「高級腕時計市場について知りたい」
「高級腕時計市場は今後どうなっていくの?」
高級腕時計離れが叫ばれる昨今ですが、実は市場は成長していることをご存知でしょうか。
とりわけ新型コロナウイルスの影響がいっそう色濃い2021年において顕著です。
アパレルや、低・中価格帯の腕時計では成長鈍化が見られるにもかかわらず、なぜ高級腕時計市場はコロナ禍において成長を続けているのでしょうか。
この成長の影にいるのが、「腕時計の資産価値」と言われています。
時計の売買に慣れた愛好家のみならず、一般ユーザーや大手メディアによっても高級腕時計の「資産価値」が大きな話題としてのぼっており、このトピックがどうも市況に大きく寄与しているようなのです。
そんな高級腕時計市場の成長について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
高級腕時計のユーザーが増え続けていることは、商材そのものの魅力(資産価値も含め)と言えるでしょう。
この記事では高級腕時計市場の成長の背景について、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
高まる腕時計の資産価値、そして今後の市況の予測もしますので、ロレックスの投資に興味がある人はぜひ参考にしてください。
※掲載する情報は2021年10月現在のものとなります。また、今後の時計の資産価値をお約束するものではありません。参考程度にお読みください。
目次
高級腕時計市場が成長しているって本当?
実際に、高級腕時計市場は成長しているのでしょうか。世界の市況と、わが国の市況を見ていきましょう。
①世界の市況
スイス時計協会(FH;Federation of the Swiss Watch Industry)の統計データによると、スイス時計の輸出は2020年に大きく下落しました。
しかしながら、そこから一転、2021年3月頃から復調の兆しを見せ始めます。そのまま上昇を続け2021年9月、過去最高の輸出高となった2019年度9月の数値を3.1%上回る、約19億スイスフランを記録することとなりました。
第3四半期として見るとスイス時計輸出総額は161億スイスフランとなり、2020年比で40.1%、2019年と比較しても1%の増額となります。
一方で500スイスフラン(約62,000円)未満の時計に関しては輸出量・輸出額ともに下落しており、この金額よりも上の製品に関しては2019年9月と比べて増加傾向にありました。
また、2021年7月20日、市場調査レポートプロバイダーReport Ocean(レポートオーシャン)より、下記の調査レポートが発表されました。
曰く、2021年から2027年までにかけて高級腕時計の世界市場は4.5%のCAGR(年平均成長率)で伸びていき、2027年までに513億1730万米ドルを達成する、と。
さらに当該レポートでは「タイプ別(機械式時計・電子式時計)」「エンドユーザー別」「流通チャネル別」「地域別」にセグメントしたうえで、各市場の市況を調査・分析しています。
調査概要としては、ウェアラブル端末のニーズから高級電子式時計(スマートウォッチ)が急速な成長を遂げていること。流通チャネルではオンライン販売が浸透し、成長に貢献していること。地域別ではアジア圏が最も速いCAGRを保っていることなどが挙げられます。
プレイヤー別に見ていくと、カルティエを筆頭にヴァシュロンコンスタンタン,IWCにパネライといった高級腕時計ブランドを傘下に加える大手コングロマリット・リシュモングループは2021年4月-6月期の売上高で、前年同期比129%増に加え2019年との比較でも22%の増収。
高級アパレルや宝飾品・化粧品のみならずウブロにタグホイヤーといった高級腕時計ブランドでも大きな成功を収めているコングロマリット・LVMHグループは第3四半期を終え、収益で2020年と比較して46%の増益、さらに2019年と比べても11%増を発表しています(もっともLVMHは、ファッション&レザーグッズがこの結果を押し上げたようです)。
なお、ロレックスは上場していないため売上高や収益は公表されていませんが、英国・アイルランドのロレックスおよびチューダー販売店によると、2020年と比べて売上高は13%増。また、イギリス最大のロレックス販売店「ウォッチ・オブ・スイス・グループ」は2020年、上記業績の好調から通期の売上高予想を大きく引き上げた(いち早くコロナ禍から回復した)こと。さらに後述するロレックス売買の世界的な加熱を見れば、好調と推測することは決して難しくないでしょう。
