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速報!2020年IWC 新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
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出典:https://monochrome-watches.com/iwc-portugieser-automatic-40-iw3583-hands-on-price/
2019年末頃から、ポルトギーゼネタで騒がれていたIWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)。
ポルトギーゼとは同社を代表するモデルですが、ファン待望の自社製クロノグラフムーブメントが搭載されたためです。
そして2020年明けて、Watches & Wonders Geneveにて、さらなる新生ポルトギーゼが続々とリリースされています!
そんな、IWCご自慢の2020年新作とは?
目次
2020年 IWC新作 ポルトギーゼ オートマティック 40mmサイズ
出典:https://monochrome-watches.com/iwc-portugieser-automatic-40-iw3583-hands-on-price/
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径40.4mm×厚さ12.4mm |
素材: | ステンレススティールまたはローズゴールド |
文字盤: | シルバーまたはブルー |
ムーブメント
ムーブメント: | マニュファクチュールCal.82200 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約60時間 |
機能
防水: | 30m |
定価: | 797,500円(税込) |
冒頭でもご紹介したように、ポルトギーゼはIWCの代表的なコレクションです。
パイロットウォッチやインジュニア、ダヴィンチなどIWCは多数のロングセラーが存在しますが、不動の一番人気と言えばポルトギーゼを置いて他はありません。
ポルトギーゼは1939年、ポルトガルの時計商人に依頼されて同社が製造した個体が原型となっています。
安定した大型ムーブメントを搭載するためにケースもまたボリューミーで、まだデカ厚が流行る以前は今ほどの定番モデルではありませんでした。
しかしながら1995年にポルトギーゼ クロノグラフがラインナップに加わるやいなや、その完成されたデザインが武器となり、一躍人気モデルに上り詰めます。
こういった経緯があってかクロノグラフモデルにばかりフォーカスされがちなのですが、2000年に登場したオートマティックもまた名作の呼び声高い逸品となります。
出典:https://monochrome-watches.com/iwc-portugieser-automatic-40-iw3583-hands-on-price/
そんなオートマティックモデルに、2020年は40mmサイズが追加されることとなりました!
文字盤デザインもやや変わって、スッキリした印象ですね。
2mm程度のダウンサイジングだとムーブメントを共有させるブランドは少なくありませんが、そこは質実剛健なIWCです。
この度の新作には、自社製ムーブメントCal.82200が搭載されております。
Cal.82200に聞き覚えのあるIWCファンもいらっしゃるかもしれません。これは、2018年、ブランド創業150周年を記念してリリースされたアニバーサリーの「ダヴィンチ」に搭載されていた自動巻きムーブメント。
そのため従来のポルトギーゼ オートマティックは3時位置にパワーリザーブインジケーター、9時位置にスモールセコンド、6時位置にデイト窓の配置でしたが、82200においては6時位置にスモールセコンドを置いて、あとは2針のみのスッキリとシンプル文字盤と相成りました。
もっとも、このデザインは1993年に限定でリリースされたRef.325を踏襲しているので、それを実現するために82200が選ばれたのかもしれません。
なお、パワーリザーブは約60時間と、これまでIWCで使われてきたETAやセリタ製の自動巻きムーブメントと比べると、かなりチューンアップされております。
ただ、シースルーバックからムーブメントをご鑑賞いただける、というのは従来モデルも新作も同一です。
機構がシンプルになった分、価格もリーズナブルに設定されたようです。
この記事を執筆している時点ではまだ国内定価は出ていませんが、近年多くのブランドが価格改定の名のもと値上げを敢行している、ということを鑑みると、我々にとっては嬉しいものですね。
※その後IWC公式ホームページで定価が掲載されたため、追記しております。
2020年新作のラインナップは全4種。
出典:https://monochrome-watches.com/iwc-portugieser-automatic-40-iw3583-hands-on-price/
ステンレススティール製モデルにはシルバー文字盤にポルトギーゼではお馴染みの青針or金針、そして2017年から追加されたブルー文字盤がリリースされています。
さらに、ハイエンドモデルとしてローズゴールド製もまた一緒にカタログ掲載されることとなりました。
ポルトギーゼの新たなる顔として、クロノグラフモデルに肉薄するような人気モデルとなるでしょう!
2020年 IWC新作 ポルトギーゼ オートマティック 42mmサイズ
出典:https://www.forbes.com/#15b559812254
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径42.3mm×厚さ14.2mm |
素材: | ステンレススティールまたはローズゴールド |
文字盤: | ワインレッドまたはブルー |
ムーブメント
ムーブメント: | マニュファクチュールCal.52010 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約7日間 |
機能
防水: | 30m |
定価: | 1,463,000円 / 2,766,500円(いずれも税込) |
従来の42mmモデルにも、2020年新作としてきわめて美しいモデルが追加されています!
