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訪日外国人に人気の高級腕時計ランキングBEST10
最終更新日:
2022年10月、新型コロナウイルス対策としての入国制限が日本でも緩和され、訪日外国人は大幅に増加しています。
出入国在留管理庁によると、2022年の外国人入国者数は前年比で約11.9倍にもなった、とのこと。確かに街中や交通機関で、日本人・外国人問わず観光を楽しむ光景がまた戻ってきましたね。
東京 銀座で高級腕時計専門店を構えるGINZA RASINでも、またコロナ禍以前のように訪日外国人のお客様にも多くご来店頂いております。
そこでこの記事では、当店での免税販売データをもとに、訪日外国人に人気の高級腕時計ランキングBEST10を作成いたしました!
※掲載する中古相場は目安となり、状態や年式によって変わってまいります。
目次
第10位 フランクミュラー カサブランカ
訪日外国人に人気の高級腕時計ランキング、第10位はフランクミュラー カサブランカです!
かつてフランクミュラーは国内人気が高いと言われていました。確かにわが国でのフランクミュラー人気は、長年健在です。
一方で当店での免税販売データを見てみると、訪日外国人のお客様からも幅広くフランクミュラーをお買い上げ頂いております。
フランクミュラーの独創的でオシャレなデザインは、人気も頷けるところですね。
また、メンズ・レディースともに同程度の人気を誇っていることも、フランクミュラーの売上データの特徴です。これは、フランクミュラーが同一コレクションの中でも複数ターゲットを想定し、サイズや素材等を幅広く展開していることが大きく寄与しているのでしょう。端的に言うと、老若男女問わず愛される高級腕時計と言うわけですね。
そのためペアウォッチやパートナーへのプレゼント目的としてご購入になる方も少なくなく(免税販売に限らず)、結果として高い人気へと繋がっていってるのです。
そんなフランクミュラーはコレクションも豊富ゆえにどうしても人気が分散しがちなのですが、圧倒的に訪日外国人が買っていたのがカサブランカでした。
カサブランカはフランクミュラー創業時にあたる1994年から続くロングセラーで、当時ハイエンドなモデルが多かった同社の中でも、ステンレススティールを採用したコレクションとして話題になりました。
トノー型のケースはポリッシュに磨かれており、フランクミュラーのアイコニックなビザン数字やローザンジュ針と相まって、オシャレな高級腕時計の代名詞的存在となっております。
なお、カサブランカの中でも様々なバリエーションが存在しますが、一番人気が「サハラ」です。
フランクミュラー カサブランカ サハラ
ケースサイズ:縦47mm×横34mm他
素材:ステンレススティール
文字盤:ホワイト,ブラック他
駆動方式:モデルによる
中古相場:30万円台半ば~
灼熱のサハラ砂漠の中で日に焼けた時計をイメージしたモデルと言われており、アンティーク調な雰囲気を有します。
フランクミュラーは複雑機構やゴールドを用いたハイエンドモデルも多数ラインナップされていますが、カサブランカはシンプルな3針かつステンレススティール製ゆえ、中古なら30万円台~購入できるプライスレンジも嬉しいところです。
ちなみにTOP10には入らなかったものの、マスターバンカーも訪日外国人のお客様に大変よく売れました。
フランクミュラー マスターバンカー
ケースサイズ:縦45mm×横32mm他
素材:モデルによる
文字盤:シルバー,ブルー他
駆動方式:モデルによる
中古相場:50万円台~(5850系のSSモデルの場合)
一つの文字盤上でデュアルタイムを視認できること。またデュアルタイムのリューズ操作が容易なことも素晴らしいですが、フランクミュラーらしいユニークさを味わうにはうってつけのモデルですね。
第9位 ロレックス エクスプローラーII
訪日外国人に人気の高級腕時計ランキング、第9位はロレックス エクスプローラーIIです!