②わが国の市況
わが国の市況はどうでしょうか。
スイス時計協会の統計データによると、スイス時計の輸出先としては中国・アメリカ・香港に次いで第4位の市場規模となっております。2020年と比較して2021年は既に26.3%の輸出増となっており、このペースを保てば2019年と比べても増加することが予測できます。
また、日本百貨店協会が公表する最新の売上高によると、8月に前年同月比で11.7%減。2019年比では32.1%の減少が見受けられるとのこと。各地の百貨店は今なお新型コロナウイルスの影響が根強いと言えます。また、百貨店はデジタル対応の遅れやもともと1990年代の9兆円をピークに売上高が減少し続けていたことが指摘されており、厳しい市況を描いています。
しかしながら商品別に見ると、高級腕時計を中心とした高額品は好調が続いている、とのこと。
これは新型コロナウイルスが蔓延する以前にも顕著に見られていた傾向で、その要因の一つとしてインバウンドのかつてないほどの増加が挙げられました。しかしながら感染症対策として国際間の人流がほぼストップした現状においても、高額品市況は堅調である、と。
高島屋グループでは2015年より、時計専門館の「タカシマヤ ウオッチメゾン」を日本橋店・大阪店で展開していましたが、2021年7月末に名古屋でも「ジェイアール名古屋タカシマヤ ウオッチメゾン」を開業。高島屋グループの売上高をこのウオッチメゾンが牽引していると言い、名古屋タカシマヤでは当該メゾンを国内最大級の高級腕時計売り場として、約90もの国内外のハイブランドを取り扱います。ちなみに日経新聞の報道によると、高島屋グループでは新型コロナウイルス禍以降で、高額品の店舗面積を広げるのはこのウオッチメゾンが初とのことです。もっともこの計画は、インバウンド需要が健在であった2019年から既に立案されていたようです。
さらに大丸松坂屋やパルコなどを傘下に加えるJ.フロント リテイリングは10月にオンライン開催された3~8月期決算説明会で、外商の売上高を増やすことを発表しました。
外商顧客とは古くから百貨店を中心に行われている販売スタイルで、店舗にこだわらず顧客へ直接モノ・サービスの販売・提供を行うスタイルです。富裕層が多く、高級腕時計・宝飾品や美術品消費に積極的な外商に狙いを定めることで現状打破戦略を打ち立てたのでしょう。
このように、世界的に見ても国内市場に目を向けても高級腕時計の市場は堅調に推移しており、今後成長を続けていくことが予測されています。
高級腕時計市場の成長の背景に「腕時計投資」「ロレックスマラソン」あり!?
前項で成長を続ける高級腕時計市場とその概況についてご紹介致しました。
この要因には、もちろん高級腕時計の趣味性の高さや、装飾品としての今なお堅調な人気も挙げられます。しかしながら、近年では「投資対象」「資産価値」からの購入マインドが、とても強く見えることをご存知でしょうか。
この背景について、解説致します。
①腕時計が投資対象に!?
もともと、高級腕時計は資産価値の高い商材として扱われてきました。資産価値には様々な捉え方がありますが、ここではリセールバリュー(再販価値)として主に扱います。
すなわち、高級腕時計は買って楽しんだ後でも、ある程度の価格で売却することができる、と。
日本は円が強く、またデフレ期間が長かったことから、装飾品を資産として扱う意識はあまり強くありませんでしたが、世界的に見ると腕時計はまごうことなき資産です。それこそ車や不動産と、資産価値の性質としては大きく変わりありません。
しかも、腕時計は維持に税金が発生せず、修理や定期メンテナンス以外では大きな出費はありません。さらには腕に着用して楽しめることから、「持ち運べる資産」などと称されることもあります。
加えて、多少は国別に人気の傾向の違いはあれど、世界的に価値が安定していること。また街中の買取店などですぐに換金できる気安さも資産としては魅力ですね。
もちろん、全ての高級腕時計が抜群に資産価値が高い・・・というわけではありません。また、購入時よりも大幅な売却益で手放せたなどといったことも稀です。
一方で一般的なブランド時計であれば40%~70%程度の買取率(換金率。例えば50万円で購入した腕時計が32万円で売却できたら、その買取率は64%)は珍しくなく、売り買いを楽しむ愛好家は昔から多かったものでした。