ステンレススティール×ワインレッドと、ローズゴールド×深みのあるブルー文字盤が特徴的ですね!
ムーブメントやスペックなどは従来通りとなります。
自社製ムーブメントCal.52010は、2015年に現行ポルトギーゼ オートマティックにモデルチェンジされた時に一緒にリリースされた機械で、約7日間という驚きのロングパワーリザーブを誇ります。
現在、パワーリザーブを延長するメーカーが増えてきています。
かつて「土日に時計を外していると、月曜日の朝にリューズを使って巻かなくてはならない」と言っていた時代は終わりました。
それでもスタンダードはせいぜい70~80時間ほどで、約一週間にわたるゼンマイの持続にこだわるところは、さすがIWCと言うべきでしょう。
出典:https://gearpatrol.com/2020/04/24/iwc-portugieser-line-watches-and-wonders-2020/
性能はもちろん、デザイン面も非常に美しく仕上がっております。
レッドもブルーもどちらもサンバースト仕上げが施されており、光の当たり方や角度によって、表情を変えてくれます。
国内入荷を待ちましょう!
2020年 IWC新作 ポルトギーゼ クロノグラフ グリーン・バーガンディ文字盤
出典:https://monochrome-watches.com/iwc-portugieser-chronograph-iw3716-green-burgundy-dials-introducing-price/
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径41mm×厚さ13.1mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | グリーンまたはワインレッド |
ムーブメント
ムーブメント: | マニュファクチュールCal.69355 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約46時間 |
機能
防水: | 30m |
定価: | 874,500円(税込) |
冒頭で、2019年末より、ポルトギーゼ クロノグラフにIWC悲願のマニュファクチュールムーブメントCal.69355が搭載されたことに言及しました。
その際は既存モデルの中身だけ変えた形で、さらにポルトギーゼのレギュラーモデルとしては初となるシースルーバック仕様が採用されましたが、その他デザインは据え置きされることとなりました。
そもそもポルトギーゼはIWCのエレガンス・ラインです。
そのため基本のカラーはシルバーかブラック。2017年にブルーが追加されましたが、あまり奇抜な個体は確認できませんでした。
出典:https://monochrome-watches.com/iwc-portugieser-chronograph-iw3716-green-burgundy-dials-introducing-price/
しかしながら2020年のこの度、非常に鮮烈な二色のカラバリが追加されております!
深みのあるグリーン(IW371615 )と、ワインレッドとも言われるバーガンディ文字盤(IW371615 )です!
バーガンディは前述した新作ポルトギーゼ オートマティックにも追加されておりますが、グリーンは同シリーズ唯一無二、ということとなります。
ちなみに限定モデルではなくレギュラー陣としての追加ですので、今後ポルトギーゼの新たなる顔として人気を得ていくのでしょう。
ケース・ムーブメントは従来のIW371605などと同一です。
ケース直径41mm×厚さ13.1mmと大型で、薄く絞られたベゼルと併せて抜群の視認性を誇ります。
この、「一目でポルトギーゼ着けてる」とわかるデザインコードの新色は、スーツの袖口からいやがおうにも目立ちそうですね!
とは言えグリーン・バーガンディともにサンレイ仕上げが施されており(これもポルトギーゼ オートマティックのカラバリと同一ですが)、IWC特有のクラス感は健在です。
出典:https://monochrome-watches.com/iwc-portugieser-chronograph-iw3716-green-burgundy-dials-introducing-price/
ムーブメントは2019年末に刷新された、自社製Cal.69355を搭載。シースルーバックから機械を鑑賞することが可能です。
従来品同様、日付窓は持ちません。
こちらの国内定価は、既存のポルトギーゼ クロノグラフと同額でした。
実機が入荷してまいりましたら、また記事にてアップしていきたいと思います!
2020年 IWC新作 ポルトギーゼ ヨットクラブ クロノグラフ
出典:https://www.iwc.com/ja/home.html
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径直径44.6mm×厚さ14.4mm |
素材: | ステンレススティールまたはSS×ローズゴールド |
文字盤: | ネイビーまたはシルバー |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.89361 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約68時間 |
機能
防水: | 60m |
定価: | 1,540,000円 / 2,337,500円(税込) |
まだまだポルトギーゼの快進撃は続きます。
ポルトギーゼ ヨットクラブから、渾身の自社製クロノグラフCal.89361を搭載させた2020年新作です!