ちなみに当店はロレックス専門店を有していることもあり、ロレックスの在庫数が圧倒的に多くなります。そのため本ランキングの多くもロレックスが占めることとなりましたが、「お問合せ数」でもロレックスが群を抜いているところを鑑みると、それだけ同ブランドの世界的な人気がきわめて高いことを示唆しています。
そんなロレックスの中でも、精悍なメタルベゼルに24時間針が映えるエクスプローラーII。
1971年にエクスプローラーの上位モデルとして誕生したコレクションで、現行は時針を単独稼働させることで第二時間帯表示が可能となっております。なお、国内人気は圧倒的にエクスプローラーIの方が高いのですが、免税販売ではエクスプローラーIIに軍配が上がりました。
エクスプローラーIIは2021年にモデルチェンジされており、現行Ref.226570、先代のRef.216570、先々代のRef.16570が同コレクション人気の三本柱です。そしてエクスプローラーIIの免税販売の中で最も売れたのは、Ref.16570でした。
エクスプローラーII 16570
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラックまたはホワイト
駆動方式:Cal.3185(末期はCal.3186)
中古相場:100万円前後~150万円台程度
Ref.16570は1991年~2011年まで製造された、エクスプローラーII第三世代です。
現行にはない赤い24時間針や小ぶりな直径40mmケース(第四世代移行は42mm)は、ポストヴィンテージの雰囲気抜群です。
ブラック・ホワイト文字盤の二種がラインナップされており、GINZA RASIN全体で見るとブラック文字盤の方が売れていましたが、免税販売ではほぼ同率でした。
なお、Ref.16570は20年にも渡って製造された歴史があります。
そのため幾度かのマイナーチェンジを経ており、年式や仕様によって価格が大きく異なることも。
中古モデルは基本的に年式が新しいほど高値がつく傾向にありますが、Ref.16570(および、同世代のいくつかの5桁スポーツロレックス)はオリジナルの仕様が評価される場合があります。
その代表格は、トリチウム夜光とシングルバックルです。
※オールトリチウムの16570
ロレックスでは1995年頃からバックルをシングルからダブルロック式に、1998年頃から夜光をトリチウムからルミノバに変更しており、この後にパーツ交換などされた個体は、新しい仕様となっていることが往々にしてあります。そこで、新仕様に交換されずにオリジナルを保っている個体の市場価格が上昇しつつあるのです。トリチウム由来の「焼け」も、この年代ならではですよね。
こういった、現行にはない仕様への魅力が、世界共通の人気へと繋がっているのでしょう。
第8位 ウブロ クラシックフュージョン
第8位は、ウブロ クラシックフュージョンです!
「異素材」「異業界」などといった様々なジャンルをFUSIONさせることで、これまでにない高級腕時計を世に送り出してきたウブロ。
日本国内販売の売上本数はいつもビッグバンがTOP3を飾るものですが、訪日外国人に人気が高かったのはクラシックフュージョンでした。
ダイナミックな多層構造が特徴的なビッグバンとは異なり、クラシックフュージョンは薄型でエレガンスなイメージの強いコレクションです。
2008年誕生ですが、そのDNAは1980年に発表された初代ウブロから受け継がれています。ちなみにクラシックフュージョンとは別に、やはり初代意匠を踏襲したクラシック トラディションというモデルがウブロでは製造されておりました。いかにウブロが初代コンセプトを大切にしてきたかが垣間見えますね。
そんな歴史を持つクラシックフュージョンは、ウブロのブランド名の由来となった舷窓を思わせるビス留めベゼルにケース・ストラップがシームレスなフォルムが、スポーティーとドレッシーをFUSIONさせているように思います。
クラシックフュージョンとひとくちに言っても、サイズや素材、文字盤カラーに機構まで多種多様です。とは言え、そんな中で群を抜いて免税販売で売れていたのが、Ref.521.NX.1171.LRとRef.542.NX.7170.LRです。
クラシックフュージョン クロノグラフ 521.NX.1171.LR
ケースサイズ:直径45mm
素材:チタン
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻きCal.HUB1143
中古相場:90万円前後~
クラシックフュージョン 542.NX.7170.LR
ケースサイズ:直径45mm
素材:チタン
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻きCal.HUB1110
中古相場:70万円前後~
価格もビッグバンよりもお手頃である一方でウブロらしさも存分に楽しめる逸品です。
第7位 パテックフィリップ アクアノート
訪日外国人に人気の高級腕時計、第7位はパテックフィリップ アクアノートでした!
