「カルティエの時計にはどんなものがあるの?」
「レディースカルティエウォッチの代表的なコレクションついて知りたい」
カルティエは大変コレクションが豊富。
しかもモデル名がフランス語や英語で、どれがどのような腕時計なのかわからない、というお声をよく聞きます。
そんなレディースカルティエウォッチの代表的なコレクションついて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
レディースカルティエウォッチは、それぞれが非常に独特で上品、いかにもカルティエといった雰囲気を持っています。
この記事ではレディースカルティエウォッチの代表的なコレクションの魅力を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
人気モデルの紹介もしますので、レディースカルティエウォッチの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
カルティエの各シリーズ解説:タンク
カルティエの一番人気であり、フラグシップと言えばコレ!
第一次大戦下、パリを占領していたドイツ軍を一掃したというルノー社製の戦車―タンク―をモチーフにして、1919年にカルティエは当シリーズを生み出しました。戦車の轍(わだち)のようなスクエアフォルムが特徴的です。
この初代モデルは「タンクノーマル」。当時、既に時計を腕に巻く作法は一般化しつつありましたが、懐中時計にベルトを通すだけと言った代物が多かったことも事実です。
そこへきて、四角く直線的という独創性溢れるフォルムの「腕時計」をローンチしたカルティエの発想力には、今なお鮮烈な驚きを覚えます(なお、1904年にカルティエが生み出したサントスこそが、現代の腕時計に続く原型と言われています)。
戦後、再びパリに華やかな雰囲気が戻ってくると、女性たちはオシャレをより楽しむようになりました。こういった背景も手伝ってかタンクは女性のための腕時計といった地位を確立していくようになります。
この歴史からもわかるように、タンクはなんと2019年で100周年!
この100年の中で、様々な様式を取り入れた派生モデルが生み出されてきており、いずれも安定した人気を誇ります。
ちなみにカルティエのタンク愛好家を「タンキスト」と呼びます。
著名なタンキストとしては、古くはアンディ・ウォーホル氏やジャクリーン・ケネディ氏。現代ではタレントの田中みな実さんや中谷美紀さん、ともさかりえさん等が挙げられます。
それでは次項より、タンクの中でも特に人気の高いコレクションをご紹介いたします!
タンクフランセーズ
一番人気のカルティエ・タンクの中でも、さらに断トツな売れ筋がタンクフランセーズ!まるでジュエリーアクセサリーのような、ケース・ブレスレットが特徴的です。
モデル名の意味は「フランスのタンク」。実際、フランス生まれフランス育ちのカルティエを感じさせる、シンプルな気品がありますね。
1997年に誕生し、20年以上にもわたる歴史の中でも大きくはデザインを変えておらず、そのため年代やシーンを問わない普遍性を有します。
さらにタンクフランセーズの嬉しいところは、カルティエの中では低価格帯に当たること!基本的にはステンレススティール素材を基調としており、オールSSであれば新品並行相場は30万円台半ば~、中古であれば20万円台~の購入が可能です。
タンクフランセーズの人気モデルはこちら!
