBEX007です。
出展:https://www.seikowatches.com/jp-ja
マリーンマスターと言えば「ツナ缶」の愛称で親しまれており、国産初のダイバーズウォッチとしてもよく知られています。
製造は1965年からですが、当時は150m防水。三年後に広島県のあるプロダイバーから「300m以上の深海潜水に耐えられる、もっとハイスペックなダイバーズウォッチを!」という要望がありました。
それを契機に本格的にスペック開発が進められ、今の世界トップレベルのマリーンマスターに繋がったのです。
1968年、300m防水かつ10振動のハイビートムーブメント搭載Ref.6159-7000の復刻モデルとして誕生したものが今回のSBEX007。50周年のスペシャルエディションでした。
かなり忠実に再現されており、ヴィンテージ好きにもセイコーファンにもたまりません。
もちろん風貌ガラスやバンド素材、そしてムーブメントなどはスペックアップされています。
2018年に世界限定1,500本生産で発売され、定価は594,000円!
セイコーにしてはかなりの高額ですが、GPHGでスポーツグランプリに選出されたことでプレミア価格を記録するかもしれません。
なお、通常のマリーンマスターも非常に人気があり、当店でも人気ラインナップとなっておりますので、これを契機にぜひ注目してみてくださいね。
セイコー プロスペックス マリーンマスタープロフェッショナル 商品一覧
GPHGスポーツ部門 ファイナリスト一覧
■セイコー
■ファベルジエ クロノグラフ ダイナミック
■モンブラン 1858ポケットウォッチ 限定100本
■タグホイヤー モナコ ガルフ
■ユリスナルダン ダイバー
■ゼニス パイロットクロノメトロ TIPO CP-2
ファイナルに残ったタグホイヤー ガルフ / ゼニス パイロットクロノメトロ
GPHG2018 チャレンジウォッチ部門
受賞作:ノモス タンジェント ネオマティック41 アップデート
先程少し触れましたが、チャレンジウォッチ賞とは2018年からの新設賞となります。
4,000スイスフラン(日本円で約45万円)以下の複雑機械式時計を対象とした部門で、どうしても高額になりがちなGPHGの中で、一般購入層からも注目度を集めていました。
チャレンジウォッチ賞初となるグランプリは、ノモスが選ばれました!
「シンプル・機能・リーズナブル」を一貫して守り抜いており、優れたコストパフォーマンスが何よりの魅力。
当店のメンズ商品の中でも売れ筋となっております。
今回受賞したタンジェント ネオマティック41 アップデートは、ノモスらしいシンプルで上品なデザインもさることながら、ムーブメントにミソが詰まっています。
新作自動巻きキャリバーDUW6101ですが、ネオマティックに初めてデイトが搭載されたばかりか、外周に日付窓を組み込んでくるとう独創性が発揮されているのです。
外周に日付リングがあることで大きめサイズとはなりましたが、その分多機能を搭載したり、デザインに味を加えたりといった拡張性を獲得することとなりました。
もちろん厚み3.6mmという薄型は健在です。
出典:https://nomos-glashuette.com/ja
タンジェントは素っ気ないまでのシンプルさが魅力のうちで、外周サークルに日付が入ったことで、かなりのアクセントが加わることとなりました。
これについては、発表当初は賛否両論あったものです。
しかしながらGPHGはこの日付表示機構の革新性やノモスの新たな試みを評価する形となったのでしょう。
ノモスはシンプルで飽きのこないデザインや、高い機能性を武器に日本国内でも年々シェアを拡大しつつあります。
例年新作の発表にも意欲的で、バーゼルワールド2019も今からノモスが楽しみ、といった方もいらっしゃるでしょう。
GPHG受賞によって、今後もますます目が離せなくなりました!
