出典:https://www.omegawatches.jp/ja/
2021年最初のSpeedy Tuesdayで、待望の新型スピードマスター プロフェッショナルの存在が詳らかにされました。
そして3月23日火曜日、同じくオメガの代表作シーマスター、そしてドレッシーな「トレゾア」や「レディ・コンステレーション」にて、新作が続々発表されています!
この記事では、オメガ 2021年新作モデルについて詳報致します!
目次
2021年オメガ新作①シーマスター300
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オメガ シーマスターを徹底解説!選ばれ続けるその理由
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径41mm×厚さ13.85mm |
素材: | SSまたはブロンズゴールド |
文字盤: | ブラックまたはブルー |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | コーアクシャル マスタークロノメーターCal.8912 |
パワーリザーブ: | 約60時間 |
機能
防水: | 300m |
定価: | 詳細下記 |
1957年に発売されたオメガ初本格プロフェッショナルダイバーズウォッチ・シーマスターの意匠を復刻した「シーマスター300」。2014年の登場以来、シーマスター屈指の人気を誇ってきました。
そんなシーマスター300にも、マスタークロノメーター認定ムーブメントがついに搭載されることとなりました!
しかも、よりヴィンテージらしい意匠を伴って―
さらには懐かしいのに全く新しい素材を開発して―
新型シーマスター300の実力とはいかに?
①新型シーマスター300でいや増したヴィンテージ感
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2021年新作シーマスター300は、まずステンレススティール製モデルから二機種(メタルバンド・革ベルトそれぞれ有)発表されました。伝統的なブラック文字盤と、爽やかなブルー文字盤です。
冒頭でもご紹介しているように、シーマスター300は1957年にオメガ史に登場した同名コレクションの意匠に則った復刻モデルです。
1957年はシーマスターの他、スピードマスターとレイルマスターの二つの歴史的「マスター」シリーズも同時にリリースされています。
シーマスターは1970年代にクォーツショックの影響があってか一時オメガのカタログから姿を消しますが、ダイバーズウォッチラインとして1990年代に名前が返り咲き、当該意匠もまた2014年に市場へと戻ってくることとなりました。
ちなみに前述の三部作は60周年にあたる2017年、「トリロジー」として限定モデルが打ち出され、そちらは中古市場で今なお非常に高い評価を得ております。
現在はファッション業界全体で「レトロ復刻」がトレンドとなっていることも、シーマスター300の人気を下支えしているのでしょう。
そして2021年、オメガはこのシーマスター300を刷新するにあたり、「よりファーストウォッチに近づける」ことを志したようです。ちなみに初期シーマスターは四つほどの系譜が存在しますが、1957年発表のCK2913に準じています。
※初期シーマスターCK2913の一つ。ただしこちらは1960年にアメリカ市場向けに出荷された個体であるためかロリポップ秒針はなく、また針もドルフィン型(経年の具合から、針は恐らくオリジナルと考えられます)
半世紀以上の時を経て刷新された2021年新作シーマスター300。まず特筆すべきは、文字盤の存在でしょう。
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特徴的なアラビアインデックスは初期型を再現しており、また針も初期に近づけるため再設計されることとなりました。と言うのも時針のアロー型は従来のシーマスター300と同様ですが、秒針がロリポップスタイルに!これまたCK2913で採用されていた意匠であり、オメガおよびモデルロゴのみというすっきりとした文字盤デザインと相まって、古き良き時代のスポーツウォッチを思わせます。
ちなみにこの文字盤は「サンドウィッチダイアル」となっています。これはかつてパネライで主流であった二層構造文字盤で、下層プレートにヴィンテージのスーパールミノヴァ夜光を塗布したベースが、そして上層にインデックス部分を凹ませたプレートが載せられ、独特の立体感と高級感を醸し出します。
なお、ベゼルがわずかに細くなっているようで、文字盤面積が広がりました。ベゼルのスケールにも夜光が施され、かつ従来のセラミックではなく陽極酸化処理を施したアルミニウム製ベゼルを採用することで、ヴィンテージテイストと堅牢性を両立していることも大きな特徴です。
さらにヴィンテージ感を向上させる試みとして、サファイアクリスタルガラスがドーム型になっていることも欠かせません。
近年この形状を採用するブランドが増えてきたとは言え、サファイアクリスタルは大変加工が難しい素材のうちの一つです。しかしながら1950年代当時のシーマスターのプラスティック風防を彷彿とさせるこの形状によって、より歴史に敬意を表したスタイルを確立しました。