タンクフランセーズ SM W51008Q3
「タンクフランセーズ」の中のみならず、当店GINZA RASINで取り扱うカルティエで人気No.1がこちら!シンプルで上品な一本です。2020年の今年のみならず、長いこと高い需要を誇っております。
タンクフランセーズ SM W51028Q3
当店カルティエ売れ筋の二番人気は、ピンクシェルが可愛いタンクフランセーズです。ツートップをタンクフランセーズが飾っている形になりますが、それだけ同シリーズが鉄板であることがわかりますね。
タンクフランセーズ SM W51027Q4
ステンレススティールとピンクゴールドのコンビモデルです。こちらも、長年女性陣から人気を博すロングセラー。ゴールドによって華やかさを獲得した一本です。
タンクフランセーズ SM WE110006
ケース・ブレスレット素材は使いやすいステンレススティールながら、インデックスにダイヤモンドがセッティングされました。上品ながら腕元に大人の存在感が添えられます。
なお、何度か価格について言及していますが、タンクフランセーズはカルティエのエントリーモデル的立ち位置です。さらにタンクフランセーズに限らず、カルティエは正規新品と中古の価格差が非常に大きいブランドです。
一番人気のW51008Q3は正規店で購入すると379,500円。中古相場は20~25万円程度です。
タンクフランセーズはオリジナルから形を変えていません。中古での流通量も豊富です。
流行遅れになるということがないので、状態の良い中古をご購入になることをお勧めいたします。
タンクソロ
厚みを抑えたフラットなケース・ブレスレットが非常に上品なシリーズです。
機能は2針のみとシンプルですが、そのためビジネスやフォーマルにも、特別なデートシーンにも、存在感を放ってくれます。もちろんシンプルだからこそ、カジュアルな服装にも合わせやすいですね。
シリーズ名の意味は「一人のタンク」。自立した大人の女性のために2004年に製造されました。
確かにすっきりとしたクールで理知的な印象が、そんな女性像を感じさせます。
一方ですっきりシンプルとは言っても、ケースサイズはレディース用のSMでも縦31.0mm×横24.4mmと決して小さくはありません。
地味めのスーツスタイルであっても、存在感を放ってくれます。
なお、タンクソロもまたカルティエの中では比較的リーズナブルな商品です。そのため「憧れのカルティエ」を気軽に楽しめる逸品と言えるでしょう。
タンクソロの人気モデルはこちら!
タンクソロ SM W5200013
全体的にフラットながら、ベゼルと風防に段差をつけたり、ブレスレットのコマにエッジをきかせたりと、高級機らしい立体感が備わった一本です。ちなみにこちらは、2020年の当店のカルティエ売れ筋の中でナンバースリーにあたるモデルです。
タンクソロ SM W5200024
肌なじみの良いピンクゴールドをケース素材にあしらったタンクソロ。文字盤はシンプルなシルバーにローマ数字と、ドレッシーな装いは崩しません。
タンクソロは正規新品定価だと307,800円ですが、中古市場では20万円台前半からご購入いただけます。
ゴールドモデルでも他のレディースブランドと比べると非常にリーズナブル。
初めて高級時計を買おうと思っている方にもお勧めしたい一本です。
タンクアングレーズ
2012年に新たにタンクシリーズに加わり、瞬く間に定番入りを果たしたタンクアングレーズ。
アングレーズはフランス語でイギリス風を指し、独特のラインやリューズを包み込むようなケースが特徴的ですね。
女優の米倉涼子さんが某ドラマでかっこよく着けこなしていたところを見て、タンクアングレーズの良さを再認識したものです。
ちなみに「タンクフランセーズ」「タンクアングレーズ」そして「タンクアメリカン」が国名シリーズとして存在していますが、これはカルティエが古くから老舗店を構えていたパリ・ロンドン・ニューヨークの地へのオマージュです。
価格帯はステンレスモデルであれば中古市場では30万円台から。SS×ゴールドのコンビモデルだと、中古で40万円台半ば程度がだいたいの相場感です。
なお、オール金無垢やダイヤモンドが入ったハイエンドラインや、ステンレス×ピンクゴールドの華やかなモデルなども高い人気があります。
ただし、惜しむらくは2019年に生産終了してしまったこと。現在はまだ市場に豊富に流通していますが、年数を経るにつれて状態の良い個体数は減っていくこととなりますので、気になる方は早めに買っておきましょう!
タンクアングレーズの人気モデルはこちら!
