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速報!2021年パネライ新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
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出典:https://www.panerai.com/jp/ja/panerai-luminor-watchesandwonders-2021.html
世界中にファン「パネリスティ」を多数抱えるパネライ。
軍用時計にそのルーツを持つブランドストーリー,一目でパネライとわかるアイコニックな表情,そして男らしさを感じさせる製品群に魅了される愛好家は少なくないでしょう。
一方で近年ではユーザーの様々なライフスタイルに合わせ、薄くスタイリッシュなモデルも手掛けるように。
そんなパネライが打ち出す、2021年新作とは?
目次
パネライ2021年新作①ルミノール クロノ
出典:https://www.panerai.com/jp/ja/panerai-luminor-watchesandwonders-2021.html
スペック
外装
型番: | PAM01109 / PAM01218 / PAM01110 |
ケースサイズ: | 直径44mm×厚さ15.65mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | eSteel |
ムーブメント
ムーブメント: | P.9200 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約42時間 |
機能
防水: | 10気圧 |
予価: | ストラップ:110万円 / ブレスレット:121万円(いずれも税込) |
パネライのフラグシップ・ルミノールより、久々にルミノール クロノの新作が追加されました!
ルミノール マリーナに代表される当該シリーズにクロノグラフモデルはそう多くはありませんが、実は通なパネリスティから根強い人気を集める一大ジャンル。
とりわけ2000年代に入ってから意欲的に自社開発しているクロノグラフに名作は少なくありません。
初の自社クロノグラフとなるP.2004に始まり、近年では薄型かつパワーリザーブ72時間&フライバック機能を誇るP.9100,ここにレガッタクロノグラフ機構を備えさせたP.9100/Rを世に送り出してきました。
そして2021年、さらに全く新しい自社開発クロノグラフP.9200を搭載した、新型ルミノール クロノが誕生しています!
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クロノグラフの制御プッシャーを9時側ケースに備えた独創的なデザイン,ルミノール クロノで伝統的な44mmケース,スクエアフォルム,リューズプロテクタ…ブルー・ブラック・ホワイトのカラーバリエーションがリリースされていまいたが、いずれもサンドイッチ文字盤が採用されることとなりました。ちなみにブルー版はストラップの他、ブレスレットタイプもリリースされています。
※サンドイッチ文字盤…文字盤を二層構造とした仕様。夜光を塗布したボトムの文字盤の上に、バーインデックスやアラビア数字をくり抜いた文字盤を重ね合わせる。
目的は夜光を何度でも塗り直せるようにするためだが、二層構造によって立体感が醸し出され、「クラス感が増す」としてパネリスティが愛したパネライ仕様の一つとなった。なお、2015年頃からサンドイッチ文字盤が現行から消えたが、近年サブマリーナを中心に復活している
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クロノグラフ針と30分積算計の針がライトブルーに彩られており、爽やかな印象も備わりますね。
ちなみに新開発キャリバーP.9200は28,800振動/時,そして独自耐震構造を備えた精度・実用面ともに優れた機械です。
定価はストラップタイプが110万円、ブレスレットタイプが121万円。
現行のパネライ クロノグラフは高価格帯やスペシャルエディションが少なくありませんでしたが、パネライの中では良心的な価格設定に収まっているのではないでしょうか。
ルミノール クロノ ルナ・ロッサエディション
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同様に新キャリバーを搭載したルミノール クロノから、国際ヨットレースの権威『アメリカズ・カップ』の挑戦者代表チーム「ルナロッサ・プラダ・ピレリチーム」へのオマージュエディションがリリースされています!
これはまたかっこいいですね!