世界最高峰の呼び声高いパテックフィリップは、国内外で絶大な支持を得ております。
後述しますが、訪日外国人に売れた高級腕時計を「ブランド別」に見ると、パテックフィリップは第3位となります。当店がパテックフィリップの入荷に力を入れているということもありますが、円安傾向で高額品の免税購入に旨味が多いこと。また国内市場には状態の良いユーズドパテックフィリップが多く出回っていることなどが、よく売れた背景に繋がっているのでしょう。
ちなみにGINZA RASINの年間売上本数全体で見ると、パテックフィリップの一番人気はカラトラバです。しかしながら免税販売では、そのカラトラバを大きく引き離してアクアノートがよく売れる結果となりました。
アクアノートは1997年にパテックフィリップのコレクションに加わりました。
同社のラグジュアリー・スポーツウォッチ「ノーチラス」にインスパイアされた8角形のケースや視認性が考慮された文字盤はスポーティーテイストを有する一方で、カラトラバのようなドレッシーさをも備えたデザインが特徴です。
夜光がしっかりと塗布された文字盤・針や強靭なトロピカル・コンポジットバンド、そして120mの防水性は、デイリーユースできるラグジュアリーウォッチとしても優れます。
GINZA RASINの売上全体で見るとベーシックなステンレススティール製のRef.5167/1Aが高い人気を誇りますが、訪日外国人にはローズゴールド製Ref.5167R-001がとてもよく売れていました。
アクアノート 5167R-001
ケースサイズ:直径40.8mm
素材:ローズゴールド
文字盤:ブラウン
駆動方式:自動巻きCal.324 SCまたは26-330 S C
中古相場:1000万円~
パテックフィリップらしく高い作りこみによって実現したラグジュアリーなローズゴールド製ケースに、コンポジットバンドの組み合わせが絶妙ですね。
ちなみに、近年ノーチラスの世界的な品薄と相場急騰が取り沙汰されています。
しかしながら非常に入荷が難しいこともあり、当店売上データとしてはランクインはしませんでした。とは言えノーチラスは1000万円や2000万円近い値付けも珍しくない中で、活発に売買されている現状を見るに、まだまだ需要が流通を大いに上回る時勢が続きそうです。
第6位 オメガ スピードマスター プロフェッショナル
第6位は、最も有名な高級腕時計の一つと言っても良い、オメガのスピードマスター プロフェッショナルです!
GINZA RASIN全体で見ても、ロレックスに次いで常に人気を博すのがオメガです。
オメガは知名度が高いということもありますが、それ以上に老舗として確かな時計製造技術を有する一方で、業界を震撼させるような開発力と革新性を持ち続けてきたからこそ、幅広い時計愛好家から高い支持を集めているのでしょう。
とりわけ近年では「開発力」「革新性」においては、他の追随を許しません。加えてオメガの凄いところは、業界人も驚く開発品を、良心的な価格設定で量産できるというのも、特筆すべき点です。
そんなオメガを代表するコレクションは「シーマスター」と「スピードマスター」です。
さらにこの中でも様々な派生に分かれており、通常「シーマスター ダイバー300M」か「シーマスター300」に売上本数では先鞭をつけることが多いですが、免税販売では「スピードマスター プロフェッショナル」が2位以下に圧倒的に差を付けています。
「ムーンウォッチ」とも称されるスピードマスター プロフェッショナル。
1957年の発売当初から信頼性・耐衝撃性に定評があったスピードマスターですが、1965年にはNASA(アメリカ航空宇宙局)の公式装備品に。移行は宇宙開発と強くイメージ付けられ、実際に月面着陸やアポロ13号の酸素爆発の折の大気圏突入に寄与しました。
スピードマスター プロフェッショナルは長い歴史の中で時代に合わせたモデルチェンジを経てきましたが、免税販売で最も売れていたのは2021年に発売された最新世代のRef.310.30.42.50.01.001です。
スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ 310.30.42.50.01.001
ケースサイズ:直径42mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:手巻きCal.3861
中古相場:60万円台後半~
長らくスピードマスター プロフェッショナルに用いられてきたヌーベル・レマニア社製Cal.321由来の手巻きクロノグラフから、コーアクシャル×マスタークロノメーター化を果たしたCal.3861へと移行。最新スペックを有しつつも、往年のスピードマスター プロフェッショナルで見受けられるディテールを随所に盛り込んだことで、さらにファンを魅了することとなりました。
※コーアクシャル脱進機とマスタークロノメーターについて
オメガの「開発力」について前述しましたが、その代表的な存在がコーアクシャル脱進機とマスタークロノメーターでしょう。