タンクアングレーズ SM W5310022
ギョーシェがあしらわれたシルバー文字盤,ローマンインデックス,中央のレイルウェイ,青い検型針と、「カルティエらしさ」がふんだんに詰まった逸品です。
タンクアングレーズ SM W5310036
ステンレススティール×ピンクゴールドとのコンビモデルです。リューズにもピンクゴールドがあしらわれているところに憎い演出を感じさせますね。
タンクアングレーズ SM WT100024
インデクスにダイヤモンドをあしらったタンクアングレーズです。こちらもカルティエらしい一本と言えますね。
タンクアングレーズ SM WT100002
ピンクゴールドのボディ,そしてベゼル両サイドにダイヤモンドを2列並べた、とのかくゴージャスな一本です。貴金属やダイヤモンドの扱いを見ていると、さすが老舗ジュエラーだな、と強く感じます。
マストタンク
「持たなければならないタンク」といった意味を持つマストタンク。
既に生産は終了していますが、終了後も人気は衰えず中古市場で一大勢力を築いている名シリーズです。
創業者ルイ=フランソワ・カルティエの孫にあたるルイ・カルティエは、類まれな才能を活かしてカルティエを今の世界的な地位へと押し上げた偉大な功績者。タンク、サントス、パシャも全てルイ・カルティエの時代に礎が築かれました。
そんなルイ・カルティエ自身がデザインを手がけ、さらに自分でも愛用していたものの一つがこちらのマストタンクです。
カルティエというとシルバーダイアルにローマンインデックスを配したデザインが多いですが、マストタンクの魅力のうちの一つは豊富なダイアルデザイン。
インデックスのみならず、カラーバリエーションなど変化に富んだ様々な表情を楽しむことができます。
ちなみに現行のカルティエウォッチはロゴにブロック体が用いられていますが、マストタンクは筆記体となります。
なお、マストタンクはタンク・ルイ・カルティエの普及版として誕生した経緯があり、中古市場では10万円以下で手に入れることもできます。
ベルトを付け替えることのできるタイプがほとんどですので、中古にありがちなベルトの使用感も少なく済み、それでいて「カルティエ」というステータス性は申し分なし。
普段使いの腕時計とは別に、ドレスウオッチが欲しい。ちょっと変わったカルティエが欲しい。そんな方にお勧めしたい逸品です。
もっとも前述の通り生産終了しているにもかかわらず非常に高い人気を有するためとても稀少。見つけた時が買い時です!
マストタンクのお勧めモデルはこちら!
マストタンク SM ヴェルメイユ
ヴェルメイユとはマストタンクに採用されている加工素材で、上質なスターリングシルバーにゴールドを貼り付けたものとなります。マストタンクならではの優しい輝きを有します。
マストタンク SM ヴェルメイユ
同じくヴェルメイユ素材のマストタンクです。文字盤両サイドにローマンインデックスをあしらうと言う、非常に珍しいデザインが魅力的。
マストタンク W1013954
カルティエのアイコンの一つである「2C」が文字盤にあしらわれたモデルです。こちらも、カルティエウォッチの中では大変珍しいデザインです。
マストタンク LM アールデコ W1008095
ジュエリーにアールデコを取り入れるという、画期的な手法のパイオニアであるカルティエが、アールデコ礼賛の意味でリリースしたスペシャルエディションです。1000本限定生産。
タンクアメリカン
レディースタンクの中でも、最も縦長ラインが強調されているシリーズです。ちなみにタンクフランセーズ,タンクアングレーズと並んで、「国名入り」タンク。その名もアメリカ風です。
ゴールドやダイヤモンドをセッティングしたモデルがカルティエらしさがある、ということで、ハイエンドラインにあたりながらも高い人気を誇ります。
確かにカルティエの出自はジュエラーですので、ゴールドや宝石使いは他社とはちょっと違いますね。
ケースサイズはレディースでSMが縦35.0mm×横19.0mm(上記画像)となります。
また、ボーイズサイズとして縦41.0mm×横22.0mmのMMもあり、縦は大きそうに見えますが横幅は華奢で厚みもないため、エレガントに着けこなせるでしょう。
タンクアメリカンの人気モデルはこちら!
