「腕時計の装着にマナーってあるの?」
「腕時計をつけていくのにふさわしくないイベントってあるの?」
いつも手元に身に着けるゆえ、私たちの生活に密接な関わりを持つ腕時計。
腕時計についてのマナーが知りたいという人は多いのではないでしょうか。
腕時計の装着にも勿論、TPOに準じたマナーが存在します。
この記事では社会人として知っておきたい腕時計のマナーについて、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説しています。
TPOに合った素材やデザインも解説していますので、腕時計のマナーについて知りたい人はぜひ参考にしてください。
目次
腕時計マナー講座①結婚式での腕時計とは?
本来は、結婚式などのフォーマルパーティーにおいて腕時計を身に着ける事自体がマナー違反でした。
腕時計は「時間を気にしている」と捉えられていたためです。
実は結婚式よりも披露宴の方がその傾向は強く、マナー違反に。
しかし、男性は常日頃から腕時計をされている方が多いと思います。
また、装飾品として扱われることもあるため、現在は気にしない方がほとんど。
そのため、きちんとしたデザインの時計を選べば、結婚式で腕時計を着けていても特に問題はないことがほとんどです。
なお、カジュアルな結婚式や二次会などでは、神経質になる必要はないでしょう。
言うまでもありませんが、しょっちゅう時間を確認したり、目立つ傷や汚れのある腕時計はNGです!
結婚式におすすめの腕時計
男性ならステンレスを使用したシンプルなタイプ、女性なら華奢でブレスレットのようなデザインのモデルを選びましょう。
腕時計装着を避けた方が良い結婚式シーン
現在は気にする方は少ないとは言っても、やはりマナーとして依然残っていることは事実。
以下のシーンでは、腕時計を着けていくことは避けた方が良いでしょう。
・格式の高いホテルや結婚式場
・年配の出席者が多い式
・着物で出席する時(着物でアクセサリーは身に着けません)
結婚式で避けた方が良い腕時計
・カジュアルすぎるスポーツウォッチ
近年のスポーツウォッチ人気は大変顕著で、腕時計好きの方なら一本はお持ちかもしれません。
しかし、結婚式では基本的にはシンプル薄型の二針が基本。
デカ厚時計も避けましょう。
・派手すぎる腕時計
結婚式に避けなければならない色味というものはあまりありませんが、あまりにも派手な色使いは厳禁。
着ていくスーツやドレスと合わせた色味で統一すると良いでしょう。
・キラキラしたゴールド素材の腕時計
基本的に、全てのアクセサリーでゴールドはNGとされています。
シンプルなシルバーをチョイスすることが無難。
また、派手だったり大きすぎる宝石もマナー違反となります。
腕時計マナー講座②喪服での腕時計とは?
基本的に、お葬式の時は一切の装飾品を身に着けることはマナー違反とされています。
しかし、腕時計は日用品としての側面もあるため、特に制限を持たないのが一般的。
もちろん喪服同様に着用するタイプにマナーがあるため、突然の訃報で取り急いでいてカジュアルな時計しか持ってない・・・というような方は外して出席することをおすすめします。
葬儀にしていっても問題ない腕時計
・革ベルトまたはステンレススティールブレスレットを使用した時計
・シンプルな文字盤(白やシルバーの文字盤がベスト)
葬儀で避けた方が良い腕時計
故人と遺族に対して配慮をしたものにすることが一番。
・カジュアル、派手、奇抜な腕時計
アクセサリーではないため、華美なものやラグジュアリーすぎるものもNGです。
ゴールド製やダイヤモンドがセッティングされたものは避けましょう。
・超高級ブランドの腕時計
実は、あまりにも高額なブランドの腕時計はマナー違反。
シンプルなものならそこまでは目立ちませんが、明らかにそれとわかるものは外してから参列します。
腕時計マナー講座③就活での腕時計とは?
「ビジネススーツに腕時計はマナー!」
スマートフォンを始めとしたデジタルデヴァイスが普及している昨今、この考えは徐々に変わりつつあります。
そのため、就活生に腕時計は必要ない、という方もいらっしゃるでしょう。
一方で会社や人によってはこの考え方が根強く息づいていることも事実。面接官がそういった世代の方である可能性は多いにあります。
また、筆記試験やグループディスカッションの会場に時計がない、時計を確認できる席ではないなんてこともしばしば。
その時スマートフォンを取り出して時間を確認するのはイメージが悪いものです。
そして何より、スーツスタイルに腕時計は、男女問わずバシっときまってかっこいいもの。
そういうわけで、就活を機に若い方たちにはぜひ腕時計購入を検討していただきたいものです!
就活におすすめの腕時計
・ビジネスライクなもの
男女問わず、リクルートスーツに合わせることとなります。
そのため、悪目立ちしない、シンプルで落ち着きのあるモデルを選びましょう。
革ベルトや、ステンレス製ブレスレットのものは使いやすいですね。
女性なら多少のデザイン性は許されますが、キラキラと光を反射するものはスーツでは目立ちすぎるし、何より視認性の邪魔になるのでおすすめできません。
・高級すぎなくてOK!