オメガは1999年、時計師ジョージ・ダニエルズ氏が発明したコーアクシャル脱進機の量産・市販化に成功しました。コーアクシャル脱進機はパーツ摩耗やエネルギーロスを低減する、夢の脱進機でしたが、量産が難しいと他社は採用に踏み切りませんでした。しかしながらオメガはデ・ヴィルにてコーアクシャル脱進機搭載モデルを発表。その後も開発研究を推し進め、現在では同機構をレギュラーモデルの標準装備としております。
そして2013年、業界トップクラスとなる15,000ガウスもの耐磁性能を実現した、コーアクシャルムーブメントをリリースしました。アナログ式腕時計にとって大敵の磁気への耐性は既に当時から各社が考慮していましたが、15,000ガウスもの磁気帯び対策というのは、非常に驚かされたものです。
その後、スイス連邦計量・認定局(METAS)と共同でマスタークロノメーター規格を開発し、耐磁性能や精度、防水性などといったオメガの実用性にお墨付きを与えています。
ちなみに同時リリースされた、サファイアクリスタルガラスやシースルーバックが現代的なRef.310.30.42.50.01.002も次いでよく売れていました。
もちろん現行のみならず、先代スピードマスター プロフェッショナルや第五世代に見受けられる「下がりr」、あるいはスピードマスター レーシング等、幅広く人気が高いことも目立ちました。
オメガ人気は、万国共通というわけですね!
第5位 ロレックス オイスターパーペチュアル
第5位は、ロレックス オイスターパーペチュアルです!
ご存知「オイスター」は、ロレックスの高防水な外装を示唆します。1926年にロレックスが特許取得し、実用的な防水時計で先鞭をつけた、ねじ込み式リューズ搭載「オイスターケース」に由来しますね。そしてパーペチュアルは1931年にやはりロレックスが特許取得した全回転型ローター搭載自動巻き機構が出自となっており、デイト窓のクイックチェンジ「デイトジャスト」と併せてロレックス三大発明などとも呼ばれております。三大発明はロレックスのみならず、現代腕時計に大きな影響を与えることとなりました。
この偉大な発明の名を冠したオイスターパーペチュアルは、その名の通りデイト窓を持たないシンプルな自動巻きロレックスです(過去にはオイスターパーペチュアル デイトモデルもあり)。
ちなみにエクスプローラーIがしばしば1953年の世界初エベレスト登頂と紐づけて語られますが、ロレックス公式ではオイスターパーペチュアルが装備として携行されたと述べています。
加えてオイスターパーペチュアルはシンプルゆえに、ロレックスの中では非常にお求めやすい価格帯で販売されていることも魅力の一つです(もっとも、近年発表モデルは他のロレックス同様に、相場高騰が著しいところですが)。定価自体がリーズナブルなことに加えて、流通量が豊富というのも、この嬉しい価格帯を実現しています。
一方でロレックスらしい高い実用性や信頼性は言わずもがな。様々なカラーやデザインのモデルが長い歴史の中で製造されてきており、好みの一本を選びやすいという利点も備わります。
オイスターパーペチュアルはこの製造年の長さやバリエーションの豊富さゆえ、人気が分散します。そのためリファレンスごとに人気ランキングを集計するとあまり上位にはきませんが、「オイスターパーペチュアル」というコレクションとして分類すると、決して人気スポーツロレックスに引けを取らない売上本数を誇るのです。
そんなオイスターパーペチュアルの中でも、よく売れていたのは「エアキング」としても知られるRef.14000でした。
エアキング 14000
ケースサイズ:直径34mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック,ブルー他
駆動方式:自動巻きCal.3000
中古相場:状態にもよるが40万円台後半~
エアキングは現行ではプロフェッショナルモデルとしてリリースされていますが、2014年以前はオイスターパーペチュアルの派生モデルとしての扱いでした。
Ref.14000は、1990年頃から2000年頃まで製造されていた世代です。直径34mmの小径ケースにシンプルなデザインがマッチしたモデルで、ビジネススーツとの相性も抜群ですね。状態にもよりますが、中古相場40万円台後半~と、高騰続きのロレックスの中では変わらずリーズナブルなのも人気の秘訣です。
ちなみに、ほぼ同率で人気が高かったのがレディースのRef.76080でした。
エアキング 76080
ケースサイズ:直径23.5mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック,ブルー他
駆動方式:自動巻きCal.2230
中古相場:状態にもよるが30万円台~
こういった人気ランキングを行うとどうしてもメンズモデルがメインとなるものですが、オイスターパーペチュアルは免税でもレディースモデルを豊富にご購入頂いておりました。
もちろんカルティエやシャネルといったレディースに主力商品の多いブランドも売れていましたが、オイスターパーペチュアルのレディースモデルだけでこれらを凌ぐ勢いです。
2023年も、老若男女、そして国内外問わず高い人気を博していくこととなるでしょう。
第4位 ロレックス サブマリーナー デイト
第4位は、ロレックスを代表する人気コレクション「サブマリーナー ノンデイト」です!