タンクアメリカン SM W26019L1
ホワイトゴールドが上品なタンクアメリカンです。ちなみにカルティエのWG製品にはロジウムメッキがかけられていることが多いのですが、その端正な仕事ぶりがデザインに活きています。
タンクアメリカン ベゼルダイヤ SM WB710008
ピンクゴールドの華やかさもさることながら、カルティエには珍しいブレスレットデザインのモデルです。花弁のようなコマが連なっており、ブレスレットとしても楽しめるでしょう。
その他タンクシリーズには、一回りサイズを小さくしたミニタンクやタンクアロンジェ(アロンジェ…仏語で引き延ばした)などが展開されています。
カルティエの各シリーズ解説:パシャ
タンクシリーズと時を同じくして誕生したパシャシリーズも、カルティエに欠かせない名作です。
1943年、ルイ・カルティエがモロッコの太守(パシャ)より「自宅のプールで遊泳しながら着けることのできる時計が欲しい」という依頼を受け、製作されたという経緯を持ちます。
1985年この防水時計を原型に、「強さに惹かれる男性に向けて」というコンセプトのもと、パシャ ドゥ カルティエが誕生しました。1980年代当時はオーデマピゲのロイヤルオークやパテクフィリップのノーチラス等、ラグジュアリー・スポーツウォッチが花開いた時期でしたので、カルティエも主力商品としてスポーティーテイストを持ち合わせたモデルが欲しかったという背景もあったのでしょう。
そんなパシャの大きな特徴は、ラウンドケースに独特のリューズプロテクターが搭載されていること!ケースとこのプロテクタがチェーンで繋がれており、それもまたカルティエらしい独創性を感じます。
もっともこのリューズプロテクタ―は時計ケースの防水性や気密性を高めるための仕様でもあります。
誕生当初はメンズラインでしたが、現在はレディースがメインで展開されています。
さらにパシャの中で分類があり、
・35mmサイズ×自動巻きのパシャC
・27mmサイズ×クォーツのミスパシャ
に分かれます。
左:パシャC 右:ミスパシャ
パシャCはボーイズ(男女兼用モデル)となるので、メンズライクな時計が好みの女性にもお勧めできます。
また、ジュエラーが生産するレディース腕時計に機械式時計は少ないので、本格派のモデルが欲しい方は必見ですね。
パシャCは2016年頃に生産終了していますが、中古市場では今なお流通しており、20万円台~購入することができます。
ミスパシャは小さめサイズがコロンと愛らしいモデル。クォーツという扱いやすさは、初めて高級時計を購入される方にとって嬉しいところでしょう。
こちらは現行モデルとなり、相場はだいたい20万円台~。
ちなみにアナウンサーの紺野あさ美さんや枡田絵理奈さんがご愛用されているようです。
なお、ミスパシャは防水性は日常生活用防水に留まりますが、しっかりとリューズプロテクタ―が付属して、デザインアクセントとして楽しめます。
パシャC・ミスパシャ以外では、現行ではありませんがグリッドと呼ばれる文字盤ガードが付いたタイプも他のレディース腕時計とは一線を画したオシャレさがあります。
このグリッドは取り外しが可能で、気分によってデザインを変えられる仕様です。
また、2020年新作として、自社製ムーブメントCal.1847MCを搭載したパシャも登場しました。こちらはメンズラインとはなりますが35mmサイズでもリリースされており、パシャのアイコニックなデザインと相まって女性もお使い頂けるでしょう。
このように、ただデザインがオシャレなだけではなく、内部機構や防水面で特筆すべき点の多いパシャ。歴史の深いモデルでもありますので、カルティエファンの方はぜひチェックしておきましょう!
パシャの人気モデルはこちら!
パシャC W31074M7
パシャCの中で最も定番なモデルがこちらです。やや大きめ、自動巻きのためやや厚みあり。そんなメンズライクなデザインで、もともと人気が高かったのですが、ますます注目度を集めるようになりました。
パシャC W31075M7
シルキーなピンク文字盤で、フェミニンさが増した一本です。こちらもシルバー文字盤モデル同様、大変人気の高いパシャCです。
ミスパシャ W3140007
パシャCよりもダウンサイジングされ、さらにクォーツムーブメントを採用することで女性らしさを獲得したのがミスパシャ。ステンレスモデルは使いやすさもありますので、初めてカルティエを買う方にもお勧めです。
ミスパシャ W3140008
ピンク文字盤のミスパシャです。リューズのカボションセットもピンクになっており、カルティエらしいデザイン性を感じさせます。
なお、パシャは中古市場の方がバリエーションもあり、より豊富なモデルを楽しめるためお勧めです。
価格帯は、パシャCおよびミスパシャのステンレスモデルであれば20万円台から。
現行ラインにはないゴールドやダイヤモンドをグリッドにあしらったモデルもありますので、好みに合わせてお選びください。