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搭載するムーブメントはCal.8912。
ついにシーマスター300でも、マスタークロノメーター認定機に載せ替えられることとなりました(コーアクシャルは既存のCal.8400にも搭載されていました。また、2017年発表のトリロジーモデルではダイバー300M等でも搭載されてきたマスタークロノメーターCal.8806が採用されています)。
このCal.8912はシーマスターの中でも1200m防水を誇るプロプロフやプラネットオーシャンの特別モデル等で活躍してきた背景を持ちますが、意外にも当該ムーブメントへの載せ替えによってケース厚は1.2mmほど薄くなっており、よりヴィンテージに近づいたと言えるでしょう。
このムーブメントは例によってシースルーバックから鑑賞できるという、現代の特権を活かしたヴィンテージ「風」であることも嬉しいポイントですね。
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その他変更点としては、ブレスレットもまた再設計され、ポリッシュ仕上げが外側に、センターコマはサテン仕上げが施されるように。
また、リューズも内側に向けてややシェイプしていることが見て取れます。
定価はメタルブレスレットモデルが77万円、革ベルトモデルが726,000円、いずれも税込。
従来のRef.233.30.41.21.01.001は748,000円に設定されてきましたが、マスタークロノメーター認定機となったことを鑑みれば、良心的な予価ではないでしょうか。
2021年4月~販売予定とのことです。
②ブロンズ?ゴールド?新素材モデルの実力
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実はシーマスター300に、もう一つ新しいモデルが登場しています。そう、全く新しいモデルが。
この独特の色調をした新作シーマスター300は、オメガが特許取得中の新素材「ブロンズゴールド」なるものが扱われていると言うのです。
ブロンズ(銅)もまた、ヴィンテージ潮流を語るうえで欠かせない素材です。
ステンレスやゴールドとはまた違った渋みのある風合いであること。加えてブロンズは酸・塩分・湿気に弱く、長年の着用によって変色することが特徴となりますが、この経年劣化を近年では「ポジティブな変化」と捉え―エイジングと称することもあります―、愛好家にとっては非常に大きな魅力を湛えた素材と考えられているのです。
一方でブロンズのエイジングは必ずしも希望通りの変色を遂げるとは限りません。またブロンズの酸化しやすい特性上、金属アレルギーを誘発する可能性があります。肌の弱い方だと躊躇してしまうこともあるでしょう。
そこでオメガでは「独自の配合により肌に直接着けられるブロンズ合金」を誕生させることとなりました。
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そうして生まれたブロンズゴールドとは、銅に9Kゴールド(金の含有率が37.5%),そしてパラジウムや銀を合金していることが特徴です。
金やパラジウムといった酸化しづらい素材を配合することで肌に直接触れられるブロンズ素材を生み出したこと。加えて経年変化は起こるもののその速度はゆっくりで、愛用していきながら本来の美しさを楽しむことができるというのです。
また、色合いもブロンズともイエローゴールドとも異なっており、オメガ曰くセドナゴールドとムーンシャインゴールドの中間だとか。
※ムーンシャインゴールド素材を使ったスピードマスター(画像出典:https://www.omegawatches.jp/ja/)
さらにサンドイッチダイアルはブロンズ合金を、そしてブラウンカラーのセラミック製ベゼルをあしらうことで、よりクラシカルな印象をまとうこととなりました。ちなみにブラウンレザーストラップと同じくブロンズゴールド製尾錠が組み合わされています。
搭載するムーブメントはステンレススティール製モデル同様、コーアクシャル×マスタークロノメーター認定のCal.8912。
定価は税込1,364,000円。こちらは2021年6月販売予定とのことです。
2021年オメガ新作②シーマスター ダイバー300M 43.5mm ブラックブラック
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径43.5mm×厚さ14.47mm |
素材: | ブラックセラミック |
文字盤: | ブラック |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | コーアクシャル マスタークロノメーターCal.8806 |
パワーリザーブ: | 約55時間 |
機能
防水: | 300m |
定価: | 1,023,000円(税込) |
2018年、誕生25周年を祝してコレクションの刷新が図られたシーマスター ダイバー300M。ちなみに前項のシーマスター300と名前が似ていますが、300m防水というスペックは同一であるものの、こちらはモダンなダイバーズウォッチコレクションとなります。
そんなシーマスター ダイバー300Mは素材やカラーにバリエーションが豊富なことも魅力の一つですが、この度オールブラック仕様のとにかくかっこいいモデルが追加されることとなりました!