サブマリーナーは、ロレックスのダイバーズウォッチラインです。
1953年、100m防水に回転ベゼルを搭載するという、当時では画期的なスタイルで時計業界に躍り出ました。サブマリーナーが現代ダイバーズウォッチに与えた影響は、小さくありません。「ダイバーズウォッチ」というジャンルで括っても代表的なコレクションであり、永世定番とも言えるでしょう。
そんなサブマリーナーですから、国内外で大人気!こういった人気ランキングでは、上位の常連モデルとなっております。
なお、初代モデルはノンデイトでしたが、1965年に発表されたRef.1680よりデイト付きも登場しました。現在ノンデイト・デイト付きともに高い人気を誇りますが、免税販売ではサブマリーナー デイトに軍配が上がった形となります。
サブマリーナーもまた長い歴史の中で幾多のアップデートを遂げてきたため、多彩なリファレンスが存在します。
中でも人気だったのは、Ref.116610LNでした。
サブマリーナー 116610LN
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:Cal.3135
中古相場:150万円前後~160万円台程度
サブマリーナーは2020年に最新世代へと移行しますが、その先代として2010年~2020年まで製造されいたのがRef.116610LNです。
最新サブマリーナーはケース直径が41mmへと変更になりましたが、こちらは40mmの最終世代。デザイン面で大きな違いはないものの、相場が上がりきっていないこともあり、訪日外国人からは新型よりも人気が集中することとなりました。
もっとも、最新世代のRef.126610LNとの販売本数差はわずかです。
サブマリーナー 126610LN
ケースサイズ:直径41mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:Cal.3235
中古相場:180万円前後~
約70時間のパワーリザーブ延長に代表される最新ムーブメントを搭載したRef.126610LNは発売からまだ2年少しであるにもかかわらず、2022年はよく売れました。ちなみにGINZA RASINのロレックスの売上本数全体で見ると、Ref.126610LNは第3位の人気となっております。
なお、「グリーンサブ」や「ハルク」(あるいは「カーミット」)などといった愛称で親しまれるRef.116610LVおよびRef.126610LVも例年人気が高いのですが、近年では相場が急騰。にもかかわらず「欲しい」というマインドから品薄続きであったゆえに、免税・国内問わず売上本数としては思ったより伸びませんでした。
現在新型のRef.126610LVが230万円台~、旧型のRef.116610LVが270万円前後~の実勢相場となっておりますが、依然として回転よく売買されており、入荷量によっては人気ランキングに計上されるモデルも変わってくることでしょう。
第3位 ロレックス GMTマスターII
訪日外国人に人気の高級腕時計ランキング、いよいよTOP3です!第3位は、GMTマスターIIです!