カルティエの各シリーズ解説:パンテール
カルティエのブランドアイコンである豹(パンサー)をモチーフにしたフラグシップがパンテールです。ブレスレットやリングなど、ジュエリーラインで同社が力を入れてきました。
パンテールという名前自体がカルティエ史に出てきたのは1914年のことです。当時はシンプルなモチーフとしての採用に留まっていましたが、その後高名なデザイナー、ジャンヌ・トゥーサン氏によって、1930年代にアイコニック・ジュエリーとして昇華されることとなりました。
1980年代、腕時計コレクションにもパンテールが追加されます。
パンテールウォッチは登場するやいなや、あっと言う間に世界中の女性たちを虜にしました。しかしながら2000年代半ば、惜しまれつつも生産終了となります。
そんなパンテールが2017年に満を持して復活を果たしました!生産終了後も中古市場で人気を誇っていたパンテールが、人気が出ないはずがありません。
ラインナップはオールステンレスからゴールドモデル、コンビネーション、ダイヤモンドがあしらわれたハイエンドラインなど全17種。
サイズはスモールとミディアムの2展開(SM:縦22mm×横30mm,MM:縦27mm×37mm)です。
パンテールの特徴は、角型でありながらサイドのラインが腕を伸ばした豹のボディを表現していること。
5つの細かなリンクで構成されたブレスレットは、手首に絡みつくような抜群の装着感が魅了的。薄く上品なため、ファッションの邪魔をせず、さりげなくカルティエ着けてますアピールができるでしょう。
パンテールの人気モデルはこちら!
パンテール SM WSPN0006
2017年に復活したパンテールの中で、第一陣にあたるモデルです。オリジナルのデザインが踏襲されており、昔からのカルティエファンも納得の一本です。
パンテール SM W4PN0007
同じく2017年にリバイバルされたパンテールの、ダイヤモンドセッティングモデルです。かつてのパンテールでも需要の高いダイヤ付き。ギラギラしすぎていないので、スーツスタイルにもマッチしますね、
パンテール SM W2PN0006
ゴールド特有の色味を活かした、煌びやかなイエローゴールドのコンビモデルです。腕元に存在感が欲しい。そんな方にお勧めしたい一本です。
パンテール SM WJPN0008
ピンクゴールド×ベゼルにダイヤモンドをセッティングしたパンテール。ちなみにパヴェダイヤの間にきちんとビス留めもあしらわれております。
パンテールも、中古市場での相場はシンプルなステンレスタイプで20万円台から。
旧型と新型で大きくデザインを変えていませんので、ゴールドやダイヤモンドがあしらわれたハイエンドモデルをお探しの方は、旧型で状態の良い個体を探すのも手かもしれません。
なお、限定でラウンド型のモデルも存在します。
カルティエの各シリーズ解説:サントス
タンクの項で、同コレクションが誕生した1919年当時、腕時計と言えば懐中時計にベルトを通した形式が多かったことを述べました。
諸説ありますが、懐中時計の改変ではなく、腕時計としてのケース,ラグを用いた世界初の製品は、カルティエが手掛けたと言われています。そして、その世界初腕時計が、こちらのサントスです。初出は1904年。タンクが誕生する15年も前にさかのぼります。
サントスは、ルイ・カルティエが飛行家アルベルト・サントス・デュモンの要請を受けて製造しました。
ちなみにこのサントス氏はブラジル出身の貴族であり発明家でもあるというなかなか風変りな人物。「飛行機の走行中、操縦桿から手を放さずに時間確認したい」というのが要請の具体的な内容です。
そうして生まれたサントスは、ケースやブレスレットに打たれたビスが何よりの特徴です。これは、飛行機のボディのパーツを繋ぐネジがモチーフになっており、角を丸くしたスクエアケースと合わせてどこかスポーティーな印象を持ち合わせますね。
一方で白エナメルの文字盤に黒のローマンインデックスと、カルティエらしい上品さも健在です。
なお、初代の登場から100年以上が経過する今なお現行ラインは大きくデザインを変えておらず、意匠を受け継ぎ続けています。
現在は生産終了していますがサントスとパンテールの良いとこどりをしたようなサントス ドゥ モワゼル。そして定番のサントスガルベ、サントス100など派生モデルのバリエーションが豊富なことも嬉しいポイント。
ちなみにサントスガルベとはサントスに丸みをもたせてエレガンスを押し出したラインで、サントス100とはサントス100周年を記念して新たに追加されたラインナップとなります。
さらに言うと現行はサントスデュモン及びサントス ドゥ カルティエですが、後者には「クイックシステム」と呼ばれる、特別な工具なしでベルト交換可能な
中古市場ではステンレスモデルが20万円台半ばから。
カルティエの歴史を体現したような腕時計ですので、カルティエファンはぜひ一度手にお取りください。
サントスの人気モデルはこちら!