GPHGチャレンジウォッチ部門 ファイナリスト一覧
■ノモス タンジェント ネオマティック41 アップデート
■ゴリラウォッチ ファストバックドリフト
■ロンジン コンクエスト V.H.P GMT flash setting
■レゼルボワール ロングブリッジ ブリティッシュレーシング
■セイコー プレサージュ 七宝エナメル
■チューダー ブラックベイ GMT
GPHG2018 メンズウォッチ部門
出展:https://www.instagram.com/rexhep.rexhepi/?hl=ja
受賞作:アクリヴィア クロノメーター・コンテンポラ
ヴァシュロンコンスタンタンのトリプルカレンダーやH.モーザーのエンデバーを抑えてメンズウォッチグランプリを獲得したのは、アクリヴィアの時計です。
天才時計師レジエップ・レジェピ氏によるブランドで、ユニークながら時計製造の伝統に則った至高の機械式時計を製造していることで話題を呼んでいます。
ストップセコンドとゼロリセット機構(リューズを引くと秒針が自動的にゼロに戻るシステム)が融合されており、数々の老舗メーカーも息を呑むような逸品となりました。
GPHGメンズウォッチ部門 ファイナリスト一覧
■アクロビア クロノメーター・コンテンポラ
■ドゥ べトゥーン DB28 スティールフィール
■H.モーザー エンデバー フライングアワーズ
■MB&F レガシー マシーンスピリット エスケープ面と
■ヴァシュロンコンスタンタン トリプルカレンダー1942
■ヴティライネン 217QRS
GPHG2018 メンズコンプリケーション部門
出展:http://www.laurentferrier.ch/
受賞作:ローランフェリエ ガレット アニュアルカレンダー スクールピース
メンズ複雑時計部門でも、独立系ブランドが受賞しています。
ローラン・フェリエという、パテックフィリップなどに経歴を持つ天才時計師が立ち上げたブランドです。
2010年設立と非常に新しいブランドながら多くの時計愛好家を魅了し続けてきました。
今回の受賞作も永久カレンダーを搭載しつつも、前衛的でキャッチ―なデザインが評価に至ったのでしょう。
GPHGメンズコンプリケーション部門 ファイナリスト一覧
■ローランとフェリア ガレット アニュアルカレンダー スクールピース
■ブルガリ オクトフィニッシモ トゥールビヨン オートマティック
■ジラールペルゴ ネオトゥールビヨン ウィズ 3ブリッジスケルトン
■H.モーザー エンデバー パーペチュアルムーンコンセプト ベンタブラック
■クレヨン Everywhere Horizon
■ヴァシュロンコンスタンタン 永久カレンダー ウルトラシン
GPHG2018 レディースウォッチ部門
出展:https://www.instagram.com/chanelofficial/
受賞作:シャネル ボーイフレンド スケルトン
レディースウォッチ部門も高い注目を浴びます。
例年ショパールやフランクミュラー、ピアジェといったレディースラインに一家言持ったブランドから、オーデマピゲにタグホイヤー、ウブロなどの本格機械式時計メーカーまでと幅広いブランドが参加しており、まさに群雄割拠の状態です。
GPHG2017はブルガリのオクトフィニッシモがグランプリを獲得しており、2018年もかなり有力視されておりました。
しかしながら居並ぶ候補を抑えたのは、シャネルのボーイフレンドです。
シャネルと言うとJ12が出てくるかもしれませんが、ボーイフレンドはシャネルの新コレクション。
ソリッドなラインを強調した大きめのケースデザインは、メンズのようなクールさと女性のエレガンスを融合しています。
受賞作は自社ムーブメントがスケルトン文字盤から鑑賞できる仕様となっており、シャネルの時計製造技術の高さを感じさせます。
GPHGレディースウォッチ部門 ファイナリスト一覧
■シャネル ボーイフレンド スケルトン
■ボヴェ 1822 アマデオ フルーリエ 39 ファン
■ブルガリ ルチェア スケルトン
■ショーメ ローリエ
■モリッツグロスマン テフヌート ツイストクラシック
■ピアジェ ポセション ラピスラズリ
GPHG2018 レディースコンプリケーション部門
出典:https://www.vancleefarpels.com/jp/ja/watch/sihh-2018.html
受賞作:ヴァンクリーフ&アーペル レディ アーペルプラネタリウム
グランサンクに名を連ねるジュエラーとしても有名なヴァンクリーフ&アーペル。
カルティエやIWCを傘下に加えるリシュモングループに所属し、独自の宝石のセッティングや時計製造において特許を取得してきました。
ヴァンクリーフ&アーペルの他ブランドにない強みはまるで工芸品のような美しさ。
そんな技術力を生かしたポエトリーオブタイムシリーズのうちの一つがグランプリに輝きました。