しかしながら近年、この腕時計の資産価値が非常に注目度を高めており、一般ユーザーもまたリセール時の金額を考慮したうえで購入する、といったケースが増えてまいりました。
さらに資産価値を重視する傾向が過熱し、一部ブランドに需要が集中。高まり続ける需要に供給が追いつかず、結果として定価を大きく上回るプレミアム価格を記録するブランド腕時計が続出していくこととなったのです。
「20年前に40万円で買った時計を売却したら100万円手にした」
「定価300万円強の高級時計の市場価格が1千万円を超えた」
実は、こういった話は、現在そこかしこで溢れています。
結果として腕時計を投資対象とみなし、腕時計への需要と言うよりもリターンの見込める投機対象を魅力とする層からの買いも集中しているというわけです。
この背景として、世界的な「カネ余り」が挙げられます。
新型コロナウイルスは人々の交流や行き来を制限させた結果、各国で大規模な金融・財政政策が打ち出されました。
わが国では2013年から量的・質的金融緩和制作が導入されていましたが、2020年にさらに強化。超低金利な資金調達が可能となったこと。加えて経済活動が再開していく中で急落していた株価が大幅回復したこと。わが国でも、日経平均株価は不安定な動きを見せることもありますが概ね好調であることから、余った資金を貯蓄から投資に回す向きが非常に活発となっており、その投資商材がロレックスを始めとした高級腕時計になっている、というわけです。
もちろん高級腕時計のみならず、酒類やトレーディングカード,アイドルやキャラクターグッズなどといった商材も投資対象として相場を上昇させていますが、こういったカネ余りの影響は小さくないでしょう。
このカネ余りは金融緩和のみならず、コロナ禍の消費者の購買傾向の変化にも理由があります。
繰り返しになりますが国際間でも国内でも人流制限が求められたことから人々は外出自粛を余儀なくされ、結果としてレジャーや飲食での消費が低減しました。そのため「遣わなくなったお金」が、高級商材に向かい、結果的に全体的な市場相場が上がっていることが考えられます。
もっともこういった消費傾向を「リベンジ消費」などと呼び、投資とは切り離した傾向とはなるものの、高級時計市場の成長を底上げしていることは事実です。
こういった現状の中で「投資対象」として現在最も有名となり、狂騒的と言えるまでの実勢相場を記録しているのがロレックスのスポーツモデル(プロフェッショナルモデル)です。
詳しく解説します。
②加速する「ロレックスマラソン」
ロレックスは一般知名度が最も高いと言って良い高級腕時計ブランドです。
とりわけ品質の高さがとても評価されており、年式を経てなお普段使いできる実用性・堅牢性から、一大中古市場を形成してきました。前述した「売買できる高級腕時計」の代表格のような存在でもあり、世界的に資産価値の高い腕時計としてもともと認知されてもいました。ロレックスを質屋に預けて当座の生活を凌いだとか、使っていたロレックスを下取りに出して別の高級腕時計を買った話なんかは耳にしたことがあるでしょう。
一方で前述の通り、最近ではこのロレックスの資産価値が過熱しています。
「正規店で定価1,387,100円で買ったデイトナを、買取店に持ち込んだら300万円で売却できた」
これは誇張ではありません。
高まり続ける需要から正規店はおろか並行店でも品薄が続き、実勢相場はほぼ常に右肩上がり。ついには定価の2倍は当たり前といった相場感になった人気モデルは少なくないのです。
この傾向は2016年頃から続き、当初は定価超えのモデルは一部であったものの、「まだ安く買えるモデル」へと購入者がシフトしたことから安く買えるモデルも高騰。
現在、ほぼ全てのスポーツロレックス(現行・生産終了品ともに)の相場は定価を下回らなくなりました。
過熱する需要がさらに需要を呼び、ロレックスを投資対象として扱うメディアが増加。これは、新型コロナウイルス禍においても健在です。
前項でもご紹介したカネ余りの中でロレックスを求める人々は増え続け、「ロレックスマラソン」といった用語が一般化しました。
これは欲しいモデルを求めて、ロレックス正規店をマラソンするかのように巡回することを指します。
