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速報!2021年パテックフィリップ新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
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出典:https://www.patek.com/en/home
世界最高峰ブランド・パテックフィリップもまた、2021年からはオンライン上でWATCHES & WONDERSに参画することとなりました。
バーゼルワールド時代は「BIG5」の一角として数え上げられ、大いに話題をさらってきた同社。発表前から、色々な噂が飛び交っていたことも事実です。とりわけノーチラスの動向は、業界全体で注目するところ。
近年、世界的な需要の高まりとともに実勢相場も青天井知らずの、話題のパテックフィリップ新作とは?
目次
パテックフィリップ2021年新作 アクアノート クロノグラフ 5968G
出典:https://www.patek.com/en/home
スペック
外装
型番: | 5398G-001 / 5398G-010 |
ケースサイズ: | 直径42.2mm×厚さ11.9mm |
素材: | ホワイトゴールド |
文字盤: | ブルーまたはグリーン |
ムーブメント
ムーブメント: | CH 28-520 C |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 最大55時間 |
機能
防水: | 12気圧 |
予価: | 7,953,000円(税込) |
まだ時計業界最大の新作見本市がバーゼルワールドと呼ばれていた2018年。突如としてパテックフィリップ アクアノートコレクションに、クロノグラフモデル Ref.5968A-001が追加されたことが記憶に新しい方もいらっしゃるかもしれませんね。
Ref.5968A-001はステンレススティール製ケース、そしてブラックをベースとした文字盤に針,ミニッツサークルにオレンジカラーがワンポイントとなった、レーシーな印象の強い一本でした。ちなみに他のアクアノートコレクション同様、堅牢性と耐紫外線に長けたトロピカル・コンポジットバンドを搭載しますが、2018年のクロノグラフモデルではヴィヴィットなオレンジカラーバンドも同時に付属しており、パテックフィリップには珍しいテイストとして話題になったものです。
もっとも、アクアノート クロノグラフ 5968Aはメーカーホームページには掲載されているものの、市場への出回りは限定的でした。スポーツウォッチ人気の過熱もあり、気になっていた方も多いのではないでしょうか。
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あれから3年。
2021年、バーゼルワールドからWatches & Wondersへと新作見本市が移行しますが、この開催期間にかかわらずゲリラ的に新作発表をオンライン上で行うブランドも増えてきました。
パテックフィリップもしかり。Watches & Wondersの開催から約1か月を経た5月27日、突如として新型アクアノートがローンチされることとなったのです。
ちなみにWatches & Wondersでは、新カラーのノーチラスや全く新しいキャリバーを載せたカラトラバ等、凄まじいまでの顔触れで業界を沸かせたパテックフィリップ。続くアクアノートでは、待望のクロノグラフモデルの続編が出ることとなりました。
今作では、ホワイトゴールド製ケースをまとっており、さらに文字盤は今最も熱いといって過言ではないブルーとグリーンカラーが採用されることに。
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文字盤カラーの定番と言うとブラックやホワイト,シルバーが挙げられるかもしれません。しかしながら2021年、一世を風靡したと言っても過言ではないのがブルーとグリーンでしょう。とりわけパテックフィリップでは、不朽の名作ノーチラスにおいて、ブルー・グリーンで時計業界を大いに賑わせてきました。
なぜなら詳細は後述しますが、ノーチラスの定番モデル5711/1Aで、ブルーからグリーンへのモデルチェンジが敢行されたためです。
とりわけノーチラス 5711/1A-010と型番が振られていたブルー文字盤が2021年に生産終了したことで、実勢相場が急上昇。その相場は1500万円超えという、ステンレススティール製とは思えないような形勢を描いてきました。
そんな5711/1Aと同様に美しいブラックブルー文字盤を備えたアクアノート。しかもクロノグラフが搭載されているとあって、これが人気の出ないはずはありません。
もちろんカーキグリーン文字盤も特筆すべきカラーリングです。2019年、3針モデルの5168Gでも採用されたこのカラーは、アクアノートの持つスポーティーテイストを存分に引き出すとあって、非常に高い評価を獲得してきたためです。
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それぞれ同系色のコンポジットバンドを備えているため、統一感ある仕上がりですね。
アクアノート由来の格子柄パターンが、ノーチラスとはまた違った独創性をも醸し出します。
ちなみにホワイトゴールド製インデックスと針にはスーパールミノバ夜光が塗布されているため、暗所での視認性にも考慮されました。
搭載するムーブメントは、2018年に発表されたSSモデルと同様に自動巻きCal.CH28-520 Cです。
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基本の2針の他、センターにはクロノグラフ針を。また6時位置に60分積算計,3時位置にデイト窓が備わりました。ちなみにCal.CH28-520 Cはクロノグラフ作動時でもパーツ摩耗がきわめて少ないため、クロノグラフ針を秒針としてもお使い頂けることがミソです。
シースルーバックから21kローズゴールド製のローター他、丁寧な仕上げが施された機械を鑑賞できるのも、パテックフィリップがターゲットとする「時計好事家」の心をくすぐりますね。