サントスガルベ SM W20056D6
「サントスらしい」と言うべきスタンダードなモデルです。レディースながら飛行機のねじ留めを象徴したビスもきちんとあしらわれており、甘すぎないデザインがお好きな方にお勧めです。
サントス100 MM W20126X8
ボーイズに分類される、メンズライクなサントス100。前述の、サントス100周年記念モデルです。
サントス ドゥモワゼル SM W2510002
サントスとパンテールの良いとこどり!そんなモデルがサントス ドゥ モワゼルです。珍しい文字盤ですが、こちらは2008年にクリスマス限定で発表されました。
サントス ドゥ モワゼル SM W25066Z6
同じくサントス ドゥ モワゼルから、イエローゴールドを使った華やかな一本です。生産終了しましたが、非常に人気の高い一本となります。
カルティエの各シリーズ解説:バロンブルー
カルティエ腕時計きってのフェミニンなデザインがこちらのバロンブルーです。「青い風船」という意味で、2007年にコレクションに追加されました。
リューズの青いカボションが特徴的で、ケースだけでなくリューズガードまで丸く、モチーフである風船の円形にこだわっていることがわかる、美しくも愛らしい魅力が備わります。
ただ曲線を描いているだけでなく、少し角度を変えて見るとぷっくりとしたケース形状が確認でき、これまでのラウンドフォルムとは全く異なる様相を呈することとなりました。
あまり奇抜なデザインは嫌だけど、ちょっと変わった腕時計が欲しい。そんなワガママ女子の心をわしづかみにしたことは間違いありません。
実際発売当初は、「まるで無重力状態のような新しい時空間を生み出した」と名高く、すぐに高い人気を集めるようになりました。
ケースの直径により「SM(28mm)」「MM(33mm、36mm)」「LM(39mm、40mm、42mm)」「XL(44mm、46mm)」の区分があり、レディースの対象サイズはSM、MM、LMの3つです。
ステンレススティールの他、コンビやダイヤモンドがあしらわれたハイエンドラインも存在します。
ちなみに男女ともにバロンブルーの愛用者が芸能人・有名人に非常に多く、イギリスのキャサリン妃、ジョニーデップさん、皆藤愛子さん、藤原竜也さんなどが挙げられます。
バロンブルーの人気モデルはこちら!
バロンブルー SM W69010Z4
バロンブルー SM W69007Z3
バロンブルーにイエローゴールドを加え、華やかさを加えたモデルです。ちなみにこちらはアナウンサーの皆藤愛子さんの愛機です。
バロンブルー SM W6920034
「大人女子も使えるフェミニンなモデルが欲しい!」そんな方はこちらのバロンブルーがお勧めです。ピンクシェルを素材にした文字盤が、エレガントな光沢を放ちます。
バロンブルー SM W4BB0015
ベゼルに1列のダイヤモンドを規則正しくあしらった華やかさが魅力のモデルです。ビジネスやオフスタイルのみならず、華やかなパーティーシーンでも存在感を放ちますね。
バロンブルーは人気商品だけあり、タンクフランセーズやパシャなどに比べるとやや高めとなります。
しかしながらフォルムやテイストが「特別なシーン」にふさわしく、ここぞという時に着けたい一本となっております。
カルティエの各シリーズ解説:ベニュワール
オーバルシェイプのケース、小さなコマが連なったカスクドールブレスレットが思いっきりエレガントなベニュワールは、フランス語で「バスタブ」を意味します。
ゴールドやダイヤを使用したものが多く、非常に華やかなフォルムが特徴です。
カルティエ自体が高級感、華やかさ、品質、知名度、ステータスどれをとっても申し分ないブランドですが、ベニュワールはその中でも頭一つ抜きんでた品格を有していることが一目でおわかりいただけるでしょう。
と言うのも、ゴールドやダイヤモンドモデルというとどこかゴージャスすぎてしまうのではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながらギラギラとした派手さはなく、あくまでも落ち着いた大人の高級感が漂います。さすがカルティエと言うべきデザイン性の高さゆえでしょう。
カルティエの中でもハイエンドラインのため、定価は100万円超え。しかしながら中古であれば、50万円以下で購入できるものもあります。
また、通常のベニュワールは縦30.8mm×横22.0mmのサイズですが、ミニベニュワールという縦25.0mm×横18.0mmの小ぶりのサイズもあり、華奢な腕時計が好みの方にはうってつけです。
なお、カスクドールブレスレットではなく、革ベルトタイプもラインナップされています。
ちなみに愛用者の有名どころでは西川史子さんなど、素敵な大人の著名人が挙げられます。
ベニュワールのお勧めモデルはこちら!