純粋に欲しいといった方の他、転売目的で合ってもこのマラソンに熱心となる消費者も増えつつあります。なんせ、定価で購入できたモデルが、その倍で買取されるケースが往々にしてあるのですから。
こういった世相を受け、ロレックスでは転売対策に乗り出しました。
対策としてはいくつか挙げられますが、「販売時に新品保護シールをはがす」「モデルによっておひとり様一点とし、購入時には身分証の提示を必須とする」「このおひとり様一点モデルの購入後、一年間はロレックス正規店での購入に制限が設けられる」といったものです。
詳細は下記の記事をご参考にしてください。
もっとも、こういった制限がさらに話題を呼び、ロレックスマラソンが過熱している現状もあると言えます。
加えて2020年、新型コロナウイルスの影響で各国がロックダウンや緊急事態宣言に踏み切りましたが、その際にスイスの各時計工場も休業。生産が一時的にストップしました。加えて今なお海外買い付けの自由度は制限されていることから国内市場での輸入時計の流通は激減(ロレックスのみならず、多くの人気ブランドで)。
ブランド側の意図しない形で生産調整されているような現状で、さらに人気ブランドの実勢相場を押し上げることとなっています。
③高級時計という商材の魅力
「腕時計投資」「ロレックスマラソン」といった、一部人気ブランドへの需要集中は非常に顕著な昨今です。しかしながら、当然高級腕時計という商材の魅力についても、成長のカギを握ると考えます。
と言うのも、先にご紹介した「レポートオーシャン」の調査では、オンラインからの流通チャネルの増加を指摘していましたが、この功績は非常に大きいと言えます。
かつて、高級腕時計を始めとした高額品は「対面販売」が主流でした。
装飾品の多くに言えることかもしれませんが、実際に着用してみないとその装着感や質感がわかりづらいこと。加えて高額品を購入するからには、特別な購入体験を重視する消費者が見受けられることなどがその背景にあるでしょう。
現状、こういった側面は健在と言えます。
一方、近年ではeコマースが拡大の一途を辿っています。
経済産業省が2021年7月30日に発表した市場調査によると、BtoC-EC市場規模は19兆2779億円で前年比0.43%減だったものの、これはサービス系分野(旅行や飲食)の縮小に伴うものであり、物販系は全ジャンルで前年比2桁増とのこと。
Amazonや楽天市場,ヤフーショッピングといった巨大ECプラットフォームを見ても利用者は年々増加しており、新型コロナウイルスによる外出自粛がさらに追い風となっている状況です。
こういった背景を受け、並行輸入店や中古時計店を中心に、高級時計のオンライン販売が一般的になってきました。
中古時計やアンティーク時計は状態が顧客と折り合いのつかないこともありますが、各社では独自の返品規約や保証制度を設けることで、手厚いアフターフォローを行い、リアル店舗・オンライン店舗どちらでも変わらない顧客満足度を提供しています。
さらに、実は高級時計ブランドもeコマースを開始している、ということをご存知でしょうか。
カルティエやオメガ,ブライトリングといった人気ブランドはもちろん、ランゲ&ゾーネやヴァシュロンコンスタンタンといった雲上ブランドもオンラインブティックをスタートさせており、コロナ禍における新しい販路を活用しつつあります。
これはコロナ禍のみならず、「高級ブティックは敷居が高い」「近くに高級時計店がない」といった顧客の購買をサポートすることとなっています。
なお、アイルランドの首都・ダブリンに本拠地を置くResearch And Markets(リサーチ・&・マーケット)が調査したラグジュアリー市場の動向では、動画やオンラインを通じたエンターテイメントのグローバル化によって、世界中の消費者の好みが変革し、高額品の需要が増加していることが指摘されています。
すなわち、高級腕時計は投資商材としてのみならず、所有欲をくすぐるその魅力に魅了されたユーザーの手に入りやすくなったと捉えることもできるのです。
高級腕時計市場の今後の成長と資産価値の予測
ここまでで、高級腕時計市場が大きく成長を遂げてきたことをご理解頂けたかと思います。
では、今後高級腕時計市場は、成長を続けていくのでしょうか。また、今後時計の資産価値は、どのように変遷していくのでしょうか。
冒頭でご紹介したレポートオーシャンの調査では、2027年までに513億1730万米ドルを達成する、との予測がなされていることは前述の通りです。