まるでプラネタリウムをそのままダイアルにしたかのようで、2018年レディース新作で随一の美しさと言っても過言ではないでしょう。
深みのあるブルーダイアルが同心円状に7つ配置され、ピンクゴールド製太陽を中心にそれぞれ貴石であしらわれた水星・金星・地球・月が24時間ごと公転する機構となっています。
現在時刻は外周の流れ星に、そしてケースバックにデイトと惑星の位置関係を表すインジケーターが備わります。
GPHGレディースコンプリケーション部門 ファイナリスト一覧
■ヴァンクリーフ&アーペル レディ アーペルプラネタリウム
■ボーレガード ダリア C1
■ショーメ フィニッシマ ミニッツリピーター
■ルドヴィック・バルアー ピンクアワーズ
■パルミジャーニ・フルーリエ カルパ トゥールビヨン ギャラクシー
GPHG2018 ジュエリーウォッチ部門
出展:https://twitter.com/vancleefarpels
受賞作:ヴァンクリーフ&アーペル スクレ ドゥ コチネレ
ヴァンクリーフ&アーペルが二冠です。
秘密のテントウムシというモデル名の通り、文字盤のすぐ上に大ぶりの貴石で象られたテントウムシが鎮座します。
ちなみにテントウムシをスライドさせて文字盤を隠すこともできる仕様になっています。
GPHGジュエリーウォッチ部門 ファイナリスト一覧
■ヴァンクリーフ&アーペル スクレ ドゥ コチネレ
■アントワーヌ・プレジウソ トリリオン トゥールビヨンオブトゥールビヨン
■ブルガリ セルペンティ ハイジュエリー
■シャネル ブトン ドゥ カメリエ
■ドゥ グリソゴノ カスカータ
■ピアジェ ハイジュエリー カフスウォッチ Dentelle d’Or
GPHG2018 リバイバル部門
出展:https://www.facebook.com/vacheronconstantin/?ref=page_internal
受賞作:ヴァシュロンコンスタンタン ヒストリーク トリプルカレンダー1942
リバイバル賞はその名の通り、復刻モデルへ与えられる名誉です。
歴史あるブランドにのみ許された賞で、過去、セイコーやロンジンなどが受賞してきました。
GPHG2018では、歴史と伝統を今なお紡いでいるヴァシュロンコンスタンタンの、ヒストリークコレクションから、トリプルカレンダー1942がグランプリとなりました。
ヒストリークは時計界随一の老舗である同社ならではのラインナップで、年代ごとにいくつかのシリーズが存在します。
有名どころでは、ヒストリークアメリカン1921やヒストリーク アロンデでしょうか。
受賞作は、1940年代に生産されていたRef.4240の復刻となります。
ポインターデイトに月・曜日表示と多機能ながら、レトロなデザインが往年の名機を彷彿とさせます。
なお、リバイバル賞は全てのファイナリスト作の中から選出されました。
GPHG2018 クロノグラフ部門
出展:http://www.singerreimagined.com/en/home/
受賞作:シンガー リイマジン シンガートラック1 香港エディション
ゼニスのデファイを想像していたメディアも多かったですが、シンガーのクロノグラフが受賞しました。
シンガーはポルシェ好きにはお馴染みのブランドで、ポルシェを再創造したと名高いシンガー・ビーグル・デザイン社の腕時計です。
黒のベースカラーにオレンジがアクセントとなっており、車好きにはたまらない一本でしょう。
GPHGクロノグラフ部門 ファイナリスト一覧
■シンガー リイマジン シンガートラック1 香港エディション
■チャペック ルールブルー
■ジラールペルゴ ロレアートクロノグラフ
■モンブラン 1858モノプッシャークロノグラフ 限定100本
■タグホイヤー モナコ バンフォード
■ゼニス デファイ エルプリメロ21
GPHG2018 クロノメーター部門
出展:https://www.facebook.com/DeBethuneTimepieces/
受賞作:ドゥ・べトゥーン DB25 スターリーバリウス クロノメトリートゥールビヨン
クロノメトリー賞は時計の精度や正確性で選出されるカテゴリですが、ノミネート作品は少なくとも一つのトゥールビヨンまたは特別な脱進機、もしくは新開発中のクロノめたりーを含んでいなくてはなりません。
ドゥ・べトゥーンは2002年創業と新星ながら、世界最高峰の時計製造の実力を持つ、と言われています。
DB25はフラグシップのうちの一つで、時計としての正確性だけでなく文字盤装飾の美しさも見ものです。
GPHGクロノメトリー部門 ファイナリスト一覧
■ドゥ・べトゥーン DB25 スターリーバリウス クロノメトリートゥールビヨン
■ダヴィッド・カンドー ハーフハンター
■モンブラン スターレガシー サスペンド エグゾトゥールビヨン 限定生産58本