パネライは2019年より同チームとパートナーシップを結んでおり、この年にはサブマーシブルでルナ・ロッサのセーリング技術を再現した…そんな名作が誕生しました。
ルナロッサのチームカラーの一つである赤が差し色になっており、スポーティーに仕上がります。
パネライ2021年新作②ルミノール マリーナ eSteel
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スペック
外装
型番: | PAM01157 / PAM01356 / PAM01358 |
ケースサイズ: | 直径44mm×厚さ15.45mm |
素材: | eSteel |
文字盤: | eSteel |
ムーブメント
ムーブメント: | P.9010 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約72時間 |
機能
防水: | 300m |
予価: | 1,056,000円(税込) |
あらゆる産業で課題となっているサスティナビリティ。
日本語訳すると持続可能性となり、昨今の企業の社会的責任とされています。
どういうことかと言うと、ただ利益を追い求めるのではなく、地球の資源や生息する動植物が継続できるシステム・プロセスを構築することが求められる、ということ。人類は資源や動植物を過剰消費した結果、絶滅に追いやるのではなく、継続して共生の道を歩もうという取り組みです。
パネライは、このサスティナビリティに非常に意欲的な時計ブランドの一つです。
昨年も冒険家のマイク・ホーンエディションとして、氏が使ってきた帆船の一部パーツからリサイクルした新素材を用いた新作を発表しました。ちなみにその際、ラバーベルトもPET素材が再利用されています。
そして続く2021年、「eSteel」と題されたルミノール マリーナが三本、新作としてローンチされています。
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パネライと言えばコレ!といったアイコニックな表情のルミノール マリーナはそのままに、文字盤下部に「eSteel」のロゴが見受けられますね。
このeSteelとはパネライ曰く、「新しいリサイクルスティール合金」とのこと。なんでも時計の総重量の58.4%を再生素材ベースで作っているようなのです。
再生素材とは言え耐久性を維持し、また従来のルミノール マリーナ同様にベゼルはポリッシュ,その他はサテンに仕上げられています。300m防水が堅持されているのも実用的に優れていますね。
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もっとも、文字盤の様相は他のルミノール マリーナと若干異なります。伝統的なサンドイッチ文字盤となっていますが、ここにも素材にeSteelを用いています。
グレー・グリーン・ブルーの三色がラインナップされていますが、12時位置から6時位置にかけて美しくグラデーションしており、非常に洗練された印象を備えました。
搭載するムーブメントはルミノール マリーナでおなじみの自社製P.9010。高い精度と耐久性を維持しており、かつ72時間のロングパワーリザーブを誇ります。
なお、当新作もマイク・ホーンエディション同様、PETをリサイクルした素材がストラップに用いられました。ちなみにピンバックルや付属の化粧箱もリサイクル素材だとか。
このeSteelがどのような色合いでどのような質感なのかはわかりませんが、画像だけ見るとステンレススティール製と同様に美しく仕上げられているように見受けられます。
地球にとってもパネリスティにとっても、非常に喜ばしい選択肢が提供されたのではないでしょうか。
パネライ2021年新作③サブマーシブル ELAB-ID
出典:https://www.panerai.com/jp/ja/panerai-luminor-watchesandwonders-2021.html
スペック
外装
型番: | PAM011225 |
ケースサイズ: | 直径44mm |
素材: | eSteel |
文字盤: | Eco Titanium |
ムーブメント
ムーブメント: | P.900e |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約72時間 |
機能
防水: | 300m |
予価: | 7,458,000円(税込) |
もう一つ、パネライからサスティナビリティをテーマに据えた、偉大な新作がリリースされています。
「新作」とは言え実際の市販は2022年から、しかも定価は7,458,000円かつ世界30本生産と、一般ユーザーが気軽に買える一本ではないかもしれません。しかしながらパネライにとって、そして時計業界にとっても大変意義深い一本であることは間違いありません。
このサブマーシブルで実現された「偉業」は、パネライがアイデアの工房―Laboratorio di Idee―と名付けた研究・開発期間で製造されました。
落ち着いた色合いのベゼル,同様にツヤ消しで貫録をつけたケース,ルミノールでおなじみのリューズガード,さらにはムーブメントのブリッジ…これらを構成するのはリサイクル素材であることが、当新作の何よりの特徴です。その素材の名は、「エコチタニウム」とのこと。
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エコチタニウムは再生チタン合金で、航空宇宙分野でも耳目を集めている新素材。