なお、クロノグラフ搭載機でありながら、アクアノートのケースサイズは直径42.2mm×厚さ11.9mmに抑えられました。もちろん、従来の12気圧防水のスペックは残したままです。
このアクアノート、繰り返しになりますが、人気が出ないはずはない、と言えます。しかしながら出回りがいつになるか,またその実勢相場がいかほどを記録するかは予測不能です。
なぜなら既にご存知の諸氏も多いように、アクアノートはノーチラスに次ぐ実勢相場の急騰を見せるコレクションであるためです。
事実、アクアノートの基幹モデルであるRef.5167/1A、中古であっても600万円前後という値付けがなされている状況。さらにパテックフィリップ自体が大量生産とは無縁のメゾンであるがゆえに、発表後すぐに市場への出回り…というのは期待できないかもしれません。
そうは言っても、新型アクアノート クロノグラフの実機を手にするところを、願ってやみません。
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ちなみに、レディースラインにあたるアクアノート ルーチェからも新モデルが追加されました。レディースアクアノートの誕生からちょうど15周年にあたる年であるため、刷新が図られたのでしょう。
ステンレススティール製クォーツモデルとローズゴールド製自動巻きモデルの2ラインから計5種の新作が追加され、アクアノートコレクションがいっそう華やかになりました。
こちらもまた、実機を早く見てみたいものですね!
パテックフィリップ2021年新作 カラトラバ 6119R / 6119G
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スペック
外装
型番: | 6119R / 6119G |
ケースサイズ: | 直径39mm×厚さ8.1mm |
素材: | ローズゴールドまたはホワイトゴールド |
文字盤: | シルバーまたはチャコールグレー |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.30-255 PS |
駆動方式: | 手巻き |
パワーリザーブ: | 約65時間 |
機能
防水: | 30m |
予価: | 3,399,000円(税込) |
Watches & Wondersも終盤を迎える4月12日、パテックフィリップから新作コレクションがリリースされました!新作ノーチラスに続いて、豪華モデルが並びます!
まず最初にご紹介するのは、「世界の丸形時計の規範」「名門ドレスウォッチの本質」などと名高いカラトラバから。2019年に惜しまれつつも生産終了したクル・ド・パリ装飾美しきRef.5119。カラトラバ新作は、その系譜を受け継いだ一本でした。
※Ref.5119
カラトラバ Ref.5119に代表されるデザインコードは、その歴史の中で非常に目立って見受けられます。
カラトラバと言うと、薄くフラットなベゼルやオビュ(砲弾型)の植字インデックス,ドフィーヌ針を搭載した「96(クンロク)」が有名かもしれません。しかしながら「もう一つのカラトラバ」と称されるデザインコードがあり、それがこの5119のような意匠です。
すなわち、直線的なラグ,クル・ド・パリと呼ばれるギョーシェ(ホブネイル)装飾が施されたベゼルです。
もっとも2021年新作カラトラバ、5119の完全な後継機というわけではありません。
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パテックフィリップはRef.3919(1985年~2006年頃まで)およびRef.5919(2006年~2019年まで)のトリビュートと称しながらも、ラグやケースサイズを再設計。そして初代Ref.96から着想を得た文字盤意匠で仕上げたとのこと。
確かにRef.3119や5119は直線ラグが印象的ですが、新作ではクンロク系に近い形状となっています。また、ケース直径も39mmへとアップサイジングされています。
さらに特筆すべきは、「全く新しい手巻きムーブメント」。パテックフィリップはこの新作カラトラバのために、新設計Cal.30-255 PSを開発しました。
カラトラバのスモールセコンドモデルはCal.215PSが代表的ですが、こちらは直径37mmケースに収められていたため、新たなムーブメントを必要としたのでしょう。
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Cal.30-255 PSはツインバレルによってなんとパワーリザーブを約65時間まで延長しました。従来、カラトラバのパワーリザーブは「ロング」というほどではありませんでした。Cal.215も、約44時間程度。そのため利便性は非常に高まっていると言えますね。
直径は大きくなっていますが厚みは215と同様に2.55mmで、28,800振動/時と両立されています。さらにパテックフィリップではあまり積極的に採用されてこなかった、ハック機能が搭載されています。
新型カラトラバは、シルバー文字盤のローズゴールド製モデルとチャコールグレー文字盤のホワイトゴールド製モデルの二機種がラインナップされることとなりました。
近年のパテックフィリップ人気はノーチラスに集まりがちでしたが、この新作はまた時計市場に新しい風を吹き込むのではないでしょうか。
パテックフィリップ2021年新作 コンプリケーション 4947/1A
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スペック
外装
型番: | 4947/1A |
ケースサイズ: | 直径38mm×厚さ11mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | ブルー |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.324 S QA LU |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 最大45時間 |
機能
防水: | 30m |
予価: | 5,511,000円(税込) |
アニュアルカレンダー搭載のコンプリケーションモデルに、ステンレススティールのバリエーションが追加されました!