ミニベニュワール ベゼル2重ダイヤ WB5094W1
ハイエンドラインであるベニュワールの中でも、ベゼルに二連のダイヤモンドをあしらった極上のエレガンス&ゴージャスが魅力のモデルです。
ミニベニュワール ベゼルダイヤ WB520025
ホワイトゴールドの小さいベニュワール。さらに、ベゼルのダイヤモンドはレディース時計に多いブリリアントカットダイヤではなく、バゲットカットがあしらわれました。クールで洗練された印象が強まります。
ベニュワールSM 三重ダイヤ
正面からの画像だとわかりづらいかもしれませんが、ベゼル、さらにケースサイドも入れて3重のダイヤモンドの列を重ねた、とにかくゴージャスな一本です。お値段はお高くなりますが、間違いなく一生ものの時計と言えるでしょう。
ベニュワールSM W1516856
お馴染みのカスクドールブレスレットではなく、革ベルトを採用し、シックな印象が強くなったモデルです。シンプルですがWGで、華やかさも忘れません。
カルティエの各シリーズ解説:ロンドソロ
カルティエらしいシンプルさとクラシカルテイストが人気の「ロンドソロ ドゥ カルティエ」。
タンクやパシャほどのメインシリーズではありません。
しかしながら、ローマンインデックスやレイルウェイ分目盛、サファイヤのリューズ等がとてもカルティエ的。
薄型ですので、ドレスウォッチのような上品さも有します。
前述のように、ロンドソロはカルティエでは「定番」とは少し外れます。
しかしながら価格帯20~30万円台からとリーズナブルなため、初めてカルティエ購入をお考えの方、タンクやパシャなどとはちょっと変わったカルティエが欲しいな、という方から支持を受けています。
メンズモデルがもともとメインでしたが、SM(29.5mm)、MM(35mm)などレディースでも展開されており、また、ステンレスモデルの他ゴールドモデルやダイヤモデルなどもあるため、好みに合わせた選択が可能です。
ロンドソロのお勧めモデルはこちら!
ロンド ソロ ドゥカルティエ SM W6701004
ミニッツサークル内周にアラビア数字をあしらい、24時間表記とした一本です。カルティエらしい上品さと、どことなくメカニックな印象がマッチしていますね。
ロンドソロ ドゥカルティエ SM WSRN0019
革ベルトタイプのロンドソロ。フォーマルシーンで身に着けても違和感はないでしょう。
まとめ
レディースカルティエの各シリーズと、人気モデルをご紹介いたしました!
それぞれが非常に独特で、上品で、いかにもカルティエといった雰囲気を有しています。カルティエファンにも、おしゃれ好きにも、ステータス重視の女性にも自信を持ってお勧めできます。
なお、文中でもご紹介したように、カルティエは多くのロングセラーを抱えていますが、いずれも初代からデザインを大きくは変えておらず、そのためどのモデルを選んだとしても、時代遅れになるということがありません。
そのため一生ものとしても末永くお使いいただけるでしょう。
当記事の監修者
安 寧実(AN NINGSHI)
中国吉林省の出身で中国語と韓国語が母国語。
日本語学校で1年半日本語を勉強し、専門学校では英語を専攻。卒業後、羽田国際空港のロレックス正規店に勤務し、2018年7月からGINZA RASINで勤務。中国語、韓国語、日本語、英語の4か国語に精通。時計業界歴10年。