オールブラックもまた、トレンドのうちの一つです。
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しかしながらことオールブラックと言うと、ウブロやタグホイヤーのイメージが強いかもしれません。オメガの昨今のモデルにもブラック基調のデザインは多かったものの、全てがブラック…といったコードはあまり見受けられませんでした。
しかしながら2021年新作として打ち出されたダイバー300Mでは、まさにオールブラック!
ブラックセラミックケースに独特のグレイン仕上げが施されたベゼルはマットな質感で、男らしく完成されました。ブラックラバーストラップが搭載されていることも、この精悍さをより強調しているように思いますね。
ちなみにセラミックを用いることは実用面でも優れています。酸化しづらく傷つきづらいため長く愛用していくなかで劣化を抑えることができるためです。また金属アレルギーを誘発しづらいという特性も有しており、肌の弱い方でも着用しやすいモデルとなりました。
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搭載するムーブメントは他のシーマスター ダイバー300M同様にコーアクシャル×マスタークロノメーターCal.8806。シースルーバックから鑑賞できるところも現代シーマスターの素晴らしいポイントですね。
予価は1,023,000円~。2021年7月販売予定。
ダイバー300Mは2018年の刷新以来、本当によく売れるモデルです。このオールブラックが加わることで、コレクションがさらに充実し、人気を押し上げるであろうことは想像に難くありません。
2021年オメガ新作③デ・ヴィル トレゾア スモールセコンド パワーリザーブ
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径40mm×厚さ10.7mm |
素材: | ステンレススティール,イエローゴールド,セドナゴールド |
文字盤: | シルバー他 |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | コーアクシャル マスタークロノメーターCal.8326他 |
パワーリザーブ: | 約72時間 |
機能
防水: | 30m |
定価: | 詳細下記 |
1960年から続くオメガのドレスライン「デヴィル」。
仏語で街や都会を意味するこのラインは、もともとはシーマスターの派生モデルでした。しかしながら1967年に独立コレクション化を果たし、以降、美しくもオシャレで多彩なバリエーションが楽しめるラインとして確立されています。
「多彩なバリエーション」と申し上げましたが、デヴィルの中でも実はさらにコレクションが細分化されます。
例えば定番の「プレステージ」。ケース側面をスケルトナイズして全く新しいドレスウォッチを提示した「アワービジョン」。そして2018年に新ラインとして発表された、宝を意味する「トレゾア」・・・
2021年には、このトレゾアから特筆すべきモデルが多数追加されることとなりました!
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もともとトレゾアとは、1949年にオメガが製造していた薄型ウォッチで市場に出てきた名称でした。
その後約70年の時を経てデヴィルコレクションとして復刻することとなりましたが、2021年新作では二つのサブダイアルを伴った、美しいレイアウトの文字盤を携えています。
6時位置にクラシカルなスモールセコンド、そして12時位置にパワーリザーブインジケーターが配置されていますが、このサブダイアルには美しいスネイル仕上げ(カタツムリの殻のような渦巻状の仕上げのこと)が施されており、ドレッシーな装いです。ちなみにシルバー文字盤の他にグレーやブラックカラー等もお楽しみ頂けます。
さらにドーム型サファイアクリスタルガラスを採用することで、1949年当時の古き良き時代のレトロウォッチを想起させもしますね。
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なお、「1949年に製造されていたオメガウォッチ」をしてトレゾアと呼びましたが、実はこの「宝」とはオメガの伝説的な30mmキャリバーを指しています。このムーブメントはクロノメーター規格を突破した高精度キャリバー。さらに当時から堅牢性やメンテナンス性にも優れていたことから、オメガ自身が伝説的と称します。
30mmキャリバーのレガシー、そして機械式時計の卓越性を語るために、2021年新作トレゾアに搭載された手巻きムーブメントもまたきわめて優れた性能を誇ることとなりました。
この手巻きキャリバーはコーアクシャル×マスタークロノメーター認定であることは言わずもがな。さらに72時間ものロングパワーリザーブを有していることが大きな特徴となります。