パテックフィリップのアニュアルカレンダーの歴史は、1996年から始まります。
年次カレンダーとは、2月末日以外は大の月・小の月を自動修正してくれる機能で、手動での操作がいりません。
これまでゴールドまたはプラチナモデルがラインナップのメインでしたが(年次カレンダー×クロノグラフモデルは2014年にステンレスで出ていましたが、生産終了となりましたね)、扱いやすい素材でリリースされたことは、ファンにとって大変喜ばしいのではないでしょうか。
また、Cal.324 S QA LUを搭載した年次カレンダーモデルは2015年にリリースされているのですが、ケース直径38mmとわずかに小ぶりで、女性をターゲットにしたモデルでした。確かに現行のRef.4947はベゼルにダイヤモンドがセッティングされており、フェミニンなイメージです。
しかしながら2021年に出た当新作は、サイズは変わらず38mmであるものの、紳士にも似合うシャンタン装飾のブルー文字盤が携えられています。
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なお、パテックフィリップでステンレススティール×ブルー文字盤と言うと、今を時めくノーチラス 5711/1Aがまず思い浮かぶのではないでしょうか。
しかしながらブルーの5711/1Aは生産終了。また、詳細は後述していますがグリーン文字盤としてリリースされた新作が、同コレクションの打ち止めになる…なんてこともパテックフィリップから示唆されています。
しかしながらこのブルー&コンプリケーションとしての機能美が素晴らしい当年次カレンダーもまた、人心を掴む魅力を放っていると思われます。スポーティーさを兼ね備える5列リンクのブレスレットも、従来の年次カレンダーとはまた違った印象を残しており、これはノーチラスに匹敵する需要を喚起するのではないでしょうか。
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ちなみにパテックフィリップのアニュアルカレンダーは、「視認性の高いコンプリケーション」としての評価も大変高いものがあります。コンプリケーションにありがちなごちゃごちゃとした感じがありませんよね。
曜日・月のインダイアルとムーンフェイズ,そして6時位置のデイト窓が、すっきりと収まって一つの作品に仕上がっています。
なお、シースルーバックからはムーブメントをご鑑賞頂けます。
年間どれくらいの数製造されるのかは定かではありませんが、これはまた2021年、最も耳目を集める新作のうちの一つと言えるでしょう。
パテックフィリップ2021年新作 ノーチラス 5711/1A-014
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スペック
外装
型番: | 5711/1A-014 |
ケースサイズ: | 直径40mm×厚さ8.3mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | グリーン |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.26‑330 S C |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 最大45時間 |
機能
防水: | 120m |
予価: | 4,015,000円(税込) |
ラグジュアリー・スポーツウォッチの代表格として長らく君臨するパテックフィリップ ノーチラス。
とりわけステンレススティール製の5711/1Aの、近年類を見ない急騰は著しく。1000万円超えという実勢相場を記録してきました。
しかしながらこのステンレススティール製ノーチラス、2020年に白文字盤が、そして2021年に大人気の青文字盤が生産終了となります。これに伴い「ステンレススティール製ノーチラスはパテックフィリップのカタログから消えるのでは」と囁かれてきました。
ちなみに今後は金無垢のみのラインナップになる、とか、チタン製が出る、とか…色々な憶測が飛び交ったものです。
そして2021年、ついにそのベールが明かされると、なんとこれまでのノーチラスでは見受けられなかったオリーブグリーン文字盤のSSノーチラスが、新たに誕生することとなりました!宣材を見ると、かなり美しくてノーチラスの雰囲気にマッチしていますね!