ヨットクラブは、今でこそ「ちょっとスポーティーなポルトギーゼ」のような立ち位置ですが、この名前は「オールドインター」と呼ばれる1960年代頃の製造個体で確認できます。
かの有名な天才時計デザイナー「ジェラルド・ジェンタ氏」が手掛けたエレガンス・スポーツモデルでした。
ヨットクラブが有するエレガンス・スポーツを引き継いで2010年にポルトギーゼの派生モデルとしてラインナップされるようになり、すなわち2020年は10周年記念ということになります。
出典:https://www.facebook.com/pg/IWCWatches/photos/?ref=page_internal
そんな記念すべきスペシャルエディション(とは言え嬉しいことにレギュラーモデルのようです)は、メタルブレスレットを備えることでスポーティーテイストを強めたデザインが特徴です!
ポルトギーゼ=革ベルトの印象が強かったものですから、私にとってはとても斬新に、とても眩しく感じます。
さらに、スタンダードなシルバー文字盤の他、人気のブルー文字盤も追加されることとなりました。
この2020年新作ヨットクラブは、ケースサイズが44mmと大型化しており、視認性が極限まで高まった文字盤と相まって存在感が抜群!
ちなみにポルトギーゼ ヨットクラブは過去二度に渡ってケースサイズを変更しています。
一世代前は43.5mmでしたが、2010年発売当初は45.4mm。つまり、初代のテイストにより近づいた、ということですね。
出典:https://twitter.com/iwc
文字盤の配置も、若干ながら変更が加えられております。
まず、従来は3時位置にきていたデイト窓が6時位置に移動し、IWCのロゴが3時位置へ移動しました。新たにYacht Clubのプリントが9時位置に配され、同社がヨットクラブをより象徴的なコレクションへ加えようとしている意気込みを感じます。
出典:https://www.iwc.com/ja/home.html
搭載するムーブメントはフライバック・クロノグラフを設けた自社製Cal.89361。ちなみに12時位置のインダイアルで分・時間の積算計が同軸上に配置されるという、ユニークな機構も特筆すべき点です。これによって、スッキリとシンプルなポルトギーゼらしさが活きていますね。
パワーリザーブ約68時間と、高性能・高精度な面と合わせて実用性もアップデートされております。
個人的にはメタルブレスレットで早く味わってみたい、ということに加えて、ローズゴールドとのコンビのデザインが気になります。
出典:https://www.iwc.com/ja/home.html
IWC自体がコンビを採用することは珍しいので、これは時計専門店スタッフとしては必ずチェックしなくてはなりませんね。
これまた入荷が待ち遠しいモデルです!
2020年 IWC新作 ポルトギーゼ ヨットクラブ Moon & Tide
出典:https://www.forbes.com/#746743212254
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径44.6mm×厚さ14.4mm |
素材: | ローズゴールド |
文字盤: | ブルー |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.82835 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約60時間 |
機能
防水: | 30m |
定価: | 3,938,000円(税込) |
さらにもう一つ、ポルトギーゼから特筆すべき2020年新作がリリースされています!
「ヨットクラブ」より、ダブルムーンフェイズおよび潮の満ち引き表示を搭載させた、コンプリケーションモデルとなっております。
前述の通り、ヨットクラブはもともとは1960年代のジェラルド・ジェンタ作の系譜を引いております。再びヨットクラブの名前が市場に出てきたのが2010年。
10周年にあたる今年2020年、「航海」を全面的にフィーチャーした一本が堂々発表されております。
出典:https://gearpatrol.com/2020/04/24/iwc-portugieser-line-watches-and-wonders-2020/
サンバースト仕上げが施されたブルーの文字盤上に二つのインダイアルが揃っておりますが、こちらは前述の通りダブルムーンフェイズおよび潮の満ち引き表示となります。
このモデルのために新しく開発されたCal.82835はかなり大型で、それに伴ってケースも44mmとIWCの中でも大きめサイズ。ローズゴールドのずっしり感と合わせて、重厚感溢れる逸品のようです。
なお、同機械はシースルーバックから鑑賞でき、時計愛好家には堪らない仕様となっております。
潮の満ち引きを知る、という機能は、釣り人でもなければあまり普段使いするようなものではないかもしれません。
しかしながらそのコンセプトと機構の見事さに魅了されて、多くの愛好家が買い求めるような2020年新作となることでしょう。
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当記事の監修者
田中拓郎(たなか たくろう)
高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年