ちなみに先ほどから言及しているマスタークロノメーターとはオメガとMETAS(スイス連邦軽量認定局)がタッグを組んで開発した時計の工業規格で、15,000ガウスもの超高耐磁性能を有します。
つまり、これほどまでにドレッシーなデザインでありながら、磁気帯びのリスクが低減されるという、現代人にとっては大いに求めてきたドレスウォッチと言えるのではないでしょうか。
なお、予価は以下の通りです。
SSモデル:891,000円
セドナまたはイエローゴールドモデル:2,057,000円
SS×ダイヤモンドモデル:1,518,000円
いずれも税込、2021年9月販売予定となっております。
2021年オメガ新作④レディースコレクション
オメガというと男性のイメージが強いかもしれませんが、近年では同一コレクション内でレディースラインの展開も大変目覚ましくなってまいりました。
彼女や妻へのプレゼントとして選ばれる方も多く、今後もニーズの高まりが予想されます。
そんなレディースオメガとして誕生した2021年新作はこちら。
シーマスター アクアテラ 34mm
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ダイバーズウォッチ色が強いダイバー300Mやプラネットオーシャンとは異なり、エレガンスが全面に出るシーマスター アクアテラ。
レディース人気も非常に根強く、クォーツの28mm、そしてコーアクシャル×マスタークロノメーター認定ムーブメントを搭載したモデルは34mmおよび38mmと、三種のサイズ展開が行われてきました。
2021年新作では、そんなアクアテラ 34mmサイズに華やかなモデルが追加されています。
ステンレススティール製ケースにセドナゴールドベゼルとリューズを採用したコンビモデルで、インデックスにはマーキスカットされたルビーがセッティングされています。波状の模様があしらわれたペールピンク文字盤もまた、フェミニンさとラグジュアリーさを醸し出しますね。
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さらにインデックスがダイヤモンドとなり、かつヌーディーな色合いをしたモデルも同時リリース。
高名なジュエラーが手掛けるタイムピースとも遜色のないデザイン性を誇ります。
コンステレーション スモールセコンド 34mm
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さらにレディースコンステレーションから、クラシカルなスモールセコンドを携えた34mmサイズが新作として発表されています!
英語で「星座」を意味するコンステレーションは、1952年に誕生しました。
もともとは「高精度ウォッチ」の象徴でしたが時代を経るに従って高精度なことはもちろん、男女問わず身に着けられるオシャレウォッチへと変遷していくこととなります。ちなみに現在のコンステレーションの系譜は第五世代に当たりますが、デザインコードが確立したのは1995年です。1982年から続く「マンハッタン」に分類されるデザインで、ベゼルにあしあらわれた四つ爪が何よりの特徴ですね。
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そんなコンステレーション、現行では29mmモデルのみの展開でしたが(36mmもありましたが、こちらはボーイズサイズとして展開されていました)、コーアクシャル×マスタークロノメータームーブメントを搭載した34mmモデルをこの度リリースしました。
レディースでは珍しくシースルーバックが採用されているので、時計好きの女性陣にとっては大きな朗報と言えるのではないでしょうか。
さらにレディースでは珍しくスモールセコンドであることも特筆すべき点です。
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ケース素材はSSまたはSS×セドナゴールド,あるいはオールセドナゴールド。シルバー・ブルー・ブラウン・シェル・ワインレッドカラーがベース文字盤となっており、さらに選択肢が増えていますね。
きわめて高い耐磁性能、さらに50m防水と相まって、アクティブに活躍する女性の大きな味方となってくれる2021年新作です。
まとめ
オメガがWatches & Wondersに先駆けて発表した2021年新作モデルについてご紹介いたしました!
新型スピードマスターにも言えることですが、今年も主要モデルでコーアクシャル×マスタークロノメータームーブメントへの載せ替えが進んでいることが見てとれます。オメガの強みでもある「実用性」が今後ますます高まっているのはファンとしては嬉しい限りですね。
また国内入荷が始まり実機を手にできましたら、レビューを含めて当サイトでお届けしていきたいと思います!
なお、新型スピードマスターについては、下記の記事をご覧ください。
2021年新作情報はこちら!
当記事の監修者
田中拓郎(たなか たくろう)
高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年