単独稼働する時針や回転ベゼルによって、第三時間帯までの表示が可能となったGMTマスターIIは、その多機能性もさることながら、ツートンカラーのベゼルがとてもアイコニックですね(ブラックベゼルのワントーンもシックで素敵ですが)。
現行のセラクロムベゼルは独特の光沢や質感があるため、高級感も十二分です。
GMTマスターIIは「ベゼル」だけでもバリエーションが多岐に渡っているため人気が分散しがちですが、群を抜いて訪日外国人に売れていたのがRef.126710BLNRでした。ちなみにブレスレットタイプにジュビリータイプとオイスタータイプがラインナップされていますが、前者の方が僅かながら売上本数が多いです。
GMTマスターII 126710BLNR
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:Cal.3285
中古相場:230万円前後~
「バットマン」の愛称でも知られる、青黒ベゼルがスタイリッシュなRef.126710BLNR。
ちなみに先代Ref.116710BLNRは、青×黒というこれまでの同社ではあまり見受けられなかったカラーリングに加えて、セラクロムベゼルでツートンカラーが再来したことで大きな話題となりました。セラミック素材で目立った継ぎ目なしにツートン配色を実現することは難しいとされており、それまでツートンカラーベゼルはアルミベゼル時代の仕様であったためです。
以降、赤×青や緑×黒などといったバリエーションが登場しますが、青黒ベゼルにこそ特別な思いを抱くという方は少なくないでしょう。
なお、Ref.126710BLNRに次いでよく売れたのがアルミベゼル時代のRef.16710です。
GMTマスターII 16710
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:Cal.3185(生産終了間際にCal.3186へ)
中古相場:150万円前後~
ヴィンテージテイストを感じるアルミ製ベゼルのファンもまた、今なお多いものです。
現行よりもお求めやすい価格帯の個体が多いといった点も、嬉しいですね。
ただし「スティックダイアル」「チャック・イエーガー」モデルなどといった一部レア仕様は、驚きのプレミア価格となっております。
また、Ref.16710は赤青ベゼル、赤黒ベゼル、黒ベゼルが存在しますが、赤青ベゼルの人気が最も高いという結果になりました。
第2位 ロレックス デイトナ
訪日外国人に人気の高級腕時計ランキング、第2位はロレックス デイトナです!
免税販売データを集計するまで、第1位はデイトナであろうと思っていました。デイトナはそれほど、次点以下に大きな差をつけて高い人気を誇るコレクションであるためです。
「実勢相場」においてもぶっちぎりで、まだロレックス相場高騰が騒がれる以前から、デイトナだけは定価を超えるプレミア価格となることが当たり前といった状況でした。
デイトナはスポーツロレックスには珍しく非常にバリエーション豊かなコレクションでもありますが、一番人気はやはりと言うべきか。現行Ref.116500LNでした。
デイトナ 116500LN
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:Cal.4130
中古相場:黒文字盤400万円~、白文字盤480万円~
2016年に発売された現行ステンレススティール製デイトナ Ref.116500LNは、当コレクション初のセラクロムベゼル搭載モデルです。
従来のメタルベゼルのスタイルも最高にクールですが、ブラック基調のスタイリッシュなセラクロムベゼルによって、また違った魅力を放つこととなりました。
このRef.116500LNは、誕生以来、ロレックス相場の高騰を牽引してきた存在でもあります。登場時の初値200万円超と、当時としては驚くべき高値で発売されたRef.116500LNの実勢相場が、今やその2倍以上になっているのはご存知の通りです。
これだけ高くなっても人気を維持し続け、2022年はロレックスの中で最も売れたモデルとなりました。
ちなみに実勢相場はホワイト文字盤の方が高くなりますが、販売本数では僅差でブラック文字盤が前を行きました。
なお、Ref.116500LNに次いで免税販売で売れたデイトナはRef.116503です。
デイトナ 116503
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール×イエローゴールド
文字盤:ブラック,シャンパン他
駆動方式:Cal.4130
中古相場:黒文字盤290万円台~
イエローロレゾール(ステンレススティール×イエローゴールドのコンビ)が華やかなRef.116503。歴代モデルで様々な文字盤カラーをラインナップしてきましたが、一番人気はベーシックなブラック文字盤でした。
ゴールドをあしらっていながらステンレススティール製デイトナよりも相場が落ち着いており、お得感が強いですね。
その他では先代のRef.116520や先々代のRef.16520、ホワイトゴールド製のRef.116519LNの免税販売本数が目立ちましたが、デイトナは満遍なく売れていることも特筆すべき点です。
第1位 ロレックス デイトジャスト
訪日外国人に人気の高級腕時計ランキング、デイトナを凌いで第1位となったのは、デイトジャストです!