あまりに高級すぎる腕時計は嫌われます。
値段は抑えめにしておきましょう。
しかし、入社後にも使い続けるのならちょっとは良いものを買いたいですよね。
20代の方だとタグホイヤーやノモス、オリスやハミルトンなら嫌味なく着けこなせます。
もしかしたら、現在40代・50代の面接官も若い頃はこういったブランド時計を思い切って買っていたかもしれませんね。
・正確性のあるもの
筆記試験の会場や、「何分で答えてください」などの質問が想定される就活。
そのため、あまりに遅れが出ているものや古すぎるモデルは心配。
クォーツや電波時計は時間のズレが少なく、価格帯も低いので安心して使うことができるでしょう。
就活に避けるべき腕時計
・デジタル時計
絶対ダメ!というわけではありませんが、スーツに合わせるならアナログが無難です。
・派手、またはカジュアルな腕時計
基本的にスーツスタイルに浮くようなものはNGです。
また、デカ厚時計も避けましょう。
ちなみにクロノグラフやシンプルな回転ベゼル程度であれば、スポーツウォッチでも問題はありません。
・ハイブランド
高級すぎるブランドはNGです。あまり良い印象は持たれません。
エントリークラスのブランドの中でも、ハイエンドラインは避けましょう。
腕時計マナー講座④ビジネスでの腕時計とは?
就活の項でもご説明したように、「ビジネススーツに腕時計はマナーだ!」という考え方は根強く残ります。
もちろん職場や会社によっては様々ですが、営業マンはそこそこのグレードの腕時計が必須!と言われることもありませんか?
一方就活と比べて、デザインやブランドに自分自身の好みを反映しやすい面も。
社会人生活において大切なパートナーとなりますので、お好きなブランドやデザインの腕時計を選びましょう。
ビジネスにおすすめの腕時計
・基本的にはスーツスタイルに合ったものを!
あまりに奇抜だったりカラフルなものは、スーツに浮いてしまいます。
しかし、スポーツウォッチへの制限はあまりありません。
ロレックスやオメガなど、スポーティーなのにシックでスーツにバッチリ決まる時計は結構豊富。
多少大きい程度なら、スーツの袖口からの存在感があって時計好きは気づいてもらえるメリットがあるでしょう。
ちなみにデカ厚ブームの火付け役と言われるパネライは、ビジネスマンから根強い人気を誇ります。
・ある程度のクラスの腕時計
1万円以下の、あまりに安すぎる腕時計はNG。
特に営業職の方は上司から注意されてしまうことも。
逆にハイエンドすぎるものも避けた方が無難でしょう。
上司や取引先の目上の方などより「良い時計」をしているというのはビジネスにおいてマナー違反となります。
年齢に応じたブランドを知ることも大切ですね。
・正確性の高いもの
やはりビジネスで使うものですから、時計本来の価値である「時間の正確性」は重要視すべきです。
グランドセイコーやジャガールクルトなどは時間の精度に非常に力を入れていて、こだわりを感じられるブランドのうちの一つと言えます。
アレルギーがあってメタルブレスレットはちょっと・・・という方へ
ビジネスの基本スタイルはメタルケース・ブレスレットがほとんどだと思います。
革ベルトもいいですが、若い方やよく動いて汗をかく、という方にとっては敬遠してしまいますよね。
近年ではチタンやカーボンなど、金属アレルギーを起こしづらい素材を扱うブランドは少なくありません。
金属に比べて傷つきづらかったりといった特性もありますので、気になる方は一度ご相談ください。
腕時計マナー講座⑤目上の人に腕時計をプレゼントすることは失礼?
プレゼントとして定番の腕時計。
最近では「婚約時計」として、プロポーズの際に一緒に時を紡いでいこう、という意味で贈り合うカップルもいるようです。
しかし、実は目上の方に腕時計をプレゼントすることは、マナー上では違反とされています。
と言うのも、プレゼントに腕時計を贈る行為には意味があって、男女間であれば時の共有や束縛。
親から子であれば「勤勉でありなさい」というメッセージ性が。
つまり、目上の人に腕時計を贈ると、「仕事もっと頑張れ!」的な意味合いを持ってしまうと言うのです。
同様に、定年退職などのお祝いにも避けることがマナーとされています。
腕時計は「時間の束縛」をも意味しますので、「これからも会社のことを気にしてね!」といった意味になるとか。
そうは言っても、目上の人にプレゼントを贈るという行為は感謝や労いが大きいと思います。
上司が大好きなブランドの腕時計をみんなでカンパしあって買った。
母の日にこれまでの感謝を込めてハリーウィンストンを思い切って贈った。
そんな気持ちを前にしたら、ジンクスなんて無意味なものですよね。
まとめ
いつも身近にいる腕時計。
起きている間ずっと身に着けている方にとっては、ほとんどパートナーのような存在だと思います。
それだけ身近ゆえ、忘れがちなマナーや常識。
神経質になる必要はありませんが、大人のたしなみとして知っておくとここぞと言う時に慌てなくて済みますね。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。