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ちなみにオーデマピゲも、ロイヤルオークでグリーン文字盤をいくつかリリースしました。中にはノーチラス並みにプレミア相場を更新し続けているロイヤルオーク エクストラシンでもその存在を見ることができます。すなわち、今年の時計業界のラグスポトレンドはグリーンになるのでしょうか。
ディテールを見ていくと、基本的に文字盤カラー以外は大きな変更点はなく、コスメティックチェンジの位置づけに思われます。
ジェラルドジェンタ氏が手掛けた不世出のフォルム,きわめて薄いケース・ブレスレット設計,世界最高峰の仕上げ…極上のノーチラスは引き継がれていますね。
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搭載するムーブメントは2019年頃より載せ替えが行われてきたCal.26-330SC。
従来は324SCがノーチラス3針モデルに採用されていましたが、新キャリバーによってハック機能が搭載され、またカレンダー操作禁止時間帯が取り払われたことが大きな特徴です。
※カレンダー操作禁止時間…クイックチェンジを伴うカレンダー機構に設けられる、操作禁止の時間帯。一般的には20時~4時。
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シースルーバックから当該名機を鑑賞できるところも、従来のノーチラスから踏襲されました。
なお、定価は旧ノーチラス 5711/1A-010(青文字盤)が税込3,872,000円であったことに対し、新作定価は4,015,000円。約14万円の値上げとなりました。
もっとも、新作の登場で気になるのは、今後の5711系の実勢相場ではないでしょうか。
現状、5711/1Aの青文字盤が生産終了となったことを契機に、新品1500万円超え、中古であっても1300万円~という驚くべき急騰を遂げました。確かに新型コロナウイルスの影響で時計市場全体の相場が上がっていますが、ここまでの上り幅は異例中の異例です。
新作がリリースされたことで、この狂騒は落ち着く可能性もあります。
とは言え世界最高峰であるがゆえ、少量生産のパテックフィリップ。
2021年新作としてリリースされた5711/1Aが出回るのはかなり先になると思われます(最近の実勢相場の上昇を受け、転売防止にパテックフィリップが厳格な購入制限を設け始めたことも影響して)。
また、長らく権勢を誇ってきた青文字盤自体の復刻はなかったことも併せて鑑みるに、まだまだノーチラスは右肩上がりの相場を続ける可能性が高いとみられます。
いずれにせよ、2021年もノーチラスから目が離せない一年となりそうです!
なお、ベゼルにバゲットカットをセッティングした、ハイエンドラインのSSノーチラス 5711/1300Aもリリースされました。パテックフィリップのようなハイメゾンで、SSモデルにダイヤを載せてくるのは珍しいですね!
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もっともノーチラス自体に、ベゼルダイヤは珍しいのですが…(5724Gも昨年生産終了となりましたし)。
スペックは5711/1Aと同一です。
なお、定価は10,868,000円(税込)。こちらは5711/1Aを超えて稀少性が高くなるかと思われますが、いずれ実機を手にしてみたいですね!
パテックフィリップ2021年新作 ノーチラス トラベルタイム×クロノグラフ 5990/1R
出典:https://www.patek.com/en/home
スペック
外装
型番: | 5990/1R |
ケースサイズ: | 直径40.5mm×厚さ12.53mm |
素材: | ローズゴールド |
文字盤: | ブルー |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.CH 28-520 C FUS |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 最大55時間 |
機能
防水: | 120m |
予価: | 12,232,000円(税込) |
もう一本、ノーチラスから特筆すべき新作がリリースされました!2014年バーゼルワールドで発表されて以来、5711系と同様にノーチラス人気を牽引してきたトラベルタイム×クロノグラフモデルの5990です!