そして文字盤と針の夜光もリサイクルされたスーパールミノバ、さらにはムーブメントの脱進機にリサイクルされたシリコンを用いて製造したという、まさに98.6%がリサイクルで実現している前代未聞の機械式時計なのです。ちなみにサファイアクリスタルガラス,ゴールドの針,ストラップ素材もリサイクル。
パネライ曰く、時計の全重量の98.6%がリサイクル素材とのこと!非常に驚くべき試みですね。
チタンゆえに軽量で耐久性にも富んでおり、300m防水と通常のサブマーシブルらしい優れた実用性を発揮します。
現段階では量産は難しいかもしれませんが、こういった機械式時計がリリースされることは、前述の通り業界全体にとって大変意義深いことだと思います。
これは一度、実物を手にしてみたい一本ではないでしょうか。
パネライ2021年新作④サブマーシブル ブロンゾ ブルー アビッソ
出典:https://www.panerai.com/jp/ja/panerai-luminor-watchesandwonders-2021.html
スペック
外装
型番: | PAM01074 |
ケースサイズ: | 直径42mm |
素材: | ブロンズ |
文字盤: | ブルー |
ムーブメント
ムーブメント: | P.900 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約72時間 |
機能
防水: | 300m |
予価: | 1,914,000円(税込) |
近年のブロンズ人気を作り上げたのは、何を隠そうパネライです。
ブロンズ(銅)は酸化しやすく、肌に身に着けていると汗や外気に触れて変色やサビを発生させます。そのため長らく高級時計には合わない素材と考えられてきましたが、近年ではこのブロンズの経年変化を「エイジング」と捉え、魅力として認識されるようになりました。チューダーやゼニス,ブルガリ等のブロンズ時計は有名ですね。
パネライでは2011年という早い段階からこの素材に着目したこと。加えてダイバーズウォッチというともすればブロンズとの相性は悪いと思われがちなコレクションで同素材を巧みに使ったことで、大きな成功を収めてきました。
出典:https://www.panerai.com/jp/ja/panerai-luminor-watchesandwonders-2021.html
そんなパネライのサブマーシブルからリリースされた2021年新作ブロンズモデルがこちらです!
「ABISSO」とはイタリア語で深みを意味しますが、この名の通りディープブルーカラーの文字盤・ストラップが、ブロンズの柔らかな色合いとよくマッチしていますね。
ちなみにサブマーシブルはルミノールコレクションから2019年より独立した関係で、文字盤のコレクションロゴが「サブマーシブル」のみとなり、すっきりとシンプルになったことでも高い評価を得ています。
搭載するムーブメントは自動巻きP.900。
パネライ屈指の薄型コレクション「ルミノール ドゥエ」でもおなじみのキャリバーで、上品な厚みを堅持しながらも、パワーリザーブ約3日間と十分なスペックを有します。
過去のパネライ ブロンズモデル同様、当新作も限定生産が採られ1000本のみとなります。気になる方は、早めに問い合わせてみましょう!
パネライ2021年新作⑤ルミノール クロノ モノプルサンテ 8デイズ GMT Blu Notte
出典:https://www.panerai.com/jp/ja/panerai-luminor-watchesandwonders-2021.html
スペック
外装
型番: | PAM01135 |
ケースサイズ: | 直径44mm |
素材: | ブラックセラミック |
文字盤: | ブルー |
ムーブメント
ムーブメント: | P.2004 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約8日間 |
機能
防水: | 100m |
予価: | 2,750,000円(税込) |
モノプルサンテの名前の通り、プッシャーを一つのみ携えたクロノグラフモデル。
2009年よりパネライ マニュファクチュールシリーズとしてラインナップされてきましたが、2021年にはブラックセラミック×ディープブルーという、なんともトレンドを上手に取り入れた至極の銘品を投入してきました。
出典:https://www.panerai.com/jp/ja/panerai-luminor-watchesandwonders-2021.html
モノプルサンテ 8デイズ GMT Blu Notteはワンプッシュクロノグラフ,GMT,そして8日間もの超ロングパワーリザーブを備えていることが特徴です。
一つのプッシャーでクロノグラフのスタート・ストップ・リセット全てを制御でき、フォルムを損ねず複雑機構をお楽しみ頂けるでしょう。
6時位置のパワーリザーブインジケーターも、ルミノールの顔立ちに程よいアクセントを加えますね。
定価275万円と今回の新作の中でもなかなかのハイエンドですが、好きな方にはたまらない一本と言えるでしょう。
まとめ
パネライの2021年新作モデルを発表致しました!
2019年,2020年に引き続き新素材の採用が目立ちましたが、とりわけ今年はサスティナビリティをテーマに、業界にとって非常に有意義な革新モデルをローンチしたと言えるのではないでしょうか。
例年、新作の国内入荷は5~6月頃。パネライの名作の数々を手に取ることが、何よりも楽しみです!
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年