■タグホイヤー カレラ トゥールビヨンクロノグラフ テットゥ ドゥ ヴィペール
■ユリスナルダン エグゼクティブ トゥールビヨン フリーフィール
■ゼニス デファイ ゼロG
GPHG2018 メカニカル・エクセプション部門
出展:https://www.facebook.com/GreubelForsey/?ref=page_internal
受賞作:グルーベル・フォルセイ グランドソヌリ
「卓越した機械式時計」という、やや抽象的な部門となるこちらは、革新的で洗練された文字盤、機構、機能を有した機械式時計を競うものです。
グランプリを獲得したグルーベル・フォルセイは2004年創業とやはり新進気鋭ながら、925ものパーツを巧みな設計と技術により直径43.5mm×厚さ16.13mmの世界におさめたという驚きの一本を発表しました。
ミニッツリピーターを搭載していますが、グランドソヌリやサイレントなど、モードを選択することが可能です。
ちなみに東京銀座には、世界唯一と言われるグルーベル・フォルセイの正規ブティックが存在します。
GPHGメカニカル・エクセプション部門 ファイナリスト一覧
■グルーベル・フォルセイ グランドソヌリ
■スヴェン・アンデルセン & コンスタンティン・チャイキン オートマトン ジョーカー
■ブルガリ オクト フィニッシモ ミニッツリピーター カーボン
■ジラールペルゴ ミニッツリピーター トリアクシャルトゥールビヨン
■ユリスナルダン フリークヴィジョン
GPHG2018 アーティスティッククラフト部門
受賞作:エルメス アルソー ローブ・ド・ソワレ
いわゆる「工芸賞」として、エルメスのアルソーがグランプリを獲得しました。
この部門ではGPHGの中でも異色で、機構と言うよりも工芸品としての美しさや技術力の高さが重視されます。
アルソーは乗馬の際に足をかける馬具の「鐙(あぶみ)」を意味し、実際に12時側のラグがあぶみのように稼働する面白いタイムピースです。
さらに受賞作では、文字盤に革でモザイク模様を形成しており、さらに馬が表現されています。
エルメスというとHウォッチやクリッパーがフォーカスされがちですが、アルソーもまたエルメスの歴史と技術を体現する一本です。
GPHGアーティスティッククラフト部門 ファイナリスト一覧
■エルメス アルソー ローブ・ド・ソワレ
■ショーメ エクリチュール ドゥ ショーメ
■ファベルジエ クローバー
■ピアジェ アルティプラーノ トゥールビヨン マラカイト
■ヴァシュロンコンスタンタン メティエ・ダール レ・アエロスティエ パリ1783
■ファンとホッフ バレットインブルー
GPHG2018 小さな針部門
出展:http://www.habring2.com/index.php/en/
受賞作:ハブリング2 ドッペルフェリックス
小さな針賞は今最も注目度の高い部門のうちの一つです。
8,000スイスフラン以下の製品がノミネートされ、チャレンジウォッチ賞同様に私たちにとって身近になりやすいものがラインナップされています。
グランプリ獲得のハブリング2はIWCやランゲ&ゾーネなどに経歴を持つ天才時計師リチャード・ハブリングと妻のマリア・クリスティーナによる独立系ブランドで、小さな針部門では常連です。
リーズナブルといえどスプリットセコンドクロノグラフが搭載されたモデルがノミネート作で、文句なしの受賞といった結果でした。
GPHGアーティスティッククラフト部門 ファイナリスト一覧
■ハブリング2 ドッペルフェリックス
■コンスタンティン・チャイキン クラウン
■ロンジン レコード
■Ming 19,01
■ユリスナルダン マリーン トルピユール
■Vicenterra Tycho Brahe
GPHG2018 オーダシティ部門
出展:https://www.facebook.com/ChaykinWatch/?ref=page_internal
受賞作:コンスタンチン・チャイキン クラウン
オーダシティは「大胆」とか「豪放」といった意味で、その名称通り奇抜な時計が受賞しました。
右目が時刻を、左目が分を示し、さらに口でムーンフェイズを表します。
製作者はロシアの独立ブランドだるコンスタンチン・チャイキンで、GPHGの常連です。
GPHGイノベーション部門
出展:https://www.instagram.com/krayon.ch/
受賞作:クレヨン Everywhere Horizon
Everywhereというモデル名通り、どこにいても日の出日の入り時刻を計算してくれる機構がクレヨンの時計の醍醐味です。
機構もさることながら、ベゼルやラグにバゲットカットダイヤモンドがふんだんにセッティングされており、ゴージャス感は並大抵ではありません。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年