ノーチラス 5711で青文字盤が生産終了となったためでしょうか。こちらで青文字盤がラインナップ追加されることとなりました。
もっとも外装素材はハイエンドのローズゴールド!ずっしりと重みのある特別なノーチラスとして、憧れを抱く方は少なくありませんね。
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ちなみにこのトラベルタイム×クロノグラフを簡単に解説すると、「トラベル」の名の通りローカルタイムの他、第二時間帯も表示させられる機構です。
センターに配置されたGMT針(スケルトンとなっている方)を用いて視認する…という、一見すると一般的な機構ですが、パテックフィリップは3時・9時位置の小窓でローカル・ホームタイムの昼夜表示を行います。すなわち、お昼が白板、夜が青板。
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このトラベルタイムの操作方法もユニークで、9時側のプッシャーで針を進めたり遅らせたりすることが可能です。ノーチラスのフォルムを損なわないように上手にセッティングされたプッシャーもにくい演出ですね。
なお、クロノグラフ操作は3時側に設けられたプッシャーで行います。
12時位置のポインターデイト,6時位置の60分積算計…「秒針は?」と思うかもしれませんね。
搭載するCal.CH 28-520 C FUSは非常に優れた設計を備えているためクロノグラフ作動時のエネルギー消費がきわめてエコで、クロノグラフ秒針をずっと稼働させ、秒針のような役割を果たすことができるのです。
これによってスモールセコンドを持たない、すっきりとした文字盤レイアウトを可能としました。恐るべし、パテックフィリップ。ちなみにクロノグラフはフライバック式(クロノグラフ稼働時でも、リセットボタンを押せば即座にゼロリセットされる機構のこと)です。
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新作5990/1Rでもムーブメントは踏襲されており、シースルーバックからご鑑賞いただけます。
ラグジュアリースポーツウォッチ市場の主役はこれまでステンレススティールモデルでした。しかしながら、これほどまでに見事な機構を備え、かつ我々を虜にする青文字盤を備えた当該新作。
出回りがいつになるかは想像もつきませんが、多くの愛好家の耳目を集めていると言えるでしょう。
なお、定価は12,232,000円とのことです。
パテックフィリップ2021年新作 グランドコンプリケーション パーペチュアルカレンダー 5236P
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スペック
外装
型番: | 5236P |
ケースサイズ: | 直径41.3mm×厚さ11.07mm |
素材: | プラチナ |
文字盤: | ブルー |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.31-260 PS QL |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 最大48時間 |
機能
防水: | 30m |
予価: | 14,949,000円(税込) |
もう一つ、パテックフィリップから特別な新作モデルが追加されています。
一見するとシンプルなこちら。
実は、非常に画期的な「インライン パーペチュアルカレンダー」、すなわちデイト・デイ・月を一列に並べたパーペチュアルカレンダーなのです。確かにこの形状は、めったに見かけません。
既に1972年に、アメリカ市場向けに製造された懐中時計で同レイアウトを実現していたようですが(現在、パテックフィリップミュージアムに展示)、腕時計としてはパテックフィリップ史上初のこととなります。
一列のラインにまとめることですっきりとシンプルな外観になりましたが、パテックフィリップは今回の新作発表で「シンプルであることの難しさ」を語っています。この通りで、当該機構の実現に向けて、同社は新たに118のパーツを追加し、また三つの特許取得技術を用いました。
出典:https://www.patek.com/en/home
新開発されたムーブメントCal.31-260 PS QLはその美しさもさることながら、低消費エネルギーかつ高信頼性に優れた機械です。また、衝撃によってカレンダーディスクが干渉されることを防ぐための特許も適応されています。
従来のパーペチュアルカレンダーでは21,600振動/時が多かったですが、28,800振動/時へとハイビート化している点も特筆するべきでしょう。
パテックフィリップのグランドコンプリケーションはなかなか市場に出回りません。しかしながら時計愛好家に「一度は会いたい」と思わせる。今年も、そんな魅惑のグランドコンプリケーションがコレクションに追加されることとなりました。
パテックフィリップ2021年新作 ノーチラス 7118/1450R
出典:https://www.patek.com/en/home
スペック
外装
型番: | 7118/1450R |
ケースサイズ: | 直径35.2mm×厚さ8.65mm |
素材: | ローズゴールド×パヴェダイヤ |
文字盤: | ダイヤモンド |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.324SS |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 最大45時間 |
機能
防水: | 30m |
予価: | 42,119,000円(税込) |
ボーイズノーチラスから、パヴェダイヤをセッティングした、まばゆい2021年新作が登場しています!
Watches & Wonders Geneveに先駆けて、トウェンティ-4の新作発表を行っていたパテックフィリップ。
近年ではレディースモデルにも注力しており、世界中のセレブリティから支持を集めています。
もっともレディースと言うと、クォーツがメインかもしれません。
事実、パテックフィリップもまたレディースノーチラスではクォーツモデルをリリースしてきました。
しかしながら7118系は機械式。長らくパテックフィリップの基幹ムーブメントとして活躍している324系を備えています。
シースルーバックから鑑賞できる仕様となっていることも特筆すべき点ですね。
本格派時計として、今後レディース市場をも席巻していってほしいところです!
まとめ
パテックフィリップより、いち早く公開された2021年新作モデルをご紹介いたしました!
話題のノーチラスはもちろん、アップサイジングされたカラトラバにステンレススティール製のコンプリケーション…やはり2021年の時計業界の話題をさらってくれそうな、パテックフィリップ新作ラインナップでした。
パテックフィリップはハイメゾンであるがゆえに少量生産。そのため国内入荷がどのような状況となるかはわかりませんが、当店でも仕入れを頑張っていきたいと思います!
当記事の監修者
田中拓郎(たなか たくろう)
高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年