オイスターパーペチュアルの項でもご紹介した、ロレックスの三大発明。そのうちの一つに名を連ねるデイトジャストは、1945年にロレックスが特許取得したデイトのクイックチェンジに由来します。なお、3時位置の小窓でデイト表示するスタイルを初めて採用したのも、デイトジャストと言われています。スーツの袖に隠れ切らない3時位置の小窓は、便利に確認できたことでしょう。
こういった長い歴史と伝統に裏打ちされたコンセプトもさることながら、長い歴史の中で莫大なバリエーションがラインナップされてきたこともデイトジャストの大いなる魅力です。
フルーテッドベゼルやジュビリーブレスに代表されるドレッシーなモデルから貴石を用いたゴージャスなモデル。一方でシンプルでスポーティーなテイストを基調としたモデル等、枚挙にいとまがありません。
近年「ロレックスで有名なモデル」「価格高騰モデル」などと言うとデイトナやGMTマスターの名前が挙がるものですが、当店で最も売れているロレックスはデイトジャストです。
では、その多岐に渡ったロレックス デイトジャストの中で最も訪日外国人に人気が高かった一本はどれなのか?それは、Ref.16233Gです。
デイトジャスト 16233G
ケースサイズ:直径36mm
素材:ステンレススティール×イエローゴールド
文字盤:ブルー,シャンパン他
駆動方式:Cal.3135
中古相場:状態にもよるが80万円台~
デイトジャスト第五世代にあたるRef.16233の中でも、インデックスにダイヤモンドをセッティングしたきらびやかなモデルがRef.16233Gです。ちなみにデイトジャストの豊富なバリエーション展開は、このRef.16233から始まったと言われています。
ブルーグラデーション文字盤やブラック文字盤、彫りコンピューター文字盤等々・・・眺めているだけで楽しいラインナップが揃います。
デイトジャストの中で二番目に人気が高かったのは、オールステンレススティールのRef.116200です。
デイトジャスト 116200
ケースサイズ:直径36mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブルー,シルバー他
駆動方式:Cal.3135
中古相場:モデルにもよるが80万円台~
ベーシックながらデイトジャストらしく遊び心溢れる文字盤も多く、免税販売のみならず国内のお客様にも高い評価を得ています。
また、レディースデイトジャストのRef.179174GやRef.179173Gもよく売れました。
時代や国境を越えて、愛され続けるロレックスの一大コレクションがデイトジャストです。
訪日外国人に人気の高級腕時計ブランドBEST5
「モデル」ごとに免税で販売本数が多かった高級腕時計をご紹介してきました。
なお、ブランドごとに見ると、下記の通りとなります。
1位 ロレックス
2位 オメガ
3位 パテックフィリップ
4位 ウブロ
5位 グランドセイコー
1位~4位までのブランドは前項まででご紹介していますが、特筆すべきはグランドセイコーです。
グランドセイコーも4位のウブロと僅差で訪日外国人に人気のブランドなのですが、リファレンスが幅広く、そのため「モデル」ごとに見るとTOP10にはランクインしなかった次第です。
これは、パネライやカルティエにも言える現象です。この二社もブランド別で見ると非常によく売れましたが、多彩なコレクションで訪日外国人のお客様にご購入頂いたため、モデル別ではBEST10にランクインしませんでした。
「ブランド」として見ても、また違ったインバウンド消費が見えてきますね!
まとめ
東京 銀座の高級腕時計専門店GINZA RASINで、訪日外国人に人気のモデルBEST10と、人気ブランドBEST5をご紹介いたしました!
やはり取扱数の多さからロレックスが多くを占めることとなりましたが、他の主要ブランドも決して負けてはおりません。
また、本稿でご紹介した以外にもIWCのポルトギーゼやチューダー ブラックベイの高い人気も見受けられました。
2023年も訪日する外国人が増え、インバウンド需要が本格的に回復する兆しも見えております。そうなれば、人気ランキングもまた違った顔立ちが並ぶこととなるでしょう。
2023年も、人気モデルを追っていきたいと思います!
当記事の監修者
安 寧実(AN NINGSHI)
中国吉林省の出身で中国語と韓国語が母国語。
日本語学校で1年半日本語を勉強し、専門学校では英語を専攻。卒業後、羽田国際空港のロレックス正規店に勤務し、2018年7月からGINZA RASINで勤務。中国語、韓国語、日本語、英語の4か国語に精通。時計業界歴10年。