また、アイルランド ダブリンのResearch And Marketsでも、2026年に高級品市場(腕時計に限らず)は4298億1千万米ドルにまで成長する、と予測されています。
この中でカギを握るのが、「中古市場」と言われています。
繰り返しになりますが、高級時計はメンテナンスを施すことで末永く愛用していくことができます。
カジュアルな価格帯の時計だと、どうしてもパーツ類が安価なプラスティック等でできていることから劣化が早い場合もあるのですが、高級腕時計であれば作り込まれていること。加えて時計は長らく資産価値が高かったことから修理ノウハウが出回っており、よっぽど特別な機構でもなければ基本的には民間の修理業者でメンテナンス対応が可能となります。
こういった背景から長らく高級腕時計では中古市場が確立されており、活発な売買が行われてきました。
近年では、この中古市場がますます拡大しており、高級腕時計市場の成長を牽引していると言われています。
理由としては、サスティナビリティへの関心がまず挙げられます。
サスティナビリティとは「持続可能性」などと訳されるように、地球や社会が持続していけるような消費・生産・生活スタイルを推奨する概念です。よく言われるのが「資源を使い捨てるのではなく、リサイクルして何度でも利用する」といった考え方ですね。
高級腕時計は、古くからこのサスティナビリティを体現してきたと言えるでしょう。
また、「現行品にはない味わいを楽しめる」「経年によって変化(エイジングと呼ぶ)した、自分だけの個体を所有できる」「現行品よりも安く買える」といった中古製品の価値が見直されていることも背景として挙げられますね。
近年では自動車のように、認定中古制度をスタートさせるブランドが出始めてきました。フランクミュラーやリシャールミルなどです。
これまでの中古市場は並行輸入店や中古店が形成してきましたが、ブランドが独自に自社の中古製品を買取り、自社で正規メンテナンスを施したうえで販売する、といったスタイルです。
認定中古によってサスティナビリティに貢献することはもちろん、ブランド側は自社の価値を二次流通市場でもコントロールできることを意味します。
さらに面白いのが、大手百貨店が中古品買取サービスに参入した、という報道です。
三越伊勢丹が2021年秋より、購入元を問わず不要品買取サービスコーナーを設け、衣類や宝飾品,絵画などの査定・買取を行うこととなったのです。
ちなみに買取成立後は、査定金額を現金でその場で顧客に支払うとのこと。家電や家具で中古市場に参入したケースは見受けられますが、百貨店というところに驚きを禁じえませんね。
この百貨店の事業が今後どうなるかはわかりませんが、中古市場は勢いに乗り、今後ますます成長を遂げていく。すなわち高級腕時計市場にも寄与していくことが予測できます。
こういった中で、腕時計の資産価値がどうなっていくかも気になるところ!
現状の上がりすぎた相場は、バブルといった見方もあります。また、金融緩和制作がいつまで続くか。ワクチンも普及してきた世相で、アフターコロナ期の人々の生活スタイルがどうなっていくかは諸説あります。
しかしながら、「中古腕時計の面白さ」「魅力」に惹きつけられた愛好家やユーザーが増える昨今、プレミアム価格とは言わないまでも、中古市場の相場が全体的に上昇しています。
中古腕時計市場におけるユーザー数が増えていること。また、市場成長の大きなカギを握る通信販売は今後も加速していくであろう現在、この相場感はまだ続くといった見方が大きく、もし今欲しい時計があるなら、早めに入手しておいた方が良いでしょう。
まとめ
成長する高級腕時計市場と高まる腕時計の資産価値。その背景や今後の予測についてご紹介いたしました!
成長の背景には「腕時計投資」「ロレックスマラソン」といった、時計そのものへのニーズとはまた違った購入スタイルも見え隠れしています。一方で中古市場の拡大から見るに、高級腕時計のユーザーは増え続けていることは、商材そのものの魅力(資産価値も含め)と言えますね。
eコマースの拡大や新型コロナウイルス禍の新しい生活様式によって、市場規模は今後も大きくなっていくことが予測されます。
東京 銀座の高級腕時計専門店としては、2022年も引き続き動向を注視していきたいですね!
当記事の監修者
田中拓郎(たなか たくろう)
高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年